ファイツ(ポケットモンスターSPECIAL)

登録日:2018/07/03 Tue 01:08:57
更新日:2025/07/08 Tue 19:10:59
所要時間:約 5 分で読めます







はじめまして、ファイツです!




ファイツとは『ポケットモンスターSPECIAL』の登場人物で、第11章(B2W2編)のもう一人の主人公である。一人称は「あたし」。
ブラック2・ホワイト2版の女主人公をモデルにしたキャラクターであり、名前は「ホワイト2」を縮めたもの。


●プロフィール
メイン担当:第11章
  誕生日:9月16日
   星座:ゴチミル座
   年齢:12歳(第11章時)
  出身地:ホワイトフォレスト

チェレンが先生を務めるヒオウギシティのトレーナーズスクールに転校してきた少女。

ポケモンバトルの実力は高めで、ポケモンリーグベスト8を取ったペタシがいる75期生の中でも抜きんでた実力の持ち主。
実践講座で勝ち抜いたことでラクツとともにポケモン図鑑の所有者となる。

この時、タマゲタケ一匹で圧倒的に相性が不利なはずのシンボラーを撃破するという並外れたセンスを発揮したが、目立つことを嫌がっているらしく、当の本人は戸惑いと後悔を覚えていた。図鑑を受け取ることも最初は拒否していた。

さらに、学校中の女子をナンパしているラクツからは御多分に漏れず積極的に距離を詰められており、それにもドギマギしつつ、少しは意識をしている節がある。

例によって、ポケスペ恒例の女主人公デザインなので胸は増量気味。ただしスタイルは一つ次の後輩には及ばない模様。

追記・修正は信じるものに一途な人にお願いします。











あたし、これからどうすればいいの?

教えてほしい、早く戻ってきてほしい……。

N様……。

しかし、その正体は元プラズマ団員であった。

トレーナーズスクールに転校してきたのは、元育て屋でプラズマ団員でもあった母親の勧めによるもの。

周囲の視線を恐れるのも、図鑑をもらうのを拒絶したのも、今もプラズマ団としての意識を持っているゆえである。


◇人物

Nへの信奉はとても激しく、母親から渡されたNの写真入りペンダントを肌身離さず身に着けるほど。

さらに、そのペンダントを失くしたときは

バチが当たったんだ!N様以外の男子の夢なんか見たから…!!バチが当たったのよ!!

と、自らの不義を恥じるなど、信奉というよりもはや帰依に近いレベルである。
11章開始段階で行方不明だったNの再臨を待ち望んでおり、基本的な行動理由は「N様に会いたい」である。

Nからは思想面でも多大な影響を受けており、図鑑の使用に抵抗があるのみならず、モンスターボールを一度も使っていなかった(53巻現在)。

今まで図鑑所有者たちは多彩なボールテクを見せてきたが、ここにきてボールへの嫌悪感すら抱いていた主人公が登場したのである…。
そのため、図鑑所有者でありながら御三家を終盤まで手にしておらず、やっと手にした経緯もホワイトからNのポカブ(ぶぶちゃん、ファイツ曰く「ぶぶちゃん様」)を預かるというものであった。


と、ここまで「ポケモン解放」というカルト思想への取りつかれ度合いとNへの依存心を記述してきたが、性格そのものは目の前の人やポケモンを放っておけない優しさがある。

さらに、ポケウッドの「ハチクマン」で「タマゲタケガール」なるヒーローを演じた際は、割とノリノリで役に入りこんでいた。
(「Nに自分の存在を知らしめる」という目的のためでもあるのだが)

積極的に距離を詰めてくるラクツに対してはNへの信奉ゆえに拒絶反応を示してきたものの、ことある毎に優しくしてくれる彼に多少心を開きかけていた…が、
彼の本性を知ってからは、その手段を選ばない行動や自身の命令で発生するかもしれないポケモンへの被害と痛みを「自分は感情なんて分からない」と平然と軽視する姿勢に不信や反発を覚えている。
ただ、アクロママシーンを用いてキュレムを支配し、暴力をふるう現プラズマ団に対しては反対しており、その点ではラクツと協力する立場にあり、結局成り行きで共闘者に。エピローグでは何だかんだありつつも共に過ごした彼との別れに名残惜しいものを感じていた。

思想はカルトに飲み込まれ特定個人に過剰な信仰を抱いているが、それ以外は普通の女の子としての感情を有し、人としての優しさを持つファイツ。
思考・能力共に申し分なく、地位や周囲をだましきれる演技力もあるが、それは感情を理解できないがゆえにできることであるラクツ。

…お互いに普通の少年・少女としてかけ離れた内面を持ち、利害は一致しても理解は出来ない2人が激闘の終盤で出会ったのが、2真っ当に夢を抱く主人公だったことは、少なくともファイツにとっては救いだったろう。

容姿

基本的にはモチーフとなったB2W2の女主人公と同じだが、服の下には先述のペンダントを首から下げている。
また、部屋には旧プラズマ団の制服も隠しており、時折これに袖を通すことで心を落ち着かせている様子。


◇手持ちのポケモン

便宜上「手持ち」ではあるものの、実は自分から手を伸ばして一緒にいようとしたのはダケちゃんだけで、後は無理やりゲット・一時預かり・人からの引き取りというかなり珍しい状態である。

・ダケちゃん(タマゲタケ
♂。ファイツがプラズマ団の共同住居から出る際、連れてきたポケモン。人間に虐待された過去があり、プラズマ団によって「解放」されて救われた。
先述の通り、相性不利なはずのシンボラーを撃破したり、ホミカが苦戦するほどのプラズマ団員を相手に「クリアスモッグ」の一撃で撤退させたりと、高い戦闘能力を誇る。
ボールに入れられていない分、彼女の意思を先回りして行動することも多く、ピンチを救ってきた。
ただし、ファイツを守ろうとする意識がとても強いのか、彼女を傷つけると判断した者に対して容赦なく「キノコのほうし」を食らわせようとしたり、戦闘に巻き込まれたファイツを慌てて眠らせてしまったりと、トラブルを生むこともある。
なおプラズマフリゲートでのN曰く、ファイツを助ける理由は「頼りない人間をほっとけないから(意訳)」だそうな(それを聞いてファイツはまじへこみした)。
彼女が最初にダケちゃんを手にしたとき、ロット
「Nが英雄となりプラズマ団が勝利したら野に放つのだから、ポケモンに執着してニックネームをつけてはいけない」
と諭されたにもかかわらず、現在ニックネームをつけている理由は謎。
エンディングでは一端元の飼い主の所に返されようとしたが、「もういらないから手放した(意訳)」なるあんまりな発言によりそのままファイツの元に残ることに。
…でもその後Nがこの時のダケちゃんの意志を通訳したら、「これで正式にファイツ手持ちと呼べる」と発言、流石にファイツもその接続詞には慌てていた。

アギルダー
国際警察から権限を凍結されそれでも事態解決のため動かんとするラクツが、ファイツを戦力とするため入手させたポケモン。
その経緯は「ファイツにカブルモをゲットさせる(実際にボールを投げたのはダケちゃん)」→「ラクツのチョボマキと交換して進化させる」というもので、
ボールでポケモンを捕まえてしまったファイツはNに懺悔するも、同時に「人の手が入ったことで生まれたポケモンの新しい姿」に興味を示し「ポケモン図鑑でポケモンを助けられるかも」と思うことに。
その後の最終決戦にはブラック達との合流もありファイツは参加しなかったものの、プラズマフリゲートでのN救出の際彼を閉じ込める壁を壊すのに貢献。その後となる62巻でも変わらず手持ちとなっている。

・ぶぶちゃん(ポカブ)
♀。ファイツの手持ちで無い可能性があるが、ここに記載。元々はホワイトのBWエージェンシーの所属ポケモンで、Nの傍に長くいたこともある為、Nが「おや」扱いになっていた(現在はファイツのローテが炎なので、ファイツが「おや」の可能性もある)。
プラズマフリゲート突入時N救出のためホワイトから預けられ、Nの仲間だったためファイツに「ぶぶちゃん様」と敬われながらNの居場所を発見した。
エンディングでは2人で旅をしているNとファイツに同行しているが、どちらのパートナー扱いなのかは不明。ただ62巻ではファイツの元にはいなかった為、たまたま描かれていなかったか、「おや」はファイツの状態で、Nかホワイトの所にいる可能性もある。

マフォクシーさん
12章の描き下ろしエピローグとなる62巻で判明。
元々はカロス地方のプラターヌ博士がトロバに贈ったフォッコだったが、ある事から逸れてしまいフレア団幹部の手持ちになり進化、最終的にその幹部が倒された後保護され再びトロバが預かっていた。
フレア団にいた頃からファイツに会うまでは攻撃的で酷薄残忍なトレーナーの影響を受けて恐ろしい力と冷酷性を見せ、取り戻した最初の飼い主やその仲間達にも懐かなかったが、ファイツに引き取られた後は(彼女やダケちゃんを最初攻撃した様だが)その傍で穏やかな姿を見せている。
尚、ファイツはイッシュの図鑑所有者なので、パートナー御三家は対応地方とローテ的にポカブのぶぶちゃんが確実な事と、BW2の女主人公がマフォクシーを持つのは原作では実現不可能な為、マフォクシーはローテ外(パートナーでは無く、エックスのサラメポジション)であり、12章のマフォクシーが余りにも悲惨な扱いだったので、ファイツにもう一匹の御三家を持たせる事でフォローした可能性が高い。

◇各章における活躍

第10章

ラストにまだ10歳だった頃のファイツが登場。ポケモンリーグでプラズマ団が敗北したことで共同住居にいられなくなり、引き払う際にタマゲタケを選んだ。
また、この時Nの写真入りペンダントをもらっていた。

第11章

本格的に登場。トレーナーズスクールに彼女が転校してきた日から物語が始まることになる。

転校初日、チェレンの提案で行われたバトル実践講座にて、女子部門の1位となる。
だが、先述の経緯もあり目立つことを極端に恐れていた上に、Nの思想に反する図鑑を手にすることになってしまった。

その後ラクツに振り回されつつも学園生活を送っていくが、ポケウッドに行った帰りに癇癪を起こしたヒュウビブラーバに「ソニックブーム」を使わせたことで、彼女のペンダントが落ちてしまう。

実はこのペンダントには、アクロマに反発する旧プラズマ団一部勢力が作成した、「アクロママシーンを無効化するデータ」が仕込まれたメモリーカードが入っており、それを知る由もないファイツはペンダントを失くしたことについてのみショックを覚えていた。一方そのメモリーカードを手にしたヒュウはプラズマ団の存在を読み取り、怒りをあらわにした。

徐々にラクツとの距離が近づく中、校外学習で出かけたヒウンシティで現プラズマ団によるポケモン強奪事件に巻き込まれる。
服装や態度の違いから戸惑いを覚えつつも撃退したファイツだったが、ここで母親に事情を聞いたことでペンダントの真実を知る。

だが、そんな折にヒュウがペンダントを持っていることを知ったファイツは、正体を知られたくない一心からヒュウ以外のその場にいた全員を眠らせてしまう。
当然ヒュウから激しい糾弾を受け、かつての共同住居への案内を強要されるもプラズマフリゲートが飛来、その一撃でヒウンシティが凍結するのを目の当たりにする。

助けに来たロットを狙ったプラズマ団の襲撃をかばい、プラズマフリゲートへと拉致されたファイツは、なぜかいるはずのないラクツと出会う。
妙に詳しく状況を聞き出そうとするラクツと、「国際警察が七賢人を逮捕している」という情報。二つの点が結び合ったとき、彼女の中で一つの結論が生じた。

「震えてるの?ファイツちゃん。こわがらないで。ボクと一緒にこの船から脱出…。」

「ううん。こわいのは、あなた。」
「あなた…、国際警察の人でしょ?」
「あたしを捕まえる気なのね?」

「ファイツちゃんは警察に捕まるようなことをしたのかい?」

「してない!でも、みんなあたしたちを悪人や犯罪者みたいに思ってる!あたしは…なにもしてないのに!」

自白した以上もう隠す必要はないと判断したのか、ラクツはファイツに手錠をかけ、自らの正体を明かした。
かくして互いの正体を知ってしまった二人は、当座の危機を脱しキュレムをフリゲートから解放するために協力して奥へと向かったが、アクロマの方が一枚上手だった。
キュレムの「こごえるせかい」の直撃を受け、二人は海に投棄されてしまう。

しばらくして、ファイツは海底神殿にて意識が戻ったが(手錠も外れていた)、目の当たりにしたのはラクツが手持ちのゲノセクトに無茶をさせてテラキオン・ビリジオン・コバルオンを解放しようとする姿だった。
そのポケモン使いの非情さに反発するも、感情の分からないラクツには淡々といなされ届かず、しかもその直後彼から戦力確保のために無理やりアギルダーを押しつけられる始末。

海底神殿から脱出した後、紆余曲折を経てブラック・ホワイトの二人と邂逅し、ブラックのムシャ(ムシャーナ)に夢を食わせて頭をすっきりさせる奇行にドン引きしながらも4人で決戦の地へ。
そのさなかホワイトとの対話で「自分の夢への姿勢」等への励まし・向き合い方等を考えていき、ラクツから彼の過去も聞かされながらも、プラズマフリゲートでホワイトからぶぶちゃんを託されN救出へと向かい、
途中でなんとロットや自分の母から色々と事情を聞いたヒュウとも再会し助けられ、無事Nとの再会を果たした

そしてヒュウのチョロネコ達が捕われた建物の火災を、ぶぶちゃん様らBW御三家一堂による技で突破し救った後、フリゲートで自分の野望やモンスターボールと心中しようとしNをも殴打、国際警察に連行されつつもまったく反省の意図を見せなかったプラズマ団の黒幕ゲーチスに対し、
「たとえニンゲンはだませても、ポケモンたちはだまされないわ。利用され傷つけられたポケモンたちはあなたのことは忘れない!今日のように、あなたをにがさないし許さない!」
とポケモンたちと共に一喝。それまで何を言われても余裕だったゲーチスは、一転して壊れたように笑い怯えながら護送車両へと逃げていった…。

全てが終わった後、逮捕されたロット*1との対話で自分と母は特にお咎めなく終わった事、Nの今後の方針やアデクとの出会いを聞き、彼から「自分達の轍を踏まないように」と諭された。
そして無事スクールを卒業し、ラクツと最後に握手して別れしばらく経った後、N・ぶぶちゃん・ダケちゃんと共にプラズマ団に「解放」されたポケモンを元の持ち主へと返しに行く旅をしている所で、11章は幕を閉じている。





◇余談

ラクツの英語表記の「Lack-two」は意外なダブルミーニングを有していたが、ファイツの英語表記は「Whi-two」であり、残念ながら意味はない。
ただし、よく似た発音の「Faith」は「信仰」を意味する。


(じゃあ…、じゃあ今までの…、追記や修正は…、)
(あたしがプラズマ団かどうか、探るため?)

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最終更新:2025年07月08日 19:10

*1 ちなみに彼はファイツと離れた後のヒュウを保護しており、ヒュウもまた起きた後逢ったロットや知らされたペンダントの秘密に色々と疑い思う事はありつつプラズマ団に襲われたロットを助けたことがフリゲート行きへと繋がっていた。