龍世界 ドラゴ大王

登録日:2018/11/08 Thu 21:00:13
更新日:2024/08/08 Thu 18:12:07
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そもそも、ドラゴンは火文明の存在であり、龍王であるドラゴ大王が世界を支配していた。

世界を統べるドラゴン降臨!!
*1


龍世界 ドラゴ大王》とは、TCGデュエル・マスターズ」のクリーチャー。

主にDMX-16「超王道戦略ファンタジスタ12」やDMX-26「ファイナル・メモリアル・パック ~DS・Rev・RevF編~」などで収録された。
「デュエルマスターズ グランプリ7th」におけるプロモーションカードとしても登場している。


スペック

龍世界 ドラゴ大王  ≡V≡ 火文明 (10)
クリーチャー:レッド・コマンド・ドラゴン 13000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分のクリーチャーを1体と、相手のクリーチャーを1体、バトルゾーンから選んでもよい。その2体をバトルさせる。
ドラゴンではないクリーチャーがバトルゾーンに出る時、バトルゾーンに出るかわりに持ち主の墓地に置かれる。
T・ブレイカー
龍世界」の名前に相応しく、ドラゴン以外の生存を許さない超弩級性能を持つ。

まずは、cipでの自分のクリーチャーと相手のクリーチャー1体にバトルを誘発させる効果。
ドラゴン大王自身に効果を適用可能なため、事実上13000未満のクリーチャーを破壊する強力な疑似火力となる。
ドラゴ大王よりパワーの大きい自分のクリーチャーが場に居れば、そちらをバトル要員にさせられる。
コスト的にやや遅いのは否めないがバトルに勝つ事が条件のクリーチャーの能力を起動する事にも使える。
効果は任意なので、バトルしたくない状況ならば一応避ける事も可能な点も融通が利いている。

そして、ドラゴ大王の一番の売りである能力は、バトルゾーン全体に及ぼすロック能力。
敵味方問わず、バトルゾーンにドラゴン以外の種族が出る時に代わりに墓地に送ってしまう。
「ドラゴン版《聖鎧亜キング・アルカディアス》」と例えるのが分かりやすいか。

ドラゴン以外のS・トリガーや革命0トリガーも無効化してしまうため、出せる防御クリーチャーも広範囲で制限される。
その限られた防御札の中でもドラゴ大王に直接刺さるのは《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ》のみ(しかも、このカードも一応踏み倒す条件がある)。
このように相手の逆転の可能性を減らすが、逆に自分も使えるS・トリガークリーチャーなどは限られる欠点があるので運用には注意。

「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》のドラゴン及びコマンドのロックと組み合わせると、相手に出せるクリーチャーはほぼ消える。
このVANとドラゴ大王、下記のナンバーナインを組み合わせたコンセプトのデッキは【VANナイン大王(大王VANナイン)】と呼ばれる。

光神龍スペル・デル・フィン》や《偽りの王 ナンバーナイン》などの呪文封殺ドラゴンと併用すれば、完全なロックが完了する。
こうすると、相手が非ドラゴンデッキである場合は高確率で詰ませることが可能で、環境の流行次第では詰ませられる場面が増える。
一応はD2フィールドや城にもドラゴ大王を除去できるカードはあるが、当然ながら数は少ない。
ただしこのロックにも抜け道はあり、置換効果は連鎖しないというルールに従い置換効果扱いでバトルゾーンに出るマッドネスは普通に出せる。
とはいえ普通にプレイするとマッドネスを起動する事すらできないので相手ターン中にS・バックを用いて《斬隠蒼頭龍バイケン》でバウンスするか、S・バックのコストとして《疾封怒闘 キューブリック》を用いるぐらいしか抜け道は存在しない。
後者に至っては殿堂カードなのでそうそうある事ではないと思われるが……

10コストの切札級ドラゴンの枠は争いが激しいが、ドラゴンデッキを使うなら採用を検討するべき存在ではある。
ロック性能が最大の特徴であるため、相手の逆転の芽を摘むコントロール的な動きを重視したい人にオススメ。
相手も連ドラなどのドラゴンデッキだと効果が薄くなる点は痛いので、環境におけるドラゴンの使用率などを考慮する必要もある。


派生カード

龍世界 ~龍の降臨する地~ VR 火文明 (3)
ドラゴニック・フィールド:ドラゴン・ワールド
自分のターンのはじめに、自分の山札の上から1枚目を墓地に置く。それが進化ではないドラゴンなら、このドラゴニック・フィールドを墓地に置いてもよい。そうしたら、そのドラゴンをバトルゾーンに出す。
ドラゴ大王と同じ冠詞を持つフィールドカードであり、ドラゴンのサブタイプを持つ。
《竜のフレア・エッグ》と似たような効果を持つが、あちらと違って独自のカードタイプなので除去されずに効果を持続しやすいのが利点。

ボルシャック・ドラゴ大王 SR 火/自然文明 (10)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/レッド・コマンド・ドラゴン 12000
スピードアタッカー
T・ブレイカー
このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から、相手の人数と同じ枚数、見る。その中から、好きな数のドラゴンを出し、残りをタップしてマナゾーンに置く。このターン、それらのドラゴンに「スピードアタッカー」を与える。
「エキサイティング・デュエパ・デッキ ドラドラドラゴン龍幻郷」の看板カードとして登場した、ボルシャックの名を冠したドラゴ大王。
ただし五龍神の名を冠したボルシャックと同様に、ドラゴ大王との関連性は不明。
通常の対戦ではマッハファイターが出したドラゴンへのSA付与になった《無双龍幻バルガ・ド・ライバー》 と物足りないが、デュエパーティー(の4人対戦)ではあの《爆熱DX バトライ武神》と同等の3体踏み倒しを狙える。

とはいえ各カード1枚のみというデュエパーティーのルール上結果は安定しづらく、基本的には楽しむことに寄せたカード。


関連カード

「修羅」の頂 VAN・ベートーベン SR 無色 (11)
クリーチャー:キング・コマンド・ドラゴン/アンノウン/ゼニス 14000
このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出した時、相手のクリーチャーをすべてバトルゾーンから持ち主の手札に戻す。
相手がコマンドまたはドラゴンをバトルゾーンに出す時、相手はそのクリーチャーをバトルゾーンに出すかわりに墓地に置く。
T・ブレイカー
エターナル・Ω(このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、かわりに手札に戻す)
前述した通り、組み合わせる相棒として頻繁に用いられるカード。

しかし、VAN自身はドラゴ大王のロックをすり抜けられる上にバウンス除去と対ドラゴンのロックを持ち、パワーもドラゴ大王より上。
そう、味方であれば最高のコンボを発揮するが、敵となるとドラゴ大王の最大のキラーカードとなるのだ。
TCGの相性の奇怪さを上手く表現した関係であるともいえる。

詳しくは個別項目を参照。


デュエル・マスターズ プレイス


ドラゴ大王、それは龍幻郷がドラゴンそのものになった姿だ。


DMPP-21「ジ・オーバー・ロワイヤル -無法神聖紀-」にて収録。性能についてはTCG版と変わらず。
本来の収録時期であるドラゴン・サーガから前倒ししてエピソード3の最終弾で登場し、レアリティもTCG版からそのままビクトリーで、更にはシークレット版としてカッコよすぎる新規イラストも描きおろされたりと破格の扱いを受けている。
おかげで本来ビクトリーだったところを剥奪されたカツムゲン他のアウトレイジファンから若干ヘイトを買ったりもした

TCG版から変わらぬロック効果はやはり強力で、1弾前に実装された《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》とのコンビも紙と同じ征圧力を発揮してくれる。
同弾には踏み倒しに最適な《ミステリー・キューブ》が収録されているのも大きい。

しかし、プレイスにおいてドラゴ大王が最も注目されたのはそのフレーバーテキスト
背景ストーリーでは圧倒的な強さを見せつけた大王だが、プレイスでは更にはっちゃけており…


背景ストーリー

「龍世界」の名前の通りにドラゴン・サーガの幕開けを告げる存在だが、背景ストーリーでは悪い意味でインパクトを残している。

従来の超獣世界とは異なるパラレル世界であるDS世界。
超獣世界ともDS世界とも通じていたパンドラ・スペースが崩壊したことで、DS世界側は独自の世界環境に進化する。
その結果、ドラゴンが生態系の頂点に立つDS世界の世界情勢が確立された。

ドラゴンは火文明の存在であり、その火文明所属であるドラゴ大王は龍王としてDS世界を支配した。
ドラゴ大王の世界支配=火文明による世界支配という構図でもあり、他文明も火文明に屈していた。

ところが、火以外の各文明でもドラゴンが力を付けてドラグハートが登場すると、龍の力のバランスは崩壊。
ドラゴ大王は水文明と光文明のドラグナーによって討たれ、ドラゴ大王の独裁体制は終焉を迎える。
同時にドラゴ大王を失った火文明は一気に領土を削られて追い込まれる事になる。


そう、ドラゴ大王はDS編の背景ストーリーが始まる前にいきなり死んでいるのだ。
恵まれたカード性能とストーリー上の立場から、情けなさすぎる背景ストーリーでの末路は失笑を買った。
そのため、コイツ程ではないがネタ扱いされてしまう事も。
それでも1対1じゃなくて複数体相手に倒されている訳だし、設定上は本当に強いはずなのだ、設定上は…。
ゼニスですら支配できなかったDS世界」という世界のパワーインフレを示す上での犠牲になった感はあるか。
実際のゲーム上の性能では先出しならドラグナーをほぼ完封できるのだが、カードとしての性能と背景ストーリー上の強さは必ずしも一致しないので……

流石にネタとして終わるには相応しくない存在であるためか、後述のように背景ストーリーでの設定が補足(後付け)されている。

VS.禁断

DMEX-12「最強戦略!! ドラリンパック」にてドラゴ大王のルーツが掘り下げられた。
DMファンの心に存在する世界「龍幻郷」から現れた「龍世界」が、DS世界に攻めてきた禁断の力を察知してドラゴ大王へと変貌したという新事実が判明した。

終焉の命を受けてDS世界へと降り立った禁断の一体・ドキンダムXの前に立ちはだかるドラゴ大王。
すさまじい激闘の果てにドラゴ大王が勝利し、ドキンダムXはランド大陸の奥深く『壁の雪山』に封じられる事となった。

なお、密かにこの戦いを見ていたある者はドラゴ大王が振るうドラゴンの力に惹かれてドラグハートを製作し、ある者はドキンダムXが振るう禁断の力に惹かれて侵略ウイルスの研究に着手し、それぞれが後の世に災いをもたらす事となる…。

VS.ゼニス

平行世界と言えどDS世界の支配者という立場から、DS世界でのゼニスとオラクルを倒したのはドラゴ大王ではないか?と以前から考察されていたが、DMBD-06「クロニクル・レガシー・デッキ2018至高のゼニス頂神殿」においてDS世界でのゼニス大戦の顛末が語られている。

それによると、DS世界で生まれた光文明のゼニス《「創世」の頂 セーブ・ザ・デイト》と《「終焉」の頂 オーエン・ザ・ロード》、そして彼らが率いるゼニス頂神殿から降り立ったゼニス軍をドラゴ大王単独でまとめて粉砕したという衝撃の事実が発覚した。
この後DS編での物語が開始するまでの間支配者として君臨する事となるドラゴ大王の規格外の実力がうかがえる。
しかし、後に発生したオラクルはゼニスの支配の力を受け継ぐ存在の出現を預言し、その存在はドラゴ大王を倒すことになる。

水文明と光文明のドラグナーによって討たれた後も実は死んだというよりは龍世界の姿に戻ったらしく、世界にドラゴンを提供し続けた模様。

VS.キング・ロマノフ

デュエチューブの公式動画『歴代ロマノフランキング!』でサラリと明かされた設定。

ロマノフ一族の始祖《キング・ロマノフ》は、かつてフェニックスが遺した伝説の魔銃「M(マッド)R(ロック)C(チェスター)」を求めて煉獄に降り立ち何とか入手したものの、魔銃の呪いにより身体を三つに裂かれた上で別々の煉獄へと封じられてしまった。
しかし分裂した三体のキング・ロマノフは逆に三つの煉獄をそれぞれ支配してのけ、より強力なナイトにしてゴッドへと進化を遂げた《邪神M・ロマノフ》《邪神R・ロマノフ》《邪神C・ロマノフ》が誕生する。

時系列は不明だが、DS世界においてキング・ロマノフは完全体《煉獄邪神MRCロマノフ》として煉獄より復活を果たした模様。
しかしドラゴ大王によって倒されてしまったらしい。

これを機にDS世界の邪眼一族は滅亡し、後には語り継がれる邪眼の伝説から「ロマノフ」を名乗る者が現れる事となる。
無関係のクリスタル・コマンド・ドラゴンが勝手にラストを自称した《邪眼大帝 ラストロマノフ》もその一人。

プレイス時空では

エピソード3の物語が終わる間際、龍世界を統べる者として先行登場した。
フレーバーテキストによると、ドラゴ大王に対して以下の猛者たちが戦いを挑んだらしい。
が……それら全て、ドラゴ大王の統べる龍世界の前で打ち滅ぼされたようである。

当時のシリーズで収録を逃れていた所でようやく登場したボス格のクリーチャー達がまとめてかませ枠として消費されるという大胆過ぎる使い方に、プレイスユーザーの多くは衝撃と困惑を覚えた。
先行登場枠であるにもかかわらずエピソード3組以上に話題を掻っ攫うという、まさに大王大暴れなパックとなった。エピソードシリーズ最後のエキスパンションなのに

そしてドラゴン・サーガの幕開けと共に、やはり光文明と水文明によって討たれたようである。

なお、シークレット版の破壊時ボイスで「我の役目は終わった」と語っており、舞台装置としての役割が終わったため自ら退場した説が同時に浮上した。

DM23-BD4

エキサイティング・デュエパ・デッキ 「ドラドラドラゴン龍幻郷」にて改めて龍幻郷の設定が語られた。

アンノウンやディスペクターでさえドラゴンであれば受け入れるようで、ドラゴンに対してはどこまでも寛大なようである。龍幻郷にいるドラゴン達はドラゴ大王の指揮下に置かれているようで、かつて敵対していたもの達でさえ龍幻郷ではドラゴ大王の元で共に闘うらしい。更に、ドラグナー達もドラグハートを通して龍幻郷にアクセスしており、無意識下で龍幻郷の影響を受けている。

また、ドラゴ大王が不在の間龍幻郷を守護しているのがバルガの名を持つドラゴン達で、その中でも最強の個体が《バルガ・ド・ライバー》のようだ。

ドラゴ大王及び龍幻郷は複数の並行世界に影響を与える存在であり上位存在のようにも思えるが、あくまで世界そのものであるドラゴ大王と世界の中のクリーチャーである上位存在達は似て非なる存在であり、ドラゴ大王はデュエル・マスターズにおける上位存在の定義には当てはまらないようだ。

背景ストーリーの備考

DS世界のゼニスをまとめて倒したことから、背景ストーリーの強さ議論でも話題になりやすい。
ゼニス級のクリーチャーをまとめて倒せる事から、後にDS世界に現れる禁断相手にも戦えるという見方もある。
実際にドラゴ大王の支配下のまま禁断が解放されたならば、また違った展開が起きたかもしれない。
後に判明したドラゴ大王のルーツから、実際に禁断を封じていたようだ。

DS世界のゼニスは超獣世界ゼニスよりも状況が悪い(或いは弱い)から、ドラゴ大王は勝てたのでは?とする声もあり、歴史の違いからドラゴンを支配者として抑え込んだ修羅丸(ベートーベン)や、エピソード2ラスボスの《「無情」の極 シャングリラ》は生まれていないのではないか?という説があった。
実際にDMBD-06では、DS世界にはシャングリラと同一の存在が発生しなかった事が判明している。

一方、DS世界のゼニスを収録DMBD-06では、VANベートーベンが収録されている。
収録内容を素直に受け取るのなら、ゼニス頂神殿の一員としてベートーベンがDS世界でも存在していたと思われ、能力的には天敵のVANをドラゴ大王がどう攻略したのか気になる所ではある。
イラストが異なる事やキング・コマンド・ドラゴンの設定を考えると、DS世界でのベートーベンは修羅丸程の強さを持った者を依り代にすることができなかったためにドラゴンを支配できず、ドラゴ大王に対抗できる程の力を得ないまま他のゼニス達と同じく粉砕されたといった所だろうか。

後にDM23-EX3発売の際にデュエチューブにてDS世界のゼニスについてより詳しく内情が語られた。それによるとこの世界ではあまりにもドラゴ大王が強すぎたがためにシャングリラが生まれる余地がなく、代わりにドラゴ大王に対抗する為にエンジェル・コマンドとデーモン・コマンドが光文明で手を結んだことで矛盾が発生し、この世界のゼニスが生まれたようだ。しかし、結果は既に書かれた通りであり、ドラゴ大王の強大さが改めて示される形となった。

DMPP-21やDM23-BD4でもその規格外の実力と存在感が記されており、現在では押しも押されぬ背景ストーリー最強候補の一角となっている。


追記・修正は物語が始まる前に倒されてからお願いします。

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最終更新:2024年08月08日 18:12

*1 画像出典:Twitter イラストレーター椿春雨氏 @tubakiharusame 2016年7月8日掲載より https://twitter.com/tubakiharusame/status/751426001356271617 ©Wizards of the Coast/Shogakukan/Mitsui-Kids