カイジシリーズの拷問

登録日:2019/12/12 (木) 01:21:34
更新日:2019/12/25 Wed 22:46:53
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肉 焦がし……骨 焼く………鉄板の上でもっ……………!



本項目では、カイジシリーズで描かれた拷問行為や道具について解説する。


【概要】

『賭博黙示録カイジ』を初めとするカイジシリーズは、負債者や闇金会社の人物達が繰り広げる違法賭博を描く。

しかし、安全性や公平性など無い違法賭博なだけあって、金だけでなく身体を犠牲にする場面も多い。
ギャンブルの敗者に対する制裁としての拷問もあれば、賭けに負けて身体で支払う場合の拷問も存在する。
カイジシリーズの登場人物には兵藤和尊や利根川幸雄などのサディスト気質の悪役が多いため、拷問を楽しむ描写も多い。

このような世界観設定もあってか、カイジシリーズでは多種多様な拷問が描かれている。
そもそもカイジシリーズのギャンブルの大半は身体を痛めつけるゲームであり、実質「ギャンブル=拷問」のような図式だったりするが。
無論ギャンブル外での拷問も少なくなく、有名な「焼き土下座」などもギャンブルとしての拷問ではない。

福本氏の作画はリアル路線ではないので、視覚的に大きいショックを受けるレベルでのリアリティがあるグロ作画ではない。
しかし、登場人物の心理描写や台詞回しによって非常に痛々しい拷問を描いており、読者の精神を削ってくる。
ある意味、拷問こそがカイジシリーズの魅力を作り出している要素の一つとまで言っても良いだろう。

なお、本項目ではギャンブル内の要素として登場する拷問もあるが、それらはゲーム自体の詳細な解説は省略する。

【拷問一覧】

焼き印

限定ジャンケンで敗れて別室送りになった人間に行われる拷問。身体に焼き印を行う。
別室送りになった人間は、ガラス張りの部屋で衣服を剥ぎ取られた全裸状態で黒服に焼き印を付けられる。
作中ではカイジが番号を示す「21」の焼き印を左肩に焼き付けられ、別室内に転がされた。

あまりにも痛々しい描写であるためか、アニメ版では焼き印が行われていない。

実写版では再現されているが、焼き印を行う際の詳細な描写はブラックアウトの形で省略された。
焼き印の形も番号ではなく、帝愛のマークを再現した形に変更されている。
焼き印には地下から逃げ出さないためにマイクロチップが埋め込まれているという仕様で、これが原作における器官破壊装置のイカサマ機能の役割も担った。

人間競馬

京葉新都心にあるスターサイドホテルで開催されたギャンブル。ゼッケンをつけた総勢12名の人間が、地上7~10メートルほどに架けられた鉄骨を渡って競馬のように順位を競う衆人環視のギャンブル。
地上7~10メートルの鉄骨から落ちると危ないのだが、下には軽くマットが敷いてあるだけで敗者には大怪我(最悪の場合死亡)をさせる前提。
競争ゲームなので参加者同士で落とし合わせやすくする仕様であり、パーティの参加者である衆人はそのような争いと大怪我で苦しむ光景を見て楽しむ。

電流鉄骨 (電流鉄骨渡り)

人間競馬をクリアしたあと、引換券を換金するために用意された『電流鉄骨渡り』における鉄骨。
鉄骨には強力な電流が流れているため、バランスを崩して手を付けば身体全体が強く感電して苦しむ。
感電死する程の威力ではないが、電流鉄骨渡りは地上から74mの場所で行われているので、「感電=死亡確定」である。
なおゴールにある部屋では、資産家など富裕層の客たちが蝋燭で照らされた薄暗い中、黒服たちがウェイターを務めるディナーを嗜みながらその様子を観戦する。

一応本項目では拷問器具として取り扱うが、電流鉄骨渡りは身体が痛んだ瞬間に即死するデスゲームなので、拷問の次元を超えている。

器官破壊装置 (Eカード)

『Eカード』にてカイジが取り付けられた拷問器具。正式名称不明。

ゲームのプレイヤーが金を賭けられず、その代わりとして目もしくは耳を賭ける際に使用される。
リモコン操作によって装置の針が回転して動く機械で、眼球用と鼓膜用がそれぞれ存在する。
金の代わりに1mm単位で賭け、30mm(30cm)分負けると針が眼球や鼓膜に到達して損傷を与えるという仕組み。
ただし、鼓膜は破壊されても再生可能なので、基本的に鼓膜を選択する人間が多いと見られる。

実は器官破壊装置は場合によっては心臓を貫く用途にも使えるため、最大45mm進められる。
だが、そのような進め方を耳の部位で行った場合は脳味噌などの器官に到達して死亡する危険性がある。

Eカード自体は12戦で終わりであるため、12連敗しても全て最高2mmで賭けていれば器官の破壊は免れる。
このように安全な賭け方をすれば身体へのダメージは防げるが、千万単位の大金を得るのは不可能。

この拷問器具の真の正体はEカードにおける利根川のイカサマ専用装置
この装置とカイジに渡した腕時計によって、カイジの脈拍、体温、発汗の情報が利根川の専用腕時計に表示される。
利根川はこのイカサマで相手の心境を察し、Eカードで圧倒的有利な立場でゲームを進行した。

装置は強引に外そうとすればリモコンに感知されてしまうため、外す事は不可能。
しかし、装置が付けられた身体の部位その物に損傷を与えて切り離す形で取り外される事は想定していなかったようだ。

結局この装置自体でカイジの鼓膜や脳が破壊される事はなかったが、イカサマ機能への対策として自ら耳を切り落とす痛手を負った。

焼き土下座/土下座強制機

拷問(懲罰)器具。兵藤が「謝罪の意があるなら焼けた鉄板の上でも土下座できるはず」として考案した謝罪方法(という体の拷問)。

高温に焼けた鉄板の上で膝を付き、額と両手を鉄板に付けた状態で10秒間土下座させられる。
拷問を受けた者が10秒経過したと思った時点で頭を上げるルールで、時間の計測はストップウォッチで行われる。
しかし、その時間が執行側が測った時間よりも少ない場合は身体へのダメージを考慮せずに何度もやり直し。

自力で行えない人間の為に「土下座強制機」なる十字架型の追加器具も存在する。
こちらは行う人間を足を置かせる下敷きの耐熱ガラスに置かせた上でベルトで固定し、その後ガラスを開いて無理矢理膝を付かせる。
強制機を使ってもなお土下座に至らない者は無理矢理黒服が抑えつけて強引に土下座させるが、暴れると当然ダメージは拡大する。

現時点で土下座強制機を利用せずにこの拷問を終えられた者は利根川のみ。
利根川も皮膚や脳にでも熱のダメージが加わったのか、直接描写されていないが公式説明曰く「廃人当然」の姿に変貌した模様。
拷問要素を持つギャンブルをさせられる負債者を見て「安全であることの愉悦」を楽しんでいた男が、拷問を受けるという因果応報の末路だった。
余談であるが、鉄板は断じて特大焼き肉プレートではない

指ギロチン

指を切断するための拷問器具。指を入れてギロチンの形で刃を下ろして切断する。
ティッシュ箱くじでカイジは金の代わりに指4本を賭けたが、負けたのでこの器具で切断される事になった。

だが、ギロチンの刃が鋭利な刃物だったことで切断面が綺麗な形になり、運良く接合手術は成功。
その幸運に加えて指治療を行った帝愛お抱えの闇医者の腕が優れていたこともあって、後遺症も起きる事無くカイジの指は元に戻った。
一方で、闇医者を利用した際は保険適用外だったこともあって200万円の出費が必要となり、カイジは借金が増えてしまった。

血のマニキュア

『賭博破戒録』にて、裏カジノの金庫前に不法侵入したカイジに対して行われた拷問。
専用器具を使って指の爪と肉の間に針を通して傷つける拷問で、行った後は出血した血が爪をマニキュアのように染める。
指の先は肉体の中でも触覚器官が集中しているので痛覚も敏感なので痛みは相当なレベルであり、一説では指ギロチンよりも痛みが強いと言われる。
カイジは指に大ダメージを負い、指ギロチンに続いて指に多大な負担を受ける始末となった。

『24億脱出編』では遠藤が坂崎に行おうとするが、寸前で容疑が晴れたことで施行される事はなかった。

兵藤和尊の腰掛け

兵藤は部下の黒服達を自身が腰を掛ける椅子として扱う事がある。
兵藤の体重の負荷による黒服の腰への負担は計り知れない。しかも座らせている人が人なので少しでもミスをやらかすと悲惨な事態待ったなし。

『中間管理録トネガワ』では複数の黒服を並べてベッドにするという応用を見せている。

欠損事故ルーレット

カイジが「17歩」に挑んだ際、和也から借りた金を返せない場合に用いるルーレット。見た目は人生ゲームのルーレットに近い。
金の代わりに身体で払う事をルーレットで決定するという道具であり、(和也的に)拷問的な娯楽性を兼ね備えている。
カイジの人体の各部位の値段表が存在し、犠牲にする部位をルーレットで出た目で決める。
仕組み的には負債者に掛けた傷害保険によって事故という形で支払わせる。

しかし、そもそも17歩ではカイジの借りた金額が大きすぎたので、負けた場合はカイジは身体全てで支払うことになっていた。
そのため、欠損事故ルーレット欠損する順番を決めるためだけの道具という使用法に変更されている。
結局カイジは村岡に勝利したので、このルーレットの使用及び拷問は描かれることはなかった。

兵藤和也プロデュース会員制レストラン

和也がプロデュースした会員制レストラン。
レストランの中央にはマジックミラーを窓とした大きな空洞による部屋が存在し、そこで夜に拷問ショーを開催している。
ショーの内容は江戸時代や中世ヨーロッパの刑を再現した拷問、SMプレイ、逆さ吊りで水槽に付ける拷問など。

レストランの客にはこのような拷問を見ながらの食事は見たくない客もいるので、拷問部屋を背にして食事を行えるカウンター席がある。
しかし、ショーが佳境に入るとそこで食事をしていた者も拷問を観ている現象が起きる事から、その食事カウンターは「偽善の壁」と名付けられている。
和也の話に激怒したカイジは偽善の壁で食事したが、ステーキなど高級な料理に反して気分の悪い状態での食事になってしまった。

愛よりも剣

和也が執筆した小説中に登場するギャンブル…というか拷問ゲーム。
小説作中の拷問ゲームという体裁だが、実際には和也がほぼ同じゲームを現実で行っていた。

プレイヤー2人を、を差し入れする7つの穴が開いている特殊な箱に閉じ込めて拘束する。
穴に入れる剣は9本用意されており、穴は全部で14つ空いているが、そのうち9つは鉄板によりランダムでガードされている。
6番と7番の部分は足の部位なので刺されても死亡確率は低い(激痛によるショック死の可能性はあり)が、1~5番は上半身の部位なので運と当たり所によっては死ぬ確率がある。
9本全ての剣を消費した時点で生存に成功していれば、ゲームから解放される。

プレイヤー2人は交互に穴の番号を指定するが、指定する穴は自分の穴でも相手の穴でも良い。
このようなルールによって、互いの信頼に亀裂を入れて破壊する精神的なダメージ要素もある。
また、穴を指定できるのは生きている人間のみ。片方が死亡した場合は、その死体の入った箱の穴にも剣を刺せる。

特殊ヘルメット (友情確認ゲーム「救出」)

友情確認ゲーム「救出」で使われるヘルメット。
リモコンのスイッチを押すことでヘルメット内部が狭まってくる特殊な仕掛けにより、頭が砕けて装着者を頭蓋骨粉砕の形で殺害可能な器具。
頭部粉砕には1分弱の時間が必要なために即死は不可能な拷問仕様で、頭蓋骨を壊される痛みを感じながら死に至る。

作中では光山に裏切られたチャンとマリオがこのヘルメットで頭蓋骨粉砕されかけるが、寸前でカイジによって阻止された。

制裁(初級編) 三個一

『24億脱出編』にて、カイジの監視に失敗した部下に遠藤が施行した懲罰。
罰を与える者が一つ同じ食べ物を食した場合、罰を受ける者は同じ食べ物を三つ絶対に完食しなければならない。
一見楽そうに思えるが、仮に料理を1人前食べただけでも同じ物を3人前食わされる計算になるので、食べ物次第では成人男性でも胃の負担や味の感じ方的な面で相当キツい。
遠藤はケンタッキーのチキンを3個食したため、部下は9個も同じチキンを食わされる事態になり、流石に相当な辛さを感じていた。
初級編だけあって一定以上のダメージは受けにくいシステムになっているのが救いか*1

拘束具

中間管理録トネガワ』にて登場。兵藤がパワハラ対策として黒服と面と向かって話す道具として使用。
木製のギロチン拘束具的な拷問道具でしかないのだが、兵藤的には社員との関係を作り出す一環である。

ハラスメント相談室

こちらも『中間管理録トネガワ』にて登場した、帝愛におけるハラスメント対策の一環として設置された場所。
利根川は相談室から黒服の絶叫を確認しており、実態は相談室ではなく拷問室である可能性が示唆されている。

【拷問の分類】

大まかにこのようなパターンに分類できる。

  • ギャンブル中の要素としての拷問/拷問ゲーム
→人間競馬、電流鉄骨(電流鉄骨渡り)、器官破壊装置(Eカード)、愛よりも剣、特殊ヘルメット(「救出」)

  • 制裁としての拷問
→焼き印、焼き土下座、血のマニキュア、制裁(初級編) 三個一、ハラスメント相談室

  • 身体で払う際の拷問
→指ギロチン、欠損事故ルーレット

  • その他
→兵藤和尊の腰掛け、兵藤和也プロデュース会員制レストラン、拘束具






追記・修正は、三個一を終えてから人間競馬に挑んで大怪我した後、器官破壊装置で鼓膜を破壊されてから焼き土下座を行った直後に欠損事故ルーレットを済ませた人にお願いします。

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