宇宙魔女ババラス

登録日:2020/07/06 Mon 14:58:32
更新日:2024/02/05 Mon 23:01:57
所要時間:約 7 分で読めます





宇宙魔女の恐ろしさを、知るがよい……!


ジャンボーグA』の第41話『宇宙魔女ババラスのロボット作戦』と第42話『呪い針!ババラスの逆襲』に登場した宇宙人


出典:ジャンボーグA/円谷プロ/第41話「宇宙魔女ババラスのロボット作戦」/1973年10月27日放送
出典:ジャンボーグA/円谷プロ/第42話「呪い針!ババラスの逆襲」/1973年11月3日放送


身長:2~55m
体重:150kg~4万4000t
出身地:グロース星
別名:宇宙魔女
演:ホーン・ユキ(人間体)
声:武智豊子


【概要】

グロース星3代目戦闘隊長サタンゴーネの祖母。
孫のサタンゴーネのふがいなさを見かねて、1000年の眠りから覚めてに乗って地球にやって来た。
黒いローブと悪魔のような頭巾を被った、まさしく魔女といった姿をしている。
1000年の眠りによってサタンゴーネを上回る恐るべき魔力を蓄えている。

非常に悪辣かつ狡猾な頭脳を持ち、立花和也の心を利用した作戦でジャンボーグAジャンボーグ9の秘密を暴こうと企んだ。
その作戦は成功するしないに関わらず、常に先を読んで立てられており、攻撃の手を緩める事がなく隙がない。
また、分析力と観察眼に優れておりたった一度の戦いでナオキの持つ腕時計に秘密があると気づいた。

武器は手に持つ「魔力杖」で、殺人光線を発射するほか、ホウキのようにまたがって空を飛ぶ事もできる。
戦闘においては魔力杖を巧みに使って戦い、姿を消して爆発する無数の針のような光線「ニードルシャワー」を発射して攻撃する。
ほかにも、右手から無数の糸を放ってナオキを捕まえたり、カメラで撮影した写真に針を刺すと同じ場所に激痛を与える「呪い針」、変身能力、瞬間移動といった超能力を使いこなす。


【活躍】

ある日突然、杖に乗って地球に現れ、孫のサタンゴーネに驚きと共に迎えられるが……、

このわしが、1000年の眠りから目覚め、わざわざやって来たわけが分かるか?

わしは、孫のお前がふがいない戦いぶりにいてもたってもいられず、やって来たのじゃ

これはあまりのお言葉!

私め、サタン家御先祖様の名を辱しめぬよう、日夜勇敢に戦っておりますぞ!

この言葉に、サタンゴーネも憤慨して思わず言い返してしまう。
しかし……、

たわけ!わしの千里眼を欺けると思っておるのか!

見よっ!

そこに映し出されたのは、これまでジャンボーグAに不覚を取り続けたグロース星の戦いぶりであった。

これでも、勇敢に戦っていると言えるのか!?これでも!

御先祖様に恥ずかしくないと言えるのか!?

これまでの敗北続きのグロース星の戦いぶりを見せつけられ、サタンゴーネは頭を下げて謝罪。
そして、サタンゴーネにはもう任せておけんと自らジャンボーグAとジャンボーグ9を倒すと宣言。
早速、配下の変身ロボット「オネストキング」を呼び出して行動を開始する。

美女に化け、子犬に変身したオネストキングを連れて自転車を欲しがっていた和也に近づく。
変身を解いたオネストキングは、自分は地球に迷いこんだロボットで、身を守るためにに変身していたと語り、和也に友達になって欲しいと言って自転車をプレゼントし、懐柔を図る。
これは、和也が自由にPAT基地に出入りできる事に目をつけた作戦で目論見通りオネストキングは基地に侵入。
しかし、足跡が光っていた事で村上に正体を見抜かれてナオキやPATの追跡を受ける。

オネストキングは自分を信用している和也をに逃走するが、ついに追い詰められて巨大化し、和也もろとも攻撃に出る。
ジャンカーZを蹴り飛ばして使用不能にするが、ジャンボーグAが登場すると対決に突入。

右手をチェーンで飛ばして捕まえると、動きを封じて投げ飛ばす。
さらに、そこへババラスも現れてジャンボーグAを追い詰めるがPATの援護で脱出される。
挟み撃ちを図るが、一瞬の隙を突かれて引き離され、オネストキングは「スクリューハリケーン」で倒されてババラスは撤退する。
しかし、ババラスはすでに次の作戦に動いていた。

オネストが小僧にやった自転車だ

あの自転車は生きている……わしの魔法で思うままに動くんじゃ……!

オネストキングにもらった自転車に乗っていた和也だったが、ババラスの魔法で自転車が勝手に動き出し、空に舞い上がって連れ去られてしまう。
ババラスは和也の声を装ってスナックPATに電話をかけ、ナオキを呼び出す。
ナオキの持つ腕時計に秘密があると睨んだババラスは、ナオキを捕まえて探ろうとしたのだ。

一緒に来ていたPATにはグロース星人を送り込んで足止めし、ナオキには自ら美女に化けて近づき、魔カメラを使った呪い針でナオキを捕まえる事に成功する。
生物を骨にしてしまう「魔ネズミ」の群れを和也に差し向けて脅迫し、秘密を喋らせようとするがナオキの持っていた発信装置で秘密基地を発見したPATに乗り込まれる。
いち早く駆け付けた大羽にナオキと和也は救出されるが、ババラスとサタンゴーネの放った光線で大羽は絶命。

巨大化したババラスはサタンゴーネと共に実力行使に出る。
大羽の仇討ちに燃えるジャンボーグ9に圧倒されるが、二人で挟撃してステッキで首を攻めて危機に陥らせる。
しかし、同じく大羽のために戦うPATの猛攻で脱出され「クロスパワー」を受けて白骨化し、崩れ去って爆発した。


【関連キャラクター】

私は、決して怪しいロボットではありません

遠い星から、この地球へ迷い込んだのです

身を守るため、犬に変身して私の味方になってくれる人を探していたのです

友達です。お願いです、私の友達になってください

◆変身ロボットオネストキング


出典:ジャンボーグA/円谷プロ/第41話「宇宙魔女ババラスのロボット作戦」/1973年10月27日放送


身長:2.3~60m
体重:1.5~6万t
出身地:グロース星
声:西川幾雄

宇宙魔女ババラスに付き従う、忠実な変身ロボット。
全身銀色のボディに黒い頭巾とマントを身に付けた姿をしていて、マントは敵からの攻撃から身を守る防具にもなる。
顔の下半分がを生やしているような形をしており、ババラスを守る騎士のようにも、『白雪姫』などに登場する妖精の小人のようにも見える。
ボディは、生きている未知の宇宙金属で構成されているとされる。
PAT基地に自由に出入りできる和也に接近して信用を得、PAT基地に侵入して情報を探りだすのが使命。

魔法自転車を作り出す魔法や、異名の通りの変身能力を持つ。
ババラスの化けた美女の連れた子犬に変身してPAT基地に侵入したが、足跡が暗がりで発光するという特徴から村上にグロース星人のスパイと見破られた。

武器は右手をチェーンで飛ばす「ロケットアーム」と腰のベルトに装備された手榴弾「オネストボム」。
また、格闘能力に優れ、等身大の時は和也を抱えたままナオキを振り払ったり、ジャンボーグAにも強烈なキックでダメージを与えた。

ババラスの命を受けて和也に接近し、完全に信用を得てPAT基地に侵入するが村上に見破られて追跡され、追い詰められて巨大化して襲いかかる。
ババラスと共にジャンボーグAを攻撃するが、「スクリューハリケーン」を受けて炎上し、大爆発を起こして倒された。

ババラスからは絶大な信頼を寄せられているが、挟み撃ちに失敗して激突した時には杖で叩かれて怒られていた。


【その他】

デザイン画はババラス並びにオネストキング共に決定稿こそ現存するものの担当者は不詳*1
色や造形の指定も含めデザインラフも担当した米谷佳晃は、大澤哲三もしくは美術スタッフの誰かがラフを基に画稿を手掛けたと証言している。
ババラスは予算と時間の都合で衣装が前提の着ぐるみとしてデザインされており、白雪姫の魔女のイメージに、頭部の角にゴーネの名を冠する幹部の意匠を加えている。

本エピソードにおけるサタンゴーネは、現指揮官であるにもかかわらずババラスの指示通りに動いており、その様子は地球侵略軍の一員としてではなく完全に「祖母と孫」である。
ババラスの作戦に素直に感心していたり、和也を連れてくるように言われ、返事をして走って和也の所に行くなど、ババラスの存在を頼もしく思っている様子が見えて微笑ましささえも感じる。

ババラスが鋭い観察眼を見せて先を予測した作戦を展開する一方で、サタンゴーネは和也を利用した時には「なるほど、いい所に目をつけましたな」、ナオキに注目した時には「あんな若造に、何故こだわるのです?」と、どうも呑気というかとぼけた事ばかり言っているのも拍車をかけている。

第41話で、ババラスがサタンゴーネを叱責するために見せた映像は全てマッドゴーネの時のものだったが、これは長きに渡って敗北を続けるグロース星人の戦いぶりを現指揮官であるサタンゴーネの責任として見せたのかもしれない。

ババラスの人間体を演じたホーン・ユキ氏は、アイドルグループ「ザ・シュークリーム」で活動した後、女優やグラビアで活躍した。

オネストキングの化けたは「ペキニーズ」という犬種だが、同時期に放送していた『ファイヤーマン』でもペキニーズが怪獣ガガンゴになって登場している。

ババラスの秘密基地は『ウルトラマンタロウ』のZATの基地の流用。


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最終更新:2024年02月05日 23:01

*1ウルトラマンレオ』などに参加した大澤哲三のデザインとする資料もあるが、2021年刊行の『円谷怪獣デザイン大鑑1971-1980 豪怪奔放』では「(大澤が担当したという)確証が持てなかった」という理由で作画者不詳としている。