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閉ザサレシ世界ノ冥神(遊戯王OCG)

登録日:2020/11/07 Sat 01:02:16
更新日:2026/05/02 Sat 08:51:23
所要時間:約 5 分で読めます





閉ざされし彼方を憂うは天界の血を引き、
愛竜「クル」を従え無二の輝きを放つ女神。

其は光を奪い、他を拒絶し、現界を許さず。
彼の者現れし時、灯一つ消えゆく。

その冷たい美貌を目にした者はなく、
存在のみが語り継がれる。

彼女は『エレス』。
かつて瞳に日光を宿していた者。


閉ザサレシ世界ノ冥神(サロス=エレス・クルヌギアス)とは、『遊戯王OCG』に存在するカード。

閉ザサレシ世界ノ冥神(サロス=エレス・クルヌギアス)/Underworld Goddess of the Closed World》

◀  
リンク・効果モンスター
リンク5/光属性/悪魔族/攻3000
【リンクマーカー:上/右上/右/下/右下】
効果モンスター4体以上
このカードをL召喚する場合、相手フィールドのモンスター1体もL素材にできる。
(1):このカードがL召喚した場合に発動できる。
相手フィールドの全ての表側表示モンスターの効果は無効化される。
(2):L召喚したこのカードは、このカードを対象とする効果以外の相手が発動した効果を受けない。
(3):1ターンに1度、墓地からモンスターを特殊召喚する効果を含む、
魔法・罠・モンスターの効果を相手が発動した時に発動できる。
その発動を無効にする。



概要

第11期第3弾パック「BLAZING VORTEX」で初登場したリンクモンスター。同パックのホログラフィックレア枠でもある。

カード名が非常に難解であり、「閉ザサレシ世界ノ冥神」と書いて「とざされしせかいのめいしん(じん)」と読むのではなく「サロス=エレス・クルヌギアス」と読む。分かるかそんなもん!
遊戯王OCGに難読カードは星の数ほどあるが、「名前全体を置き換えた読み」「一般的でない言語に由来している(後述)」といった要素のため当てずっぽうで正しい読みを当てるのも不可能に等しく、難読絡みの話題では必ずと言っていいほど話題に挙がるカード。

イラストは紫のドレスを着た女性であり、後ろには霊竜「クル」を従えている。
その表情は無機質であり、どこか威圧感を漂わせる。
背景には黒の球体からが覗いており、恐らく日蝕の様子だと思われる。


モンスター効果

このモンスターはリンクモンスターであるため、召喚にはリンク数分のモンスターを個別の条件を満たした上でコストにする必要がある。
さて、このカードの条件は…

リンク5で効果モンスター4体以上

という非常に重いモンスターである。
リンク5なので最大で効果モンスター5体、リンク2モンスターの他に3体の効果モンスターが必要になってくる。
想像しただけで頭が痛くなりそうだが、このカードには独自の救済措置がある。

それは……


相手のモンスターも1体だけL素材にできる


という物であり、実質相手の効果モンスターを1体除去しながらL召喚できる。
これは効果外テキストであるため、強固な耐性持ちモンスターだろうが問答無用で除去できる。
「リンク2を含む効果モンスター3体」あるいは「効果モンスター4体」というかなりの下準備は要するものの、EXデッキに仕込むだけで壊獣のような問答無用の万能除去を狙うことができる。
ある意味、このテキストこそがこのカードの本体と言っても良いだろう。
除去としての価値は薄れるが、相手のフィールドにリンク2がいれば任意の効果モンスター3体でL召喚できることになる。

そんなわけで基本形の「自分はリンク4、相手からリンク1」でも、相手の消費をマイナスで考えるとリンク3相当のカード消費でL召喚されるこのカード。
だが、このカードの持つ効果自体もリンク5の名前に恥じず非常に強力である。

1つ目の効果はL召喚に成功した時に相手の表側表示モンスター全ての効果を無効にする効果。
彼女が降臨した瞬間、相手モンスターがどんなに強力な効果を持っていようと無意味になり、相手の見込みを大きく狂わせ得る。しかもターン中でなく永続。
ただ、妨害持ちはこちらの素材を揃える展開過程で使われてしまうことが多く、耐性持ちはそもそもL素材にして1体消せるので、いざ使ってみると見た目ほど機能する場面は少ない。
タイミング的に効果にチェーンしての無効も通常できないので、実質的には1体に刺されば御の字という状況が多いだろう。
なお、召喚時にフィールドにいるモンスター限定で、後から出たモンスターや手札や墓地のモンスター効果までは封じることはできない。

2つ目の効果は「このカードを対象とする効果」以外の相手が発動した効果を受け付けない効果。
対象を「取らない」効果を受けない、対象以外耐性とでも言うべき珍しい耐性(前例としては《異次元竜 トワイライトゾーンドラゴン》)で、《激流葬》や《ブラック・ホール》などの全体除去は勿論のこと、《超融合》で融合素材にされることもない。
変わったところでは、「効果の発動を無効にする」効果も対象を取らない効果であるため、受け付けない。そのため(1)や(3)が安全に通りやすいという独特な強みがある。
このカード以外で遭遇することはまず無い珍しい現象なので要注意。
一方で、永続効果などの影響は受ける他、《神の宣告》のような「このカードの特殊召喚を無効にする」効果や、《エフェクト・ヴェーラー》・《無限泡影》のような「対象に取ったモンスターの持つ効果を無効化する」効果などは防げない。
無論、壊獣のコストによるリリースにもされてしまう。

3つ目の効果は蘇生に関する効果の発動を無効にする効果。
1ターンに1度だけだが、ノーコストで相手の展開を邪魔でき、やや限られているとはいえ蘇生というポピュラーな指定のため全く引っかからないデッキは少ない。
自分ターンでも、除去した相手モンスターの墓地へ送られた場合に蘇生できる効果などをそのまま封じられるという場面もありがちである。
これを目当てに出すということは少ないだろうが、役に立つ場面自体は多いだろう。

このように召喚に手間がかかるぶん場持ちもよく、「閉ザサレシ」の名の如く相手の行動を阻害し3000もの攻撃力でねじ伏せる、とても頼れる女神様である。
だが、「相手をリンク素材にできる」のインパクトが強すぎるが故に、「カードの知名度」「効果の強さ」どちらも一級品なはずなのにどの効果も等しく忘れられがちなところがある不思議な存在でもある。
(1)の影響に気づかず残ったモンスターの効果を発動しようとし、無策で蘇生を試みて(3)を踏み、やっと対応しようとしたら(2)で効かない……なんて最悪の展開に陥った経験がある人もいるかもしれない。

欠点としてはやはり素材の重さ。
上ではリンク3とも喩えたが、リンク2を奪える場合を除いて自分側はリンク4相当を用意する必要がある。
それも、リンク3+1体で出せない「効果モンスター3体以上が必要なリンク4」に相当するため、リンク4基準としてもやや重め。

そして何より、同じリンク4というだけでも
などの錚々たる競合相手が存在する。
L召喚を使用するデッキはEXデッキの枠が厳しい事もあり、どのリンク4を採用するかは慎重に考える必要がある。


関連カード

  • 閉ザサレシ天ノ月(サロス=ナンナ)/Moon of the Closed Heaven》
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◣ ▼ ◢
リンク・効果モンスター(禁止カード
リンク2/光属性/悪魔族/攻1200
【リンクマーカー:上/右上】
効果モンスター2体
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードのリンク先の相手の表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
このターン、自分が自分フィールドのこのカードをリンク素材としてリンク5モンスターをL召喚する場合、
対象の相手モンスターもL素材にできる。
Vジャンプの付録で登場した、幼い《閉ザサレシ世界ノ冥神》の様な姿をしたリンク2モンスター。
こちらのカード名も難読であり、「閉ザサレシ天ノ月」と書いて「サロス=ナンナ」と読ませる。だから分からんって!

リンク先の相手モンスターをリンク5モンスターのL素材にできる効果を持っており、《閉ザサレシ世界ノ冥神》の効果外テキストと合わせて相手モンスターを2体までL素材にできると言うデザイン。
リンク3と同様の消費で《閉ザサレシ世界ノ冥神》を出せるため、相手の消費をマイナスで考えるとリンク1相当の消費となる。
リンク5なら何でもいいので、《ヴァレルエンド・ドラゴン》や《ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード》辺りを相手モンスターを除去しつつ出したりする事も可能だが、これらの採用デッキでかかる縛りやEXデッキの余裕などの事情を考慮すると大抵は《閉ザサレシ世界ノ冥神》に繋げるための採用となるだろう。

ただし、あくまでリンク先のモンスターでなければならないため、狙ったモンスターに届かない場合がある。
とはいえマーカーはきっちり上を向いており、EXゾーンが空いているなら、自分から見て一番左以外のメインモンスターゾーンであれば対応可能
《閉ザサレシ世界ノ冥神》を出す場合、届かないゾーンはそっちのテキストによる素材に指定すればいい。
また、対象にとってL素材にできるようにする起動効果であるため、効果の対象に取れない・効果を受けないモンスターはL素材に出来ない点にも要注意。
効果の発動に何かしらの妨害をされる隙もあり、また自身も一緒に素材にする必要があるためフリーチェーン除去や《幽鬼うさぎ》辺りで自身が除去されるのにも弱い。
《閉ザサレシ世界ノ冥神》ほど問答無用で相手モンスターを処理する手段にはならないため、相手の妨害を吐かせきったタイミングで出したり、逆にリンク2と言う軽さを活かしてこのカードを囮にするなどと言った工夫をしたい。


…と、色々効果の使い道を書いたがそんなことはどうでもいい。
このカードの価値は光属性悪魔族のリンクモンスター、

つまり【デモンスミス】における素材指定の緩さに集約されている。

展開の要であるリンク1モンスターの《刻まれし魔の鎮魂棺(デモンスミス・レクイエム)》の素材指定が「悪魔族・光属性モンスター1体」であるため、適当な効果モンスター2体を悪魔族・光属性モンスターに変換できるこのカードのおかげで展開の安定性と誘発貫通力を向上させられる。
「リンク2を素材にリンク1を出す」という完全なアド損行動なのだが、それを補って余りある価値があり、汎用カードと思いきや変な形で地位を高めることに。
というか、デモンスミスの圧倒的汎用性のためむしろこの点が理由で汎用カードと化し、Vジャンプという比較的入手しやすい媒体の付録かつ1枚で十分という境遇ながら大きく高騰することに。
墓地に行った後も融合素材や効果のコストとしてEXデッキに戻せるため、デュエルが長引くと他のデモンスミスパーツ共々1枚で何度も使い回し可能。

そうして、あまりに多くのデッキでデモンスミスの出張を許すことになった結果、2025年末の制限改訂でとうとう禁止指定を受けてしまった。
デモンスミスの関連カードではなく、テーマ外のこのカードが規制される措置が取られたのは多くの決闘者に「冤罪逮捕」と嘆かれる事態となった。


励輝士 ヴェルズビュート「ヤバイぜメロメロメロディ!!」
管魔人メロメロメロディ「くっ」
幻層の守護者アルマデス「大変だねアンタら」


相性の良いカード

相手ターンにL召喚を行えるリンク2モンスターと通常罠。
《I:Pマスカレーナ》や他のリンク2モンスターと効果モンスター2体等を並べて相手ターンに相手のモンスターを巻き込んで《閉ザサレシ世界ノ冥神》をL召喚し、(3)だけでなく(1)も使って相手の行動を阻害できる。
ただし、普通にL召喚する場合と異なり、チェーンで何かしら対処されてしまう可能性があるので注意が必要。
《I:Pマスカレーナ》は効果破壊耐性もつくので、スタンダードな対象を取る破壊除去にも耐えられるようになる。

上記の《I:Pマスカレーナ》含めリンク2の展開に長けたカテゴリ。
連鎖的なL召喚が軸なので3体以上並べるには追加展開が必要だが、デメリットである悪魔族限定となるEXデッキからの特殊召喚制限にかからないのが非常に嬉しい。
イビルツインにないものを多く持っており、《Evil★Twin’s トラブル・サニー》で対処できない相手にはあっさり詰みかねないこのデッキの最後の切り札となる。
その姿はまるで女性怪盗団を影で支える裏社会の女ボスである。

他人の、もとい他竜の空似
このカードを降臨させる過程で墓地に大量のモンスターが送られるはずなので、モンスターを光・闇属性に寄せておけば呼び出すのは容易。
フィールド魔法がある限り、光・闇属性が対象耐性を得るので、彼女の耐性の穴を埋めることができる。

  • 《スキル・プリズナー》
選択したカードを対象とする効果を無効にする通常罠。
このカードの穴である「対象をとる効果」を無力化できる。


元ネタなど

カード名のルビは聞きなれない音だが、実は古代メソポタミアの言語であるシュメール語誰がわかると。
「サロス」は「3600」、「エレス」は「女王」、「クルヌギアス」は「冥界」。クル・ヌ・ギ・アと書けばわかる人もいるかもしれない。
日食をモチーフとしたイラストであることから、日月食が発生するサイクルである「サロス周期」が元ネタの一つだろう。

キャラクターとしては、シュメール語の名前で冥界の女王ということから、メソポタミア神話における冥界クル・ヌ・ギ・アを支配する女神「エレシュキガル」が元ネタと思われる。
エレシュはエレスと同じ言葉であり、キガル(大いなる大地)はクルヌギア(帰らずの大地)と同じく冥界の呼び名の一つ。
つまり、「エレス・クルヌギアス」の部分はエレシュキガルを言い換えたネーミングといえる。

関連カードの《閉ザサレシ天ノ月》の「ナンナ」も背景に月がある事からシュメール神話における月神「ナンナ」の事を指すと思われる。
ただしナンナは男性神であるので、見た目のモチーフになっているのはナンナの娘にしてエレシュキガルの妹である地母神「イナンナ」だと思われる。
天の貴婦人」と呼ばれるイナンナとを司るナンナの両方がモチーフだからかそれらを組み合わせて「天ノ月」と言ったところだろうか。


余談

《閉ザサレシ天ノ月》付属記念に、同時期のVジャンプ公式Xにて「犬マユゲでいこう」でお馴染み石塚2祐子氏による4コマが掲載された。

その内容は1コマ目からこたつに入りみかんを食べる《閉ザサレシ世界ノ冥神》という凄まじいギャップを感じるかわいいものであり、高攻撃力の自分が思ったよりも使われないことをぼやくという導入。

直後に現れた《閉ザサレシ天ノ月》に召喚コストが高すぎることを指摘されて反論するも、攻撃力だけでカードを判断してはいけないと詰め寄られて「むずかしい話はやめてっ」「どうせ私はおバカよっ」とヤケになって泣きベソをかいてしまう。かわいい

そしてサポートカードとして手を差し伸べてくれる《閉ザサレシ天ノ月》に「ヤダ〜いい子〜アリガト〜⭐︎」とあわあわしながら感謝するというオチで締められるのであった。
クールなロリを前にキャラ崩壊するというイラストの威厳もへったくれもないがかわいいからヨシ




追記・修正は、このカード名を初見で読めた方にお願いします。

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最終更新:2026年05月02日 08:51