召命の神弓-アポロウーサ(遊戯王OCG)

登録日:2023/06/17 Sat 08:23:46
更新日:2025/04/05 Sat 19:28:08
所要時間:約 5 分で読めます






力の代償は力で払う



召命(しょうめい)神弓(しんきゅう)-アポロウーサ》とは、遊戯王OCGに存在するカードの一枚である。



【性能】

リンク・効果モンスター
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◣ ▼ ◢
リンク4/風属性/天使族/攻 ?
【リンクマーカー:上/左下/下/右下】
トークン以外のカード名が異なるモンスター2体以上
(1):「召命の神弓-アポロウーサ」は自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。
(2):このカードの元々の攻撃力は、このカードのL素材としたモンスターの数×800になる。
(3):相手がモンスターの効果を発動した時に発動できる(同一チェーン上では1度まで)。
このカードの攻撃力を800ダウンし、その発動を無効にする。

2019年発売のパック「RISING RAMPAGE」に突如現れた女神カード。
リンク4の大型モンスターでありながら、カード名が異なるカード2体以上で出せる為、展開力が多少あるデッキでは出しやすいモンスター。
そしてその効果だが、まず(1)の効果は単なるデメリット。
とはいえリンク4を2体並べるのは大変だし、ましてこのカードを2体並べたいということはまずないので気にする必要はないだろう。

(2)の効果は、使用したモンスターの数だけ攻撃力を上げるというもの。
4体使えば攻撃力3200。3体でも2400と妥協点となる。
とはいえ戦闘力に関しては同じ汎用リンク4でも容易に攻撃力5300になる《アクセスコード・トーカー》やオネスト内蔵の《双穹の騎士アストラム》、相手モンスターの攻撃力を吸い取り2回攻撃が可能な《ヴァレルソード・ドラゴン》には遠く及ばない。

彼女の本質は、(3)のモンスター効果へのカウンター
しかもこの効果にはターン1制限が無いため条件を満たせば何度でも使える。
ただし同一チェーンに複数積めないことと、初版版にはその趣旨のテキストが記されてないことには注意。
使えば攻撃力が下がり、攻撃力799以下になると使えなくなるものの、それでもL召喚するだけで最大でも4回もの妨害を構えることが可能なのだ。
勿論何かしらのカードで攻撃力を増強すれば更に使用回数が増えるおまけ付き。
無効範囲がフィールドだけでなく全ての領域が射程範囲なので、早めに出せさえすれば手札誘発に対抗しながら展開を進めることも可能。
ただし「無効化」するだけで破壊等はしないのでその辺りは適宜見極めて使おう。

リンクマーカーは自分側(下方向)に3つ、相手側(上)に1つ。《鎖龍蛇-スカルデット》や《トポロジック・ボマー・ドラゴン》と同じ形といえばわかりやすいか。
連続L召喚をしたり相互リンクが強力なカードを後押しできはするが、彼女自身は相互リンクやリンク先に関する効果を持っていない。
上向きのマーカーを相手Lモンスターに利用されてしまう可能性も考えると、若干ではあるが無駄のあるマーカー配置であるといえる。

注意点としては、まず最初に防げるのはモンスター効果だけであり、魔法・罠は防げない。
無限泡影》など食らおうものなら単なる可愛いだけの攻撃力0のモンスターになってしまうし《サンダー・ボルト》等の除去魔法も雑に食らってしまう。
2025年現在の遊戯王はモンスター効果が主体であるが故にこのカードは猛威を振るうのだが、未だにそういった除去魔法・罠の採用率も高いので油断は禁物である。

そして何より、(3)の効果の仕組みには大きな弱点もある。
たとえ4体リンクで攻撃力3200となっても、2回無効化を使えば攻撃力1600と下級モンスターレベルになってしまう。
こうなってしまえば、あとはバトルフェイズさえ消費すれば、適当な下級モンスターで戦闘破壊してからメインフェイズ2で効果を使うということがまかり通ってしまうので、「4回無効できるから余裕だもんね」なんて思っていたら痛い目を見る。バトルフェイズを無駄に消費させるという意味では仕事をしたと思いたいが。
チェーンを組まずに出れる《ダイナレスラー・パンクラトプス》とかが出てきて2400の時点で処理されてしまうことも珍しくない。
そのため、素材3体の2400というのは「3回無効にできる」というより「1回だけで突破されるリスクが高く、最悪0回でも突破される」というイメージであり、4回無効にするためではなく、安定して1,2回は無効にするために素材4体で出すのが理想となる。
ただし、前述したように素材4体だろうが一瞬で無力化されることもよくあるので、(特に、複数構えた妨害の一つとして見るなら)貴重なリソースを割いてまで4体で出すくらいなら、ローリスクローリターンな2,3体で妥協する方が良い場合も多い。

仮に4回無効にすることがあったとしても、相手が無効の連発を許したうえで攻撃力0のモンスターが棒立ちとなっているわけで、そこから酷い目に遭うことが予想されるだろう。
なお、ダメージ計算時のみステータスを書き換える《月鏡の盾》を装備した場合、戦闘後に何故か攻撃力がL召喚時の数値に戻る
実質戦闘で無敵になるうえに発動回数まで回復できる最強アポロウーサが誕生するので、積極的に使うなら狙ってもいいかもしれない。

またあくまでチェーンに1回しか使えない効果は自分だけが負うので、相手の《召命の神弓-アポロウーサ》がいる場合は封じられる可能性があるのも注意が必要。
単なる可愛い娘で終わるか、戦女神として戦場を支配するかは、どこでその無効化を打つかを見極められるかどうかに掛かっているだろう。

比較的緩いリンク条件から様々なデッキに入れることができ、先攻制圧ちょっとしたエッセンスとして召喚され、相手に絶望を与えることは多い。
そうでなくとも事故気味の中で彼女を立てれば最低限の妨害は構えられる為、EXデッキに余裕があれば入れてみてはいかがだろうか。


【イラスト】

さて、今までは性能の事ばかり話していたが、彼女の魅力はもう一つある。
それはとてもふつくしいイラスト
勇ましい女神がに乗り、特徴的な金色の弓を構えているというもの。チラリと見える腋、横乳、絶対領域もフェチを感じさせる。
女性モンスターというだけで評価できるところだが、そのポーズはまさしく「迎撃」と言った趣であり、カードの効果ともあっているのも特徴的。
性能も然ることながらそのイラストに惹かれたデュエリストは多い。
そして女性カード+汎用性の高い効果となるとやはりというかレアリティによっては値段も非常に高くなっている。
イラスト人気もあってか遊戯王マスターデュエルではカットイン演出付きカードに選ばれている。

その人気に呼応してかイラスト違いカードもある。
そちらは水辺に佇み、愛用している弓を両手に掲げ……よく見たら通常イラストでは確認できなかった光の翼が生えているという神秘的なシーンが描かれている。
なお熊は消滅した。

彼女の戦っている姿は 魔法カード《月女神の鏃》、罠カード《巨神封じの矢》にも描かれている。
双方とも相手モンスターのバウンスや効果無効化という強力カード。彼女の魅力を隅々まで楽しみたいのならこれらのカードを採用しても面白い。
なおやっぱり熊の姿は見られない。
マスターデュエルではなんと《月女神の鏃》が固有演出付き。前述のように本人も演出持ちのためマスターデュエルでも珍しい演出複数持ち*1となっている。

【余談】

カード名の「アポロウーサ」とは月と狩りの女神・アルテミスの別名義である。
だが、「神弓使い」「従者の熊がいる」「ケモミミ」という要素を加味すると、モチーフ元はアルテミスと関わりを持つギリシャ神話の女狩人「アタランテ」だと思われる。
光属性の比率が高い汎用天使族の中で自身が風属性であるのは、彼女が俊脚にまつわるエピソードを持っているのが由来だろう。
従者の熊が登場しないイラストが多いのは、その熊があくまでも従者であって戦闘役ではないからなのかもしれない。

このカードが収録された「RISING RAMPAGE」では他にも妖仙獣シムルグ、《蒼翠の風霊使いウィン》といった風属性に関するカードが多めに収録されている。
彼女が風属性になったのは、【風属性】強化の意図もあったのかもしれない。





追記・修正は、行方不明になった熊を探し当ててからお願いします。

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最終更新:2025年04月05日 19:28

*1 演出複数持ちは《ブラック・マジシャン》などのイラスト違い系カードが多いが、モンスター・魔法でそれぞれ持っているのは彼女ぐらい