ルパン三世 ルパン暗殺指令

登録日:2020/11/24 Tue 22:44:00
更新日:2021/01/20 Wed 10:24:19NEW!
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俺は殺しの訓練は受けたが、生きたまま逮捕なんてのはどうも苦手でね


逮捕というのは建前…生死は問わない それが銭形を降ろして君を選んだ理由だ


んで、俺が殺るのは何人だ?


まずルパン…次元大介…石川五ェ門…そして峰不二子… 何かこちらで、用意するものがあったら言ってくれ




……棺桶と墓石 





ルパン三世




『ルパン三世 ルパン暗殺指令』とは、1993年7月23日に金曜ロードショーにて放送された、ルパン三世テレビスペシャル第5弾のタイトルである。脚本はこれまでのTVスペシャル同様柏原寛司氏が務めた。

前作の『ロシアより愛をこめて』がプロ野球中継により遅れて放送した関係で視聴率があまり伸びなかったことから、本作を持ってTVSPは最終回となる予定だった。だが本作の視聴率は22.0%とかなり好評だったため、続行が決定した。
本作は完結編の予定だったため、監督には1stシーズンで演出を手掛けたおおすみ正秋氏を起用したり、OPでは1stシーズンでルパンが乗っていたベンツSSKが登場したり、作風も往年の作品のようなコミカルな感じではなく、1stシーズン初期の頃のようなシリアスかつハードボイルドな作風になってるなど様々な原点回帰が見られる。
また、キャラクターデザインもこれまでのTVSPのような『ルパンVS複製人間』に近いデザインから一新して、江口寿史氏による独特なデザインとなった。

本作ではルパンと銭形が初めから手を組むといった珍しいストーリーとなっている。

【あらすじ】

ある日、ヘマをやらかし警察隊に追われたルパンと次元は、アジトまで逃げ込んだものの周りを完全に包囲される。銭形も登場し万事休すかと思われたが、銭形の指示で警官は全員引き上げ、銭形も単身無防備でアジトに訪ねてくる。
なんと銭形はルパン捜査から外されてしまい後任には傭兵あがりのキース・ヘイドンが着任してしまったというのだ。ルパンと共にやけ酒を飲む銭形だったが、その辞令には「武器密売組織”ショット・シェル”の壊滅捜査を命ずる」という続きがあった。現金取引が基本の武器密売という点に目をつけたルパンは銭形に協力を申し出、裏で組織の資金を全て盗み出す計画を進める。

ルパンは不二子、五ェ門も呼び寄せ、原潜開発に協力した核物理学研究所のカレン・クオリスキー教授も拉致した後に原子力潜水艦「イワノフ」を強奪。世界中のイワノフを欲しがる国々からのコンタクトを蹴り、ショット・シェルからのコンタクトを待つ。
しかし、カレンにはかつて次元によって父を殺されたという過去があったという。二人の間に不穏な空気が漂うが、とうとうショット・シェルの経営者ジョン・クローズからのコンタクトを得る事に成功。
ルパンは取引のためルパン・次元・不二子の組とカレン・五ェ門・銭形の組に別れ、ルパン組はショット・シェルの本拠地へ向かい、銭形組はカレンを匿うためにハワイへ身を潜めた。

クローズが計画していたのは裏の武器取引でも存在しなかった「核兵器」の売買であり、そのために原潜泥棒にも成功したルパンとの協力を求めるが、同時に核兵器開発のノウハウを持つカレンの行方も探そうとする。
ルパンは組織の金を探る為、クローズの要請を快諾するが、あくまでカレンのことは「原潜を奪って操縦方法を教わったら用済みだからアラスカに置いてきちまった」と黙秘することを決め込む。
しかしその頃、実はクローズの部下であり、ルパン一味を追うキースの魔の手が刻々と迫っていた……。


【登場人物】


◆レギュラーキャラクター


CV:山田康雄
ご存知天下の大泥棒。前作までのような馬面から、往年の猿顔に戻っている。
ショット・シェルの資金を奪うついでに銭形の復帰を手伝うためにショット・シェルの壊滅に動く。
ショット・シェルの資金の隠し場所を探る最中、クローズの依頼でウラジオストックで投棄されている原潜とアリゾナ砂漠で厳重に管理されていたスライス状態の原子炉を強奪。
次元には素直に渡していいのかと万一の事を指摘されるも、ルパンは「どうせモノがあっても、原子炉を組み立てられる技術屋がいなければ使えない」とタカを括っていたが…

コミカルなシーンは従来と比べると少なめで、また終盤では近年の作品ではあまり見られないような冷酷さを見せた。
本作ではいつも使っているワルサーの他に、冒頭の武器市場で購入した特殊な武器*1を使用している。
余談ではあるが山田氏はこのころから体調を崩し始め、勢いがなくなり始めていた。

「ハードボイルドっつうのはな、高級浪花節よ!」


CV:小林清志
ご存知ルパンの相棒で本作の主役。
本作では帽子の下から前髪がはみ出ているといった今までにないデザインとなっている。
ルパンとは違い本作ではコミカルなシーンは一切なく、クールでシリアスなキャラになっており、珍しく帽子の下から目を見せるシーンは一度もない*2
本作のゲストヒロインであるカレンとの因縁が物語の主軸となっている。
終盤で男泣きするシーンがあり、次元ファンにとっては必見である。

「女と一緒さ、相性ってやつがあるんだ 俺はこいつと離れられないし、こいつも俺と離れられない ただ女と違う所は、俺を裏切らないって事だ」


CV:井上真樹夫
ご存知ルパンの相棒その2。
TVSPシリーズでは毎回ギャグキャラと化してる彼だが、本作では次元同様彼もコミカルなシーンはほとんどなく(あるとすれば終盤で不二子からキスされて赤面するシーンくらい)、寡黙なキャラを貫いている。
本作では中盤辺りで一旦退場してしまい、そのまま終盤まで出てこなくなるため出番は若干少なめ。

「斬鉄剣のおかげで、命拾いしたようなものだ」



CV:増山江威子
ご存知お色気担当。
レギュラーメンバーの中で一番デザインが大きく変更され、初めて見た際に本作のゲストヒロインと勘違いした視聴者も多いとか。
不二子といえばお金が大好きで、私欲のためなら他人だろうとルパンであろうと平気で裏切る悪女というイメージが強いが、本作の不二子はお金好きなのは相変わらずだがルパン達にかなり協力的な性格で、またカレンの背中を後押ししたりするなど強気な姉御肌キャラとなっている。それもあってか本作ではシリーズお馴染みの裏切りは一切なし。

「あ~ら、男のロマンのおかげで何回泣いたかしら」


CV:納谷悟郎
ご存知銭形のとっつあん。
本作ではルパン専従捜査から解任され、ルパンと共にやけ酒を始めた。その後、ショット・シェルの壊滅のため、そしてルパン逮捕の任務に戻るため彼らに協力することにした。
解任されたことについては「無理もない……ウン十年もお前らを逮捕出来なかったからな」とかなりメタな自嘲を零す一方で、自棄酒を煽りながら「お前らを他の奴に逮捕されるのがもっと悔しいんだ」と吐露した。
本作では終始シリアス気味なルパン一味とは違って、どちらかというといつも通りのコメディーリリーフ的な存在で、殺伐としたストーリーの中の清涼剤となっている。

「ド派手というよりド地味だなこりゃ」


◆ゲストキャラクター


  • カレン・クオリスキー
CV:田中敦子
本作のゲストヒロイン。
ロシアで数少ない若き核物理学者でモスクワ大学の教授。ショット・シェルによって拉致されたが、五ェ門と不二子によって救出され、その後はイワノフの強奪を目論むルパン達に操縦方法を教え、共に行動することになる。
次元に対して、何か特別な感情を抱いているように見えるが…

「これで…イワノフを…イワノフを…悪用されたくない…」



  • ジョン・クローズ
CV:野沢那智
ショット・シェルのボスの小皺だらけのちっちゃいおっさん。ルパンからイワノフを買い取ろうとした張本人。グアム島付近の島を本拠地としており、多数の各種兵器を備えている。
仕事に没頭し続けてきたためか、ずっと独身で女性と付き合ったこともない。つまりDT
「チッチッチ」と言いながら指をふるのが癖。
普段からにこやかな笑顔を張り付けておりルパン達に対しても丁寧で穏やかな口調で接するが…

「話はついた、丁重にお迎えしなさい…今度は失敗をするな!」


  • キース・ヘイドン
CV:石塚運昇
解任された銭形に代わってルパン専従捜査の任務(実際は暗殺指令)に就いたICPOの刑事。傭兵あがりで、戦闘能力は極めて高い。
バイクやヘリの操縦だけでなくミサイル車のミサイルを発射させるなど、技術も優秀。
ICPO以外のある男からも命令を受けているようだが…

「野良犬は殺す方がいい!!」


  • ブラッド
CV:銀河万丈
クローズの部下で、パンチパーマのような髪型をした大柄な男性。彼の右腕的存在であり、単独での潜入や拉致だけでなく、他の部下の指揮など幅広くこなす。
序盤で不二子に一杯食わされたため、彼女のことを警戒している。

「強引でも早めに手を打った方がいいからな!」

  • マローン
CV:飛田展男
クローズの部下で、金髪の小柄な男性。作中ではブラッドと共に行動することが多い。終盤で他の部下と共に不二子とカレンを追い詰めたが、五ェ門によって服を着られ素っ裸にされた。

「死んでもらうぜ!」


【キーアイテム、用語】


  • 原子力潜水艦「イワノフ」
ロシアが開発した最新鋭の原子力潜水艦。SLBM(潜水艦発射弾道弾)を30基搭載しており、また核武装も可能。ルパンがショット・シェルと接触するために強奪した。ショット・シェルだけでなく各国も武器商売をするために欲しがっていた模様。
最終的にカレンの仕掛けた自爆装置によって破壊され、海中に沈んだ。

  • ショット・シェル
クローズが経営する武器密売組織。表向きは国際的な合法企業ではあるが、その裏では超国家規模の密売ルートを持っており、
世界各国に戦乱の火花を落とすことで兵器の販売拡張を画策している。

ミクロネシア海域の孤島を本拠地にしており、島内にはクローズの邸宅の他、兵器開発工場や現金保管庫がある。
本拠には様々な兵器が保管されているが、外見だけ新しく見せているだけで中身はガラクタ同然の旧式らしい。
最終的にルパンの爆撃によって島は壊滅、クローズも部下共々イワノフの爆発に巻き込まれて死亡し、ショット・シェルは壊滅した。


【エンディング】

事件終息後、島の岬でカレンを埋葬し、1人の神父と共に葬儀を行うルパン達。

神父「私たちがお互いに慈しみ、主を讃える美しい心を通して、友人で会ったカレン・クオリスキーが、安らかに主の元で眠ることを祈ります…」

神父が賛美を告げる中、不二子はルパンに衝撃の告白を告げた。

不二子「あのお金、イワノフには積んでなかったようよ!」

ルパン「何だって!?」

実は、イワノフと共に海に沈んだと思われていたショット・シェルの資金は、なんとフランスの人工衛星に移されていたのだった。
しめしめとほほ笑む彼らの元に、ショット・シェルを壊滅したことでルパン専従捜査に復帰した銭形が現れた(もしかして神父に化けていたのか?)。
そして、ルパンに手錠をかけたが…



スポッ!


手錠をかけたルパンの腕がスッポリと抜けてしまった。実はその腕は冒頭の武器市場で購入した義手だったのだ。

ルパン「手もなくだましてやった!」

こうして銭形は結局ルパンに逃げられてしまい、一人取り残されてしまった…
一方、銭形を出し抜いたルパン達は、スペースシャトルに乗り宇宙へ向かった。

宇宙には人工衛星などがわんさか…

大野えり氏が歌うED曲である「Destiny Love」にあわせて、スペースシャトルはショット・シェルの資金が移されたフランスの人工衛星へと向かっていった。
その人工衛星を見つめながらルパンは呟いた。

ルパン「みろよ こわいねぇ… 女の執念ってヤツは」

その女は、一人で宇宙に飛び出し、人工衛星の扉を開けた。すると、中から札束があふれてきた!

不二子「やったーっ! ルパンみて おカネよ!」

大量の札束に囲まれながら、不二子は嬉しそうに喜ぶのであった…




Fin




なお、「Destiny Love」は中々の神曲のため聞いてみることをお勧めする。


【余談】

本作に登場した原子力潜水艦「イワノフ」は『ルパン三世 PartⅢ』にも登場しているが、本作とは完全に別物である。

銭形が解任された7月23日は本作の放送日となっており、放送当時とあわせて設定されたものである。

本作でクローズを演じた野沢那智氏とブラッドを演じた銀河万丈氏は『DEAD OR ALIVE』でも悪役として共演しているが、そちらでは銀河氏がボスである首狩り将軍を、野沢氏が側近であるクライシスを演じた(つまり本作とは立場が逆となっている)。他にも銀河氏は次作で柘植の幻斎を演じており、野沢氏は『トワイライト☆ジェミニの秘密』では貞千代を『生きていた魔術師』ではパイカルを演じた。また野沢氏は、本作放送日の翌日に公開された『クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王』でハイグレ魔王を演じた。

ゲストヒロインであるカレンを演じた田中敦子氏も『天使の策略 ~夢のカケラは殺しの香り~』で辻斬りカオル*5演じた。



クローズ「この項目を追記・修正させてもらうよ 素晴らしい記事をありがとう!」




ルパン「次元、やれよ」


次元「いいのか?不二子」


不二子「いいわよ」


五ェ門「やってくれ」


次元「また、借りができたな…」



カチッ



ドカーーーーーーーーーーーーーーーーーン




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最終更新:2021年01月20日 10:24