バック・アロウ

登録日:2021/01/28 (木曜日) 10:42:50
更新日:2025/01/22 Wed 21:17:27
所要時間:約 4 分で読めるのか





己が信念で、世界を拓け



●目次

【概要】

『バック・アロウ』は、スタジオヴォルン制作のオリジナルアニメ作品である。
壁に囲まれた世界を舞台に、記憶喪失の主人公が記憶を取り戻すべく壁の外を目指すストーリーが展開される。
監督は谷口悟朗、シリーズ構成及び脚本は中島かずきが担当し、アニプレックスとの三者協力で原作者としてもクレジットされている。

2021年1月から6月にかけて連続2クールで放送された。話数カウントは「BACK ○○」。全24話。
サブタイトルは全て「○○は××なのか」という旨の疑問形で統一されている。

昨今のアニメには珍しく、話数が進むごとにOP・EDがこまめに変更されていた*1。2クール目以降OP・EDが刷新されてからは登場人物も出揃ったことからか、目立つ変更は見られなくなった。


【あらすじ】

壁に囲まれた世界「リンガリンド」。
壁を神として崇めるその大地では、東西を分ける二つの大国「レッカ凱帝国」「リュート卿和国」が鎬を削っていた。
ある日、リンガリンドの辺境にある「エッジャ村」に、記憶喪失の男「バック・アロウ」が流れ着いた。
壁の外から来たと主張するアロウを村人は一笑に付すが、突然現れた賞金稼ぎがアロウの乗ってきたラクホウを狙い、ブライハイトと呼ばれる兵器でエッジャ村を襲う。
見かねたアロウはラクホウの中からバインドワッパーを発見、ブライハイト「ムガ」を機装顕現し賞金稼ぎの撃退に成功。
村人から感謝の言葉も送られないまま、アロウは壁の外へ帰ろうと村を後にするが、それは自身を巡る争いの幕開けでもあった……



【登場人物】

・エッジャ村→グランエッジャ城艦国

リンガリンドの辺境・イキ合愁国のはずれに存在する小さな村。
その日暮らしにも難儀する不毛の地であり、人々は貧しい生活に疲れ果てている。
アロウの入ったラクホウの落下をきっかけにして大きな混乱に巻き込まれ、BACK 03で地下から城艦が浮上したことにより土地としてのエッジャ村は崩壊。以降、「グランエッジャ」と名付けた城艦に村民全員が搭乗し、新天地を探し旅立つ。
その後、レッカの襲撃やリュートでの苦難を経て、BACK 15でアタリ―が「このグランエッジャそのものが独立国である」と大見得を切ったのがきっかけとなり、彼女を女王とする新興国「グランエッジャ城艦国*2」としてレッカ・リュートや他の小国と対等に渡り合うようになる。

  • バック・アロウ
CV:梶裕貴
主人公。胸に大きな傷跡があり、前髪の一部だけメッシュのように赤くなっている。
壁の外から来た事以外は何も覚えておらず、ビットに何度も言われた「バッキャロー」という悪口を気に入った事から「バック・アロウ」とかっこいい感じにして名乗るようになる。
壁の外を目指すという使命感は強いが、それさえ絡まなければ理にかなった考え方もできる模様。
ラクホウから現れた直後は全裸であり、人前で恥じらう様子が全くなかったのもある意味大物と言えるか。
基本的には人情を重んじる好漢だが、記憶喪失の自分に唯一残された『壁の外へ帰る』という願いにこだわるあまり周りを顧みなくなってしまう一面もある。
信念を持たないにもかかわらず機装顕現できたり、ブライハイトを倒してもバインドワッパーだけが破壊されたりと、その素性には謎が多い。
専用ブライハイトはムガ

  • アタリー・アリエル
CV:洲崎綾
ヒロインの一人。亡き父の後を継いで保安官となり、エッジャ村を守ろうと日々努力する少女。かなり立派なモノの持ち主でもある。
ムチの扱いに優れる一方で性格は非常に優しく、村人達が冷遇する中で余所者のアロウに唯一親切に接した他、全裸の彼に父の形見のパンツを差し出した
信念は「とりあえずやり過ごす」だが、村の危機には父の形見のバインドワッパーを使って果敢に立ち向かう。
エルシャにとってはよき親友であり、突然押し付けられた村長という立場に苦しめられる彼女が唯一本音をさらけ出せる相手でもある。
BACK 16でグランエッジャ城艦国の女王となり、仲間たちに支えられながら一国の主としてやたら胸の谷間を強調したドレスを纏って他国との折衝に努めていく。
専用ブライハイトはリュージュ


  • エルシャ・リーン
CV:小澤亜李
ヒロインの一人。エッジャ村の村長バークの孫娘であり、狩りの際は銃の腕前をいかんなく発揮する。信念は「絶対に生き延びる」
露出度の高いカウボーイファッションに身を包んでおり、アタリーに負けず劣らず立派なモノを持っている。しかもノーブラ
明るく強気な性格と見せかけ、両親を亡くした過去も手伝って現状維持にこだわるなど、割と後ろ向きな考えの持ち主。
BACK 06で疲れ切ったバークに村長の座を譲られてからは、共同体の代表という重い立場に悩み苦しみ、アタリーに弱音を吐くこともあった。
村民の命を懸けたプラークとの決闘の後は村長としての意地と覚悟に目覚め、リュート側に助力してレッカとの戦争に臨む決意を固める。戦争終結後、グランエッジャ城艦国が樹立された際も国王候補に名が挙がったが、グランエッジャの操艦との両立の難しさから断っている。
専用ブライハイトはシャドウ


  • ビット・ナミタル
CV:小野賢章
エッジャ村に住む少年。臆病な性格で、村の成人の儀式でもビビって落っこちたらしい。
村で暮らしていた頃は銃の腕こそからっきし*3だったが手先が器用であり、余った布や端切れでアロウの服を縫った事も。
当初は何度も家を壊されたせいでアロウを嫌っていたが、紆余曲折あり仲間として信頼するようになっていく。
また、シュウが合流してからは「軍師管理大元帥」なる役職を割り当てられ、(名目上)彼の監視役として行動を共にする。彼やグランエッジャの仲間たちと共に過酷な状況を切り抜ける中で、根の臆病さはそのままに度胸と確かな射撃技能*4を身につけており、シュウからは「最後の切り札」として信頼されるまでに成長した。
アタリーの事が好きだが、臆病なせいでなかなか告白できないでいる。

  • バーク・リーン
CV:河本邦弘
エルシャの祖父でエッジャ村の村長。エルシャ以上に保守的で、村の平穏を結果的に乱したアロウを「疫病神」と罵ることも。
グランエッジャの浮上によってエッジャ村が失われてからは、目まぐるしく移り変わる状況についていけなくなっていき、BACK 06で村長の座をエルシャに譲る。
村長を辞めた後も村民の中での発言力は高いようで、グランエッジャを降りたいと望む村民の声をエルシャに伝える、ソーラに皮肉を吐くなどそれなりに出番がある。
グランエッジャ城艦国樹立後は、これまでの経験から他者に頼らないことの大切さを痛感し、グランエッジャを祖国として生きてゆく決意をエルシャに語った。以降は皮肉や愚痴は鳴りを潜め、困難な道行に立ち向かうエルシャたちを他の国民と共に信じ、応援している。


  • ソーラ・アシン
CV:関智一
エッジャ村の医者。村に来て約1年の新参者で、それ以前は各地を転々としていたという。
ラクホウを見た事があったり、外部の交易ポイントに行き来していたりと、外界の知識に疎い村人の中ではかなり博識である。
リュート卿和国に何か思うところがあるらしい。


  • アニー、ジム、トム、サム
CV:上田麗奈、松本沙羅、永瀬アンナ、長縄まりあ
エッジャ村の子供達。それぞれ親と死別してしまったため、アタリーが世話をしている。
彼らの遊びは確実に死ぬ高さから崖下を覗き込んで落ちかけたり、「斧ごっこ」と称して人の頭に棒切れを投げつけたりと、かなり危なっかしい。


・レッカ凱帝国

リンガリンドを二分する大国のひとつで、西側を統治している。全体的に中華風のデザインが特徴。
武勇こそ人の誉れ」と考え、積極的な勢力拡大や武力弾圧を行う軍事国家。

  • カイ・ロウダン
CV:置鮎龍太郎
レッカの無敵将軍。「天下無双」を信念とし、格下相手でも礼儀を持って応じる武人然とした人物。
作中で最初に機装顕現を行い、賊相手に無双すると同時にブライハイト戦で負けたらどうなるかを視聴者に知らしめた。
北の壁際にある貧しい村の出身であり、シュウとはその頃からの幼馴染
彼と共に内側からレッカを変える「北壁の誓い」を立てたが、BACK 04で彼に裏切られてからは仇敵として付け狙うようになる。シュウの搦手に複数回の敗北を喫する中で己の信念を見失いかけたこともあったが、レンの𠮟咤によって立ち直り、アロウとシュウの打倒へ決意を新たにする。
戦いの中で磨かれたその信念はゼツ凱帝も認めるほどで、終盤は新たな技を次々編み出し『無敵将軍』の名に恥じない活躍を見せる。また、頭に血が上りやすい性分も徐々に改善されており、時にはシュウも驚くほどの冷静な判断を下すようになった。
専用ブライハイトはギガン


  • シュウ・ビ
CV:杉田智和
もう一人の主人公。天命宮大長官を務めるレッカの軍師的存在。飄々とした性格をしており、軽い言動やノリで部下のレンをよく振り回している。
知識欲と行動力が非常に旺盛で、知りたいものがあれば自ら動き、一度言い出したら絶対に止められない。
また、目的のためなら手段を選ばない柔軟な思考も持ち合わせており、不確定要素であるアロウと独自に接触して助言を送る場面も。
帝国では危険思想とされる壁の外という概念もすんなりと受け入れ、それを破れる可能性の1つとしてアロウに強い興味を抱く。
やがて彼に「世界を変える」可能性を見出したことにより帝国を裏切り、BACK 04でグランエッジャに寝返る。グランエッジャに乗艦してからは、「軍師管理大元帥」のビットを上手く言いくるめて実質的なブレーンとして活躍する。
壁を破るためにはリンガリンドをひとつにまとめる必要があり、そのためにはアロウが王となることが不可欠と度々説いているが、当のアロウはあまり乗り気ではない様子。


  • レン・シン
CV:潘めぐみ
シュウの補佐・警備を務めるレッカの女性軍人。スパッツとニーソックスに挟まれた美脚の持ち主。料理の腕もなかなからしい。
不真面目な上司のせいで気苦労が絶えないが、シュウがアロウに殴られた際には激昂して剣を抜く、カイに結婚を勧められた際には赤面するなど、シュウを異性としても意識している模様。
シュウの方も(性格込みで)レンを強く買っており、お互いの信頼関係は強い。
BACK 04でシュウに裏切られてからは、彼に強い憎しみを抱き、カイの従者としてシュウを付け狙うようになる。戦いの中でカイとの間には確かな絆を育んでおり、終盤に『俺の翼はお前一人』と告げられた際には歓喜の様相を見せていた。
リュートとの開戦時にバインドワッパーを授かり、信念「不義なる者断じて許さず」を形とした専用ブライハイトシュンレツレップウを操る。


  • ゼツ・ダイダン
CV:堀内賢雄
凱帝として君臨するレッカの絶対権力者。監督繋がりだがカギ爪の男ではない。
レッカ全土に轟く威風とは裏腹に風体は老いているが、分厚い眉の下に潜んだ鋭い眼光を表に出すと凄まじい信念力を発揮。虎を象った炎のようなオーラを放つ、光の槍を投げつけてプラークのパラノーブルを一撃で倒すなど天井知らずの強さで敵対者を圧倒する。
気の強い小娘がタイプらしく、フィノワールと対する際は愉悦に口角を歪めることが多い。ドMなのでは……グランエッジャ城艦国樹立の調印式でもフィーネにレッカに来るよう誘うなど、彼女への好意は筋金入りのようだが、当のフィーネには軽やかにかわされている。
壁の外を探る考えを危険思想として処断し、それらの存在を示唆する禁書の回収を部下に急がせていた。BACK 03ラストでアロウの存在を知ってからは、「リンガリンドを滅ぼす者」として殲滅対象に認定する。
かねてより進めていた辺境の反乱軍討伐を完了した後、BACK 09でリュートに宣戦を布告。「じゃじゃ馬」ことフィーネ/フィノワールへの個人的な興味もあって自ら戦場に出陣し、その凄まじい力でリュートとエッジャの面々を圧倒するが、フィーネの全てを包み込む愛によってワッパーを砕かれ敗北。戦後はリュートとの講和に応じる一方、再戦の機を虎視眈々とうかがっていたが、テイから奪った空中城艦とその内部に備えられていた無数のバインドワッパーを獲得し再び戦陣に舞い戻る。


  • テイ・ホウワ
CV:三宅健太
レッカの宰相。自己の保身と財の貯蓄を第一に考える小物で、シュウからは「バカ宰相」と陰口を叩かれる。
リュートとの戦争に際しては、自身の蓄えた財を軍事費に使われることを嫌ってリュートへ亡命。ディソナンザに唆され、レッカ北方に隠されていた第2の城艦で帝都を襲撃する。


  • キョウ・メイケツ
CV:間島淳司
レッカの武防宮長官。シュウが裏切った後は、空席となった天命宮長官も兼任する。
飄々と己の立場を守るように見せて、その実言葉巧みに他人の行動を誘導する食えない輩。
レッカへの忠誠心は将軍たちにも負けておらず、BACK 16では祖国のために捨て身の策を講じ、シュウさえ手玉に取る活躍を見せた。
その信念は「流れに身を任す」であり、ゼツがダイレッカを奪取した後は、彼の任命によってダイレッカの操艦を務める。

  • バイ・トウアツ
CV:稲田徹
レッカの北方将軍。いかにも武人らしい容姿をした巨漢で、胸まで伸びた長い髭が特徴。
戦いとなると燃えずにはいられないハイテンションな性格で、好機と見れば「来た来た来た来たァ!」と叫び散らす暑苦しい男。
その一方、一度燃え尽きるとなかなか立ち直れない性質でもあるらしく、リュートとの戦争でバインドワッパーを失ってからは、昼間から酒を飲みゴウと不透明な先行きを憂慮するらしくない姿も見せている。
次回予告には並々ならぬこだわりがあるが、こだわりを語りすぎてサブタイトルを最後まで言えずゴウに「馬鹿がァ!!*5」と叱責される一幕も。
「全ての敵を薙ぎ倒す」という信念を持ち、大斧を構えた専用ブライハイトセンプを操る。


  • ゴウ・ザンガ
CV:檜山修之
レッカの西方将軍。逆三角形の胸板が目を引く大男。
BACK 08で辺境の反乱軍討伐を終え、帝都へ戻ってきた。
管轄こそ違うがバイとはよき戦友のようで、戦場ではコンビを組んで活躍する。
専用ブライハイトは竜のような頭部を持つバリュウ。信念「闘志千里を走る」の力によって伸長する光の槍が武器。


・リュート卿和国

リンガリンドを二分する大国のひとつで、東側を統治している。全体的に西洋風のデザインが特徴。
知性こそ人の誇り」と考え、六大卿が政務・軍事などそれぞれの分野を受け持って国を統治している。
バインドワッパーやブライハイトに関する研究が盛ん。

  • フィーネ・フォルテ
CV:小清水亜美
リュートの実権を握る有力貴族「六大卿」の一員にして、自身も「皇女卿」の称号を持つ聡明な女性。
平和を愛する性格であり、殺し合いや戦争が絶えないリンガリンドの現状を憂いている。
そのためブライハイト戦で相手を殺さなかったアロウに強い興味を持ち、平和を取り戻すきっかけとして期待を寄せる。
レッカとの戦争に向け機運が高まる中、あくまでも戦いを避ける姿勢を守り続けていたが、自身に潜むもう一つの人格・フィノワールに翻弄され、望まぬ戦いに臨むことになる。
戦争においては自らも前線に立って戦い抜き、辛うじて講和という結果を勝ち取るが、ルドルフの策略によってフィノワールとしての振る舞いを国民に見られてしまったために国内で反乱が発生。石もて追われる立場となり、最後には皇女卿としての地位までも剥奪されてしまう。
愛する国民の眼前で処刑される直前、アロウに救われ、グランエッジャ城艦国に亡命する。その後はグランエッジャ城艦国の国家顧問に着任し、リンガリンドの平和のために力を尽くす。

  • フィノワール
フィーネの中に宿った血と暴力を好む残忍な第二人格。
フィーネの中のフィノワールが表出すると髪が紫に変色し、吊り上がった真っ赤な目を持つ凶暴な姿に変貌する。
フィノワールの存在を知るのは本人とプラーク、そしてソーラのみであり、プラークはフィノワールに自分と同じ服を着せて仮面を被せ、自らも仮面を被った姿で度々凶行に及ぶことでフィノワールの存在を隠蔽していた。
当初はフィノワールが現出している時間はわずかなものであり、それゆえに隠蔽も可能であったが、その後ゼツ凱帝の宣戦布告以降は抑えがきかなくなりフィノワールがフィーネの主人格と化す。
プラークとの決闘を制したエルシャの呼びかけによってフィーネがフィノワールと向き合い、受け入れる覚悟を決めたことで、フィノワールの人格は黒く染まったバインドワッパーの中に封印された。
しかし、レッカとの戦争において黒いバインドワッパーを装着して戦場に赴いたフィーネの中から再び現出。ゼツ凱帝に挑発めいた言葉*6を吐き散らした上、敵味方関係なく殺戮し吸収するという凶行に及び、後にフィーネが失脚する直接的な原因を作ってしまった。アロウのセイバーブローを受けたことでフィノワールは再度封印されたが、黒いワッパーはフィーネ自身の意思によりプラーク機甲師団を通じて彼女の手元に戻っており、現出の可能性は未だ残っている。

  • プラーク・コンラート
CV:小松未可子
「機甲卿」の称号を持つ六大卿の一員。優秀な騎士を集めたブライハイト隊「プラーク機甲師団」を率いており、自身もブライハイト戦のエキスパートとして活躍する。
フィーネ姫に絶対的な忠誠を誓っており、何事もエレガントに行うことを是とする男装の麗人。一方、姫に逆らう者が相手ならば刃傷沙汰も辞さない姿勢から「血塗れプラーク」と仇名され、恐れられている。
フィーネがグランエッジャ城艦国に亡命してからは、彼女と共にグランエッジャ城艦国の一員となる。国の防衛戦力として備えるばかりでなく、洗濯などの雑務にもエレガントなお召し物のままで精を出している。
信念「姫への献身」を形とし、大空を翔ける専用ブライハイトパラノーブルを操る。

  • ハンス・パルディン
CV:中村太亮
プラーク機甲師団の団員。銀髪に青い服装を纏った美男子
フリッツと共に、プラークの忠実な部下として付き従う。
グランエッジャ城艦国樹立の調印式を機に機甲師団一同でリュートを離れ、プラークのいるグランエッジャ城艦国へ籍を移した。


  • フリッツ・クラウス
CV:羽多野渉
プラーク機甲師団の一員。金髪に緑色の服装を纏った美男子
ハンス共々プラークに心酔しており、グランエッジャ城艦国へ移る際には「師団長がいるところが我々の国」であると高らかに宣言していた。


  • ピース・グリンハウス
CV:遠近孝一
「政務卿」の称号を持つ六大卿の一員。
フィーネの歓心を得るべくガライに圧力をかけ、アロウの捜索をさせた。
ルドルフ選帝卿とも繋がりがあるようで、退廃宮殿に出入りし、ディソナンザと通じて行動している。
フィーネが失脚してからは、ルドルフの意向によりリュートの新たな国王となった。


  • バラン・スジータ
CV:間宮康弘
「軍事卿」の称号を持つ六大卿の一員。
レッカとの国境に日夜勃発する小競り合いに頭を悩ませている。


  • デマイン・シャフト
CV:北沢力
「科学卿」の称号を持つ六大卿の一員。
自身の研究のためなら危険な人体実験も楽しんで行うマッドサイエンティスト。
実験の際には「デマイン科学合唱団」なる合唱団を呼び出し、頓狂な歌を奏でさせる。


  • ルドルフ・コンダクトーレ
CV:三木眞一郎
「選帝卿」の称号を持つ六大卿の一員で、リュートの皇帝を選ぶ権利を持つ実質的な最高権力者。
体内にバインドワッパーを持つといわれ、全身が脂肪で膨れ上がった醜悪な姿をしている。
不気味な居城・退廃宮殿で日々享楽に溺れる怠惰な生活を送るが、本人曰く「本気を出したら世界を滅ぼしてしまう」ためあえてこのような振る舞いをしているとのこと。
事実、一瞬だけ見せた真の姿*7は見違えるような筋肉質であり、アロウを一撃で吹き飛ばすほどの力を持っていた。


  • ディソナンザ
CV:井上喜久子
ルドルフに仕える道化執事。ピエロのような仮面をつけ、ルドルフの意向に沿って方々で暗躍する。
他人に姿を変える能力を持っており、諜報や潜入工作に活用する。


  • デバッガー
CV:松本大
リュートの依頼を受け、エッジャ村を襲った賞金稼ぎ。
逃げる相手は容赦しない」という信念の持ち主で、相手が逃げようとすればする程自身の力が増す。
この能力でアタリーを追い詰めるがアロウに敗北し、バインドワッパーだけを壊された状態でリュートに帰還した。


・イキ合愁国

リンガリンドの南にある辺境の小国。

  • ガライ・バリバガーン
CV:土田大
イキの大統領であり、冷徹なまでの事なかれ主義者。レッカにもリュートにも敵対しないよう表明する事で国の維持を図っている。
ピースからの圧力でエッジャ村に捜索隊を送るが、肝心のアロウが見つからないと証拠隠滅として村人を皆殺しにしようとした。
最終的にビットの働きもあって隠蔽工作は失敗し、村人に国からの退去を迫るも逆に捨てられるという屈辱を味わった。


  • タイロン・ダスター
CV:奈良徹
イキの自警団団長を務めるカウボーイスタイルの男。信念は「長いものには巻かれろ」。
自ら部下を率いてエッジャ村を訪れ、アロウがいないと知ると機装顕現して村を焼き払い、村人も皆殺しにしようとした。
「命令に従えば危害は加えない!」「俺の任務は大の虫を生かすために小の虫を殺す事なのだ」など、小悪党じみたセリフを言うのが嬉しくてたまらない妙な趣味嗜好の持ち主。


・美少年牧場→美少年共和国

リュートに納税して自治を認められた「ウォルストン自治属州」にある牧場。
領主セバーン・ウォルストンによって人体実験に供される「家畜」にされた美少年たちが住んでいる。
美少年たちは「信念子」の一種である「美少年粒子」を常に放っており、妙にキラキラしている
戦争を機にレッカとリュートの二大国構造が崩れゆく中、ブルーを大統領とする「美少年共和国」としてウォルストンから独立した。


  • ブルー・ブリアン
CV:橘龍丸
美少年牧場に暮らす青い髪の美少年。信念は「自分だけは生き残る」。
牧場の仲間たちを守るためにブライハイトを機装顕現して戦う一方、己の信念を「自分だけ生き残るなんて醜い」と忌み嫌い自己嫌悪に陥っていた。
しかし、あえて敵に回って牧場を襲うアロウとシュウの奇策によって奮起し、「まず自分が生き延びて皆を守る」という強い意志を手に入れた。
美少年共和国建国後は大統領としてレッカと対等に交渉し、「神」に対しても真っ向から対決しようとするなど、国を背負うにふさわしい胆力を見せている。


【用語】

  • リンガリンド
本作の舞台であり、高さ1万m(劇中では「ゲント」という単位で表される)もの「壁」によって隔てられた世界。広さは直径約3000㎞程度。
リンガリンドで生きる人々にとって壁の内側こそが世界の全てであり、その外には何もないと考えられている。
勢力は東のリュート卿和国と西のレッカ凱帝国が二分しており、その他にはイキ合愁国など両者に属さない小国、更に辺境にはエッジャ村のような自治区とも言うべき土地が点在している。
生活資源は月に一度、リンガリンド内に降ってくる謎のカプセル「ラクホウ」によってもたらされており、リュートとレッカはラクホウの争奪戦に日夜明け暮れている。


  • ブライハイト
人間の信念を具現化する腕輪「バインドワッパー」を装着する事で具現化する巨大戦闘ロボット
この時の現象を「機装顕現」と言い、姿や能力は装着者の信念に応じて異なる仕組みとなっている。
ブライハイトで戦う事は肉体と精神を賭けた戦いを意味し、敗北すれば両方打ち砕かれたと見なされ、装着者はバインドワッパーごと消滅する運命にある。ただし、消滅前にバインドワッパーを外せば助かる模様。
現状アロウだけがこの法則に逆らい、装着者を消滅させずに勝利する事ができる。

【メカニック】


エッジャ村


  • ムガ
バック・アロウの専用ブライハイト。
青と白を基調としたヒーローじみた外見をしている。
信念を持たない」にも関わらず機装顕現が可能な謎多きブライハイト。
非常に柔軟なボディをしているほか、分身や高速移動など何でもアリの多彩な能力を使いこなす。
回が進むごとにその多彩さは更に増しており、翼を生やして飛行する、大剣「ムガソード」に変形して仲間に振るわせるなど形態変化も可能になった。
主に徒手空拳での戦闘を行うが、腕部から青いビームを放つこともできる。必殺技は右腕で繰り出す光を纏った手刀「セイバーブロー*9

  • リュージュ
アタリー・アリエルの専用ブライハイト。ピンク色の少女のような外見。
アタリーの「とりあえずやり過ごす」という信念に合わせ、回避に特化した能力を持つ。
両腕のムチ・「ライトニングウィップ」を使った戦闘を行う。必殺技は敵の攻撃をかわしつつスキを突く「パリィ・ストライク」。

  • シャドウ
エルシャ・リーンの専用ブライハイト。
グランエッジャの軸先に乗り、操艦および信念エネルギーの供給を行うことができる。分離することも可能だが、その間グランエッジャの機能は制限されてしまう。
分離時は腕部や肩のバインダーから光弾を発射して攻撃する。また、両肩のバインダーを合わせて強力な光線を放つ大技も使いこなす。

  • グランエッジャ
エッジャ村の地下から浮上した『城砦戦艦』。略して『城艦』とも呼称される。
その起動システムにはブライハイトの登録が必要であり、一度登録するとそのブライハイトが軸先に合体し信念力を注がなければ動かないようになっている。ただし、「残留信念システム」によりブライハイトが分離してもある程度の間航行できるほか、主砲以外の武器は使用可能である模様。
BACK 02で偶然にもシャドウがシステムに登録されたことから、村を失ったエッジャ村の村民たちの新たな拠点となり、エルシャによって『グランエッジャ』の名が付けられた。
出現した当初はその機能のほとんどが不明であったが、シュウやソーラによる調査によって武装や設備の多くが判明し、機能するようになった。
艦内には空調設備や医務室など艦内生活に必要不可欠な設備があり、なかなかに快適な暮らしができる。とりわけエッジャ村の子供たちは艦内での生活を気に入っているらしい。
甲板には巨大な主砲も備えており、シュウの見立てではかなりの威力を持つと推測されていたが、世界壁の破壊にまでは至らなかった。
BACK 14では艦首に搭載された超弩級砲口を開放し、ムガから供給された信念エネルギーを前方に放出する大技「グラン・アロー」を発動。レッカ軍のほぼすべてのブライハイトをバインドワッパーのみ破壊して戦闘不能に追い込む大活躍を見せた。

レッカ凱帝国


  • ギガン
カイ・ロウダンの専用ブライハイト。赤い鎧を身に纏った武人のような姿をしている。
他のブライハイトを上回る巨体と豪快な長槍捌きで並み居る敵を圧倒する。

  • ギガンレップウ
ギガンがレップウと合体して得た新たな姿。合体前の両機とは異なる独自の姿になっているが一瞬で自在に分離でき、操者のうち片方だけが機装顕現を解いてもう片方のブライハイトの手に乗る、といった器用な芸当も可能。
レップウ由来の大きな翼によって飛行能力を持つほか、カイの強い意志によりギガンを遥かに上回る戦闘力を発揮する。

  • センプ
バイ・トウアツの専用ブライハイト。操者の容姿を反映したようながっしりとした体格をしている。
身の丈ほどもある巨大な斧が武器。ただ振り回すのみならず、回転させた斧で飛び道具を防ぐなど斧を用いた様々な戦術を駆使して戦う。
必殺技は回転させた斧を投げつける「回転自在斧刀・轟」。

  • バリュウ
ゴウ・ザンガの専用ブライハイト。竜のような頭部を持ち、レッカ軍のブライハイトの中でも特異な姿をしている。
信念「闘志千里を走る」の力によって伸長する光の槍を武器としており、たった一機で広範囲の敵を薙ぎ払うことができる。

  • シュンレツ
  • レップウ
いずれもレン・シンの専用ブライハイト。緑を基調とした細身のボディをしており、操者の体術さながらの高速戦闘が得意。
バインドワッパーを装着した当初はシュンレツの姿であったが、アロウに敗れた後、ゼツ凱帝によって与えられた死の試練を乗り越えたレンの精神の成長によって形態が変化し、大空を舞う翼を備えたレップウへと進化した。

  • オウゲン
凱帝ゼツ・ダイダンが両腕に合計10個のバインドワッパーを装着することで機装顕現するブライハイト。
法衣を纏ったような威厳あふれる姿をしている。
圧倒的な信念力をもつゼツの能力もあってその力は凄まじく、力を解き放てば周囲の地形を変えてしまうほどの威力の衝撃を発する事ができる。


  • ダイレッカ
ルドルフがディソナンザを通じてテイに与えた第2の城艦。当初は「空中城艦」と呼称されていたが、ゼツが奪取した際に「ダイレッカ」の名をつけた。安直すぎるネーミング
当初の呼称の通り、グランエッジャにはない飛行能力を持っており、上空から大火力を浴びせる面制圧型の戦法を得意とする。また、内部には無数のバインドワッパーが格納されており、リュートとの戦争によって大きく損なわれたレッカの国力を一気に回復させることになった。


リュート卿和国


  • パラノーブル
プラーク・コンラートの専用ブライハイト。左肩から外套を垂らした騎士のような外見をしている。
リュート卿和国の技術によってバインドワッパーに改造が施されており、信念に由来しない飛行能力を後天的に得ている。
サーベルを武器としているほか、左肩の外套状のパーツを細い棒状の形態に分離させて自在に操り、ビームを照射する能力を持つ。要するにフィン・ファンネル。

  • ラブソリュート
フィーネ・フォルテの専用ブライハイト。ハートをあしらった杖を掲げ持つその姿は、ドレス姿の姫君を彷彿とさせる。
フィーネの信念「愛こそ全て」を反映した能力により、その身に受けたあらゆる攻撃を周囲の愛する相手への体力回復・傷の治療を施すエネルギーに変換する。スパロボに参戦したらめちゃくちゃ便利そう

  • ラブソリュート・ノワール
フィノワールの専用ブライハイト。フィノワールの現出に伴ってラブソリュートから変形し、得物も杖から鎌へ変わる。淑やかな姫君を彷彿とさせるラブソリュートから打って変わって、ハイヒールを履いた妖艶な女王様のような姿が特徴。
フィノワールの信念「愛こそ全て*10」により、打ち倒したブライハイトの信念子を吸収して己の力とするおぞましい能力を発揮する。

  • ファンタズモーネ
ディソナンザの専用ブライハイト。異様に巨大な両腕とやじろべえのような下半身を持つ奇怪な姿で、常に空中に浮遊している。
他のブライハイトの姿をコピーして自在に姿を変える能力を持つ。

  • マエストローグ
ルドルフがピースに与えた第3の城艦。やたら煌びやかなイルミネーションが施された悪趣味な外見。
ダイレッカ(空中城艦)同様飛行能力を持ち、偽装壁の外へ向かうグランエッジャをリュートの大軍勢と共に追い詰めた。










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最終更新:2025年01月22日 21:17

*1 本編への登場に合わせてシルエットで伏せられた人物が明かされる、まったく新しいカットが挿入されるなど。監督の他作品でいうと『ガン×ソード』のそれに近い。

*2 公式サイトによると正式には「グランエッジャ城砦戦艦国」であるとのこと。

*3 物語開始当初。後にBACK 08にて特訓の末に克服しており、グランエッジャに積まれていた光線銃で見事アロウの危機を救った。

*4 BACK 18ではヤケクソぎみに連射したグランエッジャの火砲をマエストローグに全弾命中させている。

*5 なお、「馬鹿(馬鹿が、馬鹿め、馬鹿な、など)」はゴウの担当声優・檜山氏が本作の脚本・中島かずき氏が携わる作品でよく叫ばされるフレーズ。

*6 「触りたいんだろ?この若い身体に」「お望み通り、このアタシの靴を舐めさせてやったぜ」「嬉しいだろ?変態爺!」など。対するゼツ凱帝も助平爺そのものの表情で愉悦を漏らしながらこれに応じていたため、「二大国の当主同士の決戦」と呼ぶにはあまりに淫靡なシーンとなっている。

*7 BACK 15でのプラークの言によれば「会見用のお姿」らしい。

*8 アロウの能力によって万物を信念子へ還元し、神へ捧げる行為。

*9 BACK 12にて「名前を付けることで発動しやすくなり、指示も出しやすくなる」と考えたシュウの発案により命名。以降、エッジャ村陣営のブライハイトは皆技名を呼称しながら戦うようになる

*10 フィーネのそれと字面は同じだが、フィーネは「国民すべてに与え、分かち合う」ことが愛と考えるのに対し、フィノワールは「愚民どもが自分へ捧げるもの」が愛と考えるため、ブライハイトの能力にも決定的な違いが現れる。

*11 ディソナンザの言によると、そもそも三隻の城艦はアロウと共に壁内を滅ぼすために用意されたものであるとのこと。そういう意味では、奪取というより奪還ともいえる。