ハリガネ邪面

登録日:2021/02/01 Mon 19:53:38
更新日:2025/03/21 Fri 22:38:14
所要時間:約 9 分で読めます





人間の心が闇で満たされた瞬間、私がその人間にこの石のパワーを注げば、邪面獣に変わります。

親しい人間に化けてそばにいれば、闇に満たされた瞬間を逃さずに狙える事でしょう。


ハリガネ邪面とは、『魔進戦隊キラメイジャー』に登場する怪人である。
またこの項目では邪面獣ジイシキシェルガと本エピソードのもう一人の主人公とも云える人物・八太三郎についても紹介する。



身長:188cm
体重:164kg
邪面:針金→線状に細長く伸ばされた地球の金属
ハッシュタグ:#針金 #イリュージョア #くすぐり隊 #代役ン #漫画 #ジイシキシェルガ #ゴーキラメイレッド
登場エピソード:エピソード40「痛む人」

CV:大谷秀一郎
スーツアクター:齊藤謙也


概要

針金の邪面を被った邪面師
邪面のモデルは針金が埴輪顔を象るように巻かれた悪魔を彷彿とさせる黒い仮面。

クランチュラが前々回ヨドンナガルザが手に入れた幻覚を見せることができるカナエマストーンの1つ・イリュージョアの力を悪用して、闇エナジーを生み出す心が弱い人間を邪面獣化させる実験を兼ねた作戦を実行する。

一方その頃キラメイレッドこと熱田充瑠不死鳥の絵をイラスト投稿サイトに載せていたところ、綺麗に描かれた竜と少年のイラストに目を惹かれ、そのイラストを描いた少年のカロリー君と出会う。そしてカロリー君の知り合いである漫画家志望の青年・八太三郎にも出会い、3人は同じ絵描き同士ですぐに仲良くなるのだが……。


能力

能力は変身能力
針金仕込みの骨組みにパテや粘土で肉付けして精巧なフィギュアを作るように自身を邪面から伸びる針金を覆い、姿を思いのままに相手とそっくりに変える。
他人の姿に化けることができ、姿だけじゃなく声も再現でき、姿を変えないまま声を出す芸当も。しかし邪面の一部である針金が体のどこかにはみ出てしまうという欠点があり、そこに絆創膏を付けて隠している。
なお、その一方でハリガネ邪面自身の戦闘能力は非常に低い。


関連人物

  • 八太三郎
演:賀屋壮也(かが屋)

漫画家を目指す青年。
長い間引きこもり生活を送っているが、漫画やアニメなどの創作ヘの愛情は深く、さらにゲームも上手い。
自分が描いた『異世界ブレイカーズ』をカロリー君の勧めで漫画コンクールサイトに応募する予定で、充瑠やカロリー君に漫画を見せて喜ばせるが、三郎の指には黒い絆創膏が付いていて…。

  • カロリー君
八太三郎の親友である少年。主に白が主体の服装をしている。
かなり絵が上手く、彼が描いた竜と少年の絵は充瑠が目を惹く程。

本エピソードの主人公。
投稿サイトで知り合った八太三郎とカロリー君と仲良くなるものの、道中で三郎が引きこもりであることを耳にして…。
物語終盤、普段は温厚な彼が本気で怒りを爆発させる場面が描かれる。

  • 他のキラメイジャーの面々
ハリガネ邪面に挑むが、ハリガネ邪面の変身能力に惑わされ仲間同士で疑心暗鬼に陥ることに……。

  • 博多南無鈴
ハリガネ邪面の変身能力を危険視しているのか、妙に険しい顔をしているが…?


劇中の活躍

邪面獣にするための実験台を見つけるためにまずパラドムテキゲーマーにボコられた場所に大勢の人間を集めるも心が淀んでいない者ばかりだったため、「当初の作戦通りにしておくか」と呟いていたところに充瑠を除いたキラメイジャーがやって来て戦闘に。

しかし、ハリガネ邪面は変身能力でキラメイブルーの姿に変え、上手く本物のキラメイブルーを偽物に仕立て上げ、キラメイシルバーがキラメイブルーを叩きのめしている隙に逃亡することに成功した。

「俺そう言ったよねぇ!?」

その後1度CARAT本部に戻ったキラメイジャーのメンバーはハリガネ邪面の変身能力を要注意するのと同時に、「実はこの中に仲間に化けたハリガネ邪面が潜り込んでいるのではないのか?」という可能性が生まれてしまう。
こうして誰が偽物なのかを見つけることになり、瀬奈とマブシーナらくすぐり隊が疑わしい人物を手当たり次第くすぐる過程で小夜先生までくすぐるキマシタワー的な事態にまで発展。

すると、そこに充瑠と一緒にもう1人の博多南無鈴が現われる。すでに博多南が2人居る異常事態に全員ハリガネ邪面が化けた偽の博多南なのではないかと疑うが……。

「いやいやいや、そうじゃなくて………ホッ!」

実はもう1人の博多南の正体は代役ン
博多南が好きな漫画家のサイン会に行くために自分の代わりに代役ンに姿を写していたのであった。

それならばハリガネ邪面は一体どこへいるのだろうか………?











ここからはエピソード40のネタバレになります。



















夕方、八太三郎はパソコンで自分が応募した「週刊誌少年ラッシュ」の漫画の選考を確かめていた。
その結果は、落選
さらにコメント欄を見てみると、そこには彼に追い討ちをかけるかのごとく罵詈雑言や誹謗中傷にも等しい批判の嵐が…。



「キモい絵」

「どこで勘違いしたんだ」

「周りが甘やかすから(笑)」

「これでよく応募したな」「プロに混じって一人だけカラオケ」「出直してこい」「単純に面白くない」「残念すぎる」「セリフが現実味なさすぎ」「お引き取りください」「よくわかんなーい」


うわああああああああっ!!!


あまりにも辛辣なコメントの嵐に耐えきれず取り乱し、つい部屋を荒らし、苦労して描いた漫画をも破いてしまい、勢いで家から出て行ってしまった。
その後は歩道橋にて落ち着くも絶望し、涙を流してしまう。
するとそこに光にあたって輝くカロリー君の姿が……。

カロリー君…ダメだったよ、それだけじゃなく沢山馬鹿にされた…こんなにペンだこができるまで頑張ったのに…

この程度のヤツが今まで偉そうなこと言ってゴメン…。

何でいつもこうなんだ、僕ばっかり!全部むちゃくちゃ壊してやりたい気分だ!!


……この世界はキミには残酷過ぎる……。
行こう、僕といっしょにもっと純粋なまま生きられる世界に……

そう言って三郎の手を握りほほえむカロリー君と、その優しさに救われるように安らかな表情になる三郎。
そしてカロリー君は背中から天使の羽を象りながら針金が出して八太三郎を包み込んでハリガネ邪面へと姿を変えていく。

カロリー君の正体はハリガネ邪面であり、邪面獣化の実験の本命として八太三郎に近づき彼の親友としてその心の弱さとカロリー君への信頼を利用したのであった。
無論、八太三郎には何の愛着もなく、道具以外の何ものでも無い。
そして、その計画は成功し八太三郎の闇エナジーは溜まり、ハリガネ邪面がイリュージョアを使ってジイシキシェルガが誕生してしまうのであった。


邪面獣ジイシキシェルガ


今まで君を傷つけた世の中に、存分に仕返しするんだ!!

身長:49.3m
体重:2592.0t
闇獣:シェルガ
邪面:自意識→自分の心のはたらきを表す地球の概念
ハッシュタグ:#ハリガネ邪面 #自意識 #それほどでもあるけどね #カロリー君 #ロレンチーニサーチ

CV:賀屋壮也(かが屋)
スーツアクター:井口尚哉

ハリガネ邪面が憎しみと絶望に染まった八太三郎を礎にして生み出した闇獣シェルガに「自意識」を模した邪面を被らせた邪面獣。
邪面のモデルは漫画やゲーム、アニメなど八太三郎にちなんだ物が生えた脳味噌もしくはペンだこ。
またジイシキシェルガの頭にはハリガネ邪面が乗っている。

戦闘力はそこまで高くないが、ジイシキシェルガの内部には無数の針金に囲まれた空間に八太三郎が人質として閉じ込められており、さらにその空間にはカロリー君の幻影が写るようになっている。
これだと攻撃すれば中にいる八太三郎を傷つける恐れがあるため、キラメイジャーは手出しできない状態に陥ってしまう。


物語の結末

街で暴れ回るジイシキシェルガの出現に駆けつけたキラメイジンとギガントドリラーと対峙。しかし頭に生えた漫画やゲームなどから異変を感じた充瑠が魔進ザビューンを呼び出して「ロレンチーニサーチ」で探った結果、ジイシキシェルガの内部に八太三郎が捕らわれていることが判明。これによってキラメイジャー達はむやみに攻撃出来なくなってしまう。

それでも操っているハリガネ邪面を倒そうとするが、カロリー君が傷つけられる幻を八太三郎が守ろうとするのと同時にジイシキシェルガが背を向いて攻撃が当たってしまう。

カロリー君とのあの時間だけが、生きてて楽しかったことの全部なんだ!!本当に楽しかった!!だから…何があっても守る!!

親友であるカロリー君を守ろうとキラメイジンに襲いかかるジイシキシェルガこと八太三郎。そんな三郎をカロリー君の正体であるハリガネ邪面は「愚かな奴だ!だがこいつは良い!」と吐き捨てる。

どうしてこんなことを!?俺は八太さんの絵を見て本当に感動したんだ!
純粋でキラキラしてて、宝石みたいな才能だって!!
もっと、ずっと描いてて欲しかったのに!!

現状を打破すべくギガントドリラーがドリルでジイシキシェルガの腹に穴を開け、その穴から魔進ダストンのキラメイキューイングで八太三郎を吸い上げようとする。

八太三郎は空間の針金に捕まるがそのまま吸い込まれてしまう。
しかし、その最中八太三郎の周りには自分が好きな漫画やゲームやアニメ、そしてそれよりも大事なカロリー君との思い出が広がる。

1度別れてしまったら、もう2度と戻れない気がするんだ…
たとえまた会えたとしても、もう今の僕たちとは違う…だからずっとこのまま…
ずっと一緒にいよう!

カロリー君に手を伸ばそうとする八太三郎。
しかし、カロリー君は光の中へと昇り八太三郎は遠く離れてしまう。

そしてキラメイジャー達は八太三郎をジイシキシェルガから救出することに成功。
そのままもぬけの殻となったジイシキシェルガはトドメに『ザビューンソニックスプラッシュ』を喰らい爆散する。

ハリガネ邪面はジイシキシェルガから脱出しそのまま逃亡しようとするが追ってきたキラメイレッドに追い詰められてしまう。すると、

充瑠君!僕だよ!また一緒に絵を描こう!ねっ?

悪あがきと言わんばかりにカロリー君の声を使って命乞いをするハリガネ邪面。
だが、怒りに満ちた充瑠にとってはむしろ精神を逆撫でにさせる行為であった。

人の純粋な心を利用して…許さない!!キラフルゴーアロー!!

キラフルゴーアローを呼び出してハリガネ邪面を射貫こうとする充瑠。
しかし、そこにヨドンナが現われ、ハリガネ邪面は「ヨドンナ様!御加勢くださるので?」と安堵の表情を見せる。
だが、ヨドンナから「石を渡せ」といわれハリガネ邪面はイリュージョアを渡すが…

役立たずに用はない。

そんな!?

と、あっさりヨドンナから見捨てられてしまう。それは奇しくも三郎に対する仕打ちがそのまま跳ね返ってきたようでもあった。
完全に退路を失ったハリガネ邪面は、そのままチェンジしたゴーキラメイレッドが放ったスパークリングフェニックスの直撃で爆散するのであった。

その後、救助された八太三郎はカロリー君との別れに哀しみに暮れていたが、充瑠にせめてもの慰めとして彼から貰った付けペンのお礼である自分と同じ色のペンを渡したのであった。

後日、充瑠は瀬奈と為朝と一緒に画材を買って八太三郎の見舞いに行くが、そこに八太三郎の家はなく更地になっていた。
引っ越したのかと思いながら帰路に着く充瑠たち。
するとその道中で充瑠は八太三郎と同じ画で描かれた新連載のポスターを見かける。
周りからは画が似てるだけなのではと言われるが、充瑠は八太三郎が漫画家の夢を叶えたことを信じ、「俺もやるぞー!!」と喜ぶのであった。


余談

  • デザイン担当のK-SuKe氏は『太陽戦隊サンバルカン』に登場した機械生命体・バラモンガーの姿がトラウマになっており、その強烈な印象を再現して「同じようなトラウマを子供たちに与える」という意図でこの邪面師をデザインしたというエピソードがある。


  • 本エピソードのタイトル「痛む人」の元ネタは、映画『悼む人』からだと思われる。脚本はミステリーものを多く執筆している徳永富彦氏。

  • 今回の登場人物である八太三郎の名前は、スーパー戦隊シリーズのOPに必ず出てくる東映映像本部テレビプロデューサーの共同ペンネーム・八手三郎オマージュと思われる。

  • ちなみに劇中の八太三郎の部屋にはBANDAIのゴッドイーターのゲームやフィギュアが出ていたり、本棚には『仮面ライダーゼロワン』の『パフューマン剣』や、エピソード2に出てきた『グッドスリー』などの漫画も映っている。

  • EDのミニコーナーにて、イリュージョアを回収してヨドンヘイムに戻ったヨドンナは1度使われて黒くなったイリュージョアを見て、「こんな色だったっけ?」と首を傾げていたが「まっ、ヨドンへイムっぽくていっか」とそこまで気にしなかった。

  • イリュージョアの効果で邪面獣を生み出すという実験を兼ねていた本作戦だったが、手間暇かけた結果が従来の個体と大差ない強さの邪面獣一体では割に合わないと判断されたのか、これ以降同様のパターンで邪面獣が出現する事はない。



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最終更新:2025年03月21日 22:38