登録日:2020/06/18 Thu 18:15:25
更新日:2025/04/18 Fri 09:36:32
所要時間:約 5 分で読めます
スーツアクター:矢部敬三
●目次
【データ】
身長/195cm
体重/253kg
邪面/月→ヨドン軍への忠誠を示した闇夜を象徴する邪面
ハッシュタグ/#ガルザ #ジャメンタル #スモッグジョーキー #ならば俺が札を読もう #ヨドンヘイムはいいぞ #ひらめキーング #オラディン
【概要】
キラメイジャーの敵勢力
闇の帝国ヨドンヘイムの軍事組織「ヨドン軍」を指揮する幹部で、通称「
裏切りの鬼将軍」。
その正体は、
かつてクリスタリアを治めていたオラディン王の弟にして、マブシーナの叔父。
かつてクリスタリアでは「英雄」として称賛されていた実力者であったらしく、本人も優れた自分が王になれると確信していたが、
弟であるが故に王にはなれず、王となった兄に従うしか無い境遇に不満を募らせていた。ヨドンヘイムの侵攻時にヨドン皇帝からの誘いを受け、これを承諾。敵の大軍を城に招き入れ、クリスタリア崩壊の首謀者となった。
その素顔はクリスタリア人特有の宝石の彫像のようなものだが、肌の色は、
水色の他の住人と違う、
黒一色で目は
赤く鋭い。
素顔はオラディン王同様にヒゲを生やしており、クリスタリア人の寿命は不明であるが年代的にはそれなりにおじさんのようである。
現在は随所に
月の意匠がある機械的な鎧を纏い、頭には銀の三日月が刺さったかのような形を模した邪面を被っており、本来の姿を徹底的に隠している。
ちなみにこの鎧は、動くたびに機械の駆動音のような音が鳴る。
【人物像】
一人称は普段は
「俺」だが、素顔を見せた状態で行動している時は
「私」に変える。
性格は冷酷にして傲岸不遜。
自身の力量に強い自負心を持つ反面、極めて自己中心的で粗暴な気性の持ち主で、部下は基本使い捨ての手駒程度にしか認識していなかったり、戦いに水を差した味方を
腹立ちまぎれに抹殺して処刑と居直るなど、
強さこそ相当なものだが明らかに人の上に立つ器ではなく、もし王位に就いていたとしても
確実に暴君になっていたであろう人物。
目的のためには手段を選ばず、正面からの力押しだけでなく、身内であることを利用しマブシーナの心情を利用した上でそれを踏み躙るような作戦すら躊躇いなく実行する非道さを兼ね備えている。
そんな性分故に
自己犠牲の精神は微塵も理解できず、オラディンや充瑠のそういった姿を見た際には、少なからず困惑の態度を見せている。
自分の生い立ち故か「兄」という存在を
「ほんの僅か先に生まれたというだけで弟を見下し続ける」として忌み嫌っており、同じ弟には一種の依怙贔屓とも取れるような行動に走ることもある……と思われたが、実際はさらに
「兄弟でも弱い方が捨て駒になるのは当たり前のこと」という考え方も持ち、弟といえど弱いと判断すれば平気で切り捨てるといういう
徹底した弱肉強食主義者でもある。
やはりというか何というか組織内での協調性は低く、
クランチュラにも常に挑発的な態度を取っている。
尚いつ何が原因でこのような凶暴性が備わったかは終盤まで明かされなかった。
環境要因も考えられたが、度々挟まれる
回想シーンを見る限りでは少なくとも表面上はオラディンやマブシーナといった親族達から冷遇されるような場面は見られず、それなりに仲良く付き合ってはいたことから考え難くなった。
そうなると、生まれながらのものと思われていたのだが....?
帝国のブラック上司で機械的な鎧を纏う
闇堕ちした英雄…まさかモチーフは
某帝国の
暗黒卿?
このように冷酷非道な卑劣漢にして暴将を体現するガルザだが、劇中では
「スモッグジョーキーの初変形時にさぞ楽しそうに自慢する」、
「憎しみからジャメンタルに目覚めた翌週にいい声で変な百人一首を読み上げる」といったシュールな笑いを誘う場面も多々散見され、一種の愛されキャラとしての地位も確立しつつある。
しかも、特別総集編「ガルザとクランチュラのジャメンタル研究所」以降では、そんなコミカル成分が更に強まっている。
具体的には
- フリーザー邪面を勝手に捨て駒にしたことについて、クランチュラから責められ、「報連相って知ってるか?」と皮肉混じりに問われた際には、「バターソテーにすると美味い野菜だろ?」とふざけてるつもり一切無しの本気のトーンで天然ボケをかます。
- 幹部であるクランチュラでさえ年に2、3本しか飲めないウスギタゴールドを勝手にフリーザー邪面に与えて本人から文句を言われる。(当然歯牙にもかけなかったが)
- 「邪面師等消耗品に過ぎない」と言い切り、クランチュラから「ブラック企業の社長かよお前!?」ともっともすぎるツッコミを喰らい、その後も悪辣な言動について逐一突っ込まれる。
- 「行っちゃえ~!魔進ジョーキー!」と興奮するクランチュラに対し、「気安く俺の魔進の名を呼ぶな!」と怒った他、エクスプレスにハッキングされたことを思い出してネチネチと恨み言を垂れ流す等、魔進ジョーキーに対する異様なまでもの愛着を曝け出す。
- スモッグジョーキーが奪われることで湧き上がる嫉妬の感情に悦びを感じる...といったシーンのせいで視聴者にマゾ&NTR趣味疑惑を持たれる。
- 「頑張りに免じてジョーキーを貸してやろう!」→(あっさりキングエクスプレスに奪われて敗北)→ 「もう二度と邪面師には貸さん!」
- 事あるごとに宝路に「ヨドンヘイムはいいぞ!」「闇はいいぞ!」とドヤ顔アピール
- ヨドンナと闇落ちした宝路の装備アイテム「ヨドンチェンジャー」の各種音声をノリノリで担当
- 無許可でスミカエ邪面の能力の実験台にさせられてクランチュラと人格が入れ替わった結果、クランチュラにジョーキーではしゃぎ回られたりと意図せずキャラ崩壊を起こす
- 一切本編で出番が無いと思ったら、キラメイ音楽祭開催後の次回予告でエレキギターを楽しそうに弾きながら「俺の音を聞け!!」宣言。中の人的には彼だけど
- スピーカー邪面の作戦に必要な音源を供給するためマイギターを持参してやる気満々で参加。マイギターをノリノリで掻き鳴らしてギター演奏を披露(しかもキラメイジャーによって音の受信が遮られていることに気付かずに当分の間掻き鳴らしていた)
etc...といった感じ。
全体的に闇堕ち後の人生を思う存分エンジョイして満喫している珍しいタイプのキャラクター。
尚感性そのものが幼少の頃から少し変わっていたらしく、子供の頃から演劇の主人公よりも悪の親玉に憧れる一面もあったらしい。
【戦闘能力】
キラメイジャーは更に強くなっていくだろう。だが、それを怒り、憎み、そして嫉妬すればするほどジャメンタルが俺を強くさせる!
そして、キラメイジャーを叩き潰し、この地球を闇に沈めてくれるわ!!
ヨドン軍に身を堕とす以前より愛用している黒と赤で塗られた奇怪な
大剣「三日月剣クラッシュエンド」を武器に暴れる剛剣の使い手。
クラッシュエンドから繰り出す凶悪なジャメンタル剣技で敵を圧倒し、斬撃を飛ばして斬り裂く攻撃で遠近両面で猛威を揮う。
特殊能力無しでもキラメイレッドを圧倒する程の強さを誇り、一人でキラメイジャー全員を相手に取っても優位に立つ。
先述の冷酷かつ卑劣な性分も相俟って
ガチンコでも鬼のように強い卑劣漢というかなり厄介なタイプの敵幹部である。
また、充瑠やオラディン同様「想像を形にする能力」を有しており、その力は「兄を上回っている」と自負する。
この他にも、「淀みの谷」での鍛錬によって短時間ながらキラメイ魔進を操る術を習得している。
その上、何度も敗北を重ねて屈辱を味わってきたことにより後述するジャメンタルが爆発し、終盤にはジョーキーの制御役であるはずのエクスプレスを逆に乗っ取ってしまう程にまで達している。
ロードガルザ
身長/200cm(巨大身長/53.0m)
体重/260kg(巨大体重/689.0t)
ハッシュタグ/#狼 #
ヨドン皇帝 #意識の部屋 #ひらめきは世界を救う #神絵師 #ガルザの記憶 #キラメイレッド
エピソード42で登場。
ヨドン皇帝と一体化したガルザが、極限まで高めたジャメンタルによりヨドン皇帝の意識と肉体を乗っ取り、自らを新しい皇帝としてイメージした姿。
全身が黄金に輝いただけでなくチェーンソーをイメージしたディテールが随所に盛り込まれてる一方で、頭部は変形し「大口を開けた狼」に似た邪面と一体化し、そのまま
を思わせる形になっている。
愛用武器のクラッシュエンドは肉体同様にチェーンソーを模した形状の「魔剣ゴルドチェーンソード」に変化している。
固有能力として『周囲の重力を支配する能力』まで獲得。あらゆる敵を地へ押し潰すことができるようになった。
技
重力制御で敵を浮かせ、抵抗を封じる。
幼少期にガルザが考案し、ロードガルザとなって実現した中二病臭漂う必殺技。
強大なジャメンタルをゴルドチェーンソードに込め、駒のように全身を超高速回転させて突撃し敵を斬り裂く重力竜巻技。
幼少期にガルザが考案し、ロードガルザとなって実現した中二病臭漂う必殺技その2。
極限まで高めたジャメンタルのオーラを狼を模した形に変えて斬撃と共に放つ秘技。
【人物関係】
実兄。
身を削ってでも民達の為に尽力するその姿には、一種のコンプレックスにも似た感情を抱いており、それがいつしか憎しみへと変貌。
ヨドンヘイムと手を組んで不意打ちで致命傷を与えた。
尚マブシーナ曰く謀反のタイミングは「頑張りすぎて心身共に疲弊していたことを知っていた」ことに起因しているらしく、それが本当ならば、「民の幸福の為に尽力する」という王としての本来あるべき振る舞いをしたオラディンを嘲笑したことになる。
姪。
当初は叔父様と呼ばれていたが、故郷をヨドンヘイムに差し出したことから、現在は激しく敵視されている。
しかしガルザは一切気にせず、それどころかその未熟な精神性に目を着けた卑劣な作戦を実行している。
現在の同僚。
自身の態度や出自もあって、仲は友好的とは言えず、しょっちゅういがみ合っている。
特に、必要とあらば邪面師すら捨て駒扱いする姿勢は「貴重なエリートベチャットを浪費している」と苦言を呈されている。
但し、力関係はガルザの方が上らしく、その傍若無人な言動の数々で大いに「ガルザこわーっ!」「ガルザひどっ!」などと戦慄させ、振り回している。
初対面を境に、因縁を深めていく。
詳しくは後述。
義理の甥。
叔父上と慕われていたが、マブシーナをいたわる姿に対し、「出来ない奴のことなど気にするな」と厳しい物言いをしていた。
その真意は、高い戦闘能力を持つ彼をオラディン達から遠ざける為であった。
【劇中での活動】
充瑠との因縁
その出自故にクリスタリアの事情には精通している為、エピソード1にて、
魔進が誕生したことについて疑問に思っていたが、この時はまだ、それが充瑠によるものであることまでは知らなかった。
その後、エピソード4にて遂に対面。
「自分は今までヨドン皇帝に感情を消されて操られていた」「オラディン王は生きている」と数々の嘘でマブシーナを騙し、彼女が持つホワイトキラメイストーンを破壊しようと考えるも、既にその光景を夢で見ていた充瑠によって暴かれてしまう。
その結果、充瑠が魔進を生み出した事と、彼がオラディン王と共鳴していた事に気付いた。
その場では、邪面獣キュウセッキバスラの乱入もあって決着はつかなかった。
その後、エピソード7にて邪面獣レーネツダガメスと共にスモッグジョーキーでキラメイジンを激しく攻め立て、充瑠がメンバーからの猛特訓で気絶した事も手伝ってあと一歩のところまで追い詰めるが、そこで充瑠共々、「光の巨神」の姿を垣間見る。
その後エピソード8では、充瑠の動向を見張り、ホワイトキラメイストーンの新たな保管場所を見つける。
その際、キラメイチェンジャーをつけ忘れて戦えないにも関わらず、警備員を避難させる姿に
「何故自分がこれから殺されるという時に他人の心配をする?」と問いかけるが、それに対して充瑠は
「人を助けるのに、理由がいるの?」と返される。
その姿に今は亡き兄の姿を重ねたガルザは、無意識に抱いて怒りが爆発。
チェンジャーを渡しに来たマブシーナやレッド共々ホワイトキラメイストーンを破壊しようとするが、レッドのキラメンタルで、ストーンは魔進エクスプレスに変形。
すかさず魔進ジョーキーで追跡するも、あろうことかジョーキーの機能を乗っ取られ、エクスプレスとの合体巨神「キングエクスプレス」が完成してしまう。
レーネツダガメスとの戦闘の最中、どうにか操縦機能を取り戻して攻撃するも、分離させられてその攻撃はレーネツダガメスに命中。
再度機能を乗っ取られ、レーネツダガメスは倒されてしまった。
自分の愛機を奪われた上に、そのせいで敵に塩を送るという屈辱極まり無い結果にガルザは激怒。
強引に
合体を解除し、その場から去っていく。
二度と、俺のスモッグジョーキーは奪わせん!
いいや、ピンチになったらまた返してもらうよ!
俺は、お前のそういう物言い全てが生理的に受け付けない!必ずこの手で葬るぞ!キラメイレッド!
帰還後、充瑠や再燃したオラディンへの怒り、憎しみ、嫉妬の感情が頂点に達したガルザはヨドンヘイムに伝わる真の邪悪なる心「ジャメンタル」に目覚めるのだった。
裏切りは繰り返される
エピソード42では、
ヨドン皇帝に忠誠の意を見せシャドンに代わる新たな人格として皇帝の体内に取り込まれた。
皇帝の絶大な力を手に入れたことによって、それまでに溜まったジャメンタルも合わさってその力はさらに増大し、遂に地球を侵略する為の最終作戦を実行する。
手始めに体から放たれる黒い霧で人間達を次々にベチャットに変えていき、闇エナジーを充填。
止めに来たキラメイジャーも皇帝の力であっさりと下すと、遂に皇帝が顕現できるだけの淀みを生み出すことに成功し、肉体の主導権を皇帝に譲った。
しかし次の瞬間、クランチュラがずっと手に持っていた爆弾を皇帝に向かって投げた。
すると、復活した筈のヨドン皇帝はその爆発を浴びた途端動きを止めてしまった。
実はガルザはヨドンヘイムを追放されたクランチュラと内通し、皇帝の意識を弱体化させる特殊爆弾を作らせていたのだった。
そうして身動きの取れない皇帝をガルザは一刀両断。
その肉体の主導権を奪い取ってしまうと、ヨドン皇帝の力を簒奪し「ロードガルザ」へと変貌を遂げた。
最後の決戦と裏切りの真実
ロードガルザのパワーでキラメイジンはおろかグレイトフルフェニックスすら撃破すると、オラディンをストーン状態にして奪取。
今度こそ確実に処刑するべく、ヨドンヘイムに帰還するのだった。
そして、恐らく邪面獣にするために確保されていたバスラを呼び出すと、ジャメンタルでオラディンを元のクリスタリア人の姿に戻し、抵抗させるだけさせた上でバスラに食い殺させるという処刑を敢行して一旦立ち去る。
地球へとんぼ返りしたガルザは充瑠と宝路を確実に抹殺すべく、まずはキラメイシルバーに勝負を挑み瞬殺。
しかし、宝路とマブシーナから「充瑠ならきらめきで何かを変えてくれる」という期待の言葉を聞いて苛立ちを募らせ、ヨドンヘイムに戻る。
ちょうどその時、クランチュラの協力を得てキラメイジャーがオラディン救出に駆けつけており、割り込んだガルザはジョーキーを呼び出すとキラメイレッドを別の場所に連れ去る(なおオラディンは残る4人により無事救出された)。
なおこの時オラディンが語ったところでは、かつてのガルザは「クリスタリアの英雄」となる素質を持っており、いずれひらめきの力で世界を救うキラメンタルの戦士となるはずだったが、いつの頃からか道を誤り「悪の攪乱者」になってしまったという。
そして決着をつけるべく一騎打ちを挑むが、幼少期のガルザと夢を通じてリンクし、かつてのキラメンタルに触れた充瑠はガルザへの怒りを燃やしつつも倒すつもりはなかった。
クランチュラと「クリエイター」という共通項で通じ合った今、同じく想像を絵に表す才能を持つガルザとも一緒に絵を描きたい、と訴える。
それを振り切るかのように打ち合いに持ち込むが、激突の瞬間充瑠のキラメンタルを通じて自身の少年時代の記憶を垣間見る。
充瑠が見た夢では絵を描いているガルザのところに誰かがやって来た時点で終わっていたが、この時現れたのはオラディンだった。
肩を並べて空想の
必殺技を考案し、二人で力を合わせてクリスタリアを守ろう、と笑い合う兄弟の姿がそこにあった。
キラメイレッドと共にそれを見つめる中、ガルザはふと思い出す。
そうだ……思い出した。俺は……兄上が好きだった。兄上も俺を認めてくれていた。俺は、“ひらめキング”をしていたんだ!
なのになぜだ!? なぜ、兄上を恨み、憎むようになった!?
オラディンへの劣等感を募らせ、そこから心に闇を生み、ヨドンヘイムに傾倒した―――それがガルザの経歴のはずだったが、記憶をたどったガルザは違和感にたどり着いた。
かつての自分は間違いなくキラメンタルの持ち主であり、オラディンと互いに認め合う、仲の良い兄弟だった。だがそこから、何がどうなってオラディンを疎むようになったのか? その、転機というべきタイミングの記憶が全くなかったのである。
だが経緯が何であれ、現実は変わらない。祖国クリスタリアを己の手で滅ぼしてしまったという後悔に苛まれるガルザだったが、充瑠から「カナエマストーンが4つ揃えば、その力でクリスタリアを甦らせることができる」と励まされる。
しかしその瞬間……
生きていたヨドン皇帝の声が響くとともにその姿も皇帝に戻り、意識の中で斬撃を受けたガルザは肉体からはじき出されてしまった。
そして、ヨドン皇帝は衝撃の真実を二人に語る。
こいつはもう用済みだ。我が消したガルザの本当の記憶を、お前は蘇らせてしまった……。
ヨドン皇帝は、オラディンとガルザの兄弟を危険視していた。キラメンタルの戦士、クリスタリアの英雄。それが二人もいては、間違いなくヨドンヘイムにとって最大の脅威となる。
そこでヨドン皇帝が取ったのは、クリスタリアに赴き
ガルザの記憶と感情を改竄すること。精神への囁きかけで洗脳を施し、オラディンへの感情を反転させることでヨドンヘイムに少しずつ傾倒させ、「悪の攪乱者」へと仕立てあげて行ったのだ。
俺が兄上を憎むようになったのは、貴様の仕業だったというのか!?
その通り。お前はクリスタリアを滅ぼすのに尽力し、我が地上に降り立つためのジャメンタルをまんまと蓄えてくれた!
つまり、ガルザの裏切りも、そこに至るまでのオラディンや宝路との確執も、全てはヨドンによって書き換えられた偽物の感情に基づくものであり、彼もまたヨドンヘイムの被害者だった。
人生も未来も全てヨドンの都合よく操られ、大切だったものをその手で全て破壊してしまったことを自覚したガルザは絶望するも、「俺が生きた意味は、今ここで生み出す!!」と邪面を捨て去り、単身ヨドンに挑む。
しかしヨドンヘイムの支配者に一人で勝てるはずもなく、放たれた光線の一撃に貫かれ、断末魔すら残せず爆散してしまった。
受け継がれゆく輝きの意志
だが、最後の最後にガルザはヨドンへの反撃を成功させていた。
自分がやられた後は間違いなく充瑠が危ないと判断したガルザは、死を迎える瞬間に肉体を捨て、魂のみを魔進ジョーキーに一時的に宿らせたのである。
そして、ヨドンの攻撃を受け崖から転落した充瑠をジョーキーで救出するも、オラディンの時と異なりジョーキーは既に自我を持つキラメイ魔進。転生することはできず、既に死は免れない状態であった。
俺の命は、もう尽きる。俺の分までお前は生きろ。そしてこれからも絵を描き、キラメき続けろ!
主の最期の命令に異を唱えず、汽笛一つ上げて応えるジョーキー。
そして…
兄上に会ったら、伝えてくれ。今度生まれ変わったら、仲の良い兄弟で在りたい、とな……。
そう語って充瑠に全てを託し、ガルザの魂は天に召されていった。
最後の最後にかつての己を取り戻したその姿は裏切りの鬼将軍ではなく、まさにクリスタリアの英雄たるキラメンタルの戦士であった。
その後、ジョーキーに乗って地球に帰還した充瑠によって、裏切りの真相とその遺言がキラメイジャーと魔進たちに伝えられる。
「俺が生きた意味を今ここで生み出す」ってガルザの言葉…俺に想いを繋げるってことだったんだと思う。
助けてもらった俺がしっかり生きることで…ガルザが生きた意味になるんだ……。
全てを知ったオラディンも、ガルザの死を悲しみ、彼を大切な弟だと改めて認めることになった。
なお、エピソード4でマブシーナを騙した際に「自分はヨドンヘイムに感情を消されて操られていた」、「オラディン王はまだ生きている」というブラフをかけていたが、全てが明らかになって見れば両方とも真相は違ったが真実だったことが判明した。
【キラメイ魔進】
魔進ジョーキー
全高:14.0m
全幅:11.2m
全長:131.7m
重量:2600t
スピード:450km/h
出力:1300万馬力
キラメイストーンモード
縦:35.7m
横:20.0m
奥行:22.7m
ブラックキラメイストーンが変化した
蒸気機関車型キラメイ魔進。
元々はオラディンによって生み出され、クリスタリアの王室専用列車として使用されていたが、ガルザの邪悪な想像力で、厳つい
恐竜の様な顔がついた異形の姿となった。
他の魔進と異なり人語を喋ることはなく唸り声のような汽笛を発するのみだが、明確な自我を持ちガルザには忠実。
武器は鋭い牙が生え揃う巨大顎
「ジョーキージョー」による噛み付き攻撃。
また、目から赤い光線を放てるだけでなく、ワームホールを形成し
地球~ヨドンヘイム間を自由に運行できる。またスピードがかなり速く、奇襲が得意。
最終的にはガルザの死に際して充瑠に託され、ヨドン皇帝に不意打ちを食らわせキラメイジャーに時間を与える金星を挙げた。
ヨドン皇帝が倒されクリスタリアが復興した後は、宝路たちと共にクリスタリアに身を置いた。
スモッグジョーキー
全高:50.7m
全幅:23.7m
全長:59.0m
重量:2600t
スピード:400km/h
出力:1300万馬力
魔進ジョーキーが単独で変形した怪獣型魔進
ロボット。
黒と紫を基調とした肉食恐竜のような姿をしている。
紫ベースの恐竜型ということでナダさんの騎士竜とか言われたことも
単機なため出力は五体合体のキラメイジンに及ばないが、ジョーキージョーの鋭い牙による噛み付き攻撃や、両腕の爪、尻尾の
「ジョーキーチェーンソー」といった豊富な武装を持っており、ガルザの容赦のなさも加わってキラメイジンを追いつめるほどの戦闘能力を誇る。
しかし、ジョーキーのカウンターとなる魔進エクスプレスによって、キングエクスプレスに強制合体させられ、キラメイジャー側にコントロールを乗っ取られてしまうこともしばしば。
そのため肝心のキラメイジンよりも邪面獣ばっかり攻撃してるのは内緒。
必殺技
ジョーキーチェーンソーを高速回転させてスパークを発生。そのエネルギーを収束させて口から放つ強力なビーム。
邪悪キングエクスプレス
完成…邪悪キングエクスプレス
やられたらやり返す。乗っ取り返しだ!
【全高】50.0m(胸上まで 61.2m)
【全幅】48.5m
【胸厚】16.7m
【重量】3200t
【スピード】600km/h
【出力】1600万馬力
「魔進オラディン」として転生を遂げたオラディンとキラメイジャー達に対する逆襲の対抗策。
度重なるキラメイジャーやオラディンとの戦いの中で膨れ上がっていったジャメンタルを解放し、本来ジョーキーを抑え込む存在であった魔進エクスプレスを逆に乗っ取ってジョーキーと合体させた姿。
武装や性能も基本は普通のキングエクスプレスと変わらないが、バイザー部分に赤い釣り目が追加されている。
戦闘スタイルは元と同じ高速移動から繰り出す格闘技だが、ジャメンタルの出力とガルザの容赦のなさが合わさって総合的な戦闘能力は通常形態を遥かに上回る。
しかも、この状態になっている間はエクスプレス側の操縦を一切受け付けず、脱出もできない為、中のキラメイジャーを実質人質にすることもできるという最悪仕様となっている。
これらの事情が重なり、初出撃では最強ロボのグレイトフルフェニックスすらも終始圧倒し、止めを刺す寸前にまで漕ぎ着けている。
必殺技
右腕のジョーキージョーから撃つスモッグジョーキーの必殺技。
この姿になればほぼタメ無しで発射できる。
右腕のジョーキージョーから巨大な黒い光弾を放つ。
その威力はギガントドリラーを一撃で変形解除させてしまうほど。
余談
◆
声優の中村氏は、オラディン王役の
杉田智和氏と親友同士であることで有名であり、そんな2人が(袂を分かったとはいえ)兄弟役で出演することが発表された際はファンの間で話題となった。
ちなみに中村氏がレギュラー出演していた『
特命戦隊ゴーバスターズ』において、杉田氏も
ドリルロイド2役でゲスト出演しており、中村氏演ずるスタッグバスターと戦ったことがある。
また中村氏は2020年10月から、魔進ファイヤ役の
鈴村健一氏が代表取締役を務める芸能事務所「インテンション」に移籍しており、リアルではファイヤの部下なんてことになっている。
◆作中にて、闇の保険を発動する為にフリーザー邪面と
リセットボタン邪面を抹殺したことから一部では
「保険金殺人おじさん」なる渾名で呼ばれている。
これよりこの項目を追記修正する!
ヨドン様は、美しい編集をお許しにならない!!
最終更新:2025年04月18日 09:36