仮面ライダールシファー

登録日:2021/06/27 Sun 04:31:00
更新日:2024/11/02 Sat 19:46:20
所要時間:約 6 分で読めます





【注意】この項目には『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』本編の重大なネタバレを含みます。

















約束の時間より早くキーを使って信者を滅ぼした理由が、まさか女のためだったとは…

お前らのような、醜い『悪意』を垂れ流すヤツらがアークを生み出し、朱音の命を奪った……
お前らを、朱音の世界に行かせるわけにはいかない……!

いいや、この世界を滅ぼして───

エデンドライバー!

───我々(・・)の楽園に変えてやる!

……ここからは、私が楽園の創造主となる……!


ルシファー!


変身!


プログライズ!アーク!


The creator who charges forward believing in paradise.

ハッハッハッハッ……

OVER THE EDEN.


あと10分でこの世界は滅びる……


仮面ライダールシファーとは、『仮面ライダーゼロワン』の劇場映画作品『劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME』に登場する仮面ライダー。

CV:福士誠治
スーツアクター:中田裕士(仮面ライダーエデンと兼任)




スペック

身長:191.2cm
体重:84kg
パンチ力:46.3t
キック力:98.9t
ジャンプ力:57.3m(ひと跳び)
走力:1.1秒(100m)


概要

シンクネットの幹部の一人・ベルがエデンドライバーエデンゼツメライズキーを用いて変身する仮面ライダー。
『REAL×TIME』の実質的なラスボスであり、その存在は劇場公開まで巧妙に伏せられていた。

ベルはシンクネットの教祖であるエスが予告の1時間より早い時間に信者を巻き込む形でサウザンドブレイクを発動した事で彼の目的に疑問を持つ。
飛電或人とのやりとりを聞いた事でその真意が信者の全滅と知ると、エスを裏切って改心しつつあった彼を奇襲。
さらにエデンドライバーとエデンゼツメライズキーを奪って変身。仮面ライダールシファーとなり、エスに代わって自分達の理想の楽園を創造しようと目論む。
結果として、皮肉にもエスが滅ぼそうとしていた悪意を持つ人間をアークの後継者として育ててしまう事態になってしまったと言えよう。

変身プロセスはがしゃどくr…巨大な骸骨型のロストモデルが出現し、それがベルを噛み砕く事でスーツとアーマーを形成する。
変身音声にある英語を意訳すれば「己の信じる楽園のために突き進み、エデンを超える」であり、「楽園」を「裏切った」存在の名前が「ルシファー」というのは何とも皮肉である。
また、元々エス用のシステムで変身しているためか、変身音声のうち形態名やライダー名を示す前半部分が丸ごとなくなった他
追加された音声も全体的にバグったようなものになり、プログライズ時にドライバーのレンズ内で雷雲のような不規則な明滅が起こっている。

ごっそり削られた前半部分の内容を考えると、さながらベルに対して「お前は仮面ライダーではない」と遠回しに宣告しているようにも聞こえる。
そもそも仮面ライダーと怪人の定義分けは「心のあり方」で決まるため、それでいけばエデンとルシファーはさながら「同じ力を持つライダーと怪人」という対比ができると言えるか。

なお、ルシファーの変身に使ったライダーシステムはエデンと同一の物であるのだが、その姿は異なるものとなっている。
エスを演じた伊藤英明氏の考え(詳細は余談の項へ)としては「命を捨ててナノマシン集合体に置き換えたエス」と「あくまでアバターでしかないベル」の差であるとしている。
ただ、明らかにベルの境遇や内面を象徴するかのような変身プロセスに変化している点より、
「自分達を裏切ったエスに対する怒りや憎悪」を抱いたベルの『悪意』が、ゼツメライズキーまたはドライバーのデータを上書きした……などの理由もあるのかもしれない。
また、エスの最終目的を考えると、エスにとってのシンクネット信者は寧ろ「滅ぶべき存在」でしかないが、一方でアズにとってエスは「数多のアークの後継者候補を手っ取り早く集めてくれた手駒」であり、
最終的にルシファーが(アズを介さない形とはいえ)誕生した事から信者全員がアークライダーに目覚める可能性は十分高かったと思われる。
ロストモデルやライダーの姿がエデンから急に変わったのも、アズにとって想定済み、若しくは最初からそうなるように仕組んでいたのだろうか。


◇容姿

変身アイテムが同じであるため、全体的なフォルムと紺色を基調としたカラーリング自体はエデンと同様だが、エデンでは血管のように走っていた各部のラインが色が抜けたように白く変色し、口元のラインが増えている。
このためパッと見の印象は大きく異なり、骸骨や死体を思わせるイメージとなった。
また、エデンではあった目の下の「涙ライン」が白くなって本数が増えた事で、涙ではなくドクロの歯のようにも見える。
エスと対比して「血も涙もない」というべきか。
また、手足のアーマーも形状が微妙に変化している。


◇性能

カタログスペックはエデンよりも上で、さらに変身者であるベルの体がナノマシンによるアバターであるため、仮面ライダーアバドン同様の無限再生能力を持つ。
はっきり言って性能そのものはエデンの完全上位であり、実質的にはこのライダーシステムの強化形態に当たる。
……のだが、
  • 或人がエデンと3回も戦った*1後であり、手札が全部割れている
  • そもそも変身者のベルが本質的には単なる一般人
  • 身体構造がエスとは違うためにナノマシンの操作も不可能かつ、サウザンドジャッカーの用途を理解できていないが故に使いこなせていない
  • 戦いの途中でエスがシンクネットのサーバーを破壊したため、無限再生・超回復能力が使用不可能
という条件が重なった結果、かつてエデンが持っていた強みが全く存在しない状態仮面ライダーゼロワン リアライジングホッパーイズが変身した仮面ライダーゼロツーと戦う羽目になってしまった。
そもそもエデンが或人に2回も勝てたのは、目的の障壁として念入りな研究対策をしていた事と、自身の特性や不意打ちを活かした初見殺しだったという面が強いのだ。

エデン同様、ナノマシン由来の能力が使えなければ単なる「スペックが高いだけの仮面ライダー」でしかなく、変身者の戦闘経験の欠如も相俟って『ゼロワン』の世界で最強のダブルライダー相手に勝利できる可能性は皆無。
一応、リアライジングホッパーと正面から渡り合えるだけの戦闘力はあるので決して弱いわけではないのだが、如何せん変身者のベルがエスと比較して小物過ぎた事に加え、
イズが変身したゼロツーが加わってからは一方的に叩きのめされていた事から、直前までのエデンの強さのギャップと相まって「弱い」という印象を持たれがちになってしまっている。
そもそもこの時点の或人は
「高層ビル屋上からビルを何棟も突き破った上で地上に叩き付けられる」
「全世界を滅ぼすほどの攻撃をどうにか耐えきった」
と戦闘不能でもおかしくないダメージを2度も受けながら、エスの示した1時間のタイムリミット故に治療どころかろくに休息も取れずに気力で戦い続けてきた状態であり、
加えて暴走形態のヘルライジングホッパーの反動でボロボロの状態だったため、フルコンディションの状態の或人と戦った場合にも渡り合えたかは疑問符が付く*2
おまけにBlu-ray収録のオーディオ・コメンタリーでも杉原輝昭監督から「ぽっと出のラスボス」呼ばわりされる有様だった。


◇装備

元々は全てエス(エデン)が生成・使用していたものである。詳しくはこちらを参照。

  • エデンドライバー
  • エデンゼツメライズキー
エスから強奪したものを使用。
上記の通り、ルシファーへの変身に際して、ゼツメライズキーのロストモデルが人間の女性から巨大な骸骨に変わっている。
劇中ではそのまま使用したが、プレミアムバンダイ限定で受注されたDX玩具版ではキーの起動スイッチを長押しして、モード切替を行う形となる。
なお、この状態では起動時に流れるアビリティ名の次の音声が「シンクネットアビリティ」となる。

  • サウザンドジャッカー
こちらもエデンが使っていたものを拾って使用。
エデンとは異なり武器として多用されたが、用途を理解出できいないが故に使いこなせていない場面が見られた。

  • ヘルライズプログライズキー
落ちていたものを回収した後、サウザンドジャッカーに装填して使用。


◇必殺技

  • パラダイスインパクト

こんな世界……滅ぼしてやるゥウウウウウッ!!

変身後にエデンゼツメライズキーを押し込む事で発動。
「サウザンドブレイク」を放とうとした瞬間に空中に打ち上げられたため、追ってきたゼロツーを叩き落そうと回し蹴りを放ったが、そのゼロツーに初動を潰されたところにゼロワンのライダーキックを食らって撃ち落された。
なお、Blu-rayの映像特典として収録されているDATA FILEでは「エデンインパクト」と誤記されてしまっている。確かにエデンのライダーシステムを使ってはいるけども……

  • サウザンドブレイク

楽園の創造主は……俺だァァァッ!!

叩き落された所に刺さっていたサウザンドジャッカーを引き抜いて使用。
青白い稲妻状のヘルライズプログライズキーのエネルギーを纏った状態で突き立てる。
世界を滅ぼすべく、悪足搔きとして発動しようとするが……


劇中での活躍

劇中終盤にてエスの真意を知ったベルは信者から借りたショットアバドライザーでエスを銃撃し、彼が落としたエデンドライバーとエデンゼツメライズキーを回収すると、それらを使用してルシファーに変身。
自らがエスに取って代わり、シンクネットを率いて楽園の創造主となる事を宣言し、信者達や行動隊長達もベルに呼応する形でエスから離反した。
ルシファーとなったベルはアバドン軍団と共にゼロワンやゼロツーと対峙し、世界を滅ぼすべく10分間に及ぶ死闘を演じる……

はずだったが、上記で散々語った通り、ベルの技量や覚悟が或人やイズと比べ物にならない程低かった事や、エスが自らを犠牲にサーバーを停止させた事でアバターの復活・再生能力も全て機能停止した事もあってか、
ゼロツーを含めたライダー達にアバドン軍団は撃破され、自らもゼロワンとゼロツーに苦戦してしまう。
ルシファーは最後の悪足搔きとして「サウザンドブレイク」を発動しようとするが、すんでの所でゼロワンとゼロツーに阻止された挙句、
2人の放った「リアライジングインパクト」と「ゼロツービッグバン」によるダブルライダーキックを食らって敗北し、同時にサウザンドジャッカーやヘルライズプログライズキーも機能停止。世界崩壊まで0秒になる寸前の出来事であった。
その後、エピローグにて他の実行部隊の隊長の本体や野立万亀男らと共にベルの本体も逮捕された事がニュースで報道された。


余談


  • 撮影用スーツはエデンの塗装の変更やゼロワンのスーツの一部を改造・流用して処理したものとなっている*3
    後に映画館でエデンのスーツが展示されたため、元に戻されたと思われる。

  • 黒・白の配色で骸骨をモチーフとし、変身者が小物である事からは一部ではショッカー戦闘員もモチーフに入っているのではないのか?」と考察する声もある。

  • 元々はベルもエデンに変身する予定だったのだが、伊藤英明氏のエデンは自分だけのライダーにしてほしい」「ナノマシンのエスと生身の人間のベルが変身するのとでは違うはず」との要望により、後付けでルシファーが作られたという経緯がある。


いいや、この項目を追記・修正して、我々(・・)の楽園に変えてやる!


この項目が面白かったなら……\ルシファー!/

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最終更新:2024年11月02日 19:46

*1 うち1回がヘルライジングホッパーとして暴走状態だった点を考慮すれば、厳密にはハッキリ自我を持った状態で戦ったのは2回。

*2 一応、立っているのもやっとの状態からアタッシュカリバーを投擲出来るまでには回復している事から、ヘルライジングホッパーの自己再生能力である程度ダメージは消えていた模様。

*3 具体的にはエデンの胴体(CG処理で別部分に見せている)、ホッピングカンガルーの肩と太腿、バイティングシャークのスネ、メタルクラスタホッパーのグローブとブーツとなっている。