ケルヌンノス(Fate)

登録日:2022/03/01 Tue 23:49:15
更新日:2025/04/22 Tue 23:15:39
所要時間:約 25分で読めます





※注意※


この項目には『Fate/Grand Order』 第2部6章のネタバレが含まれています。










ふわふわ、ふさふさの大きなからだ。

その肩には、いなくなったはずの動物ひとり。

肩にすわった動物は、このふさふさを

けるぬんのす、とよんでいました。




Fate/Grand Order』の登場人 (?) 物。


【概要】

メインストーリー第2部6章『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』に登場。

24時間後にブリテン異聞帯を起点に地球は崩落する」というトリスメギストスⅡの予測結果を受け、原因究明と阻止のためにブリテン異聞帯へと飛んだ主人公(とカルデアチーム)。
その舞台であるブリテン異聞帯、並びに妖精國にかつて唯一存在したとされる「神」がケルヌンノスである。
ブリテン異聞帯の創世に関わっているとされるが、カルデアが訪れた時点での妖精國では殆ど失伝しており、その存在を知る者は極僅かとなっている。

【原典において】

ランサーの兄貴でお馴染みであるケルト神話に属する獣神・狩猟神。
ただしこの神話体系は西欧の大陸と諸島に広く分布しており、ケルヌンノスは大陸側のガリア(現:フランス〜北イタリア)地方において信仰されている(つまり、諸島出身だったランサーたちとの関わりはなかったはずである)。
頭に牡鹿の様な角を生やした人型の男性神として描かれていることが発掘物等で判明しており、豊穣と冥府を司るとされているが、神話エピソードに乏しくどの様に崇拝されていたのかは不明な点が多い。

【ストーリーでの活躍】

女王歴2017年~壁画に残された痕跡



妖精語じゃないから、妖精國の妖精たちは分からないだろうけど……

たぶん……14000年前、汎人類史における先史古代文明で使われていた言葉だと思う。

……読める?

もちろん。ただ一言、こう刻まれている。

───ケルヌンノス

ケルトにおける古い神の名前。……この妖精國に、神がいた事の証左だよ。


初めてその名前が出たのは『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』後編の第14節。
女王モルガン勢力である円卓軍の本拠地、廃都市ロンディニウムに主人公達と「予言の子」アルトリア・キャスターの一行が滞在中、そこにある壁画の文字をダ・ヴィンチちゃんが解読する事で明らかになった。

古い妖精語で『奈落の虫』と題されたこの壁画に描かれているのは、角を生やした巨大な人型の獣を中心に6人の妖精と思しき小人、そして獣の足元には竜の様な生物が口を開けて上を向いているという物。
見ようによっては6人の妖精が獣を神として崇めている様でもあり、「宗教画」と呼んで差し支えない代物だった。
円卓軍リーダーのパーシヴァル曰く、遥か昔に妖精國を平定した英雄「ロンディニウムの騎士」が北の国オークニーから持ってきた物で、「ブリテンの創成期を示した壁画」との事。

しかし魔術に頼らずに奇跡を起こせる妖精達にとって神とは不要なものであり、事実ブリテン異聞帯の妖精國には宗教はおろか神という概念すら存在しなかった。
そんな妖精國に神が存在したという事実は、現在のブリテンに何故神がいないのか、妖精國を度々襲う謎の現象「厄災」が何故起きるのかという謎を解く上で重要な手がかりだった。
壁画の文字自体は妖精に読めない言語で書かれており、ダ・ヴィンチちゃんはこれを「未来の、人間にだけ読めるメッセージ」と解釈している。

ただ、妖精の中にもケルヌンノスを知らない者がいないわけではなかった。
旅の協力者の一人である妖精ハベトロットの日記に、彼女が以前に聞いたという「6人の妖精」にまつわる昔話という形でその名が記されていたのだ。
ブリテン北部のオークニーへ向かう道中でハベトロットが読み聞かせる所によると、以下の様な話だった。




妖精歴900年~トネリコとケルヌンノス


一方でこのケルヌンノスを直に目撃し、その謎に迫った者も存在した。
カルデアが妖精國に来るより2400年前、ブリテンの土地を幾度となく「厄災」から救った救世主トネリコとその一行である。
ブリテンの陸地中心にある大穴に何があるのか気になっていたトネリコは、ある日仲間である黒騎士エクター・妖精トトロット・初代妖精騎士ギャラハッドの3人を連れて大穴の調査を決行、ギャラハッドがトトロットの糸で穴に下りる形で探索を試みる。
穴は底なしとも思える深さだったが、深度7000mを過ぎたあたりで暗闇の中にゆらめく炎の様な物と、とてつもなく巨大な何かを発見。
初代妖精騎士の眼を通してそれを視たトネリコは驚愕した。


ケルヌンノス!
ケルトの古い神が、何でこんな所で死んでいるんだ......!?


それはブリテン異聞帯どころか星そのものを滅ぼしかねない呪詛を吐き出し続ける、ケルヌンノスの死体だった。
呪いによって命の危機に晒されていた初代妖精騎士をすんでの所で救出し、トネリコは危険な調査に付き合わせた事を謝罪。
同時に1000年に一度妖精國を滅ぼすと言われる大厄災の正体が、ケルヌンノスの呪いではないかという推測を語った。
その後トネリコと初代妖精騎士は妖精國の秘密を探るため、5ヵ月の間各地の遺跡や街を巡る旅に出る事になる。


400年後、妖精達の裏切りをきっかけに冷徹な支配者となったトネリコは真名のモルガンを名乗り、ブリテン異聞帯の女王として君臨。
大穴の周りに王城キャメロットを建設し、12基の神造兵装「聖槍ロンゴミニアド」を大穴に向けて設置した。
そして初代妖精騎士───魔術によって2400年前のブリテン異聞帯に飛ばされていたマシュもまたコールドスリープを経て女王歴2017年に戻り、カルデアと再会。
彼女の口から今もまだ残っている大穴の底にケルヌンノスの死体が眠っている事、妖精國に周期的に襲い来る「厄災」が大穴を発生源としているという情報がカルデアにもたらされる。
この時点でトリスメギストスⅡが予測した地球崩壊にケルヌンノスが関わっているという予測が確信に変わった。

折しも妖精國が打倒モルガンの気勢で揺れる中、審判の日は突然訪れた









※注意※


この先には『Fate/Grand Order』 第2部6章終盤のネタバレが含まれています。






女王歴2017年~呪いの厄災の目覚め


反乱軍の攻撃と風の氏族長オーロラの扇動に端を発する内紛によりモルガンは死亡、後継者とされていた妖精バーヴァン・シーも宮仕えの妖精達に大穴に投げ込まれた事で女王の支配体制は崩壊。
反乱軍の同盟者にして王の氏族長であるノクナレアを新たな王とする事で、妖精國は生まれ変わる筈だった。
しかしオーロラの手によりノクナレアが謀殺され、主人公とアルトリア・キャスター一行がその主犯として罪を着せられ、追われる身となってしまう。

時を同じくして、妖精が転ずる天敵の怪物・モースが大量発生して妖精達に襲い掛かり、挙句妖精達が次々とモースへと変貌していく。
愚かな裏切りと同時に、1000年に一度妖精を滅ぼすと言われる「大厄災」が始まったのだ。

妖精馬レッドラ・ビットの命を賭した疾走により、主人公達は飛空艇ストーム・ボーダーとの合流に成功。
しかし既に地上はモースで溢れ返り、狂気に駆られた妖精達によって各地で虐殺が繰り広げられ、美しかった妖精國の大地は炎に包まれた阿鼻叫喚の地獄絵図と化していた。
カルデアは当初の目的の一つだった聖槍ロンゴミニアドだけでもなんとか回収せんと王都キャメロットに向かうが、突如大穴上部に膨大な魔力と重力反応が発生。
ストーム・ボーダーがキャメロットに着いた時、ソレは既に姿を現していた───




───なんだ、あれ───

魔力測定、不可(できず)!霊基判定、不明(ならず)

だがアレは生物だ!あれほど巨大な生物が生存できる筈がない!




視認可能な部分だけも2000mを超える山の様な巨躯、
全身を覆う白い体毛と頭頂部から伸びる巨大な角、
目口と思しき、炎の如く鈍く光る赤い紋様
怒りと怨嗟に満ちた、耳をつんざく不気味な咆哮───



バーヴァン・シーを新たな神核として再起動したケルヌンノスの亡骸、その成れの果ての姿だった。


その威容に戦慄するストーム・ボーダー艦内。
モルガンが聖槍ロンゴミニアドを設置したのはこの時のためだったと気づくも時既に遅く、城壁周りは触れれば即死レベルの呪いで覆われ近づく事すら出来なくなっていた。

やがて底無しの大穴より伸びた呪いの「手」によりキャメロットはロンゴミニアドごと倒壊、噴出した呪いの大津波がストーム・ボーダーにも襲い掛かる。
絶体絶命の瞬間、コヤンスカヤが「ブリテンを救って欲しい」「行き止まりのブリテンに、無慈悲な滅びではなく穏やかな終わりを」という友人の望みを叶える為に現れ、何とかその場を逃れるものの、ケルヌンノスの呪いに対抗する術が無い以上、最早カルデアには燃えるブリテンと崩れゆく星をみている事しかできなかった。
そう誰もが諦めた時、待ってましたとばかりに艦内に聞き覚えのある声が響く。


諦めるなんてキミたちらしくない。ブリテンとの勝負は、ここからが本番さ。

そこにはモルガンが斃れた事で自由になったグランドクソ野郎花の魔術師ことマーリン(の幻影)がいた。
主人公達が発言の真意を問うと、アルトリアが最後の使命を果たす事がケルヌンノスを倒すための手段となるので、すぐに彼女を巡礼の旅の終着点である「星の内海」に寄越してほしいという。
マーリンはアルトリア・村正・主人公・マシュを「星の内海」へ入る者として指名。一縷の希望を抱きながら、4人は導かれるまま入り口である霊洞アルビオンへと入り込んでいくのだった。

霊洞の深度80km地点を通りかかったころ、壁にはあの『奈落の虫』と呼ばれる壁画があった。
妖精國の背景について知るいい機会と考えたマーリンは、主人公達にある話を語り聞かせる。
それはオークニーへ向かう道中でハベトロットが読み聞かせたあの昔話───そして、削られていたその細部
歴史の彼方に隠れていた詳細に思わず表情を凍り付かせるアルトリア達を後目に、マーリンはブリテン異聞帯/妖精國の根底に伏せられていた、恐るべき罪業を語り始めた。



なら丁度いい。『星の内海』に到着するまでの1時間、キミたちにすべての始まりを聞かせよう。

ブリテン異聞帯の創世の話。そして『楽園の妖精』の使命、その具体的な内容をね。



※以下、ケルヌンノスの正体及びその後のストーリー展開ネタバレ







【関連人物】



【余談】




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最終更新:2025年04月22日 23:15

*1 ブリテン異聞帯に住む人間は生殖能力を持っていないため、その全てが実質彼女のクローンである。

*2 モルガンは汎人類史でも「ベリルが昼寝している間の数時間で独力のみでレイシフトの構造を解析・魔術で再現模倣してしまう等、天才的な魔術の実力を持つ英霊。さらにアルトリアと違って巡礼の旅を複数回経験しているため内在魔力量でも桁違いだった

*3 ケルヌンノスの再起動に呼応して覚醒した「炎の厄災」と「獣の厄災」も、原因こそ違えど「この生き物(妖精)をブリテンの外(汎人類史)に出してはならない」という責務を感じた事が覚醒のトリガーであった

*4 期間限定の無料コンティニュー券

*5 さらに呪いアイコンのためデバフによる攻撃力アップの対象でもある可能性が高い

*6 毎ターン終了時にHP-1000。ただしアイコン1個毎に個別処理

*7 補助系サーヴァントは攻撃力強化をつける使い方はほぼされないため、この状況下では1手10000ダメージを上回ることすら難しい

*8 「広域魔力汚染」対策に1ゲージ目のブレイクだけは他のアタッカーに任せることが推奨だが

*9 現在はレアプリズム交換で入手可能

*10 2部6章配信後の期間限定イベント礼装

*11 宝具によって全体に対粛正防御&弱体解除・スキルで30~50%のNPチャージ+Artsバフと「人類の脅威」特効付与による火力増強

*12 3ターン毎に「希望のカリスマ」による全体攻撃力&NPアップが必ず発動

*13 竹箒日記によると厄災戦のBGMが先に作曲され、その後で厄災の元となった妖精騎士戦用のBGMをアレンジとして作曲したとの事。

*14 妖精の死体で出来上がった今のブリテン島というよりは、セファール襲来で消え去った本来のブリテン島