抹殺の指名者(遊戯王OCG)

登録日:2022/05/26 Thu 11:34:19
更新日:2025/05/05 Mon 13:28:09
所要時間:約 4 分で読めます




全てのカードを抹殺する!これが究極のメタゲームだ!
ただしデッキに入ってないカードは除く


《抹殺の指名者》とは、『遊戯王OCG』に存在するカードの1枚。



【効果】

速攻魔法制限カード
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):カード名を1つ宣言して発動できる。
宣言したカード1枚をデッキから除外する。
ターン終了時まで、この効果で除外したカード及びそのカードと元々のカード名が同じカードの効果は無効化される。


【概要】

Vジャンプの付属カードで突如登場した速攻魔法。
自分のデッキからカードを除外する効果と、そのターン除外したカードの効果を使えなくするという効果を持つ。
一見「余り強く無いんじゃ……?」と思われがちだが、現在の遊戯王にはどのデッキにも入っている汎用カードが非常に多い為、全くの捨て札になることは早々ない。
また速攻魔法というのも使い勝手が良く、
と、様々なメジャーカードへのカウンターとして運用することが可能である。
そしてこのカードが一番猛威を振るうのはミラーマッチ。相手のカードをほぼ全て無効化できる究極の妨害札となりえるのだ。
ただしあくまで「メインデッキ」に入っているカードしか対応できない為、EXデッキのモンスター効果はこのカードでは防ぐことができない事には注意したい。


同じ指名者である《墓穴の指名者》とは相互互換の関係であり、向こうが「敵の墓地にあるモンスター」こちらが「自分のデッキにあるカード」をそれぞれ除外し、同名カードを封じるという似通った効果を持つ。
双方とも利点、欠点があるので、自分のデッキや好みと相談して使い分けると良いだろう。

以上の事から「1枚のカードから展開できる」「少ない手札で1ターンキルができるor1ターン耐えきれば制圧が完成する」というデッキでは大活躍するカードと言える。


ちなみに「除外版《おろかな埋葬》」として使用する手も無くはないが、このカードで除外したカードは除外ゾーンで発動する効果も使えないので別の回収手段は必需と言える。
例外として【メタファイズ】カードは除外された「次のターン」に効果が発動するため無効化の影響を受けず、汎用メタ兼テーマサポートとして使用可能。
ふわんだりぃず】も下級モンスターの共通効果である除外ゾーンからの回収は毎ターン発動できるため、使いどころを無くしたり伏せていたカードを苦し紛れに発動せざるを得なかったりする時にあえてすとりー辺りを除外すると面白い動きが可能である。


【欠点】

  • 同名カードが自分のデッキに無いと無効化が使えない
このカードの最大の弱点がこれ。
「誰もがデッキに入れるカード」である《灰流うらら》《増殖するG》《墓穴の指名者》に対してメタを張れるが、そうじゃないカードに関しては基本素通しとなる
あくまで汎用カードのみを防ぐと考えたとしても、防ぎたいカードをデッキに入れてたのに全て手札や墓地に来てたりして結局肝心の時に防げないと言った現象もあり得る。
またマッチ戦においてはこのカードの存在を見越して、《ライトニング・ストーム》の代わりに《ハーピィの羽根帚》や《サンダー・ボルト》、《灰流うらら》の代わりに《幽鬼うさぎ》、壊獣の代わりに《倶利伽羅天童》と言った実用的ではあるが優先順位の劣るカードを敢えて入れて素通しを狙ってくる事もある。
逆にデッキ調整やサイド入れ替えなどで「発動したは良いが該当カードをデッキから抜いていた!」という自体も多く、当たり前だがその場合でも適当なカードを除外しなければならない。

また、無効にしたいカードをデッキに入れていたとしても《強欲で貪欲な壺》などの自分のデッキを削るカードを採用していた場合はそれらのカードでデッキから飛ばしてしまう事があり相性が悪い。
これは「無効にしたいカードの投入枚数を増やす」「デッキを削るカードを採用しない」「割り切って運用する」、どれにしてもそこまで大きな問題ではない。

また、汎用カードをそもそも「入れる枠がない・入れる必要がない・入れる気がない」ようなファンデッキ・地雷デッキ・ネタデッキが相手だとほぼ腐る
ガチの対戦環境では起こり難いことだが、シングル戦が主体の遊戯王マスターデュエルでは地雷デッキに遭遇する確率は格段に高くなることは留意すべし。
逆にそういったデッキを使う側も、このカードを使うことができない

つまりこのカードは、自分も相手も主流デッキで殴り合いミラーマッチも多発しやすいガチガチなプレイ環境を前提としたパワーカードなのである。

  • EXモンスターは止める事が出来ない
上記で少し述べたが、このカードで除外できるのはメインデッキのカードのみであり、EXの強力モンスターはどうしようもない。
それを出す素材カードをうまく指名できればいいのだが。

  • 発動ターンのみ無効化
無効化できる時間も短く、相手にターンを回すor自分にターンが帰ってきた場合は無効化期間も終了する。
ただし、これは無効化時間が長すぎないという利点として見る事もできる。
例えば《墓穴の指名者》では自分が《灰流うらら》を持っている状況で自分のターンに《灰流うらら》を無効化してしまうと相手ターンで使えなくなってしまうが、《抹殺の指名者》の場合は相手のを無効にしつつ自分のは使えるという状況が作れる。

  • 自分のカードも使用できなくなる。
無効化の範囲は自分にも及ぶため、場合によっては自分の手札を腐らせる可能性がある。
例えば《灰流うらら》とこのカードを手札に持っている状態で、相手の《灰流うらら》を無効化してしまうと手札が一枚腐ることとなってしまう。

  • 対策したいカードを持っている必要がある。
効果の特性上、自分もメタ先のカードを持っている必要があり、高額なカードや貴重なカードを対策したい場合は、メタ先の入手難易度の面で問題がある。
実際に発動するかはともかく、入手が困難な《万物創世龍》や《結束と絆の魔導師》《誇りと魂の龍》などの対策には向かないだろう。
汎用カードに限ってみても、再録されていないカードは高額になりがちなので、小中学生やライトユーザーには厳しい物がある。


とはいえ主な弱点は正直それくらい。しかしせいぜい「少し手が届かない」レベルのものであり、効果自体が強力なのには変わりない。
よほどの事が無い限り汎用手札誘発を完全に阻害できる事が弱い筈がなく、今日もどこかで「お前を殺す」と指名している事だろう。


【余談】

写っているイラストは、金髪の麗しき騎士が怒りの表情で剣を向けているというもの。
一見女性に見えるがゲームなどの扱いからどうやら男性のようだ。
彼は古参デュエリストには懐かしい《抹殺の使徒》という魔法カードにも描かれており、そちらは笑顔となっている。
その《抹殺の使徒》の効果はこちら
通常魔法
(1):フィールドの裏側表示モンスター1体を対象として発動できる。
その裏側表示モンスターを破壊し除外する。
除外したモンスターがリバースモンスターだった場合、
さらにお互いはお互いのデッキを確認し、
その中から自分は除外したモンスターの同名モンスターを全て除外する。

このカードが出たのは2003年4月の事であり、当時はリバースモンスターが大流行りであった。
その為彼はそのメタカードとして大活躍していたのだ。初出のレアリティも字レアとそこそこ手に入りやすかった。
しかし環境の高速化が進むにつれリバースモンスターの採用数が減ってきた為、彼も懐かしいだけのカードになっていた。
だが、リバースモンスターの多い【シャドール】の流行時にはサイドデッキへの採用率が上がる等、計り知れないポテンシャルは秘めている。
そんな彼がリメイクで再び環境カードに戻ってくるとはだれが予想しただろうか。

こういった経緯のデザイン故に有名カードと名前が被っているので良い略称が無いという《墓穴の指名者》と同じ難点を持っている。


マスターデュエルでは《抹殺の指名者》に発動ムービーがあり、イラストに書かれた戦士が剣を振りかざすという演出が入る。





罠カード発動!「追記・修正」!
しまった!私のデッキには「追記・修正」のカードがない…!これでは修正をせざるを得ないではないか!



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最終更新:2025年05月05日 13:28