ドラえもん新・のび太の大魔境〜ペコと5人の探検隊〜

登録日:2022/08/11 (木) 22:13:30
更新日:2022/08/14 Sun 07:07:05
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仲間がいる。

冒険がある。



●目次



概要

ドラえもん新・のび太の大魔境〜ペコと5人の探検隊〜とは、2014年3月8日に公開された映画ドラえもんシリーズ第34作目の作品でありわさドラ映画としては9作目に当たる。
公開年度は藤子・F・不二雄御大の生誕80周年・テレビアニメ35周年・テレビ朝日開局55周年の節目の年であり、それらの記念作品としての側面も持っている。

本作は1982年3月13日に公開された「ドラえもん のび太の大魔境」のリメイク作として公開されており、「新魔界大冒険」や「新鉄人兵団」等のリメイク作のように新キャラクターリメイク独自のオリジナル展開を敢えて入れずに原作の深掘りに重きを置いた作風となっているため、初見勢も旧作ファンも見やすい作風が特徴である。

劇場版発表後の恒例となっている漫画版や超特別編の類が今作は作られておらず、「パラレル西遊記」以来久方ぶりに新作ストーリーが作られていない劇場版作品となった。但し、3DSでは本作が題材となっているゲームは例年通り発売されている。


ストーリー

夏休みのある日のび太はいつもの空き地でジャイアンとスネ夫に呼び出され、今年の夏休みは未発見の魔境へと冒険をする計画を立てていることを聞かされ冒険の予定地を探し出すよう命令されてしまう。

すっかり困り果てたのび太はドラえもんへ泣きつき、ひみつ道具の自家用衛星を借りて目的地の選定を始めるが、衛星から送られる写真が膨大な上に途中でママにお使いを頼まれてしまう等の要因が重なって作業は中々進まなかった。

しかし、お使いの道中捨て犬を見つけちょっとした偶然から飼うことを許され「ペコ」と名づけ一緒に暮らし始めたことがきっかけとなりのび太達はジャングルの奥地に佇む不思議な巨神像を巡る大冒険へと挑むことになる。


登場人物


〜いつもの仲間達〜


のび太に泣きつかれ自家用衛星を出したものの当の本人は現代に於いて魔境と呼べるような場所など無いとかなり消極的な姿勢だったが、のび太のやる気に押されて本格的に魔境探しの手伝いに奔走することになる。

物語の前半はお馴染みのひみつ道具達をみんなに貸し与えて冒険のサポートをするが、後半はジャイアンの提案や自身の落ち度から便利な道具の大半が使用不可に陥る憂き目に遭うものの持ち前の知恵とあり合わせの道具でダブランダー達と立ち向かう。


難題に困り果ててドラえもんに泣きつく所はお約束だが、今回は珍しくやる気に溢れていて「夏休みを潰してでもやる価値はある」とまで言い切っており、諦観気味だったドラえもんの気持ちに火をつけるといういつもとは逆の構図となっている。
作業の最中に頼まれたお使いでペコと出会い餌をあげた結果懐かれてしまうが、トラブルに乗じてママにペコを飼うことを認めさせる抜け目なさはある意味必見。

旧作では叶わなかったサベール隊長との一騎打ちが本作では見事に再現されていて、電光丸の力を借りたとはいえ凄腕の剣士であるサベールを相手に諦めずに立ち向かう姿は彼の隠された本質が見事に発揮されており本作の見どころの一つとなっている。


本作では出会ったばかりのペコや冒険で出会ったオカピの親子等動物にも優しく接するいつもの姿を見せる一方で自分達を襲いにきたゴリラにスーパー手袋を用いて笑顔で空に投げ飛ばすというえげつない一面を覗かせたりもする。
物語の終盤碌なひみつ道具を使えないままダブランダー達と決戦に臨む際、あるひみつ道具の効果を逆手にとって事態を好転させており、本作に於けるMVP級の活躍を果たす。

冒険の途中でお花摘みに行ったり思わず腹の虫を鳴らしてしまったりと今作は何かと恥じらうシーンが多く、どのシーンもとても可愛いので静香ファンは一見の価値あり。


のび太に難題を押し付け、冒険が思い通りにいかないと癇癪を起こして中止を宣言し、冒険が再開となったら緊張感が薄れるからとひみつ道具のいくつかを没収する等前半はいつもの横暴さが全開だが、自分の軽率な言動の結果仲間達を何度も危険に晒してしまった事に対して責任を感じ1人で抱え込むも、ペコ相手に思わず弱音を吐きながら泣き崩れてしまう普段は拝めない彼の弱さを垣間見せる。

中盤以降はその責任を果たす為に自ら危険な役目を請け負ったり、圧倒的に不利な敵地へと躊躇いなく向かう勇気を見せる。また、全てが終わった後でクンタック達から宝物を進呈されても「国の再建に役立てて欲しい」と断る等漢気全開の活躍をしてくれる。

今作の彼は裏主人公と言っても過言ではない。


全編を通してある意味いつも通りの調子で、調子のいいことを言ったかと思えば危険な目に遭いそうになった途端に怖気付いたり消極的になるいつものお坊ちゃん振りを見せる。

しかし、やる時はやる姿勢も健在でオドロンドロの谷の秘密を捨て身で暴いたり、仲間を見捨てずに危険な戦場へ身を投じたりと、なんだかんだで冒険のメンバーとして活躍してくれる。


ペコの悪戯によって偶然衛星の写真に映り込んだ謎の石像について相談にやって来たのび太達にヘビースモーカーズフォレストの話を引き合いに出し、該当地域の空撮が困難であることを教えてくれた。これによってのび太達は石像が未発見のものであることを確信し石像を冒険の目的地に決定することとなる。
なお、ここまで親身になって相談に乗ってくれたのに本人は冒険には誘われないという不遇っぷり。
宇宙小戦争では塾の講習というエクスキューズがあるため、そう言う事なのかもしれないが。

ゲストキャラクター


空き地にいた捨て犬で立っているのもやっとなほどやつれていたが、のび太がソーセージをあげたことで懐いてしまいついてきてしまうも、ママが紛失した鞄を見つけるという手柄を立てた事で飼うことを許されペコと名付けられて野比家で暮らす事になる。
のび太やドラえもんが感心する程上品な立ち振る舞いや知性を持つ一方で衛星のコンソールを弄ってのび太の部屋を写真まみれにする悪戯もするが、これが巨神像の発見のきっかけに繋がる。

冒険に於いてはマスコット的な存在感でのび太達から可愛がられるも、ワニに襲われたのび太を助けるためにワニに立ち向かったり、ヒステリーを起こしたジャイアンに寄り添う等単なるペットではなくれっきとしたのび太達の仲間として冒険へと同行するが…



  • スピアナ姫 CV:夏目三久
クンタックと恋仲にある次代の王妃となるお姫様。原作・旧作から大幅にデザインが変更された。

今作は彼女の事が掘り下げられており、ダブランダーによって王宮に軟禁されながらもクンタックの生存と帰還を信じ続け国民のために昼夜を問わず平和の祈りを捧げる懐の深さとダブランダーに妃になるよう言い寄られようとも決して屈しない芯の強さを持ち合わせており、クンタック同様に彼女も王妃たる器の持ち主であることが描写されている。


  • ブルスス CV:広瀬正志
バウワンコ108世の代から親衛隊長を務める大柄の男でクンタックからの信頼も厚かったが、ダブランダーが実権を握った後は親衛隊長の任を解かれ投獄されていた。

王国へたどり着いたのび太達によって脱獄に成功し、以降は行動を共にするが巨神像へと向かう道中敵に見つかった一行を逃すために殿を務めた。


  • チッポ CV:坂本千夏
ダブランダーの命令によって両親が古代兵器の製造員として拉致されてしまい、碌な食事も出来ず空腹のあまりブルテリとバーナードの弁当を盗んでしまい2人に追いかけ回されていたところをクンタックに救出される。

以降は王国を自由に歩き回れない一行の偵察兼脚として手助けを行い、終盤では子供でありながら王国の人々にクンタックが奮闘している事を話し周り人々がダブランダーへ蹶起を起こすきっかけを作った。


  • ダブランダー CV:飯塚昭三
バウワンコ108世を殺害しクンタックを国から追放した本作の黒幕。

バウワンコ108世が王位についた時期から「古代兵器を蘇らせ外の世界を侵略して世界征服をする」という野心を抱いており、手下のコス博士と共にバウワンコ1世が封印した古代兵器の記録を研究していた。そして、古代兵器の研究に目処がついた段階でバウワンコ108世を毒殺し、状況証拠からクンタックが王の殺人を目論んだように仕向けて国から追放した後に実権を奪い取り圧政を敷いて国民に古代兵器の製造を強要する紛う事なき暴君として君臨している。


  • コス博士 CV: 宮澤正
ダブランダーの腹心の部下の一人。旧作は別人レベルのデザインになっていたが、今作は原作準拠のデザインで登場した。

封印されて久しい古代兵器の開発を一手に担っており、クンタックが失踪してから国に戻るまでの間に実戦に耐えうるレベルにまで古代兵器を復元させる程の優秀な頭脳を誇る。
終盤ではバウワンコ1世の予言を引き合いに出してクンタックの動きを予測し、復元した古代兵器の指揮を取って一行を追い詰める。


  • サベール隊長 CV:小栗旬
ダブランダー統治下の兵隊達を統率する凄腕の剣士。
石像や大木を一振りで切り裂き、剣の名手であるクンタックですら苦戦を強いられる程の腕前を誇る上に優れた洞察力も備えており、僅かな違和感も見逃さずにすれ違ったチッポの荷車を検閲し、切り裂かれた槍の断面からそれがクンタックの仕業であると一目で見抜いている。

終盤での彼とのび太の決闘は名シーンとなっており、最後まで諦める事なく自身に打ち勝ったのび太に潔く負けを認める彼なりの騎士道精神が垣間見える演出がなされている。


  • ブルテリ&バーナード CV:多田健二(ブルテリ)、山田善し(バーナード)
常にコンビで行動する下っ端の兵隊。原作・旧作には登場しない本作のオリジナルキャラクター
恒例のゲスト声優枠で、お笑いコンビのCOWCOWが声を当てている。中の人の持ちネタが「あたりまえ体操」だからか「あたりまえ」が口ぐせ。
なにかと不幸な目にあっており、腹をすかしたチッポに弁当を盗られる、死んだと思われていたクンタックに叩きのめされる、脱獄中のブルススに階段から投げ飛ばされる等登場してから殆ど良いことがなく最終的には皿洗いにまで降格(?)させられていた。



  • 原住民
ジャングルに居を構える現地の人々。
ドラえもんの船が壊れてしまいワニ達に襲われかかっていた所を助け出してくれた上に村にも迎え入れてくれた。
バウワンコを讃える祭りの中で族長からバウワンコ王国への道のりの険しさを教えてもらうも、ジャイアンが軽はずみな言動をした事で神を恐れない者達とみなされ全員の不興を買い、半ば強引な手段で一行を村から追い出した。



本作での用語

  • ヘビースモーカーズフォレスト
タバコ好きの森という意味を持ち中部アフリカの一部に常に厚い雲がかかっていて衛星による空撮が出来ない地帯が存在しており、その雲の真下にバウワンコ王国は存在していた。

そして雲に邪魔されずに空撮が可能なドラえもんの衛星に巨神像が捕捉された事で今回の冒険が始まることとなる。

  • バウワンコ1世
王国の初代王。
彼が存命していた当時王国は優れた科学技術を有していたが、それに伴う兵器開発によって世界が滅亡に向かうことを憂いた彼は兵器開発の一切を禁じ平和の象徴として巨神像を建立させた。

彼の時代から5000年近く経った今でもその存在感は大きくスピアナ姫は亡き彼に平和の祈りを捧げ、クンタックは彼が残した予言を信じて行動しており、王族の中でも一目置かれた英君であった事が窺える。

  • 巨神像
バウワンコ1世によって建てられた平和の象徴の石像。
王国の市街地から離れたジャングルの奥地の祭壇に建てられており、ある程度距離が離れていても姿が見える程の大きさを誇る。

クンタックはバウワンコ1世が残した

「国乱るる時、10人の外国人来たりて巨神の心を動かさん」

という予言を信じて包囲網を掻い潜りながらこの像の元へと向かうことになる。


  • 7の7倍の牙の王
村から追い出された一行が最初にたどり着いた広大なサバンナにて出会った象の群れ。族長の言葉に慄きながら進んでいた一向にとっては癒しの存在であり和やかな雰囲気でサバンナを進んでいくことに…

…なるわけもなく、牙の王というのは象達ではなくライオンのこと。象達が危険を察知して逃げ出した直後、茂みから群れが現れあっという間に囲まれてしまい絶体絶命のピンチへと陥る。
しかし、突如バウワンコの像の幻影が現れ、手から雷を放ち群れを蹴散らしたことで難を逃れた。


  • オドロンドロの谷
死霊が渦巻く死の国と呼ばれている場所。

崖は険しい上にとても脆く下るのが困難な上谷底は不気味な唸り声が響き渡り人魂ような光る何かかが漂っているとても不気味な場所なのだが……。



  • 火を吐く車/空飛ぶ船
バウワンコ1世が封じた記録をダブランダー達が掘り起こし、コス博士の手によって現代に蘇った古代兵器達。

終盤にてコス博士の指揮の元出撃し車の火炎放射と船の空爆でジャングルを焼き尽くし一時はクンタックも敗北を覚悟する程の戦力差を見せつけた。
更に本作ではコス博士が搭乗していた旗艦に「遠吠え砲」と呼ばれる長射程・高威力のエネルギー砲が搭載されており、巨神像を一時的とはいえ機能停止に陥らせる程の力を誇る。

リメイク前までの長い間、ファンの間では「火炎放射器やタル爆弾が主力の兵器で人間界に侵攻なんて無謀でしょ」と言われていたが、本作では上記の通り戦力が増強されて、リメイク前よりは説得力を持たされている。
仮にこの兵器が量産され外の世界の主要施設や市街地に放たれた場合、人類側は甚大な被害を被ることは想像に難くない。
バウワンコ1世が兵器開発を禁じるのも納得の兵装と言えるだろう。

また、巨神像も含めこれらの兵器を数千年以上前に生み出す技術力がありながら平和を保ってきたのは特筆に値するといえる。



ひみつ道具




主題歌

  • オープニング-夢をかなえてドラえもん
作詞・作曲:黒須克彦 / 編曲:大久保薫 / 歌:mao / コーラス:ひまわりキッズ(コロムビア)

  • エンディング-光のシグナル
作詞:せんせい(東京カランコロン) / 作曲:中谷あつこ / 編曲:鈴木雅也 / 歌:Kis-My-Ft2(avex trax)

  • 劇中歌-友達
作詞・作曲:多田慎也 / 編曲:NAOKI-T / 歌:ジャイアン木村昴


余談

わさドラ映画では恒例となりつつあるエンドロール後の予告映像はドラえもんの鈴に星が重なり、赤いマスクを身に付けたドラえもんのシルエットが映し出される演出がなされており、宇宙を背景に2015年春の公開が告知され後に「ドラえもん のび太の宇宙英雄記」であることが正式に発表された。更に「春ドラの次は、夏ドラです。」というキャッチフレーズが流れるとともに「STAND BY ME ドラえもん」の予告映像も公開された。



項目荒れる時

10人のアニヲタ民現れ

追記・修正を行わん


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最終更新:2022年08月14日 07:07