登録日:2023/05/26 Fri 08:17:23
更新日:2024/10/07 Mon 14:39:36
所要時間:約 46 分で読めます
新約聖書マタイによる福音書6章6-13、ルカによる福音書11章2-4より「主の祈り」
Kingdom Come: Deliverance(キングダムカム・デリバランス)は、チェコのゲーム会社Warhorse Studiosが開発したオープンワールドRPGである。
【概要】
15世紀のボヘミア王国にて繰り広げられるストーリーを描いた、一人称視点のオープンワールドRPGである。
プレイヤーは、当時の雰囲気を精緻に再現した世界で、
剣や
弓馬の戦いをはじめ、中世のさまざまなイベントや生活を楽しむことができる。
【プラットフォーム】
WindowsPC(
Steam、Epic、DMMなど)や
Xbox OneやPS4向けに発売されている。
PC版は
SteamやEpicとDMMでは別物であり、DMM版はPS4版と同様に発売当初から
日本語にローカライズされている。
DMM以外のPC版は長らく日本語訳が存在せず有志による翻訳MODが頼りだったのだが、発売から5年が経った2023年2月13日に日本語字幕および吹き替えに対応し、国内のユーザーを驚かせた。
【あらすじ】
ボヘミア王国にあるスカリッツの村で暮らしていた少年ヘンリーののどかな生活は、ある日突如として現れた軍隊によって終わりを告げた。
襲撃によりヘンリーは故郷と家族を失い、本人も生死の境をさまよった。
九死に一生を得たヘンリーは、家族の仇を討つために戦いの動乱へと身を投じる。
【ゲームの舞台】
当
ゲームの世界は、15世紀初頭(西暦1403年)のボヘミア王国の一部地域である。
ここでは、ストーリー上訪れることになる町や村について簡単に述べる。
一度訪れたことのある場所には
ファストトラベルが可能である。
町や村の他にも、
盗賊のアジトや隠された宝や事故現場といったさまざまな施設や興味深い場所が存在する。
小高い丘の上にあるひなびた村。主人公ヘンリーの故郷である。
村の近くには鉱山があり、そこからの銀の採掘が主な産業であった。
ゲームのオープニングで軍隊による襲撃を受け壊滅してしまう。
スカリッツに隣接する小集落。
スカリッツは村の中に教会がなく、ここにある教会がスカリッツの教会を兼ねていた。
襲撃により無人になっている。
スカリッツの東に位置する城および城下町。
石材の生産が盛んで、郊外には規模の大きな採石場がある。
スカリッツの南東、タルムバークからはほぼ真南にある城塞都市。
ゲーム中最大級の町で、高台に築かれた城塞の中に商店街や教会や城があり、郊外の低地にも人々が家を構えている。
城塞内部は「上層」「下層」と呼ばれるふたつの区域に分けられており、それぞれに教会と城が建てられている。
ラッタイの北の川のほとりにある村。
周辺の大きな町への交通の中継地といった趣がある。
ラッタイの北東にある農村。
馬の生産が盛ん。
タルムバークの北東の農業地帯にある町。
サーザヴァ川に沿って発展した大きな町。
商店が立ち並ぶ大通りや教会のほか、広い敷地をもつ修道院がある。
ササウの北にある農村。
サモペシュの北東、レデチコからはほぼ真北にある農村。
ノイホフと並ぶ馬の生産地である。
ササウの南の山あいにある廃集落。
タルムバークの北東の山あいにある廃集落。
【主な登場人物】
主人公とその知人
このゲームの主人公にしてプレイヤーの分身。
スカリッツの鍛冶屋の息子で、父の仕事の手伝いをしつつぶらぶらしていた。
だが襲撃によってすべてを失い、数奇な運命に翻弄されていく。
ヘンリーの父であるスカリッツの鍛冶職人。
若い頃は各地を渡り歩いていたらしいが、スカリッツに腰を落ち着けてからは息子ヘンリーに剣を握ることを禁じている。
オープニングにてスカリッツを襲撃してきた軍の兵士に殺害されてしまう。
スカリッツ出身のヘンリーの悪友たち。
襲撃を逃れてからはいろんな町を転々とし、行く先々で揉め事を起こしている。
スカリッツ出身のヘンリーの幼なじみ。
この作品のメインヒロイン格の人物であり、スカリッツの襲撃に際して彼女の助けがなければおそらくヘンリーは死んでいた。
DLCでは彼女を操作して進めるシナリオがある。
ラッタイで製粉業を営んでいるテレーザの叔父。
スカリッツの襲撃で命を拾ったヘンリーは意識不明のまま彼の所有する水車小屋に運び込まれ、そこで看病を受けていた。
そういうわけでオープニングイベント後はラッタイの水車小屋がスタート地点であり、当座の拠点でもある。
実は……
他の町の何人かの粉挽きとともに、盗品売買をはじめとする犯罪のネットワークを形成している。
ヘンリーが目覚めると、治療費(=ヘンリーのペシェクへの借金)を盾にとって悪事の片棒を担ぐよう要求してくる。
断ることもできるが、悪事に協力もせず借金も返さずにいると、強面の借金取りをけしかけてくる。
味方陣営の貴族
歴史上の実在の人物。
ゲーム中ではスカリッツの領主であるが、史実では正式なスカリッツの統治者ではなかったようだ。
スカリッツが襲撃によって壊滅した後は生き残った村人をまとめて脱出し、ラッタイに滞在している。
歴史上の実在の人物。
ボヘミア王国の大貴族の家柄の出身で、ラッタイにおいて次期領主であるハンス・カポン卿を後見している。
統治者としては中継ぎの立場ではあるが、民衆からは支持されている。
歴史上の実在の人物だが、名前が改変されている。
前領主であった父の死によりラッタイの次期領主となる予定であるがまだ年若く、縁戚関係にあるハヌシュ卿に後見を受けている。
人物像は典型的なボンボンで、ラッタイの民衆からも評判はよくなく、酒と女のトラブルをたびたび引き起こす。
平民であるヘンリーに対しても少女マンガの御曹司キャラのようにイヤミな言動をとるが、割とすぐデレる。
ラッタイの守備隊長。下級貴族の出身。
城塞を守護する兵士を統括しており、ヘンリーにとっては戦闘教官でもある。
訓練をつけてもらうことで戦いに関するヘンリーの身体能力や技術を伸ばせるため、多くのプレイヤーが彼のお世話になる。
歴史上の実在の人物。タルムバークを治めている。
ゲームの開始時点の年代より前に、敵対勢力により7年間も囚われていた時期があった。
歴史上の実在の人物。ディビシュ卿の奥方。
ディビシュ卿が捕らえられていた間は、夫の身柄を解放するために各地を駆け回って協力を集めていた。
そういった自身の過去を故郷を失ったヘンリーの身の上に重ねているのか、親身になって接してくれる。
タルムバークの守備隊長。
ディビシュ卿が捕らえられていた間は、ステファニー夫人とともに協力を求めて各地を奔走していたらしい。
その他の人物など
ゲーム開始時点の年代におけるボヘミア国王。
文人皇帝として名高いチャールズ4世(カール4世)から地位を相続したが、酒色にふけり政務を顧みなかったとされる。
これにより一部の貴族が離反して異母弟シギスムントにつき、両者の派閥の間で対立や衝突が起こるようになった。
上述したラジク卿、ハヌシュ卿、ディビシュ卿らはベンツェスラウス4世を支持していた。
ベンツェスラウス4世の異母弟にしてハンガリー王。兄とは敵対関係にあった。
抗争の過程でベンツェスラウス4世を捕えて幽閉したり、配下の軍に兄の派閥の貴族の領地を攻撃させたりしていた。
すなわちスカリッツの襲撃も、シギスムントが政敵の勢力を削ぐことを目的として行った施策のひとつであった。
モンゴル帝国の侵略によってハンガリーに逃れてきたキプチャクの人々をルーツとする民族。
ゲームに登場するクマン人はシギスムントの傭兵として各地での戦闘に参加したり、野盗になったりしている。
東洋風の……すなわち当時のボヘミアの人々からすれば異様な衣服や武具に身を包み破壊や略奪を行うため、悪魔のように恐れられ嫌われている。
世界史の授業でも触れられるような人物だが、ゲーム中のイベントでも言及される(直接は登場しない)。
カトリック教会の腐敗を批判し信仰の原点回帰を主張した。
フス自身は教会から破門されて火あぶりにされ殉教を遂げた(1415年没)が、フス派の人々が立ち上がりプラハ窓外放擲事件(第一次、1419年)を経てフス戦争が勃発する。
その過程で、ベンツェスラウス4世は窓外放擲事件にショックを受けて死んでしまったという。
フス戦争ではシギスムント率いる
騎士の軍が
弩や銃器を手にした市民兵に完膚なきまでに敗れており、歴史における戦いのあり方のターニングポイントともいえる出来事であった。
【ステータスやスキル】
主人公ヘンリーの身体能力や技術は、各種のステータスやスキルのレベルで表される。
成長、熟練すればいろいろなことがうまくできるようになってゆく。
また、各ステータスやスキルのカテゴリ別にパーク(Perk)と呼ばれる特典的な技能があり、それらを身につけることでさらなる強化を望める。
ステータス
プレイヤーキャラの状態を現すおもなステータスについて解説する。
ヘンリーの総合的な強さの指標。
各種のステータスやゲームの進行状況によって決定される。
すなわち、メインレベルを上げたいならさまざまなステータスやスキルを鍛える必要がある、ということである。
そのまんま力の強さである。
戦闘における攻撃力や、荷物をどれだけ持てるかということに影響する。
このゲームは所持品の重量制限が厳しいので、殴り合いを避けるプレイスタイルでも重要なステータスである。
素手や重い武器で戦うことなどで成長する。
身のこなしの素早さを示す。
戦闘における回避の成功率や、走る速さなどに影響する。
こちらも平時戦時問わずに重要なステータスなのだが、単純に走るだけでは敏捷さは伸びず、体力しか成長しない。
弓や軽い武器で戦うことなどで成長する。
打たれ強さやスタミナといった要素に関わるステータス。
成長すると戦闘における防御力が上がる、走ったり殴り合ったりの激しい運動が長い間できるようになるメリットがある。
単純に走るだけでは体力しか成長しないと述べたが、体力が上がれば走り続けられる時間が伸びるためやはり重要である。
走ったりジャンプしたりすることなどで成長する。
話のうまさ、口の達者さ全般をひっくるめたようなステータス。
商取引での値引き相談や他人の説得といった交渉ごとの成功率に影響する。
クエストやイベントでの説得は失敗すると往々にして展開が不利になるので重要なステータスなのだが、筋力などとは異なり意識して集中的に伸ばす方法がほぼない。
説得を成功させたり、新奇な話題で人々と会話したりすることで成長する。
より正確にいうと「どれだけ社会的地位の高そうな身なりをしているか」という度合いを示すステータス。
ヘンリーの身体能力よりも身につけている物に大きく影響を受ける。
平民や労働者のみすぼらしい服に比べて、貴族が着るような服や立派な鎧はより魅力を高めてくれる。
ただし、装備品に汚れや損傷があると魅力に下方修正がかかる。
魅力が充分に高ければ(主にその場にいない偉い人の威を借るかたちで)他人を説得しやすくなる。
どれだけ他の人に見つかりやすいかを表すステータス。
ヘンリーの身体能力よりも身につけている物に大きく影響を受ける。
ピカピカの鎧や貴族のきらびやかな服を装備すれば見つかりやすく、逆に茶色や黒色の服であれば見つかりにくい。
戦闘のことを考慮しないで可視性を抑えたいならば何も装備しないのもアリ。
人々の間に溶け込んでいるか、もしくは浮いているかの度合いを示すステータス。
ヘンリーの身体能力よりも身につけている物に大きく影響を受ける。
この値が高いと人々の印象に長く残り、低いとすぐに忘れられる。
可視性と同様に華美な服装は印象強く、反対に地味なありふれた格好をしていれば注目度を抑えられる。
行動するときに発する物音の大きさ。
ヘンリーの身体能力よりも身につけている物に大きく影響を受ける。
金属製の鎧や拍車などはガチャガチャ音を立ててうるさいので、人々に気付かれずに行動したいときには不向きである。
静音性を重視した衣服や靴も存在するが、そういったものを装備するなら防御力は犠牲になる。
歩いたり走ったりするときの速さを表す。
ヘンリーの敏捷のステータス、および装備品や所持アイテムの重量によって決定される。
重い金属製の武具は動きにくく、装着していると速度が低下する。
また所持品の重量制限を超過すると特大の速度低下がかかる上に、走ることができなくなる。
いわゆるHP。0になると死亡する。最大値は固定でゲーム中に成長することはない。
減少した生命力は自動で回復することはなく、睡眠をとるか治療薬を服用することで回復する。
敵の攻撃や高所からの落下や中毒などで減少する。
物理的な要因でダメージを受けたとき、付随的に負傷(攻撃力や移動速度などが低下)や出血(包帯で止血するまでスリップダメージ発生)のステータス異常がつくことがある。
他のゲームでは「スタミナ」と表現されることが多いステータス。
走ったり格闘したりといった強度の高い運動をすると減少し、そういった行動をしていなければ自然に回復する。
体力のステータスが高くなれば最大値が上昇し、長時間の運動が可能となる。
また、生命力の減少や過食などの要因で一時的に最大値が低下する。
とりわけ近接戦闘で敵の攻撃を食らって生命力が減ると、持久力が低下して動きが悪くなることでさらに攻撃を受けやすくなり、状況が加速度的に不利になる。
どれだけ元気であるか、あるいは疲れているかを示す。最大値は固定でゲーム中に成長することはない。
0になると意識を失って倒れてしまう。
時間経過で減少し、睡眠をとると回復する。
ほか、一部の食べ物や薬の効果で増えたり減ったりする。
ローグライクゲームなどではおなじみの、栄養補給なしにどれだけ行動できるかを表すステータス。最大値は固定でゲーム中に成長することはない。
低すぎても高すぎてもデバフが発生するデリケートなステータスである。
時間経過で減少し、食べ物であるアイテムを使用することなどで回復するが、満腹度の上限を超過するように飲み食いすることはできない。
ちなみにヘンリーの満腹度の自然減少のペースは現代のわれわれの感覚に比べるとかなり緩やかであり、一日に一回くらい食事ができれば問題なく生活できるほどの少食省エネぶりである。
戦闘能力
名前の通り戦闘に関するステータスやスキル。
メインクエストでもサブクエストでも殴り合ったり刃を交えたりすることはよくあるので、ぜひ鍛えておきたい。
戦いにおけるヘンリーの総合的な強さを示す。
レベルが上がると攻撃力や防御力が高くなる。
戦闘の経験を積むことのほか、さまざまな武器に熟達することによっても成長する。
このステータスが高いと、敵の攻撃をかわしやすくなったり、当たったときにもダメージが減ったりする。
戦闘中に防御行動をとることで成長する。
メイス、
剣、
弓、
斧の各武器のカテゴリーと、素手での格闘に関してどれだけ精通しているかを示す。
レベルが上がると該当する武器や素手の攻撃力が高くなる。
弓に関しては、狙いをつけるときの手ブレを低減したり、矢を放ったとき弦が撥ねるのを抑止したりする恩恵もある。
技能
身体能力や戦闘技能以外のさまざまな技術。
いずれも取得は任意だが、サブクエストで要求されることがしばしばあるので習い覚えておけばなにかと役に立つ。
他の人が持っているお金やアイテムをこっそり
盗み取るスキル。
レベルが上がると対象に気付かれにくくなり、より余裕をもって懐をあされる。
当然だが
犯罪であり、バレると通報されたり人々の評判が悪くなったりする。
またスリで入手したアイテムは盗品として扱われ、一般のお店では買い取ってもらえないなどのペナルティがある。
成長させるにはスリを成功させる必要があり、犯罪を忌避するプレイスタイルだと鍛えるのは困難。
武器や防具や衣服や靴の手入れ(アイテムの耐久度の回復)に関するスキル。
レベルが上がるとより損耗したアイテムを修理可能になり、修理用の道具も長持ちする。
装備品の手入れ自体はお店に持ち込んで修理してもらうことでもできるが、パークによる特典が優秀なので育てる価値はある。
砥石や修理道具を使って実際に手入れを行うことで成長する。
扉や箱にかかっている鍵をこじ開けるスキル。
レベルが上がるとより難しい鍵を開けられるようになる。
これもスリ同様に犯罪であり、ピッキング現場を目撃されると通報や評判低下のリスクがある。
また、町や村にある箱などから入手したアイテムは盗品扱いとなる。
成長させるにはピッキングを成功させる必要があり、犯罪を忌避するプレイスタイルだと鍛えるのは困難。
DLCで追加されたスキル。ラッタイの水車小屋で飼われている犬の「マット」がヘンリーの相棒になってくれる。
レベルが上がると狩猟を手伝ってくれたり戦闘で敵を攻撃したりしてくれる。
愛犬と共に生活し、褒めたり肉を与えたりすることで成長する。
このスキルに関しては成長しているのはヘンリーではなくマットのような気がする
野山で獣を追ったり、仕留めた獲物を解体したりすることに関係するスキル。
レベルが上がると一頭の動物からより多くの肉を得られるようになる。
また、パークを取得することで内臓や皮革なども獲得できるようになる。
この時代の猟師は領主の許可が必要な資格職であり、そうでない者による狩猟は犯罪であり、肉などが盗品扱いとなる。
動物を仕留めることで成長する。殺生を忌避するプレイスタイルだと鍛えるのは困難。
薬効を持つ植物の知識などに関するスキル。
レベルが上がると草むしりがうまくなる薬草を効率的に採集できるようになる。
日頃から薬草をたくさん集めるかどうかはプレイスタイルに依るところが大きいが、パークはけっこう便利なものが揃っている。
植物を採取することで成長する。
文字通り書物を読むためのスキル。
この時代は識字率が低く、ヘンリーもゲーム開始時点では文字が読めないため、読書を始めるには特別に講習を受けなければならない。
レベルが上がるとスキルブック(時間をかけて読むとステータスやスキルが成長する)を早く読むことができる。
ゲームの中でまで勉強するのも……という気分になるが、学んでおけばできることが増えるのは間違いない。
いろいろな本や書物を読むことで成長する。
ポーション(薬品)を作るためのスキル。
このゲームはリアル寄りなので、錬金術といっても卑金属を貴金属に変えたり
賢者の石を錬成したりはできない。
薬の作り方を覚えるにはレシピを読む必要があり、最低限の読書スキルがあることが前提となっている。
レベルが上がると成果物の歩留まりが向上したり、作成手順のミスの影響を少なくしたりできる。
薬屋で完成品のポーションを買うこともできるが高価なので、たくさん使うようならぜひ自家醸造に習熟しておきたい。
ポーションを実際に作成することで成長する。
人々に気付かれずに行動するためのスキル。
レベルが上がると見つかりにくくなり、物音を立てずに動ける。ステルスキルもできるようになる。
泥棒稼業には重要な要素であり、戦いにおいても一方的に敵を無力化できる有利は大きい。
主にスリやピッキングといった人前で大っぴらにできない行動をとることで成長するので、犯罪を忌避するプレイスタイルだと鍛えるのは困難。
ストレートな意味合いにしてゲーム作品では珍しい、お酒との付き合い方のスキル。
このゲームはアルコールの人体への影響の描写がやたらと詳細で、飲みすぎると視界がグラグラしたり二日酔いになったりアル中になったりする。
レベルが上がると、そのような酔いによる悪影響に耐性がつく。
パークによる効果も、たくさん飲めるけど二日酔いもキツくなるとか酔うと手が落ち着くけどシラフだと手が震えるとかクセが強い。
アルコールを含む食品系アイテムを使用することで成長する。
強い酒を大量に用意してひたすら飲めば早くレベルを上げられるけど、リアルでは絶対やるなよ!
乗馬のスキル。
レベルが上がると
馬をより速くより長く走らせることができ、馬から振り落とされることが減る。
熟達すれば移動も楽だし荷物をたくさん運べるし戦闘にも強いので、騎士や弓騎兵のロールプレイをしてみたいならぜひ。
馬に乗って走ることで成長する。
【アイテム】
装備品や食料や薬などなどのアイテムたち。
一部の例外を除いて各アイテムには重さが設定されており、どんなに軽いアイテムでも0.1
ポンドはあり、重たい武具はひとつで10ポンドを超えることもある。
ヘンリーが持ち運べる重量を超過してアイテムを所持すると移動に支障が出るため、筋力を鍛えてアイテムをたくさん持てるようにしたり、持ち物を整理して空きを作っておくことは重要である。
当時の基軸通貨であるプラハ・グロッシェン(グロシュとも)がゲーム内通貨として採用されている。
史実ではグロッシェンの下位の通貨も存在していたが、換算が煩雑であるため本作では登場しない。
所持および取引の最低単位は0.1グロッシェンであり、腐ってしまったゆで卵や道端で摘んだタンポポのようなしょうもないアイテムであっても、売買できるなら0.1グロッシェン以上の値が必ずつく。
ヘンリーがグロッシェンを所持している場合、インベントリの「その他」のカテゴリを1枠占める。
しかしグロッシェンは例外的に重さが設定されていないアイテムのひとつであり、所持品の重量制限に所持金の重さが勘定されることはない。
実際にはグロッシェン硬貨は重くて1枚3.7グラム、品質低下しても1枚2.4グラムはあったそうなので(Wikipedia調べ)、200グロッシェンもあれば余裕で1ポンドを超える重さになる。
武器
各種の武器に加えて、盾など「手で保持して使う道具」にあたるアイテムが属するカテゴリー。
戦いの花形ともいえる武器。片手剣と両手剣がある。
大まかな傾向として片手剣は素早い攻撃が可能で刺突が強く、両手剣は重い攻撃が可能で斬撃が強い。
武器の装備には対応するステータスが水準を満たしている必要があり、剣の場合は筋力と敏捷さのどちらかが要求される。
当然ながら、強力な剣を装備したければより高いステータスが要求される。
一般家庭にもあるこん棒から、屈強な戦士が持つ戦槌まで各種ある。
攻撃が打撃属性であり、固い鎧を着込んだ相手にもダメージが通りやすい。
強力なメイスを装備するには相応の筋力が要求される。
農民が持つ手斧から、熟達の戦士が持つ戦斧まで各種ある。
攻撃は斬撃と打撃の複合属性を持つ。
強力な斧を装備するには相応の筋力が要求される。
遠距離攻撃ができるただひとつの武器。弓も矢も複数の種類がある。
弓が強くても矢がショボければ威力は出ず、逆も然りである。
強力な弓を装備するには、筋力と敏捷さの両方が充分に鍛えられていなければならない。
利き手と反対側の手に持ち、構えて敵の攻撃を防ぐ。
片手武器を持って戦うならぜひ装備しておきたい。
この時代、盾は紋章などを描いて所持者の所属を示す役目もあったので、城の衛兵はよく持っている。
火を灯して光源とするための棒きれ。
この時代は電灯のような便利な照明器具はなかったので、たいまつがないと夜は暗くてやってられない。
他にも洞窟の中を歩くときや、採光が不十分な部屋で本を読むときなどに重宝する。
ちなみに夜に明かりを持たず町をうろつくことは犯罪であり、衛兵に見咎められると警告されたり罰金を取られたりする。
防具
鎧兜や衣服や靴など、身体に着けるもの全般が該当する。
ヘンリーの魅力、可視性、注目度、物音のステータスは装備している防具に大きな影響を受ける。
防具を変更するとヘンリーの外見も変化する。
「兜」「頭部チェーンメイル」「コイフ」「首アクセサリー」の4つの装備部位がある。
一般にイメージされる兜や帽子は「兜」の部位に装備し、その下に頭用の鎖帷子やコイフ(頭巾のようなもの)を着けられる。
首アクセサリーはネックレスなどが該当し、防御力はないが魅力が高い。
兜はフルフェイスのものだと防御力が高いが、かぶっていると視界が狭くなる。
あと庶民的な服装で兜だけ黒っぽいフルフェイス、みたいなコーディネートをすると非常に不審な見た目になる
「上着」「胴部プレートメイル」「胴部チェーンメイル」「下着」の4つの装備部位がある。
「下着」「上着」は文字通りの意味ではなく、「下着」は平時に着る服や鎧の下に着る布製の服全般、「上着」は鎧の上から着る陣羽織やフードなどが該当する。
戦闘で防御力が必要なら平服の上に鎖帷子や板金鎧を装備し、さらに外套をまとうこともできる。
カッコイイ騎士になりたいなら重ね着を研究する意義はある。
「グローブ」「腕用防具」の2つの装備部位がある。
だいたい指先から手首までを保護するものが前者、手首から肘もしくは肩までを保護するものが後者に分類されるようだ。
戦闘で敵の攻撃を防御するほか、「腕用防具」の装備は弓が未熟なヘンリーが反動ダメージを防ぐのにも必要。
「ホーズ」「ブーツ」「脚部チェーンメイル」「脚部プレートメイル」の4つの装備部位がある。
「ホーズ」は当時のズボンに相当する衣服、「ブーツ」は平時に履くような靴が該当する。
防御力がさらに必要なら足用の鎖帷子や板金鎧を着けることになるが、戦闘用の足防具にはすね当てと靴が一体化したようなタイプのものがあり、それと「ブーツ」部位の装備は両立できない。
「指輪」「拍車」の2つの装備部位がある。
いずれも装備していると魅力に高い補正がかかる。
また拍車は装備することで馬術スキルのバフもかかるが、物音も大きい。
馬に着ける蹄鉄や鞍などの馬具も防具にカテゴライズされている。
これらの馬具は馬の速度や積載重量を向上させてくれるので、ぜひよいものを用意してあげたい。
食べ物
「
人はパンのみにて生きるにあらず」とは言うけれども、飢えをしのぎ満腹度を回復させるには食べ物が不可欠である。
じつはヘンリーは最終的に瞑想してるかぎりお腹が減らなくなるのは内緒
さまざまな種類があるものの、
ゲーム的な実用性のばらつきは大きい。
それゆえフレーバー的な(食べ物の味付けじゃなくて物語のフレーバーね)役割にとどまるアイテムも割とあるが、当時の食卓に思いを馳せてみるのもよいかもしれない。
野菜や肉やパンなど、人々の日常生活でよく食べられている食品。
基本的に日持ちせず、時間経過で鮮度が低下し、傷んだ食品を食べると食中毒になる危険がある。
生肉や生のキノコなどはゲーム内時間で1日も経つと腐って食べられなくなってしまう。
冷蔵庫や
冷凍庫なんてなかった時代だからね、仕方ないね。
一部の生の食品は焚き火などで調理でき、保存性を多少高めることができる。
時間経過によって腐ることがない食品。
主にジャーキーやドライフルーツといった乾物が該当する。
なおベーコンやスモーク
チーズのような
燻製はこれにあたらず、(生ものよりは日持ちするものの)普通に腐るのでよく確認すること。
町から遠くで活動するときは必要な分を持っていくようにしよう。
ビールや
ワインなど各種のお酒。
酒類は共通してアルコールを含み、時間経過で腐ることがない。
満腹度の回復量も多めで、酔いのデメリット効果に気を付ければ有用性は高い。
一部の酒は満腹度に加えて活力も回復するので、酒以外のものを口にせず睡眠もとらずに生活することもできる。
リアルでは絶対やるなよ!
各種の飲み薬も食べ物にカテゴライズされる。
回復薬やバフ効果などさまざまな効能があり、使い方次第でいろいろ役に立つので活用しよう。
なお毒薬やデバフ効果のポーションを飲めば死んだり弱体化したりしてしまう。
マイナス効果のポーションは、武器や矢に対して使用し、それらで攻撃した敵に同じ効果を与えることができる。
貴重な品
クエストやイベントで必要になるアイテムが分類される。
多くはそれらの進行の過程で他の人に渡して手放すことになるが、立ち回りによって、あるいはNPCが所持しているのをスリとったりして手元に残すこともできる。
その他
上記の分類に該当しないアイテムが放り込まれる雑多なカテゴリー。
装備品と食品以外のアイテムがとにかく全部いっしょくたに詰め込まれているので、どんなアイテムが含まれるのか簡単に例示する。
一部のキノコや鹿の角や木炭など、薬草ではないがポーションの材料として必要になる素材アイテム。
基本的に錬金以外で使用することはなく、あとは売り払うかコレクションにするかくらい。
皮革とか布地とか鳥の羽根などのさまざまな素材っぽいアイテム。
基本的に使いみちはなく、売り払うかコレクションにするかくらい。
各種の書物。読むには読書のスキルが必要。
大きくスキルブック、レシピ、その他の3種類に分けられる。
スキルブックは時間をかけて読むことでスキルやステータスを
成長させることができる。
レシピにはポーションの作り方が記載されており、読んでおけば錬金の作業をするときに作成手順を確認できる。
その他の本は作中の時代における歴史書や物語の本であり、ヘンリーの読書スキルを成長させるとともに、プレイヤーに時代背景や当時の文化などを理解させる役目がある。
隠された宝の位置を示した地図。
かなりの種類が存在し、宝探しは当作の
やり込み要素のひとつになっている。
ハズレ(ガセネタ)の地図はない。
誰がお宝を隠したり地図を作ったりしたのか知らないが律儀なことである
ただし、実際に宝を手に入れるには地面を掘り返したり宝箱へのロックピックが必要になる場合がある。
鍵開け用のロックピック、ダイスゲームに使う
サイコロ、出血を止めるための包帯など特殊な用途の道具が該当する。
【実績】
Steamの
実績に対応している。
メインストーリーの進行に沿って取れるもの、「敵をたくさん倒す」「アイテムをたくさん手に入れる」といったちょっとした
やり込み要素、さらに踏み込んだ内容の実績などいろいろある。
一部の実績は他の実績と互いに背反する取得条件が設定されている。
ここでは、特に「らしい」実績をいくつか紹介する。
誰も殺さずにメインストーリーをクリアすることで取得できる。
合戦、すなわち多対多の戦闘の機会が何度かあるので、敵兵を直接は殺さずに味方陣営を勝たせる立ち回りがキモになる。
単身で敵地に侵入する場合は……話術や隠密やその他なんでも持てる手段を駆使して乗り切ろう。
すべての町や村(無人になっている場所は除く)で評判を高くすると取得できる。
評判は犯罪をしたり会話で粗暴な態度をとったりすると低下するので、プレイスタイルによっては実績条件を満たすのが難しい。
あるクエストで友人を裏切る選択をすると取得できる。
ハードな選択を迫られた末、決して後戻りできない道へと進んだヘンリーの心中には何が残るのであろうか。
清い身体のままでメインストーリーをクリアすると取得できる。
この実績はプレイ中の選択によっては取れなくなるので、意識して言動を律することが求められる。
どんなシチュエーションで貞節でありつづけることを揺さぶられるのかについては、実際にゲームをプレイして確かめてみてほしい。
われらを試みに引き給わざれ、われらを悪より救い給え。
【評価点と問題点】
当作の評判は、総じて「人を選ぶ
ゲーム」「向かない人には向かないが、ハマる人にはとことんハマる
ゲーム」といった風になっている。
世界設定の関係上、魔法や機械のような劇的に便利な技術は存在せずキャラクターの成長にも時間がかかるので、じっくり落ち着いてストーリーに没入したり、のんびり
レベル上げをしたり、もしくはあえて不便さを甘受するくらいのスタンスのほうが楽しめるだろう。
好意的な評価点としては「シナリオがボリューム満点」「精緻に再現された中世世界で多様なロールプレイが可能」といった点が挙げられる。
メインストーリーをクリアするだけでも数十時間のプレイ時間が見込まれており、各種のサブクエストも追っていけばもっと長時間楽しむことができる。
さらに、DLCを導入すれば「集団と集団が激突する新たな戦いに挑める」「女性PCが登場し物語の別の側面を追体験できる」「本編のお騒がせキャラがより一層はっちゃける」など、さらなる個性的なシナリオが追加される。
作中の世界は中世のヨーロッパを精密に描いており、町の賑わいや草原や森の自然の豊かさ
それから盗みや喧嘩が横行したり街道のそこかしこから盗賊が湧いて出たりする殺伐さなどあらゆる方面で臨場感たっぷりである。
現在まで伝わる城郭や教会の建築も、忠実に再現されて在りし日の姿を見せてくれる。
見晴らしのよい場所からの町並みや田園風景の眺望は息を吞むような美しさである。
プレイヤーはそんな世界で
騎士の務めをまっとうして親の仇を追ったり、町や村で困っている人たちを助けたり、あるいはゴロツキやチンピラ
や追い剝ぎや山賊のように振る舞ったりできる。
いわゆるクエスト以外にも、宝探しやマップのランドマーク記録のようなイースターエッグ的
やり込み要素もあるし、何なら中世の生活そのもののロールプレイさえもできる。
明るいうちは狩りに出かけたり
馬を駆って遠乗りしてみたり、家の周りの草むしりに精を出したり
トイレに座って本を読んだり、日が暮れれば酒場で賭け事に興じたり浴場に入り浸ったり、とじつにいろいろなことができる。
また、ゲーム中に中世史への理解を深めるための導線が多数ちりばめられていることも特徴である。
イベントシーンでの会話をじっくり聞いたり、アイテムとして登場する書物を紐解いてみたりすれば時代背景を詳しく知る一助になるだろう。
そしてさらに、プレイ中よく使うインベントリメニューに「写本」という項目があり、ここではシナリオで登場する人物の来歴、町や村の地理や特徴、重要な歴史的できごと、当時の制度や職業や文化に至るまで詳細な解説を閲覧することができる。
「写本」の閲覧は(ゲーム内アイテムの本を読むこととは異なり)ヘンリーの成長には影響しないが、プレイヤーが当時に思いを馳せ、世界観にどっぷり浸かるために大いに役に立つ。
逆に不満が出がちな点としては、とりわけ「開始直後が極端に難しい」という点がある。
シナリオのスタート時点では行けるところもやれることも少なくヘンリーを鍛えるのにも限度があり、プレイヤーの操作も不慣れな状況下で、比喩抜きに殺す気で迫ってくる敵に対処しなければならない。
それゆえ最序盤の展開はストーリー的にも難易度的にも本当に本当にハードで「オープニングイベントをクリアできれば全クリしたも同然」などと評されている。
また自由行動できるようになっても初期のヘンリーはステータス、スキルともに低く、しばらくは何をやらせてもうまくいかない。
ある程度時間をかけてヘンリーが成長したりプレイヤーが立ち回りを覚えたりすれば楽になってはいくが、とにかく序盤が苦しいバランスはこのゲームが人を選ぶ側面の最たるものであろう。
他には、いくつかのシチュエーションでハマり(
詰み)状態になることが知られている。……
洋ゲーにはよくあることなのかもしらんけど。
ところどころクエストのフラグ管理に不整合があり、あるクエスト中にとった行動が他のクエストのクリア条件を潰したり、メインクエストが進行不能になる事例もある。
影響の大きいものは攻略サイト等で情報提供されていることもあるが、知らないうちに詰んでしまうことも考えられる。
またこれもオープンワールドのゲームにはありがちなことなのかもしれないが、地形にハマってどこにも行けなくなってしまうこともある。
特に低木の茂みは判定が大きく密集していることも多いため「高い所から藪の中に落ちる」「馬に乗って藪に突っ込む」などするとしばしばスタックして動けなくなる。
PC版で
茂みの当たり判定をなかったことにするMODが作成されたくらいには、藪の恐ろしさはユーザーの広く知るところとなっている。
【ゲームの舞台のいま】
ゲーム中で動き回れる場所は、現在のチェコ共和国の中央やや西よりの地域である。
当地は首都プラハから南東にだいたい30km離れており、都市部に比べれば公共交通機関の便が少ないものの足を伸ばしやすい立地にある。
本作の発売後、同地域では公式のメディアツアーが開催されたり、ユーザーが訪れて写真を残したりしている。
ここでは、それらの記録をもとに
ゲームの舞台となった場所が今どうなっているかを簡単に述べる。
※
ゲーム中の地名の日本語表記は英語での発音に近いが、現在の地名の発音はチェコ語に準拠するため多少の表記ゆれがある
ストジーブルナー・スカリツェ(Stříbrná Skalice)という名前の行政区画、およびその中心の町として存続している。
この名前は英語発音だと「シルバー・スカリッツ」となり、「スカリッツ銀山」くらいの意味。
作中の年代だと城があったのだが戦いで焼け落ちてから再建されることはなく、遺構がわずかに残るのみとなっている。
ゲーム内では施設の少ない田舎の村という印象が強いが、現在のスカリツェは地元のサッカークラブやサッカーコートを有するなど、地域でもそこそこ大きい町になっている。
いまはストジーブルナー・スカリツェのいち区域となっているようだ。
西暦1150年に建てられた聖ジェームス教会の建物が現存している。
教会の近くに「ロヴニーフ」という名前の街路があり、「ロヴナ」の地名の名残りであると思われる。
作中の時代と変わらず、タルンベルク(Talmberk)という名前で町が存続している。
かつて城があったところは住宅地になっており、円塔など一部の構造が残されている。
また、採石場の跡地を見学することもできる。
ラタイェ・ナト・サーザヴォウ(Rataje nad Sázavou)という名前の行政区画、およびその中心の町として存続している。
名前は「サーザヴァ河畔のラタイェ」くらいの意味。
歴史的な建造物は「下層」のピルクシュテイン城の尖塔および聖マシュー教会、「上層」の城館の一部が残されており、特徴的な坂道の町並みも往時の雰囲気を今に伝えている。
作中の時代と変わらず、レデチコ(Ledečko)という名前の行政区画、およびその中心の町として存続している。
町のまわりは自然環境がよく残されており、ゲーム中で再現された風景とはとてもよく似た雰囲気である。
なお行政区画としてのレデチコは中央をサーザヴァ川が横切っており、河川が境界線になっていることが多い日本の感覚からするとやや奇異に見えるかもしれない。
作中の年代より後で洪水により壊滅したらしいが復興し現在に至る。
ただし個別の市町村ではなく、ラタイェ・ナト・サーザヴォウのいち区域として扱われているようだ。
ここを通る鉄道駅が「ノイホフ」の名を冠していたこともあったが、その名残りも改称によって昔のものとなった。
作中の時代と変わらず、ウージツェ(Úžice)という名前の行政区画、およびその中心的な町として存続している。
歴史的な建造物として町のシンボルである聖母被昇天教会が残されており、その周りには田園地帯が広がる。
ちなみにウージツェの町はウージツェの行政区画の中心部ではなく、南の端っこに近いところにある。
作中の時代から大きな町であり、現在に至るまでサーザヴァ(Sázava)という名前の行政区画、およびその中心的な都市として存続している。
ラッタイなどゲーム中の他の都市のいまと比べても規模が大きく、鉄道駅やバスターミナル、ガラスメーカーやガラスの博物館、サッカーチームやスタジアムなどの施設がある。
文化財はサーザヴァ修道院や聖マーティン教会といった中世の建物が残されており、修道院はメディアツアーのあった2019年には往年の姿を取り戻すための修復作業が行われていた。
プラハからのアクセスもよく、多くの観光客を集めているようだ。
作中の時代と変わらず、サモプシェ(Samopše)という名前の行政区画、およびその中心的な町として存続している。
サーザヴァ川の曲がりくねった流れにぐるりと囲まれるような立地にあり、河川の自然と田園風景が広がる風光明媚な場所。
じつはタルンベルクも住所としてはサモプシェに所属している。
ムルホイェディ(Mrchojedy)という名前で町が存続している。
Google Mapsの航空写真で見るかぎり、町というか道路沿いの小集落といった感じ。
住所としてはサモプシェに所属している。
町はずれには古い時代の石碑らしきものがあるが、よく見ると顔があるような……?
作中の時代と変わらず、ヴラニーク(Vraník)という名前で町が存続している。
住所としてはレデチコに所属している。
戦いに備えて丘を利用してつくられた土塁の一部が残されているらしい。
周辺には自然保護区があり、のどかで緑豊かな光景が広がる。
作中ではタルムバークの北らへんにあり、タルムバーク城主の領地のように扱われている。
だが実際のモデルはストジーブルナー・スカリツェの北にあり、行政上もスカリツェに属していたプリビスラヴィツェ(Přibyslavice)という村であると思われる。
プリビスラヴィツェの名は少なくとも西暦1436年から史料に現れている(Wikipedia英語版調べ)が、20世紀半ばには過疎のため住人がいなくなり廃墟となった。
ゲーム中の地理ではスカリッツがマップの北の果てに近い場所にあり、そのさらに北に村を置くのはゲーム的に差し障りがあったので場所を変更し、ついでに移転先に合わせて設定を脚色した、ということかもしれない。
【余談】
「Kingdom Come: Deliverance」のタイトルは、聖書の「主の祈り」のフレーズからとられている(冒頭で強調表示になっている箇所)。
またゲーム中で条件を満たすことで「Kingdom did not come(御国来たらず)」の
実績を取得できる。
タイトルの略称は公式では「KCD」を使用している。
日本のユーザーの間では「キンカム」「キンデリ」などの略称も使われるが、当然
これとか
これとは異なる。
ヨーロッパにおける歴史上の人名や地名などの固有名詞は、言語によって表記や発音が異なることが多々ある。
たとえば主人公の名前ヘンリー(Henry)は英語の表記および発音であり、チェコ語だとインドリッヒ(Jindřich)のような表記、発音になる。
公式日本語訳においては固有名詞は英語の表記が使われているが、ゲーム中のテキストにチャールズ4世とカール4世の両方が出てくるなど一部表記ゆれがみられる。
このゲームの舞台となる地域は実際の地域を再現したものであるが、地形の一部、とくに町や村の位置関係は現在のものとは異なっている。
主として、町や村どうしの間隔を広げて冒険している感じを出すための調整であるようだ。
一部のキャラクターの外見は実在の人物がモデルになっている。
たとえば主人公ヘンリーは英語版の
中の人である俳優トム・マッケイがモデル……というかこれほぼ本人だろ、というくらいの造形にされている。
ゲーム中でヘンリーが所有できる
馬にはそれぞれ名前がつけられており、すべてに元ネタがある。
武装した兵士を多数搭載していた逸話からかたくさんの荷物を持てる「トロージャン」や
ゼルダの伝説シリーズへのオマージュと思われる
エポナなど、神話やフィクション作品や実在の馬などのモチーフがあるので調べてみてもよいだろう。
「Kingdom Come: Deliverance」は三部作の第一作であるらしい。
もともと一作完結の予定だったのだが、開発中にシナリオが壮大になりすぎたため分割されたようだ。
2021年には同作の
Nintendo Switchへの移植が発表されているなどこれからの展開に期待が持てる……のだが、項目作成日の時点で続編、Switch移植とも続報がなく、ファンをやきもきさせていた。
そしてついに2024年にはSwitch版発売(DL版は3月、パッケージ版は5月)を果たし、さらに同年中に続編「キングダムカム・デリバランスII」を発売することが発表された。
追記・修正は、形見の品を取り戻してからお願いします。
- 個人的にはスカイリムより好き スカイリムってどこ行っても雪国やなぁって感じだったんだけどこのゲームはロケーションの変化が大きくて見ていて飽きなかった -- 名無しさん (2023-05-26 08:37:48)
- ホントに序盤の主人公は村人A(特異な能力を持つわけでもなく、なにかに特化してるわけでもない)な能力なんでそれさえ乗り切れば俗に言う何にでもなることができる -- 名無しさん (2023-05-26 08:59:13)
- カポン卿心の友すぎて好き。一緒にハンティングしたり風呂屋行ったり恋のキューピッドしたり、これもう親友だろ -- 名無しさん (2023-05-26 21:37:13)
- 15世紀って、中世か? -- 名無しさん (2023-05-26 23:17:03)
- ↑西洋史では5世紀から15世紀が中世らしいよ(ウィキペディアの中世から引用) -- 名無しさん (2023-05-26 23:32:45)
- DMMでやたら売れてるの何故なんだろうと思ってたんだけどなるほど公式翻訳があった訳か -- 名無しさん (2023-05-27 07:16:33)
- とりあえずチュートリアル終わったらバーナード隊長にしごかれて倒せるぐらいにはしたほうがいい、戦闘だけはだいぶ快適になる(なお雑魚複数に絡まれると死ぬ模様 -- 名無しさん (2023-05-27 07:36:09)
- 序盤からしばらく下積みしないとそこらの盗賊相手にすら勝てないからかなり人選ぶタイプ -- 名無しさん (2023-05-27 09:55:43)
- 2は引き続きヘンリーがつとめるが能力値は果たしてどうなるか… -- 名無しさん (2024-06-10 19:01:25)
最終更新:2024年10月07日 14:39