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Kingdom Come: Deliverance/キングダムカム・デリバランス

登録日:2023/05/26 Fri 08:17:23
更新日:2026/04/01 Wed 04:22:27
所要時間:約 46 分で読めます




天にましますわれらの父よ、
願わくは御名の尊まれんことを、
御国の来たらんことを、
御旨の天に行わるるごとく、
地にも行われんことを。
われらの日毎の糧を、
今日われらに与え給え。
われらが人に赦すごとく、
われらの罪を赦し給え。
われらを試みに引き給わざれ、
われらを悪より救い給え。

新約聖書マタイによる福音書6章6-13、ルカによる福音書11章2-4より「主の祈り」
カトリック教会の文語訳





Kingdom Come: Deliverance(キングダムカム・デリバランス)は、チェコのゲーム会社Warhorse Studiosが開発したオープンワールドRPGである。






【概要】

15世紀のボヘミア王国*1にて繰り広げられるストーリーを描いた、一人称視点のオープンワールドRPGである。
最大の特徴は極めて現実的であるということ。当時の美術・衣服・風俗・価値観に至るまで実際の資料を使った再現を試みており、史実や実在の人物も多数登場する。逆に魔法や怪物といった超常的な現象は存在せず、あくまで現実世界の延長線上であることが強く意識されている。
そんな世界でプレイヤーは鍛冶屋の息子ヘンリーを操作し、の戦いをはじめ話術に狩猟にはたまた錠開けスリといった犯罪など多岐にわたる選択肢の中から自分の好みの腕を伸ばし、中世のさまざまなイベントや生活を楽しみながら、最終的には目的となる侵略者に対する復讐を果たすべく奔走することになる。

ゲームとしては前述したようにオープンワールドのアクションRPGであり、この手のタイトルにはよくあるメインクエストを進めてクリアを目指しながら、同時に多岐にわたるサイドクエストやアクティビティをこなして、主人公を成長させたりアイテムを集めていくジャンル。
しかしそもそも主人公であるヘンリーは産まれた頃から一騎当千の英雄でもなければ特別な運命を背負った勇者でもなく、ただ田舎の村で父親の手伝いをしながらぼんやりと外の世界を夢見ていた一般人のため、スタート時は非常に貧弱。
飯を食わなければ空腹になり、しっかりと眠らなければ活力はなくなり、剣の腕は未熟で弓を撃とうと思えば狙いは定まらず、さらに当時の識字率を反映してまともに本も読めない。
そして中世ヨーロッパという環境は道を歩けば武装した強盗や異国の暴漢に遭い、街灯などという結構なものが存在しないので夜の間はたいまつを灯さなければまともに前も見られない過酷さ。
そんな厳しい世界であるが、逆に言うとだからこそ少しずつ経験を積み重ねてゆき、やがてはヘンリーをいっぱしの人物とさせる楽しみがある。
闘いの腕を磨いて真の一騎当千を目指すもよし、話術を磨いて口八丁で立ち回るもよし、狩猟と採集で富を築くもよし、夜間にこっそり民家に侵入しては泥棒とスリで身を立てるもよし。
また、「自由度が高い」RPGであると同時に、しっかりとしたストーリーが搭載されているのも特徴。プレイヤーがシステム上のヘンリーを成長させるのと並行して、ストーリー上のヘンリーも様々な人物と交流しながら、少しずつ復讐のための身の証を立ててゆく。実はクリアのための導線がしっかりしているという側面もあり、単にプレイヤーを突き放しただけのゲームではないというのも、本作の魅力のひとつである。

【プラットフォーム】

WindowsPC(Steam、Epic、DMMなど)やXbox OneやPS4向けに発売されている。
PC版はSteamやEpicとDMMでは別物であり、DMM版はPS4版と同様に発売当初から日本語にローカライズされている。
DMM以外のPC版は長らく日本語訳が存在せず有志による翻訳MODが頼りだったのだが、発売から5年が経った2023年2月13日に日本語字幕および吹き替えに対応し*2、国内のユーザーを驚かせた*3
なお、ゲーム中では当時の中世ヨーロッパの実情を解説するTIPSが数多く読めるが、それらもすべて完訳されており、並大抵ではない力の入れ方をうかがわせる名訳となっている。


【あらすじ】

ボヘミア王国にあるスカリッツの村で暮らしていた少年ヘンリーののどかな生活は、ある日突如として現れた軍隊によって終わりを告げた。
襲撃によりヘンリーは故郷と家族を失い、本人も生死の境をさまよった。
九死に一生を得たヘンリーは、家族の仇を討つために戦いの動乱へと身を投じる。



【ゲームの舞台】

ゲームの世界は、15世紀初頭(西暦1403年)のボヘミア王国の一部地域である。
ここでは、ストーリー上訪れることになる町や村について簡単に述べる。
一度訪れたことのある場所にはファストトラベルが可能である。
町や村の他にも、盗賊のアジトや隠された宝や事故現場といったさまざまな施設や興味深い場所が存在する。




【主な登場人物】

主人公とその知人


味方陣営の貴族



その他の人物など




【ステータスやスキル】

主人公ヘンリーの身体能力や技術は、各種のステータスやスキルのレベルで表される。
成長、熟練すればいろいろなことがうまくできるようになってゆく。
また、各ステータスやスキルのカテゴリ別にパーク(Perk)と呼ばれる特典的な技能があり、それらを身につけることでさらなる強化を望める。

ステータス

プレイヤーキャラの状態を現すおもなステータスについて解説する。



戦闘能力

名前の通り戦闘に関するステータスやスキル。
メインクエストでもサブクエストでも殴り合ったり刃を交えたりすることはよくあるので、ぜひ鍛えておきたい。



技能

身体能力や戦闘技能以外のさまざまな技術。
いずれも取得は任意だが、サブクエストで要求されることがしばしばあるので習い覚えておけばなにかと役に立つ。




【アイテム】

装備品や食料や薬などなどのアイテムたち。
一部の例外を除いて各アイテムには重さが設定されており、どんなに軽いアイテムでも0.1ポンドはあり、重たい武具はひとつで10ポンドを超えることもある。
ヘンリーが持ち運べる重量を超過してアイテムを所持すると移動に支障が出るため、筋力を鍛えてアイテムをたくさん持てるようにしたり、持ち物を整理して空きを作っておくことは重要である。

お金



武器

各種の武器に加えて、盾など「手で保持して使う道具」にあたるアイテムが属するカテゴリー。



防具

鎧兜や衣服や靴など、身体に着けるもの全般が該当する。
ヘンリーの魅力、可視性、注目度、物音のステータスは装備している防具に大きな影響を受ける。
防具を変更するとヘンリーの外見も変化する。



食べ物

人はパンのみにて生きるにあらず」とは言うけれども、飢えをしのぎ満腹度を回復させるには食べ物が不可欠である。
じつはヘンリーは最終的に瞑想してるかぎりお腹が減らなくなるのは内緒
さまざまな種類があるものの、ゲーム的な実用性のばらつきは大きい。
それゆえフレーバー的な(食べ物の味付けじゃなくて物語のフレーバーね)役割にとどまるアイテムも割とあるが、当時の食卓に思いを馳せてみるのもよいかもしれない。



貴重な品

クエストやイベントで必要になるアイテムが分類される。
多くはそれらの進行の過程で他の人に渡して手放すことになるが、立ち回りによって、あるいはNPCが所持しているのをスリとったりして手元に残すこともできる。


その他

上記の分類に該当しないアイテムが放り込まれる雑多なカテゴリー。
装備品と食品以外のアイテムがとにかく全部いっしょくたに詰め込まれているので、どんなアイテムが含まれるのか簡単に例示する。




【実績】

Steam実績に対応している。
メインストーリーの進行に沿って取れるもの、「敵をたくさん倒す」「アイテムをたくさん手に入れる」といったちょっとしたやり込み要素、さらに踏み込んだ内容の実績などいろいろある。
一部の実績は他の実績と互いに背反する取得条件が設定されている。
ここでは、特に「らしい」実績をいくつか紹介する。




【評価点と問題点】

当作の評判は、総じて「人を選ぶゲーム」「向かない人には向かないが、ハマる人にはとことんハマるゲーム」といった風になっている。
世界設定の関係上、魔法や機械のような劇的に便利な技術は存在せずキャラクターの成長にも時間がかかるので、じっくり落ち着いてストーリーに没入したり、のんびりレベル上げをしたり、もしくはあえて不便さを甘受するくらいのスタンスのほうが楽しめるだろう。




【ゲームの舞台のいま】

ゲーム中で動き回れる場所は、現在のチェコ共和国の中央やや西よりの地域である。
当地は首都プラハから南東にだいたい30km離れており、都市部に比べれば公共交通機関の便が少ないものの足を伸ばしやすい立地にある。
本作の発売後、同地域では公式のメディアツアーが開催されたり*16、ユーザーが訪れて写真を残したり*17している。
ここでは、それらの記録をもとにゲームの舞台となった場所が今どうなっているかを簡単に述べる。
ゲーム中の地名の日本語表記は英語での発音に近いが、現在の地名の発音はチェコ語に準拠するため多少の表記ゆれがある




【余談】






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最終更新:2026年04月01日 04:22

*1 神聖ローマ帝国を構成する国のひとつであり、現在のチェコ共和国のもととなった

*2 また、チェコ語の吹き替え音声も同2023年2月13日にリリースされている

*3 公式の日本語対応により、有志訳のMODは2023年5月17日に公開停止となった

*4 ゲームの舞台となる地域の有力な河川。ラッタイやレデチコもサーザヴァ川の近くにある

*5 プラハ窓外放擲事件は今のところ3回起こっており、第二次は1618年、第三次は1948年に人が窓から投げ捨てられた

*6 なお魅力が社会的な地位に関する指標である以上、敵対的な異民族であるクマン人の武具は戦闘における性能が高くても魅力への寄与は低くなる

*7 時間経過による活力の減少は体力のステータスが高いと緩やかになる

*8 腕部に出血を伴うダメージ。腕用防具を装備することで防げる

*9 例外として、盗賊やクマン人など最初から敵対しているNPCに対してはスリを仕掛けても犯罪にならない

*10 砥石による手入れは刃がついた武器(剣と斧)のみが対象

*11 ゲーム中、特定のイベントをクリアすることでヘンリーが正式な猟師の認定を得ることもできる

*12 なおストーリー中の書物の解読が必要なシーンでヘンリーが文盲である場合、文字が読める人に代わりに読んでもらうことができる

*13 拍車の本来の役割は乗馬において騎手から馬への指示を伝えやすくするものであるため

*14 DLCなしでも25種、全DLC導入済みなら30種あまりの宝の地図がある

*15 オープニングイベント直後に取れるメインストーリーの実績「Awakening」の達成率は、2023/05/23時点で64.5%である(Steam版)。高いとみるか低いとみるか……

*16 出典:https://www.famitsu.com/matome/kcd/tour.html

*17 出典:https://ja.foursquare.com/vavradav/list/kingdom-come-deliverance--tour-guide

*18 チェコの人はサッカー大好き

*19 サーザヴァ川流域にはラタイェ・ナト・サーザヴォウの他にも、○○・ナト・サーザヴォウという名前の町が複数ある

*20 出典:https://www.atlaskolejowy.net/cz/stredocesky/?id=baza&poz=12603

*21 The Church of the Assumption of the Virgin Mary: 聖マリア教会とも

*22 サーザヴァ修道院は歴史の中でたびたび所有者が変わっており、古い時代の壁画や天井画が塗りつぶされたりしていた。そこで新しい時代の塗料をはがして壁画や天井画を見えるようにしよう、という趣旨

*23 出典:https://store.steampowered.com/news/app/379430/view/3636129159693194107