魂を削る死霊(遊戯王OCG)

登録日:2023/09/23 Sat 15:54:50
更新日:2025/04/13 Sun 21:27:50
所要時間:約 8 分で読めます



(たましい)(けず)死霊(しりょう)》とは「遊戯王オフィシャルカードゲーム」のモンスターカードである。

効果モンスター
星3/闇属性/アンデット族/攻 300/守 200
(1):このカードは戦闘では破壊されない。
(2):このカードが直接攻撃で相手に戦闘ダメージを与えた場合に発動する。
相手の手札をランダムに1枚選んで捨てる。
(3):フィールドの表側表示のこのカードは効果の対象になった場合に破壊される。

概要

通称「たけし」(「ましいをずるりょう」の略)。

見た目は紫色のローブを纏い、大きな鎌を持つガイコツで、「死霊」というより「死神」のほうが相応しそうな姿をしている。

効果は戦闘破壊耐性、直接攻撃による戦闘ダメージをトリガーとするハンデス、効果対象になると自壊するデメリットの3種類。

第3期での登場時から長きにわたり活躍したカードの1つであり、守備表示で戦闘破壊耐性により相手の攻撃を防ぐ盾となり、相手の場がガラ空きならば攻撃して手札破壊、と派手さはないがどちらも厄介極まりない効果で多くのデッキに採用された。
ステータスはかなり低いが、それにより《クリッター》《黒き森のウイッチ》《キラー・トマト》《ゴブリンゾンビ》《ピラミッド・タートル》と多くのサーチャー・リクルーターに対応していて即座に場に出せる。
当時は除去効果を持つカードも豊富ではなく、汎用除去として使用されていた《地砕き》は守備力が低いせいで効きにくい。
ハンデス効果も、隙あらば相手の手札を削ってアドバンテージを取れる他、共に同じ属性で《キラー・トマト》に対応した《首領・ザルーグ》と併用して相手の手札を削りまくる「【トマハン】(「トマトハンデス」の略)」というデッキも組まれ、攻撃面でも大活躍。

対象をとる効果を受けるとそれが除去効果でなくても自壊してしまうというデメリットはあったが、墓地へ送られてもアンデット族故に《生者の書-禁断の呪術-》で容易に蘇生できる上、《死のデッキ破壊ウイルス》の媒体にもなる、といった感じでただでは死なない嫌らしさ。
もっとも、このデメリットは決して小さいものではなく、《早すぎた埋葬》《リビングデッドの呼び声》等は蘇生したあとも対象をとり続けるため、蘇生した直後に自壊してしまう。
同様に装備魔法で強化することも事実上不可能である。
《収縮》《エネミーコントローラー》等の攻め守りどちらにも使える汎用魔法カードで容易に処理される等して肝心なところで性能を発揮できないこともしばしば。
一方で、《洗脳-ブレインコントロール》等でコントロールを奪われない、《拷問車輪》などでロックされないという局所的なメリットもあったりする。

同じく戦闘破壊耐性を持つ《マシュマロン》とは一長一短だが、かつては能動的にハンデスを仕掛けられる点と《死のデッキ破壊ウイルス》の媒体になる点を評価されこちらが優先的に採用されていた。

属性・種族・ステータスに恵まれ多くのデュエリストたちの心にその存在を刻みつけた汎用性の高いカードであり、それ故に2006年9月1日から4年半の間制限カードに指定されていた。
制限カードとなっても先に記した通りサーチ・リクルートが容易なためしぶとく環境で活躍し続け、シンクロ召喚の登場後も【BF】対策で使われたりもした。
が、そのBF対策として採用率が高まっている中、なぜか2011年3月1日で準制限カードに緩和、半年後の2011年9月1日には制限解除された。あえて抑止力となってもらうためだろうか?

その後は効果除去の手段が増えて戦闘破壊耐性自体が軽視されるようになり、ハンデス効果も墓地で効果を発動するカードの増加に伴い悪手となりやすく、またハンデスすると相手ターンに低攻撃力の戦闘破壊耐性をさらしてピンチになる危険性がインフレでより大きくなったため、環境からは姿を消している。


自壊効果の注意点

効果の一つである「効果の対象になった場合に破壊される」自壊効果は初心者がルールを勘違いしやすい注意点の一つとしてしばしば話題に上がる。

ここで具体例を用いて説明をする。
因果切断
通常罠
(1):手札を1枚捨て、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
その相手の表側表示モンスターを除外する。
この効果で除外したカードの同名カードが相手の墓地に存在する場合、さらにその同名カードを全て除外する。

鳳翼の爆風
通常罠
(1):手札を1枚捨て、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
その相手のカードを持ち主のデッキの一番上に戻す。

ブレイクスルー・スキル
通常罠
(1):相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。
その相手モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。
(2):自分ターンに墓地のこのカードを除外し、相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。
その相手の効果モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。
この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

これら3種類のカードはテキストにある通りいずれも「対象をとる」効果を持つカードである。
では、これらのカードで《魂を削る死霊》を対象にした場合、《魂を削る死霊》は自壊するだろうか?

答えは「NO」である。


何故かというと、この効果は厳密には以下の条件のどちらかを満たさないと適用されないのである。

  1. フィールド上に表側表示で存在するこのカードが効果の対象になり、なおかつこのカードを対象とした効果の処理終了時に表側表示で存在している場合。
  2. 装備魔法や《リビングデッドの呼び声》《拷問車輪》等の処理終了時以降も永続的に対象に取り続ける効果の適用を受けた場合。

わかりやすく言うと、「対象をとる効果を受けたからといって、その瞬間に破壊されるわけではない」のである。
あくまで《魂を削る死霊》を対象にした効果をきちんと処理した後で、《魂を削る死霊》自身の自壊効果の適用を行うのである。

例えば1番上の《因果切断》の場合、まずあちらの効果で《魂を削る死霊》を除外する。その後、《魂を削る死霊》の自壊効果を適用することになるのだが、この時点で既に《魂を削る死霊》は除外されてしまっているのだから「フィールド上で表側表示で存在」していない。よって自壊効果は適用できないのである。
2番目の《鳳翼の爆風》の場合も同様にデッキトップに行っているため、自壊効果は適用されない。

3番目の《ブレイクスルー・スキル》の場合はフィールドに表側表示で存在し続けているが、こちらの場合は《魂を削る死霊》の効果が無効になっている。よってこれも適用されない、ということになる。

《収縮》や《洗脳-ブレインコントロール》の場合は効果処理後もフィールドに残り続け、効果も無効になっていないので自壊効果が適用されるということになる。
ただしその場合でもそれらの効果を処理した上で《魂を削る死霊》の自壊効果を適用する。
すなわち《収縮》ならば攻撃力を半分にしてから、《洗脳-ブレインコントロール》ならばコントロールが相手に移ってから自壊する、ということである。


もう1つややこしいルールとして、「対象をとる効果の発動を受けると、その効果が無効になっても《魂を削る死霊》の自壊効果が適用されてしまう」というものがある。
これは例えば《因果切断》を《魂を削る死霊》を対象に発動し、それにチェーンして《トラップ・スタン》を発動して《因果切断》の効果を無効にしたとする。
この場合、《因果切断》の効果で《魂を削る死霊》は除外されることはないが、「対象をとる」こと自体は行われたため、《魂を削る死霊》は自壊してしまう、ということである。


関連カード

  • ナイトメアを駆る死霊
融合・効果モンスター
星5/闇属性/アンデット族/攻 800/守 600
「魂を削る死霊」+「ナイトメア・ホース」
このカードは戦闘によっては破壊されない。
魔法・罠・効果モンスターの効果の対象になった時、このカードを破壊する。
このカードは相手フィールド上にモンスターが存在しても相手プレイヤーに直接攻撃をする事ができる。
直接攻撃に成功した場合、相手はランダムに手札を1枚捨てる。

直接攻撃効果を持つ《ナイトメア・ホース》との融合モンスター。
相手モンスターを無視してダメージを与えハンデスできるため攻撃性能が上がっている。

ただし、融合召喚するとこちらの手札消費が多くなってしまうので1~2回程度のハンデスでは割に合わず、それでいて自壊効果はしっかり残っているので融合前よりもリスクが大きい。
簡易融合》で特殊召喚した後、リリースやシンクロ・エクシーズ・リンク素材に使用して墓地に送れば蘇生可能になるのでそちらで活用するのがベター。それでもそれ相応の手札消費になるのがネックだが。

ちなみに融合素材の片割れの《ナイトメア・ホース》は星2・攻撃力500・守備力400の直接攻撃効果を持つモンスター。
つまり《ナイトメアを駆る死霊》は融合素材のレベル・攻撃力・守備力・効果を全て足し合わせただけという、ある意味融合モンスターのお手本のようなカードである。
イラストもお約束の「乗っただけ融合」である。

ちなみにカード名が白文字になっているエラーカードが存在する。


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最終更新:2025年04月13日 21:27