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早すぎた埋葬(遊戯王OCG)

登録日:2011/02/02 Wed 13:12:38
更新日:2026/08/14 Fri 08:40:43
所要時間:約 4 分で読めます





《早すぎた埋葬》とは、『遊戯王OCG』に存在するカード。

《早すぎた埋葬/Premature Burial》

装備魔法(禁止カード
(1):800LPを払い、自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚し、このカードを装備する。
このカードが破壊された時にそのモンスターは破壊される。



概要

第2期第3弾パック「Curse of Anubis -アヌビスの呪い-」で初登場した、古い歴史を持つ汎用蘇生カード。
装備魔法でありながらフィールドのモンスターには装備できず、自分の墓地からモンスター1体を特殊召喚してそれに装備させるという変わったカードである。

登場当初、既に《死者蘇生》という強力な蘇生カードが存在したため、このカードはその調整版という印象が強かった。
同時期には《リビングデッドの呼び声》・《浅すぎた墓穴》のような、当時強力すぎた《死者蘇生》の調整版のようなカードがいくつか登場しており、そういったノーリスク蘇生の調整版の1つだと思われていたのである。

事実、《死者蘇生》と比べると
  • ライフコストが必要。
  • 装備カードになったこいつが破壊されるとモンスターも破壊。
  • 相手の墓地からは蘇生出来ない。
  • 守備表示で特殊召喚出来ない。
といった明確なデメリットがあった。




のだが…………………このカードの一文に注目。

このカードが破壊された時にその(装備)モンスターは破壊される。

これがなかなかの曲者。
というのも、このカードを破壊せずバウンス(手札に戻す)もしくは除外した場合は、装備モンスターが破壊されないのだ。

これは登場当初から注目されていたことで、
「《ハリケーン》でこいつをバウンスすりゃあ、もう一回蘇生出来る上に、敵の伏せカードも除去出来るじゃん!!」
といった感じで、エンドカードとしても幅広く使われた。
ちなみにこのコンボはアニメで城之内も使用している。

そういった理由で、登場して間もない2002年5月に制限カード化。
……まぁ普通に考えて、《ハリケーン》による使い回しなんて関係なしに「手札1枚で攻撃力2400以上のモンスターを簡単に出せるカードは当時の環境的にヤバイから制限になった」と考えるべきだろうが。

同じく《死者蘇生》の調整版といえる《リビングデッドの呼び声》と共に、貴重な汎用蘇生カードとして数多のデュエリストに重宝されてきた。
当時の《リビングデッドの呼び声》と比較した相違点は以下のようなところ。

《早すぎた埋葬》 《リビングデッドの呼び声》
分類 装備魔法 永続罠
即効性 引いてすぐに使える セットしなければいけない
発動タイミング 自分メインフェイズのみ フリーチェーン(バトルフェイズ中や相手ターンにも発動できる)
対象モンスターの破壊条件 《早すぎた埋葬》の破壊のみ どんな方法でも場を離れたら破壊
自身の破壊条件 どんな形でも装備モンスターが場を離れたら破壊される リリースや融合素材など、破壊以外で場を離れた場合は場に残る
コスト ライフコストあり ノーコストで使える

この頃は使い勝手については一長一短、規制が進むにつれて、片方が禁止の時にもう片方が制限、といった感じのローテーションを組み、数年の間はそれが安定していた。
どちらにしたって結局《サイクロン》で破壊されるというデメリットは、《死者蘇生》はおろか《サイクロン》ですらオーバーパワーだった時期にはちょうどいい塩梅だった。
この2枚が同時に制限カードとして使えた時代は、特殊召喚の手段が本当にこれくらいしかなかったのでたびたび用いられ、そして《サイクロン》・《大嵐》・《王宮のお触れ》などで対処されて悶絶したのである。今となっては考えられないレベルで弱い

このカードが良質な蘇生魔法という認識だった頃は、儀式モンスターのみに限定された《契約の履行》や、融合モンスターのみに限定された《再融合》という派生カードも出た。
しかし、《早すぎた埋葬》は強いと言えば強いがそこまでオーバーパワーというわけではないという時代。
あんなのの完全下位互換なんてあるわけがない」と、蘇生制限を無視できるに違いないと考えた人も多かった。当時はそんな、のどかな時代だったのである。
また、蘇生に厳しい条件を持つ《継承の印》なんて派生カードもあったが、特殊召喚自体が本当の意味でスペシャルだった時期ではまともに扱えなかった。




……これだけならよかった。
だが…奴は現れた…

バウンス龍!



こいつの凶悪さは該当ページを参照してもらうとして、このバウンス龍のお陰で、手札1枚を捨てるだけでこのカードのお手軽セルフバウンスが可能になった。

その結果、

「《レスキューキャット》を1ターンの内に使い回すにゃあ」
「《D-HERO ディスクガイ》で何回でもドロー! アドバンテージヒャッハー!」

といった悪事を働くデュエリスト多数。《早すぎた埋葬》が悪いんじゃない。バウンス龍のせい。

特に上述のにゃあ戦術が鬼畜。

  1. 《レスキューキャット》召喚!
  2. 《氷結界の龍 ブリューナク》シンクロ召喚!
  3. 《早すぎた埋葬》発動!
  4. 《レスキューキャット》蘇生!
  5. 《氷結界の龍 ブリューナク》のバウンス効果により、手札1枚をコストに《早すぎた埋葬》バウンス!
  6. 《レスキューキャット》効果発動!Lv6シンクロ!
  7. 3.に戻る

要は、800ライフ+手札1枚が強力なシンクロモンスターに生まれ変わるということ。
ゴヨウ・ガーディアン》とかにね!!

さらには《生還の宝札》の採用や《TG ハイパー・ライブラリアン》の登場で、手札コストすら気にならなくなったり、《ゴブリンゾンビ》でサーチした《ゾンビキャリア》を捨てられるメリットになったりした。

ぬこが悪いんじゃない、全ては憎きバウンスさんのせい。
だが、思い出して欲しい。このカードはバウンス龍登場時から制限カードである。

なーんだ、じゃあ、《早すぎた埋葬》が手札に来なければ問題無いね!!




……とか思っていたらこんなん出て来ました。


通常魔法
このカードを発動するターン、自分は通常召喚できない。
(1):デッキの一番上のカードを墓地へ送って発動できる。
自分のデッキ・墓地から装備魔法カード1枚を選んで手札に加える。

このカードの効果を要約すると、通常召喚の権利と引き換えにデッキ・墓地から任意の装備魔法1枚を手札に加えられるということ。
まさかの装備魔法サーチカードである。

これにより、制限カードである《早すぎた埋葬》を容易く手札に持ってこれるようになった。
通常召喚権は失うが、次のターンに1キル出来ると思えば安い代償。
サルベージも可能なので、1枚制限の《早すぎた埋葬》がデッキトップから落ちてもまったく問題ない。
……いや、「次のターン」など必要無い。特殊召喚には何ら制限が掛からないため、そのターン中にケリをつけるのも楽勝だったのだから。
これによって大躍進を遂げたデッキが、あの【ドグマブレード】である。

そう。《早すぎた埋葬》は《アームズ・ホール》の登場により、《氷結界の龍 ブリューナク》が登場する前からサーチ・再利用が問題として認識されていたのだ。
《氷結界の龍 ブリューナク》登場前に一度制限改訂があったのだが、《早すぎた埋葬》はその時「何故か生きたまま」。
ついでに言うとこのタイミングで何故か《死者蘇生》が制限復帰。蘇生と《早すぎた埋葬》が同居という異常事態になっていた。

と、ここでコンマイもようやく【ドグマブレード】の存在に気付いたようで、2008年9月1日の制限改訂にて…………




《早すぎた埋葬》、遅すぎた禁止化。




こうして長年デュエリストたちを支えてきた汎用蘇生カードが1つ、我々の前から消え去った。

憎きバウンス龍が禁止カードとなり環境から消え、後にエラッタによって自分の場のカードをバウンスできなくなった今もこのカードは禁止カードである。
現在は【ミスト・バレー】の《霞の谷のファルコン》とか、【エーリアン】の《宇宙砦ゴルガー》とか、相性抜群なカードが増えてしまったため復帰は難しいのだ。
さらに上記の《アームズ・ホール》以外にもみんな大好き《パワー・ツール・ドラゴン》も存在するため復帰は不可能と言っても過言ではないだろう。
調整版の《継承の印》*1すら強すぎるといった理由で制限カードになっていたわけだし。

そして現在、上位互換と思われていた《死者蘇生》は制限カードとして定着。
《死者蘇生》は(一応《左腕の代償》などで出来なくはないが)通常魔法なためにサーチが容易ではない上、またテーマデッキ全盛の現在は展開のノイズになり得るので採用しないことも多い。
「では《早すぎた埋葬》も許されるのでは?」と思うかもしれないが、《早すぎた埋葬》はサーチ手段が豊富で欲しい時に簡単に持ってこれる、あるいは再利用のギミックを組み込めるという時点で《死者蘇生》とはまるで状況が異なっている。

一方で同じく装備魔法の《継承の印》は、コンボパーツとして長らく規制がかけられていた。
それだけ「サーチと再利用が簡単な蘇生手段」というのは危ないということなのだ。
主な悪用先にエラッタや準制限*2がかけられたこともあり、2021年4月にようやく完全な制限解除と相成った。

絶対に戻ってこれないと言われていたオーバーパワーカード《死者蘇生》が制限に定着、一方で《早すぎた埋葬》をさらに弱体化したようなカードですら規制をかけられ数枚のカードのエラッタに関連したというのは、シンクロ召喚の登場以降に完全に遊戯王OCGのゲーム性が変わったことを示す絶好の例である。
カードの強さとは、時に他のカードとの組み合わせによって数倍に膨れ上がることもあるのだ。


なお、かつて対となっていた罠カード・《リビングデッドの呼び声》は無制限
通常魔法の死者蘇生以上にサーチも殆どない、引いてもそのターン中にはすぐ使えない、シンクロ素材などにすると無駄に場に残り続ける、と使いづらさが年々目立つようになっていったためである。
現在は相互互換が増えており、永続罠であるという最大の弱点も響いて採用率は全盛期とは比べ物にならないほど低い。


類似カード

《契約の履行》《再融合》

  • 《契約の履行/Fulfillment of the Contract》
装備魔法
800ライフポイントを払う。
自分の墓地から儀式モンスター1体を選択して自分フィールド上に特殊召喚し、このカードを装備する。
このカードが破壊された時、装備モンスターをゲームから除外する。
  • 《再融合/Re-Fusion》
装備魔法
(1):800LPを払い、自分の墓地の融合モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
そのモンスターを特殊召喚し、このカードを装備する。
このカードが破壊された時にそのモンスターは除外される。

どちらも第4期第3弾パック「FLAMING ETERNITY」で登場した装備魔法。

前者は儀式モンスター専用、後者は融合モンスター専用となっている《早すぎた埋葬》。
《早すぎた埋葬》と比較すると、守備表示でも蘇生できるのが長所だが、破壊された場合の装備モンスターは除外される(=再利用がしづらい)というのが難点。

汎用性では《リビングデッドの呼び声》などに劣るので、採用する場合は「引いて即座に蘇生させることのメリット」を意識する必要がある。
特に《再融合》は「『融合』魔法カード」のサポートを受けられるので、サーチ手段に恵まれているという強みを活かしたい。


《やりすぎた埋葬/Overdone Burial》

装備魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):手札からモンスター1体を捨て、
捨てたモンスターより元々のレベルが低い自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
そのモンスターを特殊召喚し、このカードを装備する。
(2):装備モンスターの効果は無効化される。

第10期第2弾パック「CIRCUIT BREAK」で登場した装備魔法。

《早すぎた埋葬》のパロディカード。
イラストはあまりに豪華な墓に埋葬されてしまって出づらくなった社長似の人が困り果てているもの。

本家と比較してみると、
  • 発動回数は1ターンに1回と、明らかに公式が「悪用するな」と言わんばかりに釘を刺してきている。
  • コストが800のライフポイントから手札のモンスター1体に変更(しかも特殊召喚するのは捨てたモンスターのレベル「未満」のレベルのモンスターなので、レベル1モンスターはコストに使えない)。
  • レベルを参照する為、エクシーズモンスターリンクモンスターはそもそも対象に選べない
  • 更に上記の通り、捨てたモンスターのレベル「未満」のレベルのモンスターを対象とするので、レベル12のモンスターもまた選ぶことが出来ない。
  • 特殊召喚したモンスターには効果無効のデメリットがつく(ただし、このカードが場から離れれば制約は解除される)。
と様々な制約が課せられており、確かに「やりすぎた」感じになっている。え?やりすぎたのは環境で利用されまくった本家の方だって?

その一方で、
  • 守備表示でも蘇生可能。
  • このカードが破壊を含め、どんな方法で場から離れてもモンスターは場に残る。
という本家にないメリットがある。
そして、ターンをまたぐ必要があるがこのカードも使い回し自体は可能な為、ある意味いい調整をされたと言える存在で、可能性を秘めたカードであると言えるだろう。


《リビング・フォッシル/Living Fossil》

装備魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の墓地のレベル4以下のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。
そのモンスターを特殊召喚し、このカードを装備する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、フィールドから離れた場合に除外される。
このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは除外される。
(2):装備モンスターの攻撃力・守備力は1000ダウンし、効果は無効化される。

「COLLECTORS PACK 2018」(2018年5月発売)で登場した装備魔法。

アニメGXで三沢剣山が使用した、《やりすぎた埋葬》の先輩にあたる調整版。
蘇生できるのは下級のみ、除外強制+効果無効+ステータスダウンとかなり制約が厳しい。

しかし、蘇生したモンスターのステータスがダウンするという部分がポイント。
世の中には《地獄の暴走召喚》というカードがある。
一見デメリットに見えるこの効果を活かし、本来暴走召喚の対象外であるモンスターを強引に巻き込み、大量展開に繋げることが出来るのだ。
そして、除外デメリットは「フィールドを離れた場合」。つまりX素材にしてしまえばクリアできる。
光天使セプター》や《アステル・ドローン》など、X召喚向きのモンスターとコンボするのが鉄板だろう。

さらに、除外を逆手に取って【不知火】などの除外テーマに入れるのも手。
墓地に落ちている不知火を蘇生して各種素材やコストに使い、除外により効果を発動してアドバンテージを取る、という流れができる。

余談だが、エラッタ祭りの影響&上記の調整版から「カード名での1ターン度指定、自壊デメリットを「フィールドから離れた時」にすれば戻ってこれそう」との声がある。
そもそも禁止行きの原因が「セルフバウンスによる使い回し」のため、それをできなくすればよさそうではあるが…。


余談

「早すぎた埋葬」という名前の元ネタはエドガー・アラン・ポーの小説「The Premature Burial(邦題:早すぎた埋葬、早すぎる埋葬)」から。
誤診で死んだことになった人が生きたまま棺桶に閉じ込められる恐怖を描いたもので、閉所恐怖症の人が読むとトラウマものである。

イラストに描かれている墓下から這い出ている人はどことなく社長に似ていることでも有名。
後年になってイラストを担当した人物*3の発言により、本当に海馬がモデルだった事が判明した

「《死者蘇生》は通常魔法カードなのに、どうしてこれは装備魔法なんだろう?」という疑問を抱いた人は……遊戯王のプレイヤー層には意外と少なそうだ。
これは遊戯王(マジック&ウィザーズ)の元ネタである『マジック・ザ・ギャザリング』の最初期にあった似たようなコンセプトのカード《動く死体》が元ネタだから。
こちらは要は「ゾンビ化の魔法をかけてよみがえらせる。魔法そのものを対処するとゾンビは死体に戻る」というフレーバーで作られたカードで、動きやデメリットとしてはほぼ遊戯王における初期の《早すぎた埋葬》と同じである。
しかしこれが、遊戯王では
  • 「装備魔法(あるいは永続罠)になっている」
  • 「バウンスなどでデメリットを抜けるテクニックが頻繁に使われる」
  • 「魔法や罠への対処手段が、遊戯王の場合は風と強く関連付けられている」
となってしまったせいで、フレーバーがものすごくちぐはぐになってしまった、というわけ
《早すぎた埋葬》の場合、《魔法解除》と関連付けると分かりやすいかもしれない。魔法を解除すればゾンビ化が解けて死体に戻る、ってわけ。
また、「風」つながりで、風に絡むものが頻繁に用いられる一般的な魔法罠除去魔法は「風化する」と考えてもまた納得はいくだろう。
「オーガ・ロックは土になって消滅⭐︎」

ただしMTGの《動く死体》はフレーバー重視および挙動の悪用を徹底的に防ぐべくテキストがめちゃくちゃ複雑になってしまい、派生カードが20年以上出ていない。そう考えるとフレーバー重視も良し悪しである。
現在ではこの手の効果は《リビングデッドの呼び声》の亜種ともども、本家を差し置いて遊戯王の方がうまく活用できている。




追記・修正は800LPを支払ってからお願いします。

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最終更新:2026年08月14日 08:40

*1 同名カード3枚が墓地にある場合にその内の1体を蘇生できる《早すぎた埋葬》。ライフコストが存在しないため完全下位互換ではないが、そもそも《早すぎた埋葬》のライフコスト800は大したデメリットではないという認識である。逆に継承の印は同名カード3枚が墓地にあるという下準備が必要な点で大きく差をつけられているということになる。

*2 この場合単純に同じカードでは絶対に継承の印が使えない。

*3 本業イラストレーターではなく、当時の開発されていたゲームのグラフィック担当で、その縁でOCGイラストを描く事になったとか。他には《人造人間-サイコ・ショッカー》を担当。