死のデッキ破壊ウイルス(遊戯王OCG)

登録日:2010/08/02(月) 17:22:01
更新日:2024/01/25 Thu 00:17:53
所要時間:約 20 分で読めます





遊戯王OCGに存在するカードの1枚。

原作やアニメで海馬瀬人が使用したことでも有名である。通称「死デッキ」。

死のデッキ破壊ウイルス/Crush Card Virus
通常罠
自分フィールド上の攻撃力1000以下の闇属性モンスター1体をリリースして発動できる。
相手フィールド上のモンスター、相手の手札、相手のターンで数えて3ターンの間に相手がドローしたカードを全て確認し、
攻撃力1500以上のモンスターを破壊する。

【概要】

『遊戯王デュエルモンスターズⅡ 闇界決闘記』の付属カードとして初登場。
弱小モンスターをコストとして発動し、相手のフィールドと手札の高攻撃力モンスターを根こそぎ破壊できる。
さらに、相手のドローカードを3ターンの間確認し、そこからもモンスターを破壊できる。
そのため、戦力壊滅のみならず相手の戦術把握にも役立つという実に凶悪なカードであった。

発動時にフィールドのアタッカーをまとめて処理されるだけでも相当苦しいが、手札まで破壊してくる恐ろしいカード。
さらには3ターンにわたって引いたカードにも干渉するので、状況を打開できそうなカードを引いても即座に落とされるというむごい性能をしていた。

攻撃力1500以上といえば範囲は広く、デッキのアタッカーを務めるモンスターはことごとく破壊される。
第5期まではシンクロモンスターが登場しておらず、切り札はメインデッキに用意するのが当然だったため、なおさら影響が大きかった。

「デッキ破壊ウイルス」なのにデッキのモンスターには直接影響しない効果ではあったものの、本当に些細な問題に過ぎなかった。


なお、初出時は第1期仕様の古いテキストだったので、後に大きく改訂されている。



通常のドローだけでなく、カード効果によるドローも対象となる。
「手札抹殺」や「メタモルポット」のような、相手の手札を全て捨ててドローさせるカードとのコンボは結構凶悪である。


しかし、どれ程強力であろうとどこかしら穴があるのはお約束。このカードもまた例外ではない。
まず、フィールドのモンスター破壊は発動時しか適用されない。
つまり、発動後に「死者蘇生」などで強力モンスターが出てきても対応できないのである。

さら、再生能力を持つ「ネフティスの鳳凰神」のように、
破壊される事で効果が発揮されるカードも存在するため、首尾よく破壊したとしても気が抜けない。
命は投げ捨てるモノと認識するべき。このゲームにおいて、モンスターの人生は死んでからが本番である。

シンクロ時代になるとそもそもデッキメインデッキに入るモンスターは攻撃力1500以下といのも珍しくなくなり、
相手のデッキによってはコストがより重いが1500以下しか破壊できない魔ウィルスの方が強いということも珍しくない。

せっかくカードを2枚も消費したのに、どこぞの社長のごとく損失を取り戻せず終わることもありうる。
こうしてシンクロ登場時から衰退の一途を辿る、



優秀な小粒の闇属性が激増した結局、実質コスト無しで発動できるカードに成り上がってしまい、
フリーチェーンで発動できるサンダー・ボルトと同等かそれ以上の凶悪カードとなってしまった。
当然のごとく、登場後間も無い04/09/01改定でついに制限カード行きとなる。
そしてメインデッキに攻撃力の高いモンスターが居なくなり手札&ドローしたモンスターの破壊効果がほぼ形骸化するも、それでも場の攻撃力の高いシンクロを一網打尽にする悪行を重ねたため、しばらくの間制限で留まり続けいたにも関わらず、09/09/01をもって禁止カードになった。
よくぞ8年間も制限に踏みとどまったものである。

原作やアニメでは海馬瀬人が頻繁に使用しており、このカードの禁止化を未だに惜しむファンも多かった。

だが、このような効果では禁止カードになるのも無理はないだろう……




















【エラッタによる緩和】


そう、たしかにこんな効果では制限復帰などできない。

ならば、効果を変えてしまえばいいのだ

とでも言わんばかりに、2015年1月のエラッタ祭りにこのカードも参加していた。

通常罠
(1):自分フィールドの攻撃力1000以下の闇属性モンスター1体をリリースして発動できる。
相手フィールドのモンスター及び相手の手札を全て確認し、
その内の攻撃力1500以上のモンスターを全て破壊する。
その後、相手はデッキから攻撃力1500以上のモンスターを3体まで選んで破壊できる。
このカードの発動後、次のターンの終了時まで相手が受ける全てのダメージは0になる。

発動時フィールドと手札を荒らす効果はそのままだが、
3ターンにわたるピーピングは変更され、相手にモンスター3体まで選ばせてデッキから破壊させるようになった。
また、次ターン終了まで相手がダメージを受けなくなるデメリットが追加された。

エラッタ前は「名前に対してデッキを破壊しない」とネタにされていたが、とうとうデッキを破壊できるようになった。
ただし、破壊するかどうかは任意で、何を破壊するかは相手が選ぶためほぼデメリット効果となっている。

相手によっては、「おろかな埋葬」3発分のアドバンテージを与えることになるため、致命傷になるという事も起こり得る。
さらに、ダメージを与えられないデメリットによって次のターンまで相手はほぼ確実に生き残るので、
墓地を使う機会はまず間違いなく与えてしまうと言ってもいい。

そのため、エラッタ前よりかなり相手を選ぶカードになった。少なくとも、「シャドール」「炎王」「真竜」辺りに撃ってはいけない。

「デッキを破壊しないカード」から「相手によってはデッキを破壊したくないカード」になってしまうとはこれいかに。

はっきり言って現環境下では同じ類の全体除去である激流葬やブラックホールが無制限、サンダーボルトも制限でいられるほど環境が激変してしまったため、
エラッタ前効果だったとしても以前のような決定打を生むことはまずできなくなっていて厳しい。

それでもフリーチェーンで手札や場のモンスターを破壊できるのは強力。墓地を利用せず、高い攻撃力のモンスターを多く採用するデッキには刺さる。

マクロコスモス」や「ダーク・ロウ」のような全体除外カードを発動しておけば、
相手はまず墓地送り効果を使わないだろうから、デメリットを一部無視できる。
次元デッキの「異次元の偵察機」や、「ダーク・ロウ」の素材となる「シャドー・ミスト」や「ディアボリックガイ」がコストとして共有できる。
デス・ウイルス・ドラゴン」と併せて手札交換で手札をズタボロにする戦略も面白いかもしれない。
相手は面白くないだろうが



原作での活躍

何度か記したとおり、社長こと海馬瀬人の使うカードの1枚。

原作においては『ウイルスカード』という種類のカードで、カード名も「死のデッキ破壊」であった。

原作のテキストは以下の通り

死のデッキ破壊
ウイルスカード
闇属性で攻撃力1000以下の生贄を媒体にウイルスカードは発動する。
相手の手札・及びデッキ内の攻撃力1500以上のしもべは全て死滅する。

原作特有の大雑把な記述でどのタイミングで破壊するのかなどが不明瞭。
描写を見るに闇属性・攻撃力1000以下のモンスターを対象に発動し、対象のモンスターが破壊された時に効果が発動する感じ。
モンスターの死体から感染する、まさにウイルスである。

また王国編辺りまではこのウイルスに感染したモンスターは蘇生すらできない制限がついていた。

原作初お目見えは王国での遊戯vs海馬。
攻撃力600の「闇道化師のサギー」を媒体とし、サギーの戦闘破壊をトリガーに遊戯の主力を破壊した。
このときは後のOCGのように場と手札とドローカードに反応しており、感染自体はデッキのようだがデッキ破壊はしていなかった。

さらに嫁こと「青眼の白龍」「青眼の究極竜」といった高攻撃力モンスターで制圧を図る。
しかし、低攻撃力モンスターも多数盛り込んでいた遊戯は大いに粘り、多数の魔法・罠を駆使して「究極竜」の打破までこぎつけている。
この時の「マンモスの墓場」の融合については今でも語り草になっている。


遊戯戦直後のペガサス戦でも使おうとするが、「闇・エナジー」で生け贄の攻撃力を上げられたことで不発となり、
「コピーキャット」でペガサス側に使われ、自慢のパワーデッキをボロボロにされて敗北。
なお、この時サギー以外のモンスターはすべて攻撃力1500以上だったようだが、これ以前に3、4体ほど他にいたはずなのだが抜いていたのだろうか?


バトルシティ編では、イシズ戦で使用。
だが、彼女は千年タウクで未来を予見しており、これも計算のうちだった。
結果として「現世と冥界の逆転」の発動のために逆利用され、社長デッキ切れの危機に陥ってしまう。
城之内戦では、開始早々にウイルスコンボで優位に立つ。

ドーマ編では「クリティウスの牙」と融合し、「デス・ウイルス・ドラゴン」となった。
(OCGのエラッタ前の性能はこちらに引き継がれている)


劇中でも強力なカードに間違いはなく、初登場時は遊戯を苦しめたのだが、
ネタが割れたそれ以降は相手に逆利用されることが多くなってしまった。
全メディアミックス合わせて8回ほど使用を試みているが、発動に成功したのはわずか3回である。


【関連カード】

第4期で登場した「魔デッキ」を皮切りに、派生カードがいくつか登場した。
エラッタ前の死デッキがベースであり、発動条件や破壊する範囲が変わっている。

いずれもハマれば強いが、効かない相手には全く効かない類のカードであり、サイドデッキ向けである。
リリースするモンスターのステータスや仮想敵に合わせて選択するようにしたい。

注意点として「発動した時点で手札・フィールドにあったカード」「ドローしたカード」に効果が及ぶが、
「発動後に召喚されたカード」「ドロー以外で手札に加えたカード(サーチ・サルベージしたカード)」には効果が無い。
発動コストも決して軽いわけではないので、相手の構築や展開パターンを見極めて撃たないと効果が薄くなる。


+ 詳細は以下
魔のデッキ破壊ウイルス
通常罠
自分フィールド上に存在する攻撃力2000以上の
闇属性モンスター1体をリリースして発動する。
相手フィールド上に存在するモンスター、相手の手札、
相手のターンで数えて3ターンの間に相手がドローしたカードを全て確認し、
攻撃力1500以下のモンスターを破壊する。

第4期パックの「FLAMING ETERNITY」で登場した第2のウイルスカード。
同パックでは「ネフティス」とともにパッケージに描かれていたりもする。

攻撃力2000以上をリリースして発動し、破壊するモンスターは攻撃力1500以下
範囲と期間はエラッタ前の「死のデッキ」と同様。

「上級クラスの攻撃力を持つモンスターを犠牲にし、破壊するのは相手の低級だけ」というのは一見割に合わない。
しかし、近年ではカード単体のステータスよりも、コンボやシナジーに重きを置くデッキが主流。
シンクロ召喚エクシーズ召喚の登場以来、メインデッキのモンスターは展開に特化した低ステータスのものが多くを占めるようになっているので、
相対的に価値が上昇した。

モンスターの展開手段も増えているので、【暗黒界】や【ブラック・マジシャン】など、容易に発動できるデッキは多い。

基本的にサイドデッキ向けだが、これを一発食らわせるとデッキのモンスターが全滅するようなデッキも結構ある。
もっともその手のデッキはサーチ手段や墓地利用も多かったりするので油断は禁物。


闇のデッキ破壊ウイルス
通常罠
(1):自分フィールドの攻撃力2500以上の闇属性モンスター1体をリリースし、
カードの種類(魔法・罠)を宣言して発動できる。
相手フィールドの魔法・罠カード、相手の手札、
相手ターンで数えて3ターンの間に相手がドローしたカードを全て確認し、
その内の宣言した種類のカードを全て破壊する。

今度は魔法か罠どちらか1つを選択して破壊する。
しかし、発動コストとなるモンスターの攻撃力が上昇。
食らわせれば強力無比なのだが、使いこなせるデッキが少ない不遇のウイルスだった。
しかし、レッド・デーモンズ・ドラゴンを筆頭としたシンクロの高火力モンスターの登場以降はかなり使いやすくなった。

しかも、上記の魔デッキやピーピングからコンボに繋がるマインドクラッシュ共々相性が良く実質グラファをエサにノーコストでぶっぱなせる【暗黒界】の強化により評価もうなぎ登りになる。
後にはヴェルズ・オピオンを気兼ね無く連打出来る【ヴェルズ】マスター・キービートルをメインから採用出来る【インフェルニティ】等でもメインから採用するプレイヤーも結構いる。

また、【アライブHERO】や【魔導書】の等のトーナメントクラスの魔法カードを主軸にするデッキの流行に伴い、これのカウンターとしてサイドによく積まれるようになった。
現在ではNo.85クレイジー・ボックスという、まるで「効果は飾りなんで魔か闇のエサにしてください」と言わんばかりのエクシーズ、
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンというこのカードのコンボ抜きでも汎用カードの1枚に数えられるエクシーズが増え、
【ガジェット】を筆頭に闇属性関係ないデッキですら使いやすくなっている。
魔デッキ同様にカードプールの強化と時代の流れを感じさせるカードである。


影のデッキ破壊ウイルス
通常罠
(1):自分フィールドの守備力2000以上の闇属性モンスター1体をリリースして発動できる。
相手フィールドのモンスター、相手の手札、相手ターンで数えて
3ターンの間に相手がドローしたカードを全て確認し、
その内の守備力1500以下のモンスターを全て破壊する。

十二獣」を輩出した「レイジング・テンペスト」でひょっこり現れた新種のウイルスカード。
今度は守備力2000以上の闇属性をリリース、守備力1500以下を破壊する。
魔デッキと同じく低ステータスのモンスターだけでなく、メタルフォーゼダムド辺りの「攻撃力は高いが守備力は低め」な連中にも突き刺さる為意外と対応範囲は広い。
リリースの確保はエクストラデッキ等の工夫で補えるので特に問題はない。

ネックになるのは攻守どちらも高い連中には全く効果がない所だろうか。
この辺りは相手によって変わるので上記ウイルス達と使い分けで対応すべきか。
何が破壊できて何が破壊できないかはまちまちなので、仮想敵となるデッキのモンスターのステータスはよく調べておきたい。


悪のデッキ破壊ウイルス
通常罠
(1):自分フィールドの攻撃力3000以下の闇属性モンスター1体をリリースして発動できる。
そのモンスターの攻撃力500につき1枚、
相手は自身の手札・デッキからカードを選んで破壊する。
このカードを発動するために攻撃力2000以上のモンスターをリリースした場合、
相手ターンで数えて3ターンの間に相手がドローしたカードを全て確認し、
その内のモンスターを全て破壊する。
また、このカードの効果で破壊され墓地へ送られているカードは、
破壊されたターンには効果を発動できない。

ストラクR「闇黒の呪縛」で登場した新顔。
コストとなる闇属性の攻撃力は3000以下と上限が与えられたが、破壊するのは手札かデッキ、枚数はリリースした闇属性の攻撃力500につき1枚なので、最大6枚破壊することになる(この関係でリリースする攻撃力の下限は500)。
さらに2000打点以上のモンスターを破壊した場合、かつての死デッキと同じくドローしたモンスターを全破壊する追加効果が適用されるが、これで墓地送りになったモンスターは、そのターン中は効果が使えない。
反面フィールドには全く影響を及ぼさないことに注意。




【未OCGのウィルス】

ゲーム封印されし記憶ではなんと魔法カードとして登場、その効果は…
死のデッキ破壊ウイルス
相手の場にいる攻撃力1500以上のモンスターは消滅だ!
初期カードに含まれていて増産可能なサンダー・ボルトの下位互換。罠カードですらないしデッキ破壊はどこへ行った。
海馬瀬戸もしくはセトを柔ランクで倒せば手に入る可能性はあるが、割に合わない。
実は作成も可能で、その方法は「魔菌」+「メタル化」のマジで何の役にも立たないカード2枚と全く割に合っていない。
素材自体は初期カードから素出しされるゲート・ガーディアンに対抗し得る超強いモンスターを作るゲームにおいて対抗策のひとつではあるサンボルだが、その下位互換なんかそんな要らんし…というのが正直なところ。
とはいえ魔法カードは魔法・罠カードを使いまくるかデッキ切れでしかドロップが狙えないのでこんなのでも単体ならサンボルやブラホの下位互換として有用である。

GBで展開されていたDMシリーズではDM2から登場。効果は真DMと同様だが、名前が「ウイルスカード」になっている。
劣化版サンボルなのも同じだが、こちらではデッキキャパシティや制限によるデッキ構成への縛りが存在する関係で普通に有用。
特にDM3ではサンボルがコスト255で制限指定とかなり重いカードだったのに対し、ウイルスカードはコスト50・無制限で気軽にデッキに3積みでき、非常に使い勝手がいい。
本作の環境には地雷蜘蛛やダーク・エルフ、コンストラクションモンスター等の攻撃力2000台の凶悪な下級モンスター達が跋扈しているため、対人戦やキャンペーンモード終盤の強敵相手の決闘でよく刺さる。
海馬社長やセトがそこそこ高頻度でドロップしてくれるので入手性も良好。

映画「光のピラミッド」では「完全破壊 −ジェノサイド・ウィルス−」が登場。
自フィールドの攻撃力500以下のモンスターが破壊される度に、相手のデッキの上から10枚を墓地に送る永続罠と、かなり凶悪。

GXでは対機械族専用の「酸のラスト・マシン・ウイルス」、永続魔法の対象変更を行う「闇のコンピューターウィルス」が登場している。
また、魔法除去細菌兵器は原作ではウィルスカードであり、「魔法除去ウイルスキャノン」という名前だった。

さらにRの海馬vs夜行戦にて海馬が「α波の放散」と言うカードを使用。
「ウイルス」の名前を冠していないが分類が「ウイルス・フィールド」であり、
「ワクチンの接種」と言う名の現実のワクチンらしくピンポイントなメタカードで無効化出来ている点からしてこれも一応はウイルスカードなのであろう。





『俺はこのカードを発動し、攻撃力1500以上の項目を追記・編集する!!』

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最終更新:2024年01月25日 00:17