ラピス/仮面ライダー冠

登録日:2024/09/06 Fri 10:28:33
更新日:2024/12/29 Sun 18:37:43
所要時間:約 8 分で読めます




お兄さん。また会えたね。僕はラピス。


ラピスとは、『仮面ライダー鎧武』の劇場版『劇場版 仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!』の登場人物。
彼が変身する仮面ライダー(カムロ)についても紹介する。

演:田中偉登(たけと)


概要


サッカーで勝敗を決める世界に迷い込んだ葛葉紘汰が出会った少年であり、サッカー及びサッカーボールすら知らず、サッカーで負けると命を奪われるとまで考えていた。
だが紘汰と心を通わせ、サッカーの楽しさを知り、命を奪わない戦い方があったのか、と感心するようになる。

その正体はオーバーロードインベスであり、本名はシャムビシェ(オーバーロード語に変換すると紺碧)と言う。
テレビ本編には登場しなかった、紘汰と対応する青のオーバーロードである。
本作の元凶にしてフェムシンムを争うよう扇動したコウガネを過去に封印していたこともあって敵意を向けられ、消そうとされていた。
争いごとを好まない性格で、傷つけあう必要のない世界で過ごしてみたいと思ったことにより、自身の「夢を操る」能力を活かして劇場版の舞台となるサッカーが盛んに行われている沢芽市を創り上げた。
しかし、戦いの中で邪悪の種の影響によりフェムシンム同様に傷つけあって滅びていく人類に対して心を傷めてしまう。

左腕に着用している銀色のブレスレットに念じることで紘汰の精神世界に入り込み邪悪の種を植え付けられた紘汰を救った他、馬を召喚することで同じく馬に搭乗していた仮面ライダーマルスとの戦いを優勢に進めさせた。

なお彼自身のオーバーロード態は不明。
フェムシンム自体元々人間とさほど変わらない姿の種族だったらしい事を踏まえると、そもそも存在しないかも知れない。

劇中での活躍

第37話「バロン・サッカー対決 夏の陣!」


劇場版の前日談。

DJサガラが呼び出した鎧武 極アームズとバロン レモンエナジーアームズの戦いを傍観していた他、異世界に迷い込みサッカーに興じていた戒斗に対し「ようこそ、僕の世界へ」と歓迎した一方、都合が悪いと付け加えてイナゴ怪人を差し向けた。

その後、イナゴ怪人と戦う鎧武の前に現れたDJサガラから事情を説明され、クラックの先で見せられたビジョンにおいて奇妙な現象はこいつのせいかもしれない、と言われる形でその姿が映し出されていた。


劇場版での活躍


異世界に迷い込んだ紘汰と出会い、彼からサッカーについての話*1を聞かされるも、すぐに姿を消す。
その後、沢芽市がサッカーで勝敗を決める世界と化していたことに困惑する紘汰と再び出会い、ラピスと名乗って会話を交わすが、またもや姿を消してしまう。

時を同じくしてチームバロンの一員であるペコ(サッカーの試合の際に邪悪の種を植え付けられていた)が仮面ライダー黒影・真に変身、仲間であるはずの戒斗とザックを襲い始めるがすぐに変身解除してマツボックリエナジーロックシードを残して消失、続いて初瀬亮二/仮面ライダー黒影もペコと同様に消失してしまい、一連の様子を物陰から見ていたこともあり怪しいと睨んだ戒斗とザックに尾行され、紘汰の介入で一件落着と思いきや、今度はザックが凶暴化し、ナックルに変身したがクルミロックシードを残し消失。

ライダー達の戦いは留まることを知らず、バロン・陸軍とスイカアームズを率いる凰蓮・ピエール・アルフォンゾ/仮面ライダーブラーボ及び行動を共にする城乃内秀保/仮面ライダーグリドン・黒影トルーパーの部隊を率いる呉島貴虎仮面ライダー斬月・真3勢力が入り乱れる大乱戦にまで発展、この光景に落胆してしまった上に戦っていた4人全員が消失してしまう。

更に戦極凌馬(コウガネを復活させるなど、相変わらずトラブルを起こしているのだが、本作では回想シーン及びVTRにしか登場しない)の研究を調べていた呉島光実が現れ、ラピスが犯人だと決めつけられて敵意を向けられたものの、DJサガラ…もとい蛇が介入し、光実に事情を説明したことにより事なきを得る。

同じ頃、角居裕也に擬態して暗躍していたコウガネは本性を露わにして鎧武に邪悪の種を植え付けることで鎧武・闇に変貌させることへと成功する。
マルスと鎧武・闇を前に龍玄は劣勢で、湊耀子/仮面ライダーマリカ及び彼女に救われていた戒斗が加勢しても劣勢は変わらず、舞に紘汰を救うよう要請されても弱気な返答をしてしまう。
だが紘汰を想う舞に感化され、紘汰の精神世界に入り込み、かつてのオーバーロードの記憶*2を見せ、紘汰は邪悪の種に支配された自身の影を断ち切り、マルスに反撃。

マルスも負けじとイナゴの群れを馬へと変化させて対抗、自身はブレスから馬を召喚して鎧武 極アームズに貸し与えて激しい騎馬戦が開始され、戦況は鎧武に傾く。
追い詰められたマルスは炎の馬となって襲いかかるも、鎧武の攻撃で腹部を貫かれると戦いの中で消失していったシドと凌馬を除いたアーマードライダーに変身する人間たちが復活。

紘汰は決して諦めなかった…僕も…!

ようやくいい顔になってきたじゃねぇか。もう少し早くその顔を見せて欲しかったが、まぁ仕方ないか。ほれ、受け取りな。

諦めない心に感化された蛇から銀のリンゴロックシードを託され、ダメージを負って本体を晒したマルスを前にラピス達は変身し、総勢11人ものアーマードライダー*3がここに並び立った。
冠はボール状に姿を変え、アーマードライダーは力を合わせて見事なパス回しでマルスの複製体に立ち向かい、最後にパスが渡った鎧武がマルスにキックを打ち込んで*4止めを刺したのであった。

戦いが終わった後は紘汰の前に現れるも、体には限界が来ていたようで

ごめんね紘汰。
君たちには本当に迷惑をかけた。
でも、全部終わった。
これで僕も、安らかに眠ることが出来る。

へ…?ラピス…それは一体どういう意味だ…

ありがとう紘汰。僕にサッカーを教えてくれて。

というやり取りを経て消滅したのだった。


そうか……そういう事だったのか。お前はずっと独りで……頑張ってたんだな……。
見ていてくれラピス、俺は必ず取り戻す。傷つけ合う必要のない世界を!





エピローグではヘルヘイムの森のどこかに彼の形見と言えるブレスとサッカーボールが遺されていた。


仮面ライダー(カムロ) シルバーアームズ


シルバー!

ロックオン!ソイヤッ!

シルバーアームズ!白銀ニューステージ!

あれがあいつの本体だ…紘汰…僕の力を使って!

身長:210.0cm
体重:111.0kg
パンチ力:15.8t
キック力:19.0t
ジャンプ力:ひと跳び22.0m
走力:100mを6.2秒で走る
スーツアクター:藤田慧


ラピスが銀のリンゴロックシードと戦極ドライバーで変身するアーマードライダー。
銀のリンゴロックシードは覚悟を決めた際にDJサガラ…もとい蛇から渡されたものだが、戦極ドライバーはいつの間にか所持しており、入手経路は不明。

ライドウェアは鎧武や斬月(及び斬月・真)、黒影と同系統。
頭部の兜「ギンカムロ」豊臣秀吉が着用していた兜を彷彿とさせ*5、変身前のラピスと同様に左手にブレスレットを装着している。

アームズウェポンは杖状の武器蒼銀杖(そうぎんじょう)
先端には自身の兜飾りと似た形状のエネルギーフィールド発振器「銀環」が備わる。
ここから発せられるエネルギーが蒼銀杖全体を覆うことで強度と破壊力を向上させるほか、物質を自在に転送する力も持つとされる。
また、末端の「銀角」は両端のバランスを取る重りで、これにより打撃の破壊力を増す効力があるという。

蒼銀杖による杖術を得意とする……のだが、変身してすぐにサッカーボール状に姿を変えたため、肝心の戦闘能力及び必殺技は不明。
ラピスはオーバーロードであるためそれなりの戦闘力を備えていると思われるが。

変身待機音及び音声は和風テイスト。


余談


  • ラピスという名前の由来はラピスラズリから。

  • 数少ない、終始味方の劇場版限定ライダーである*6


  • 立体化はキャラによって格差がある劇場版限定ライダーだが、冠の場合はソフビヒーロー、アームズアクション鎧武、ACシリーズと、S.H.Figuarts化は果たせなかったが、割と恵まれている。



ありがとうWiki篭り。僕に追記・修正を教えてくれて。


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最終更新:2024年12月29日 18:37

*1 ちなみに運動神経の良さに定評のある紘汰役の佐野岳氏は保育園時代から高校にかけてのサッカー経験者であり、中学生の時はクラブチームにも所属されていた。無論、この映画でも見事なテクニックを見せている。

*2 ここでは主要人物とオーバーロードが重なり合う演出が取られており、貴虎はロシュオと、光実はレデュエと、戒斗はデェムシュと、そして紘汰はラピスと重なり合う。

*3 並びの内訳は左から黒影、グリドン、ブラーボ、マリカ、バロン(レモンエナジーアームズ)、鎧武(極アームズ)、冠、龍玄、斬月・真、ナックル、黒影・真となっている

*4 鎧武がキックを決めた際に冠の姿に戻り、蒼銀仗をマルスに突き刺している。

*5 鎧武の兜・ダイカブトは伊達政宗、カチドキアームズのカチドキカブトは徳川家康、極アームズのキワミカブトは織田信長がモチーフ。

*6 味方と言っても仲間ではない、序盤から中盤にかけては味方、最終的に味方といったパターンが存在するが、ラピスのように終始味方というのは稀。尤も、本作は主人公が闇堕ちする珍しいパターンなのだが。