登録日:2024/10/06 Sun 19:50:00
更新日:2024/10/09 Wed 21:12:15
所要時間:ステージの詳細な解説を除けば約 18 分、全体を通した場合約 36 分で読めます
マーベルランド(Marvel Land)は、1990年にアーケードとしてナムコが開発した横スクロールアクションゲームである。
【概要】
本作のキャラクターデザインを担当したのは、後に漫画家としてガンダムシリーズを題材とした様々な作品を手がける事になるときた洸一氏。
氏の手によって生み出された、可愛らしい見た目のデフォルメされたキャラクター達に加え、ステージの主な舞台は様々なアトラクションが織り成すカラフルな遊園地、
さらにステージの最後で待ち構えるボス達との戦いも、ほぼ全てがミニゲーム形式となっているという、どこかメルヘンでファンシーな雰囲気が特徴的。
しかし、そうしたデザインに反して、元々はコイン投入式のアーケードゲームというだけあって難易度の高さはかなりのもの。
随所でシビアなジャンプテクニックを要求され、またギミックや敵の配置は苛烈かつ初見殺し感満載と、間違いなく一筋縄ではいかない。
1991年には
メガドライブへの移植版が発売され、
オープニングや新しいステージ、多数の新規BGMが追加された他、既存のステージにも手が加えられ、分身ブランコを始めとする新たなステージギミックを導入。
更にいくつかのミニゲームについても、互いに内容被りにならないよう新しいものへと差し替えられている。
また、流石に難し過ぎたという事なのか、全体的に容赦の無かったギミックや敵の配置はややマイルドになり、
パスワードコンテニューの導入による繰り返しプレイのしやすさの他アイテムの数も増やされ残機アップの条件も緩和されたりと、ステージが追加された点以外は概ね難易度を抑える方向に調整されている。
後述するように、
「マーベルランド」という名前は、本作の舞台「コニーランド」に存在する巨大な遊園地の名称であり、
同じくナムコ制作であり、制作時期も比較的近い
ワルキューレの冒険シリーズにて、物語の主要な舞台となっている大陸
「マーベルランド」とは完全に別物である。
しかし、二つの作品が全くの無関係という訳でもなく、
メガドライブ版では後述するボーナスステージにて、主人公であるワルキューレを模したパレードフロートが出現する他、
PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLDにて、乙姫の転送ミスという形で
なんと本作の舞台「マーベルランド」が登場。
その際、名称が全く同一である事について、ワルキューレが軽く言及している。
メガドライブ版のNOMAL用ラウンドセレクトのパスワードが「VALKYRIE」なあたり当時のスタッフも意識していたようだ。
綴りまで同じだが、アメコミ出版社の
マーベルのほうは流石に関係無い。
ちなみに、やはりこの頃の年代のゲームの常というべきか、
海外にてメガドライブ版が発売された際には、パッケージのデザインが色々
ものすごい事になってしまってたりもする。
【ストーリー】
ドラゴン族、妖精族、翼族、地底族…
4つの種族が暮らす、光と平和の国「コニーランド」。
この国の中央、平和の丘の頂上に築かれた大遊園地「マーベルランド」は、コニーランドの住民にとっての憩いの場であり、代々、妖精族の手によって守られていた。
しかし、地底族の魔王、モウルは、自分よりずっと力の弱い妖精族がマーベルランドを守っており、
しかもそのせいで自身の支配が地底にしか及ばないという事に、不満を抱き続けていた。
———マーベルランドを支配する者は、コニーランドをも支配する。
モウルは水棲族、魔獣族などといった、コニーランドの外に住まう他の種族達をそそのかし、
マーベルランドを守る4人の守護妖精を捕らえ、彼女達が代々受け継ぐ至宝であるトライデントスター共々闇の水晶球へと封じ込め、
遂にはマーベルランドを手中に収めてしまった。
そして、捕らえられた4人の中には、ドラゴン族の王子、パコの幼馴染である妖精族の長、ルクシー姫の姿も…
かくして、ルクシーら4人の守護妖精を救い出し、そしてモウルの野望を打ち砕くべく、パコは単身マーベルランドへと乗り込むのであった。
【主な登場人物】
本作の主人公。コニーランドで暮らす、ドラゴン族の王子である少年。
名前の由来は、ラテン語で「平和」を意味する単語、"PAX"のもじり
であり、断じてやましい意味は込められていない。
パッと見た感じは人間の男の子そのものな姿をしているが、ドラゴンというだけあって、頭からは二本の小さな角、お尻からは
緑色の長い尻尾が伸びており、
顔の両側には耳の代わりに、
水かきのような見た目の小さな翼が付いている。
髪は
茶色でそこそこ長く、頭の後ろで束ねたポニーテール風なヘアースタイル。
ドラゴン族は強い力を持つ種族であり、自由自在に空を飛び、様々な魔法を操る事もできる…
が、彼はまだ子どもなので、そうした力を使う際には後述するアイテムの助けを借りる必要がある。
主人公らしく勇敢で正義感の強い性格であるが、女の子に対してはウブなところもあるようで、
助け出した妖精にお礼のキスをされた際には、赤面しながら困惑する姿を見られたりもする。かわいい。
デザインについては、ときた氏が複数用意したビジュアルの中から取捨選択するという形で決められ、
最終的に二つにまで絞られた上で、こちらの見た目が採用されたとの事。
ちなみに不採用となったもう一方については、顔のパーツこそ概ね共通しているものの、
「デフォルメされたドラゴンの被り物をした男の子」といった感じで、大分印象が異なる外見となっていた。
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デザインに関するちょっとニッチな性癖の話 |
ゲーム中のドット絵だけだと少しわかりづらいが、肩の鎧などの装飾を除けば、彼が身に着けている服は古代ギリシア風な見た目のノースリーブの白いチュニック。
腰から下は スカートみたいに裾をヒラヒラさせており、しかもパッケージやメガドライブ版の説明書内のイラストで確認する限り、裾の丈は ふとももの半分くらいの長さしかない。
つまり 男の子なのに膝上丈のミニスカ生足スタイル(見た目としては この作品の主人公である彼や、FC時代の 彼なんかがそれに近い)という、
ショタコン大歓喜な大変際どい格好をしている。
実際、当時のゲーメストの読者コーナーには、ちょっと ソッチ系な雰囲気のイラストもチラホラ投稿されていた模様。
あちらの主人公の下着事情が、デザインを担当した冨士宏氏の発言のせいで
色々
とんでもない事
になってしまったのもあって、こちらもヒラヒラの下が気になってしまう感じだが、
アーケードアーカイブス発売時に配信された特集で、ときた氏が公開した原画資料によると、チュニックの下には ちゃんとパンツをはいているとの事。
尚、 誠に残念な話であるが当然ながらゲーム中で パンチラを披露してくれたりはしない。 ボーナスステージに出てくるあの子のパレードフロートはしっかりチラ見せしてるのに…
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モウルの一味に捕らえられてしまった4人の守護妖精の一人であり、光の妖精。
であるのと同時に、妖精族たちの長でもあり、そして何より主人公パコにとっての大事な幼馴染。
彼女を救い出し、そしてマーベルランドを解放することが、パコの冒険の最終目標となる。
外見は、
金髪のロングヘアーに
某桃姫様を彷彿とさせる
ピンクのドレスを身に着けている少女であり、
髪の色と同じ
金色のティアラを頭に被り、背中からは服と一体になったマントのような見た目の白い羽根が伸びている。
かわいい。
また、ドット絵では確認できないが、妖精族なので頭からは二本の
オレンジ色の触角が伸びている。
開発初期においては今と名称が異なっており、ティアリィという名前が与えられていた。
モウルの一味に捕らえられてしまった4人の守護妖精の一人であり、花の妖精。
緑色のショートヘアーと、赤色の花弁をひっくり返したような見た目の被り物、背中から生えた紫の蝶の羽根、そして、肩と腰にピンクの花びらをあしらい、
胸元にはトレードマークの赤い花をつけた紫色のレオタードというけしからん格好が特徴的な少女。かわいい。
こちらも妖精族なので頭からは二本のオレンジ色の触角が(ry
開発初期においては今と名称が異なっており、ファーリィという名前が与えられていた。
モウルの一味に捕らえられてしまった4人の守護妖精の一人であり、森と水の妖精。
水色のウェーブがかかったロングヘアーに星形のヘアピン、背中から伸びる羽根は
薄緑の魚のヒレのような見た目で、
そしてなにより、
紺色のハイレグ水着じみた見た目のレオタード一丁という
主人公を遥かに上回る圧倒的な露出度を誇る格好に、
健康的な褐色肌という
青少年のナニかが危なくなる事ウケあいな組み合わせが大変刺激的な少女。
エr…かわいい。
またドット絵の他、説明書のイラストからも確認できるが、
胸部のボリュームもかなりのものであるかのように見える。
もちろん妖精族なので頭からは二本のオレンジ(ry
開発初期においては今と名称が異なっており、ドゥーリィという名前が与えられていた。
モウルの一味に捕らえられてしまった4人の守護妖精の一人であり、お菓子と夢の妖精。
茶色の髪の上に黄色い三角帽を被り、背中にはトンボのような見た目の同じく黄色い羽、服装は赤と黄色のブラウスに青色のスカート、そして両肩の白いフリルに腰に付けたエプロンと、
どことなくパティシエのような雰囲気を醸し出している少女。かわいい。
当然妖精族なので頭から二本の(ry
開発初期においては今と名称が異なっており、ローリィという名前で呼ばれていた。
パコの冒険をサポートする守護妖精見習いの少女。
ミニゲームの際、どこからともなく現れてゲームの説明や進行を担当してくれる他、メガドライブ版のオープニングでは、パコにマーベルランドとルクシーの危機を伝える役回りとしても登場した。
バニーというだけあって外見は
バニーガールそのもの。水色の髪に
赤色のバニースーツとタイツを着用し、頭にはウサミミを付けている。
かわいい。
胸元の戦闘力についても、見たところシルフィーと肩を並べられる程度のものが備わっている。
まだ見習いであり、正式な守護妖精ではないので羽根は生えていない。とは言えしっかり妖精族なので頭から(ry
地下深くにて地底族を統べる王であり、本作における敵の親玉。
地上に自らの支配の手が及ばない事に対して不満を募らせ続けた結果、遂には「マーベルランドを支配する者は、コニーランドをも支配する。」という言い伝えに動かされ、
他種族をそそのかして守護妖精たちを捕獲し、マーベルランドを支配下に置くという凶行に及んだ。
地底族の住人はほとんどが二足歩行するモグラのような見た目であり、当然彼もそうである…はずなのだが、
その顔つきはどちらかと言えばオオカミやアナグマのそれに近く、モグラとは幾分か離れた感じの外見となっている。いかつい。
【ゲーム内容】
※以下、特に補足が無ければアーケード版における仕様を記載しているものとする。
基本操作は左右移動+しゃがみ+ジャンプというシンプルなもの。
上下入力は後述する分身を振り回す際に使用し、また、下入力によって身体の判定が大幅に小さくなるのと後ろから覗いたら絶対色々見えちゃいそうな四つん這いの格好になり、
さらにそのまま左右入力でゆっくりとではあるが這って移動できる。
大半の敵はジャンプによる踏みつけで倒せるが、一部の敵は倒せず、そのまま足場に乗るような形となり、また、逆にこちらがダメージを受けてしまうパターンもある。
敵を倒したりアイテムを取得する事でスコアが増えていき、一定値以上に達すれば残機が1つ増加(エクステンド)。
逆に、水や溶岩に落ちたり、トゲに触れたりする他、敵からダメージを受けただけでも即座にミスとなり、残機が1減ってしまう。
また、画面下部の中央、時計型のバーで示されている制限時間が尽きてしまってもミスとなる。
ミスになった際にもパコは様々なリアクションを見せるが、
その中で比較的多く見られるのは、両手と両足を広げ、そのまま
回転しながら遥か彼方に向かって吹っ飛んでいくというどこかコミカルなもの。
しかし、例えばマリオシリーズにおける
スーパーキノコのような、被弾を誤魔化してくれる効果を持つアイテムは
本作には一切存在せず、その点に関してはかなりシビアであると言える。
魔界村でさえ最初に鎧が支給されてる温情さがあるのに…
一つ重要な点として、本作では能動的なダッシュができない。
また、傾斜による加減速が中々にキツく作られており、特に上り坂だとジャンプで敵を倒しつつ先へ進むのも一苦労といった具合。
一方で下り坂では大きく加速する事ができ、そのスピードを維持したままジャンプする事で、遠くまで一気に飛んでいける。
これが本作におけるダッシュジャンプに該当し、こうしたテクニックが必要になる場面もステージの各所に存在する。
そしてもう一つ、
例えば空中で動いている足場など、左右に動くオブジェクトの上でジャンプする際、足場の移動方向に合わせる形でかなり強めの慣性がかかる仕様が存在しており、
後述する仕掛けによる大ジャンプができるのもこれのおかげであるが、逆に挙動の制御はかなり難しく、本作の難易度の高さを理由づける一因となっている。
マーベルランド内部は特色の異なる計4つのワールドに分けられ、
その上で、各ワールドは更に複数のエリアに分割されており、このエリア1つで1ステージという形を取る。
エリア数は、ワールド1、3、4が4つ、ワールド2が5つの合計17エリア。メガドライブ版ではワールド1~3が7つ、ワールド4が6つの合計27エリアとなる。
ワールド1~3では最後に待ち構えるボスを撃破後、救出した妖精からご褒美のキスとトライデントスターを受け取り、
最後のワールド4でラスボスであるモウルとの決戦に向かう、という形となっている。
トライデントスターを受け取った後はボーナスステージ
「スターパレード」に突入。
夜の遊園地にて、
パックマンやディグダグ、ゼビウス等といった当時のナムコゲーのキャラクター達を模した、ネオンで彩られたパレードフロートが流れていく中、
終了までの間、空から降ってくる流れ星を拾う事で大量のスコアを獲得できる。
難易度はEASYとNORMALの二種類から選べる。
EASYだと道中が短縮され、7ステージ目でモウルに挑む事ができるようになるが、エンディングは簡素なものになってしまう。
内部設定を変更するとゲーム開始時に各ワールドのエリア1から開始することができる(アケアカ版でも設定可能)。
コンテニュー時のラウンドセレクト機能と組み合わせれば疑似的な練習機能として活用可能。
アイテムはステージの各所に置かれている他、
宝箱をジャンプで開けたり、一部のゴミ箱を横から押す事でも手に入れられる。
以下、道中に存在するアイテムや主な仕掛けについて解説する。
《アイテム》
赤色の靴が描かれたパネル。
坂道や凍りついた地面といった足場の悪い場所でも、滑ったりずり落ちたりせずに歩く事ができるようになる。
ドラゴンの翼が描かれたパネル。
パコの背中から翼が生え、一定時間、ジャンプ力が大幅に上昇し、更にジャンプ中ボタンを連打することで落下速度を遅くするホバリングが使えるようになる。
パコの顔が描かれたパネル。
5体の分身が現れる。分身は残像よろしくパコの動きに追従する挙動を示し、また上下入力で鞭やワイヤーを振り回すように自身の周囲をグルグルと回転させる事ができる。
離れたところにあるアイテムも分身で触れれば回収できる他、敵に直接ぶつければダメージも与えられる。
一部の厄介な敵配置への回答となる非常に強力なアイテムであるが、
分身には個別に耐久値が設定されており、敵にぶつけるか攻撃を受ける度に青→黄色→赤と分身の色が変わっていき、赤色の時に敵や攻撃にぶつかると消えてしまう。
メガドライブ版では分身の耐久力が点滅の速度で表されるようになり、また分身の最大所持数も8体に増やされた。
赤色のLが描かれたパネル。
全ての分身の耐久値を回復させることができる。
メガドライブ版では、さらに分身の数が+1される効果も追加された。
ナムコの他作品でも見かけるスペシャルフラッグが描かれたパネル。
文字通り、取得すると残機が1増える。
アーケード版では片手で数えられる程度にしか配置されていなかったが、メガドライブ版では大幅に配置数が増えた。
その名の通り、灰色のドクロが描かれたパネル。
所謂マイナスアイテムであり。取得するとその時点で最も耐久値の低い分身が一体消滅し、さらに分身が一人もいなければ今度はブーツの効果が消滅する。
分身もブーツも持っていなければ何も起こらない。
- シェイク
- アイスクリーム
- ハンバーガー
- ホットドッグ
- イチゴ
所謂スコアアイテム。増加量は以下の通り。
シェイク—————300
アイスクリーム——500
ハンバーガー———700
ホットドッグ———1000
イチゴ——————3000
また、フワフワと浮遊するシェイクが見つかることもあり、取得すると近くに5つのシェイクが出現する。
《仕掛け》
横倒しになった、どことなく転がしやすそうな見た目のタル。
その外見通り、左右から押す事で地面を転がっていき、軌道上にいる敵を巻き込む形で倒す事ができる。
一部ステージでは水面に浮いているタルもあり、こちらは上に乗ってからの左右入力で、入力した向きと逆方向に水面を移動する。
バネとセットで置かれている、黒い鉄球。
横から押し込んだ後にジャンプで離す事で、解放されたバネの力で転がっていき、こちらも巻き込んだ敵を倒す事ができる。
こちらもバネとセットで置かれている、
鋭い目と口がペイントされた砲弾。
ボールと同じように横から押し込んでからジャンプで射出する仕組みとなっているが、こちらは敵に当たると炸裂し、広範囲の敵を爆風に巻き込む。
水面や空中に設置されている巨大なシーソー。
パコが上に乗る事で重心が移動し、左右へと傾く。
アクションゲームでよく見られるこの手の仕掛けだが、本作は傾きの挙動がかなり敏感に作られており、傾斜による足回りへの影響もあって思い通りに制御するのは中々難しい。
左右に振り子運動を続ける、三日月型の大きな船のアトラクション。
船の加速に合わせて移動しながらジャンプする事で、下り坂を利用した時と同様の大ジャンプを決められる。
反対側に重りのついた中央の軸を支点として、グルグルと時計回りに回転を続けるゴンドラのアトラクション。
こちらの仕掛けについても、ゴンドラが加速するタイミングを利用して大ジャンプを行うことができる。
画面奥でゆっくりと回転を続ける魔法陣。
足場が取り付けられており、魔法陣と連動する形で動いている。
回転魔法陣と同じく画面奥でゆっくりと回っているが、こちらはまるでピンボールの役物のように、円盤上にブロックが張り巡らされている。
回転に合わせてブロックの傾斜が少しずつ変化するため足場はかなり悪く、
特に中央付近ではしっかり頂点に陣取り続けないと簡単に落ちてしまう。
上下に揺れながら、水上を左右に行き来している大きな船。
一言でいうなら動く足場の超巨大版…つまり、前述したあの独特な慣性もそのまま。
そして敵の方も船に合わせて動いているので、敵を踏みつけたり飛び越そうとジャンプすれば、同時に左右にフラフラと大きく揺さぶられてしまい、非常に危なっかしい。
また、空を飛んでいる一部の敵は船の動きの影響を受けないので、
船の上を移動していたら、上下の揺れのせいで飛来する敵に頭をぶつけたり、あるいは左右の動きのせいでいきなり加速して正面衝突したり…と、
シンプルな見た目以上にずっと厄介なギミック。
メガドライブ版では左右移動と揺れがオミットされ、ただ水の上に浮かんでいるだけの足場となっており、難易度が大きく下がっている。
三両編成のジェットコースター。
一部のステージにのみ登場し、始まりから終わりまでコースターに乗ってレールの上を進む、所謂強制スクロールの形で進行する。
車両連結部の隙間は足場になっておらず、飛び移る際にうっかり足を滑らせるとそのまま落下してしまう。
ワールド1~3のエリア1と2、および2-4と4-1のゴール直前に置かれた、巨大なダーツの的のような見た目のパネル。
某テレビ番組のどろんこクイズよろしく、パコ自身が体当たりしてパネルを破って通り抜ける形となっており、通り抜けた位置によって得点が加算される。
中央に近いほど高得点であり、最高得点は真ん中の
7650点。
メガドライブ版で新たに登場した仕掛けその1。
分身を持っている場合、伸ばした分身を引っかける事で、さながらターザンジャンプのように空中を渡る事ができる。
メガドライブ版で新たに登場した仕掛けその2。
乗るとベルトコンベアよろしく、自動で横方向へと進んでいく。
エスカレーターのような見た目の、斜めに移動するバージョンも存在する。
メガドライブ版で新たに登場した仕掛けその3。
ステージ内のあちこちに存在しており、入る事で先にあるステージのスタート地点まで一気にワープできる。
【ステージ紹介】
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ワールド1 |
《ワールド1: 花の国》
パコの冒険の始まりの舞台となる、フローリーが囚われているワールド。
レンガのブロックのような床が一面に広がり、所々に色鮮やかな花が飾られ、背景にはテントや観覧車といった遊園地の様々なアトラクションが並ぶ、とても賑やかな雰囲気の場所。
その更に向こう側には、マーベルランドの中心に築かれた城、マーベル城を臨む事ができるが、今はモウルが作り出した巨大な岩山に覆われてしまっている。
最初のワールドという事で、難易度はそこまで高くない。
しかし、高くないというのはあくまで本ゲームを基準とした話であり、ゲーム序盤というカテゴリで考えるのならば、その難易度は中々のもの。
最初のステージ。それだけあってまだまだ良心的な難易度。
とはいえ、水平に空を飛びながら、着弾後しばらく地面に残る槍を投げ落としてくる敵「ジェットモグル」、
水面から飛び出してくる、踏みつけられない敵「ピラワニ」に注意しながら飛び移っていく足場、
そして最後に姿を現すのは、ブーメランのように帽子を投げて攻撃する、2ダメージ与えないと倒せない強敵「キャプテンモグル」と、本作の難しさの片鱗が垣間見える作りともなっている。
概ね前ステージの延長といった感じで、そこまで大きな変化はない。
トゲ玉に守られた小部屋にあるウイングを取れば、ホバリングで地上の敵たちを一気に飛び越す事ができる。
ゴール直前にはスプラッシャーがあり、大ジャンプでゴールターゲットに突っ込んでクリアという形。
ジェットコースターステージ。
紫のコースターに乗って進み、レール上にはアイテム とドクロパネルが置かれており、中盤にはシャトルループも設けられている。
2Dアクションに出てくる乗り物ステージという事で、ステージそのものは比較的短いが、やはりというか 初見殺し要素が満載。
並走する形でジェットモグルが飛んでくる他、そこかしこに障害物として設置された看板が、パコをコースターから叩き落そうと連続で迫ってくる。
ワールド1最終ステージ。多数の敵が待ち構える城塞の中を進んでいく。
踏みつけで逆にダメージを受けてしまい、さらに一定間隔ごとに正面長距離にレーザーを照射してくる難敵「メデューサヘッド」が、ここで初めて姿を見せる。
終盤には回転魔法陣があるが、実は下に落ちてもそのまま先へ進む事ができる。
最奥にある扉へと入れば、ワールドボス「グレートコンドル」と対戦。
魔王モウルの配下として彼の企みに協力する、翼族の戦士。
見た目は名前が示す通り紫色のコンドル…と思いきや、よく見るとヒポグリフよろしく足が四本になっている。
グレートとは言うが、結局どこがどうグレートなのかについては特に語られる場面はない。
ミニゲームの内容はポカスカじゃんけん。
リール式のスロットでじゃんけんを行い、勝った方がハンマーで攻撃し、負けた方は盾で攻撃を防ぐ…要は叩いて被ってじゃんけんぽん。
3回勝負して、最終的にポイントが多い方の勝ちになる。
…のだが、ポイントを獲得できるのはじゃんけんに勝った上で攻撃を通せた時と、あいこや負けの時に相手が間違って攻撃を出してお手つきになった時の2つのみ。
つまり、防御している限り、相手のポイントが増える事はないので、先に一回でもこちらの攻撃を通してしまえば、
後はじゃんけんの結果に関わらず防御し続けているだけで簡単に勝つことができたりする。
ちなみに3回勝負してポイントが同じ場合は引き分け…にならず、相手側の勝利扱いになってしまう。理不尽。
メガドライブ版でも同様のミニゲームとなっているが、こちらは同点でも相手の勝ちにならず、
どちらかがポイントを取った時点で勝敗が決まる、サドンデス形式でゲームが続く形へと変更されている。
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ワールド2 |
《ワールド2: 森と水の国》
マーベルランド北側の大部分を占める、シルフィーが囚われているワールド。
前のワールドから一転して、足元には芝生に覆われた土が広がる、自然豊かな雰囲気のロケーションで、
背景にも人工物は少なく、緑の生い茂った小高い山がどこまでも続いている。
ワールド1と比べても難しさは格段に上がり、特に水場が多めで、全体的に足場の悪さが際立つ形となっている。
青いリフトが登場。
他のリフトと同じように上下に動いているのは同じだが、下降した際に水没するような挙動となっており、
また、水面に浮かんでいるボールのような見た目の足場は、ずっと乗り続けてると沈んでしまう。
ゴールターゲット直前にはマジックカーペットが設置されている。
この辺りから本格的にアクション面で要求されるテクニックが高度になりはじめる。
坂道ジャンプ+シーソーブロックから始まり、スプラッシャーから大ジャンプした後は、視点の都合上足元がロクに見えない中での着地を決めなければならない。
そこを抜けた先にある橋は、レーザーと小型メカで武装した強敵「メカモグル」が上の足場に居座り、下の狭い通路にはジェットモグルの大群が飛来してくる、中々の難所。
ジェットコースターステージ再び。
コースターが紫と緑の2つに増え、レールも2本となり、更にクリアまでにコースを2周する形となる。
2本のレールのうち、1周ごとにどちらか一方が「当たり」のルートとなっており、当たりの場合は分岐後、アイテムの置かれたシャトルループへと突入する。
当たりのレールは各周回でそれぞれ決まっているので適宜コースターを乗り換えていきたい…が、敵や看板が飛び交う中での乗り換えはかなり危険であり、うっかり足を滑らせて落下する事もしばしば。
ステージのほぼ全域に渡って水場が広がっており、水面や空中に浮かぶ足場を渡って進んでいく。
崩れる足場地帯は最速でジャンプすると向かってきたジェットモグルの編隊にぶつかってしまう、非常に嫌らしい作りとなっており、
そして終盤、フラフラとした揺れでこちらの足回りを乱してくる遊覧船が登場。
城塞ステージ。
最初に上へ上へと登るのだが、かなり足場が悪く、中々スムーズには登らせてくれない。
その先にある回転迷路からはかなり複雑にルートが分岐しており、しかも大半のルートでは、メデューサヘッドを始めとする左右からの容赦無い敵の攻撃にさらされる。
最後は、水面から飛び出すピラワニをかわしながら動く足場を乗り継いでいくという、1-1のそれを更に難しくしたような作り。
そこを抜けた先の扉に入れば、ワールドボス「ヨロイアンコウ」と対峙。
魔王モウルの配下として彼の企みに協力する、水棲族の戦士。
外見は鎧兜で武装した、二足歩行するアンコウの半魚人。
ミニゲームの内容は綱引き。
お互いに全力で綱を引っぱり合い、相手を中央の穴に落とした方が勝ちとなる。
ジャンプボタン連打で綱を引き、また、連打しながら上下左右のいずれかを入力すると両足で踏ん張る格好となり、
引っぱる速度がやや落ちる代わり、相手の引き返しに耐えられるようになる。
相手の引く力は中々に強く、勝つためにはボタンを破壊しない程度の範囲である程度高い連打力が求められる。
メガドライブ版でのミニゲームは風船割り。
9つのポンプの中から当たりのものを見つけ出し、綱引きと同様にボタン連打で相手の水風船を膨らませ、先に割った方が勝ちとなる。
この時、水風船の真下で降り注ぐ水を浴びる役をお互いに用意するのだが、
パコの方はというと半泣きでピョンピョン飛び跳ねるリアクションがかわいいのと後ろ手に拘束されているのをなんとか解こうと必死に身体をよじってもがく姿が妙にエロいお助けバニーなのに対して、
相手側からはマダムアンコウなる謎の新キャラクターが唐突に現れる形となる。
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ワールド3 |
《ワールド3: お菓子と夢の国》
ワールド1から岩山を挟んで丁度反対側に位置する、スウィーティーが囚われているワールド。
背景にはキャンディケインやアイスクリーム型のオブジェが並び、地面はピンク色のスポンジ、そして建物はケーキやシェイクのような見た目、
さらにオレンジ色のジュースが水の代わりに満たされていたりと、こと、ファンシーさとカラフルさについては随一。
しかしその雰囲気に反して、難易度は前2つのワールドを更に上回る。
ステージ構成は嫌らしさを増し、時に一瞬の素早い判断が求められる。
空中に浮かぶエクレア型の足場を乗り継いでジュースの海…もとい水場を越え、
屋根を隔てて上下二層に分かれた地上を進む、という流れを前半と後半でそれぞれ繰り返すステージ構成。
上層はジェットモグルの槍に加えて煙突から吐き出される黒煙が行く手を阻み、下層は強敵メカモグルが複数体巡回しており、どちらを選んでも過酷な道程となる。
このステージ限定のギミックとなる、水面に浮かぶタルが開始直後に登場。
慣れない操作に苦戦しながらも空と水中から襲い掛かる敵の大群を突破すれば、待ち受けるのは二艘の巨大な遊覧船。
相変わらず揺れで安定しないジャンプの挙動に加え、特に二艘目の船内は、挟まれれば当然即アウトな3基のピストンシリンダーをはじめとして非常に殺意が高い構造となっている。
実はスタート直後の水場については、敵を乗り継ぐように連続でジャンプする事でタルのギミックを無視して先に進めたりする。
二艘目の船も、左右の動きに合わせてタイミングよくジャンプすれば、船内を丸々スルーして一気に屋根上へと登る、という形で大幅なショートカットが出来たりも。
ジェットコースターステージその3。
コースターはコースターが紫と緑に加えて赤の3つ。レールも3本となり、概ね予想はつくであろうがコースも3周する形となる。
各周回で3つのルートのうちどれかが当たりとなっているのも同じで、
どれが当たりのルートかについては、合流した際にレールの上に並ぶシェイクで示されているので、多少ではあるが見分けやすい。
逆にハズレのルート2つのうち更にどちらか一方は、急加速と同時に看板がいくつも迫ってくるかなり危険なルート。
城塞ステージ…なのだが、それまでの2つの城塞の内装が灰色の無機質な石造りだったのに対して、
こちらはワールドのファンシーな世界観に合わせて小麦色のビスケットやクッキーを全体に敷き詰めた、まるでお菓子の家の内部のような雰囲気の見た目となっている。
しかしやはりというか、難易度の高さはそんな外見に反比例するかのごとし。
特に、道中の長さに関しては全ステージの中でもトップクラスであり、印象に残るギミックだけを挙げても、
- 連続ジャンプで飛び移って進む、崩れる足場。
- そこかしこから敵が現れる、上へと続く巨大な空洞。
- このステージにしか出てこない、ネームプレートで飾られたスポンジケーキのような見た目の回転足場。
- 上下に動くトゲ玉が行く手を阻む狭い通路。
- 最後にウイングを取得し、一面のトゲ床とメデューサヘッドの攻撃を避けながら慎重に降下。
と、かなりの長丁場。
特に最後の二つについては イライラ棒的な要素が強く、タイミングを見定める力と精密な操作が要求される。
降りた先の扉に入れば、ワールドボス「プリンセス・ア・ラ・モード」と対決。
モウルの配下として彼の企みに協力する、夢魔族の魔女。
青肌が特徴的な妖艶な雰囲気の女性で、名前が示す通り下半身は胴体がブッ刺さるような形でプリンと一体化している。
設定によると、どうやら彼女は元々妖精族であったらしいとのこと。
ミニゲームの内容はヨロイアンコウと同じく綱引き。
あちらと比べて引っ張る力が上がっており、更に高い連打力が必要となる。そしてボタンにかかる負荷もヤバい。
メガドライブ版ではヨロイアンコウのミニゲームが変更されたので、綱引きは彼女が担当…とはなっておらず、こちらのミニゲームも カード探しに変更されている。
2回連続でボタン連打がメインのミニゲーム、という流れはやはりよろしくなかったのだろうか。
ルールは、4×4の16枚のカードの中から、お助けバニーが提示する記号と同じものが描かれたカードを相手より先に見つけ、先に3回見つけた方が勝利、というもの。
記号はランドルト環( 視力検査なんかで使われる アレ)と斜めの棒を組み合わせたような見た目で、似たような記号がずらりと並ぶので慣れないうちは惑わされてしまいがち。
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ワールド4 |
《ワールド4: マーベル城》
冒険最後の舞台となる、ルクシーが囚われているワールド。
中央の岩山入口へと繋がる氷漬けのアトラクションを突破して岩山から地下へと降り、マーベル城を覆い隠す形で作られた魔王モウルの拠点、モウル城へと潜入する。
最後のワールドという事で、当然ながら攻略難度はトップクラス。
ありとあらゆるギミックや敵の配置が、ここまで来たプレイヤーの心を徹底的にへし折らんとばかりに牙を剥く。
アケアカ版の中断機能を使った疑似クイックセーブを駆使してもかなりの回数リトライすることに…
地獄その1。
まず目に飛び込んでくるのは、スタート地点から一面に広がる凍りついた足場。
当然、ブーツ無しだと滑ってしまうため、足回りに関しては劣悪そのもの。
そんな状況の中でこちらを待ち構えるのは、ピラワニに加え同じように水面から飛び出してくる敵「オトシゴン」が前後から炎を飛ばしてくる狭い足場、
凍った上り坂の頂上に陣取るメデューサヘッドを始めとするガチガチの防衛ライン、そして下り坂で一気に加速してからの、足を踏み外したら即アウトな連続ダッシュジャンプetc…と、
それまでの3つのワールドがまだずっと有情だった、という事実を改めて思い知らされる羽目になる。
ちなみに最後のスプラッシャーはあろうことか 一部が水没しており、そこにちょっと触れただけでも 当然のごとくミスになってしまう。河童じゃ!河童の仕業じゃ!
地獄その2。
中央の岩山内部から地下へと降り、モウルの居城を目指していく。
いきなり行く手を阻むのは天井のトゲとシーソーブロックのコンビネーション。
その先にある大きな縦穴は本ステージ随一の鬼門であり、上からは敵「ドカタント」がひっきりなしに降らせてくる岩、左右からはメデューサヘッドの放つレーザーにさらされ、
そして当然のように穴の底に見えるのはトゲ床。
さらに縦穴から先へと進める抜け道には、一面の凍りついた坂道とランダムなタイミングで落ちてくる氷柱がセットで仕掛けられているという鬼畜っぷり。
そこを突破しても、凍った下り坂+角で待ち構えるメデューサヘッド、一面に広がる溶岩の上に点在する狭い足場と続き、
最後に立ちはだかるのは半分溶岩に浸かった回転魔法陣と、どこまでも容赦の無いステージ構成。
とどめとして制限時間までも非常にタイトに設定されており、中間地点を挟まない場合だと、余程スムーズに進まない限り途中で時間切れになるのは必定。
地獄その3。
初っ端からランダムなタイミングで降り注ぐ鍾乳石をかわしながら足場を乗り継いでいき、それから非常にシビアな一マス足場の連続ジャンプ。
狭い縦穴の左右に多数配置されたメデューサヘッドを掻い潜れば、
天井には一面のトゲ、左側からは敵が撒き散らす炎の弾幕、そして下は当たり前のように溶岩に沈みかけている回転迷路を下から上に登り、
最後には敵を連続で踏みつける形でのチャンスは一度きりな溶岩渡り、そしてゴール直前、溶岩渡りが成功して安心したプレイヤーを初見殺し全開で仕留める気満々なメデューサヘッドの配置と、
ラストバトル直前というだけあってその道中は過酷そのもの。
それまでと一転して、ステージ自体は非常に短い…が、その短い道のりの中で、待ち受ける敵の群れがこれでもかと言わんばかりの苛烈な弾幕を繰り出してくる。
分身があれば対処は楽だが、無いのならばしゃがみ移動を駆使して安全地帯を渡り歩くように進まない限り、突破は容易ではない。
そして最深部にある扉へと入れば、ルクシーを攫った本作のラスボス、魔王モウルとの決戦の火蓋が遂に切って落とされる。
…しかし、ここまで来ておきながら勝負内容は またもやミニゲーム。しかも ワールド1のグレートコンドルと同じポカスカじゃんけん。
ラスボスともあろうお方がそれでいいのか…?
とはいえ、最後のミニゲームというだけあってじゃんけんから入力までの猶予はワールド1のそれと比べて格段に短くなっており、 刹那の見斬りの後半戦もかくやといった具合。
前述した通り、1回でも先制できればこちらの勝利が確定するので、
リールがゆっくりになったタイミングで、出目の動きから勝てそうな手が出てくれるかどうかをあらかじめ予想しておき、
勝てると確信した時点で全力で攻撃ボタンを連打、というやり方なら、攻撃は比較的間に合いやすくなる。
コンシューマ機ならポーズ連打で堂々とイカサマする、という手も。
メガドライブ版でのミニゲームはモグラ叩き。
パコとモウルがBGMに合わせて9つの穴を出入りし、
BGMが止まったタイミングで、お互いに隣り合っているならハンマーで相手を叩いて先制した方がポイント獲得、3ポイント先取で勝ち。という椅子取りゲームのようなルールとなっている。
ともかく、ミニゲームをクリアすれば、地上の支配を目論むモウルの野望も御破算。
無事にルクシーを救い出し、マーベルランドには再び平和が訪れたのでした。
これにてゲームクリア!
めでたしめでたし……
と、すんなり終わってくれるはずもなく…
むしろミニゲームに負けた程度であっさり引き下がる他のボス達が不甲斐なさ過ぎるのではないのか、とツッコミを入れたくなる上記の台詞と共に、
魔王モウルとの直接対決が幕を開ける。
モウルの攻撃パターンは二つ。
上空をフワフワと左右に飛び回りながら、パコと距離が近ければ、
高速で短くスライドしつつ、真下と斜めの三方向に撃ち分けられるレーザーを手にした杖から放ち、
逆に距離が離れていると、突然動きを止めてから、こちらに向かって地形をすり抜ける突進を単発で繰り出してくる。
そしてパコの方も最終決戦という事で、3人の妖精から託されたトライデントスターが宙に浮かび、クルクルと自身の周囲を回り始める。
モウルには踏みつけの他、このトライデントスターを当ててもダメージを与えられ、また上下入力で回転の半径を調節する事ができる。
しかし攻撃を当てるのは中々大変。
左右にフラフラと動くせいでトライデントスターは半径の調節が難しく、加えてモウルはパコに対して一定の高さを保とうとする特性を持ち、
こちらが踏みつけを狙おうと空中に浮かぶ足場に陣取っても、それに合わせて更に高空へと逃げられてしまう。
一方で相手の攻撃について言えば、撃ち下ろしてくるレーザーは予備動作が短いうえにスライド移動も合わせて思いの外攻撃範囲が広く、
下からすれ違う際の事故要因となりがちで非常に厄介。
そして何より、台詞が終わって戦闘開始までのインターバルがほとんど無く、更にお互い間合いが近い形で戦闘が始まる為、
台詞が終わるとともに突然カメラがズームアウトして戦闘開始。
↓
困惑したままのプレイヤーに向かって オジギ終了から僅かコンマ2秒のタイミングでレーザーを繰り出して不意打ち。
↓
そのまま回避する間もなく攻撃を喰らってミス。
という凄まじい初見殺しが起こったりする事も珍しくない。
では、逆に最大の攻撃チャンスはどこかとなると、それは相手の突進の終わり際。
突進の際に高度が下がるので、カウンター気味にこちらの踏みつけを当てられ、さらに踏みつけと同時に相手は下方向へと大きくノックバックする。
とどめにモウルは自分より上にいる相手への攻撃手段を持ってないため、上手く左右に移動すれば、
ひたすら上昇しようとするモウルを何度も何度も踏みつけてそのままハメ殺してしまえたりもする。まさにモグラ叩き。
直接対決の末、遂にパコはモウルを打ち倒し、闇の水晶球に囚われていたルクシーも解放される。
これにて、今度こそゲームクリア…
エンディングを迎えるのはまだ早い。
これもある種のお約束と言うべきか、城の主が倒されたのと同時に崩壊を始めるモウル城。
二人で地上へと帰還するべく、パコはルクシーの手を取り、溶岩の中へと崩れゆく地下空間を駆け抜ける…
ここが真の最終ステージということで、全体の長さこそそれ程ではないものの、やはり難易度は相応に高い。
開始直後、落下する鍾乳石から逃げるような形で、崩れる足場の道をまっすぐ進むのは序の口。
段々と足場の数がまばらになっていき、鍾乳石から逃げ切ったかと思えば今度は足場を飛び移って上へ上へと登っていく。特に最後の方の足場の間隔はかなりギリギリ。
そうしたらまたしても崩れる足場の道と落下する鍾乳石。しかもこちらはランダムなタイミングで降ってくるので、短い猶予の中での状況判断が求められる。
そこを突破して最後に巨大なスプラッシャーに飛び乗り、勢いをつけて頭上高くの縦穴へと大ジャンプする事で、本ステージはクリアとなる。
何より無慈悲なのが、ステージ開始と同時にパコの残機は全てスコアに変換される、つまり本ステージはミスの許されない一発勝負となっている点。
一応ミスしてもゲームクリアとして扱われるが、エンディングは難易度EASYでクリアしたものと同じ、敵キャラ達が紹介されるだけの寂しいものになってしまう。
メガドライブ版では大きく仕様が異なり、脱出パートそのものがワールド5として扱われている。
上に登るときの足場スペースが広くなり鍾乳石のランダム落下が無くなったので、慣れればほぼノンストップで進むことができる。
崩れる足場を抜けた先の最後のスプラッシャーが無くなっており、そのまま先に進むと前半パートであるエリア1が終了。
ジェットコースターに乗り、追加された後半パートであるエリア2が始まる形となっている。
また、開始前の残機のスコア変換も無くなっており、途中でミスしてしまっても残機がある限り各パートのスタート地点からやり直すことができる。
脱出シーンのBGMは、前半の危機感を煽るものから希望を感じさせる中盤へと変化し、最後のスプラッシャー(ジェットコースター)のシーンでクライマックスを迎える、と大いに盛り上げてくれる。
脱出シーンではアーケード版はミスしたときはパコだけ吹っ飛んでいくが、メガドライブ版では二人仲良く回転する。
パコがジャンプして落下モーションをとった後、向いている方向と反対に少しだけ方向キーを押すとルクシーと向い合せることができる。
無事に脱出に成功すれば、ようやく本当のエンディングへと移行。
地下のモウル城と共に崩れ去っていく、中央の大きな岩山。
その中から姿を現すのは、モウルに支配される前の、マーベルランドの本来のシンボルであったマーベル城。
そして、遠く離れた丘の上で手を繋ぎながら、その光景を眺めるパコとルクシー…
かくして、本作「マーベルランド」は完全クリアとなる。
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【余談】
当時発行されていた
ゲーメストでは高い評価を与えられており、
読者投票式企画
「ゲーメスト大賞」では、1990年開催の第4回にて
5位に入賞。
それ以外にも同時に様々な賞を受賞し、主人公であるパコも、
ベストキャラクター賞にて
4位となっている。
前述した通り、アーケード版についてはある程度世代が下ったコンシューマ機においても、ダウンロード販売という形で何度か復刻の機会に恵まれているが、
アーケード版からの移植にあたり内容に色々と手を加えられているメガドライブ版の方は そうした機会にさっぱり恵まれず、
手に取って遊ぶのは中々難しい状態となっている。
- 基板を解析すると、ボーナスステージには未使用のフロートがふたつ存在するのよね -- 名無しさん (2024-10-07 21:06:43)
- マーベルランドは未プレイだけど、注釈の4はミンキーモモじゃなくて「ワンダーモモ」では?ウィキペディアを見る限りだとモモの山車も登場したみたいだけど -- 名無しさん (2024-10-07 22:32:56)
最終更新:2024年10月09日 21:12