エア(ACVI)

登録日:2024/10/13 Sun 17:37:23
更新日:2025/04/07 Mon 12:28:19
所要時間:約 26 分で読めます






あなたが巻き込まれたコーラルの逆流
あれは…予兆に過ぎません
ルビコンを焼き払う…この炎と嵐の

エア(Ayre)とは『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』の登場人物。

以下、目次の表記も含めて作中のストーリー等についてのネタバレを多分に含みますので
これから当該作品をプレイしようと考えている方、ネタバレを回避したい方は閲覧しないことを推奨します。



人物

本作におけるウォルターと並ぶもう1人のオペレーターポジション。
ストーリー序盤で主人公の621がコーラルの噴出に飲み込まれた先、突如として交信が可能となった存在。
他キャラクターと異なりエンブレムは無く、通信では主に小さな赤い点や波形で表現される。

621の脳波や電子機器への干渉ができるが621以外はエアの存在を感じ取ることはできず*1、621から報告を受けたらしいウォルターには幻聴として処理されている。
621を傭兵ライセンス名である「レイヴン」と呼び、集積コーラルへの旅路に同行(?)。
初登場時含めて「ルビコニアン」すなわち「ルビコン3の住人」を名乗るが、生身での活動で協力することは行わず、本人の弁によれば資産も持たない。しかしACのオペレートや情報解析に優れ、ミッションサポートとして621に協力する。

なお、おそらく趣味はハッキング。それも特に理由もなくハッキングした挙句、バックドアを作って621がアクセスできるようにするという倫理観のなさを見せてくる。
それにしても本人も「システム解析や改竄には多少の心得があります」と謙遜しているが、どこでそんな技術を磨いたのだろうか
登場以降ウォルターと共に621に寄り添い、実体こそ見えないものの強い存在感を発揮。
感情を露わにしないタイプながら621への態度は距離感がかなり近めその割には妙にこき使うで、色々な事に興味を持つが感性は結構独特。
どこか純朴で、裏切り行為といった敵味方の立場の入れ替わりを上手く理解出来なかったり、あまりにイカれた言動を繰り返す相手に対しては理由が分からぬあまり撹乱工作かもしれないと深読みをしてしまう事も。
オールマインドの口上の物真似をしてみてウケなかったと悟ると恥ずかしそうに謝ったり、ウォルター不在時には私的に任務を依頼し、2人で過ごせる時間を何処か楽しんでいるような発言をするなど、可愛らしい様子も見せている。

ウォルターやカーラに並ぶ本作重要人物の一角を担い、ストーリー終盤におけるルート選択によって立ち位置が大きく変貌する。

メインストーリーにおける活躍

チャプター1

ミッション「ウォッチポイント襲撃」


あなたには私の「交信」が届いているのですね

私はルビコニアンのエア

目覚めてください

あなたの自己意識が…
コーラルの流れに散逸する、その前に

チャプター1ラストミッション。
ウォルターの指示で襲撃したウォッチポイント地下のデバイスを破壊直後、予期せぬコーラル爆発に巻き込まれる621。
その最中で脳内に響いてきたのがエアの声であった。
エアはコーラルの奔流に呑まれかけていた621の意識を覚醒させて引き戻す。


あなたの脳波と同期し
「交信」でサポートします

メインシステム、戦闘モード再起動

その直後、惑星封鎖機構の無人兵器、バルテウスが襲来。
ウォルターとの通信も回復しない最中、エアのサポートを受けながらコレを退けることとなる。

チャプター2


レイヴン
あなたにお願いがあります

集積コーラルに到達するまで
あなたとの交信を続けさせてほしいのです

コーラルを巡るこの戦いがどこに向かうのか
私は見届けなければならない
ひとりのルビコニアンとして

エアのサポートもあって無事にバルテウスを撃破し621は帰還。
ウォルターからはエアとの交信について「旧世代型強化人間にはよくある幻聴」と一蹴されるも、
続くように脳内でエアはこのように発言し、以降もミッションにおけるあらゆる場面でサポートをしてくれるようになる。

チャプター2で621はウォルターから、次の目的地がアーレア海を越えた先にある中央氷原であること、
そこを目指す前に野暮用を片付けてくるまで、自分が戻ってくるまで休むのが仕事だと指示を受けるのだが、
すかさずエアは中央氷原調査についてベイラムから名指しで依頼が入ってることに加え、
そこに向かう手段としてグリッド086上層区画に備え付けられた大陸輸送用カーゴランチャーを使用することを提案。とんだ休日出勤である。
彼女のサポートで同グリッドに進入し、そこを根城にしているドーザー一派「RaD」と、その頭目であるシンダー・カーラと出会うことになる。

後にウォルターとカーラには当初から深い繋がりがあったことが判明するのだが、
621がカーラと繋がりを持ったのは、元を辿ればエアの提案に起因する全くの偶然である。
とはいえカーゴランチャーの使用も含め、ウォルターからしてみれば621の無茶振りに心労が絶えなかった事以外は結果オーライだったということになる。

ミッション「海超え」


あなたと出撃するのはこれで3度目ですね
少し慣れてきました、レイヴン

チャプター2ラストミッション。
急ににちょっとデレたりするエアを他所に、カーラの手引きでカーゴランチャーを用いての海越えを行うことになる。

Radの縄張りから離れ、惑星封鎖機構が衛星軌道からの超長距離レーザー狙撃で睨みを効かせている危険地帯を強行突破しつつ、何とかカーゴランチャーの下までたどり着くものの、
乗り込もうした矢先、突如としてルビコン調査技研の遺産である特殊兵器「シースパイダー」の襲撃を受けることに。



コーラルを、動力に使うなんて…

どうにかこれを切り抜け、面白いものを見せてもらったと621の実力に感心を示すカーラとは違い、
コーラルそのものを動力に大暴れしていたシースパイダーの残骸を前に、
どこか普段とは違う静かで、されど沈痛な声色でエアは言葉を漏らしていた。

予想外の襲撃こそあったものの、そのまま621はカーゴランチャーへと乗り込み、中央氷原を目指すことに。
しかし、エアはカーゴランチャーを使う事を提案したものの、ここまでの間621とプレイヤーには具体的にどういう代物かの説明が一切なかったため、621は割と本気で死にかけるハメになった。
挙句直後のチャプター3は普通に企業勢力が中央氷原に進出してから始まっており、621は命がけで先行したものの特に進捗が無かった…とよく勘違いされるが、
正確には621の先行調査を受けて企業勢力が中央氷原に進出したと説明されている。

チャプター3

チャプター2での3度の出撃も経て段々とエアの態度も柔らかくなっていき、621に対する口数も増していく。
が、脳内でのみ交信できる謎存在ということもあってか、発言の節々に普通の人間とは大きく感性が異なるぶっとんだものが混じることも。

ミッション「坑道破壊工作」


レイヴン、あなたの仕事は…
いつも危険と隣り合わせです

大豊の依頼により、封鎖機構の手が入る予定のエンゲブレト坑道奥地にあるセンシングデバイスの破壊工作を行うことになる。
大した敵もおらず、デバイスを破壊して難なく完了と思いきや、突如として大量のコーラル逆流現象が発生するアクシデントに巻き込まれる。
間一髪のところで脱出には成功するものの、一歩間違えればコーラルに呑み込まれて命を落としていただろう621を前に、
改めてエアは彼が置かれている過酷な状況に心を痛めているようであった。

ミッション「ヴェスパー7排除」



いろんな人がいるものですね

ルビコン解放戦線の依頼で、壁の奪還に向け、現在のアーキバス駐留部隊を率いているスウィンバーンの排除を行うことになるのだが、
件のスウィンバーンが面白愉快なネタキャラだったり、解放戦線を裏切ったら裏切ったで粛清に現れたのがあからさまにニンジャだったり、621が情け容赦のない騙し討ちをしたり
エアも困惑を浮かべる他ないくらいに「いろんな人がいる」ミッションだった。

ミッション「無人洋上都市調査」


…そういえば
ウォルター抜きでふたりだけの
ミッションも久しぶりでしょうか

…制御装置も逃げはしないでしょう
ゆっくり探してください、レイヴン

ウォルターの友人からの依頼でコーラルの情報を得るために洋上都市ザイレムへと進入。
妨害用のECMフォグが多数配置されているために強力な通信妨害が発生しているのだが、
その影響を受けないエアのサポートが非常に頼もしいミッションでもある。
最終的に全てのECMフォグを解除し、乱入してきた惑星封鎖機構の大型ヘリも退けて調査は完了。
しかし、エアはこの一件でザイレムの存在と、その調査を依頼したというウォルターの「友人」の存在を不審に感じるようになる。

だが注目すべきはミッション終盤。
久方振りのウォルター抜きで621と2人きりのミッションだったことを思い出したかと思いきや続けて上記セリフ。
要は「もう少し2人だけの時間を堪能させてください(意訳)」などと、もう完全にデレッデレな発言をナチュラルにしてくるのである。
なお、このミッションは隠しパーツがあるため、メタ的にはゆっくり探索して隠しパーツを探せという事でもある。
ストーリーは兎も角リプレイでこの言葉にまんまと釣られるとSランククリアを逃すハメになるが


ミッション「大型ミサイル発射支援」


レイヴン
綺麗な花火ですね

RaDのカーラからの依頼。
競合相手のドーザー組織「ジャンカー・コヨーテス」が惑星封鎖機構に寝返り、調子に乗ってRaDにしょっちゅうちょっかいをかけてくる現状にしびれを切らし、
コヨーテスの根城にRaD特製の大型ミサイルをぶち込むべく、発射を護衛するミッション。

発射阻止に現れた敵の攻撃を見事防ぎ切り、発射されたミサイルが敵の本拠地に直撃してそれはもう大惨事。
だってのに至極落ち着いた様子でエアが呟き、そして渋谷から先行体験会に来たとあるドミナント(fireworks)を伝説にしたのが上記セリフである。
どこぞの宇宙の帝王じゃないんだから。

ミッション「旧宇宙港防衛」


戦う理由を自ら選び、そのために強く羽ばたくこと
それが「レイヴン」の証明だと言うのなら
私は…変わらずあなたをそう呼びたいと思います
レイヴン

バートラム旧宇宙港にて、621が名を騙っていた本物の「レイヴン」と対峙することになるミッション。
激闘の末に真・レイヴンを撃ち破った621に対し、エアは自身が調査したレイヴンの名の由来を語ると同時に、
その上で自身の側にいるのは621という命令に従うだけの猟犬などではなく、
自らの意思で戦う理由を見定め羽ばたこうとしている、「レイヴン」であると静かに告げていた。

ミッション「旧時代データ回収」


あなたがルビコンの過去やコーラルについて
何かしら思いを巡らせてくれたなら
…私としては嬉しいです

企業やウォルターが一切絡まない、調査という名目のエアとのデートミッション。別名「坑道デート」
彼女の個人的な依頼として上述のエンゲブレト坑道へ再度侵入し、機体残骸から様々なデータを集めていく。

ブリーフィングの時点で今までのミッションとは明らかにテンションが違うと丸わかりなレベルでウッキウキであり、
2人きりなのをいいことにこれでもかと621とのトークを楽しむエアの姿は見ていてとても和む。
なお帰宅時には待ち構えていたウォルターに長時間の外出を窘められる。夜遊びを見つかった子供のような気分になった621もいるとか。





とまあそんなこんなでイチャコラしていたかと思いきや、ストーリーの折り返しにもなる同チャプターのラストミッションにおいて、
遂にエアの口から彼女の正体について語られることになる。

ミッション「アイスワーム撃破」

チャプター3ラストミッション。
惑星封鎖機構が起動した氷原のバケモノことアイスワームの撃破のために、複数の勢力が一堂に会することになる。
因みにアイスワーム撃破任務の際に特効兵器ことスタンニードルランチャーを付け忘れて出撃すると、何やってんのこの人とばかりにため息を付かれるが一部の脳を深部まで焼かれた621にはご褒美である

過去に戦ったシースパイダーと同様、コーラルを動力源にして縦横無尽に暴れ回るアイスワームとの戦いは熾烈を極めたものの、
最終的にはラスティの最大出力レールガンでシールドを完全破壊した後、621がトドメ役を担ったことでアイスワームは沈黙した。


コーラルが…また失われていく…

レイヴン
あなたに…伝えておきたいことがあります

そんな中、アイスワームの残骸とその周囲を漂うコーラル反応を前にして、
エアは嘗てのシースパイダーの時と同じようにどこか寂しさを漂わせる声で語り始める。


チャプター4

ストーリーも後半へと突入していく中、621はウォルターの指示で膨大なコーラル反応を示すウォッチポイント・アルファの深部へと潜っていく。
ここでもエアは変わらず621のサポート役としての実力を存分に発揮。
端から見れば621が単独で物凄い勘の良さを発揮してるようにしか見えなかったため、ウォルターからも「嗅覚でも備わったか?」と驚かれるばかりであった。
一方でエアはウォルターの「友人」なる人物が実在しない事を突き止め、ウォルターへの疑念を深めていく事になる一方で621を応援する時は一方通行の息ピッタリなやり取りを見せる

その果てにウォッチポイント・アルファの最深部、嘗てのルビコン技研都市とその先にある集積コーラルへと遂に辿り着くものの、
番人である特殊兵器、アイビスシリーズとの激闘直後の隙を突かれ、621は囚われの身となってしまう。

チャプター5





余談

主人公の脳内にだけ声が聞こえるカワイイ女の子(推定)で、しかも早々に唯一自分のことを認識できる特別な存在である621にデレデレになり、
ストーリー終盤ではどのような選択を取ったとしても、最後まで621のことを案じていたその献身っぷりからプレイヤー間でも人気が高い。

当然、脳をコーラルに焼かれたプレイヤーたちの間でも他の人気キャラと同様に二次創作が盛んに行われている。
傾向としてはコーラルの赤い光とその儚げ、献身的な姿勢から、白肌、赤みがかった白髪に赤目で大人びた女性の姿を幻視する者も多い。
しかしそのコアパーツに関しては人によって意見が分かれ、今日もどこかで貧乳か巨乳かコーラル中毒者共の意見がルビコンの灼けた空を飛び交っている

なお、ファイルーズ氏は普段はお調子者の能天気キャラクールな女傑が多く、エアの様な儚げなヒロインは実はかなりのレアケースだったりする。

名の由来は独唱曲を意味する「エア(Ayre)」。
「エール」や「アリア」とも言い、文字通り誰にも聞こえない声を独りで響かせ続けていた彼女の境遇にピッタリのもの。
それ故か、彼女と関わりの深いとある機体も「音」に関連する名前となっている。




レイヴン、私があなたの追記・修正をサポートします。

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最終更新:2025年04月07日 12:28

*1 物語が進むと解放戦線からの依頼の仲介は主にエアが行うようになり、エアの個人的な依頼によるミッションでは収集したデータをエアが売り払うという形で報酬を作り、「ルビコンの解放者」ルートでは情報機器を用いて各陣営にレイヴン名義でメッセージを送っていることから、電子的な方法でコミュニケーションをとることは普通にできる。

*2 一応、チャティが『戦死』した直後でもあり、あくまでカーラからはそう見えたという評価なので実際どうだったのかは不明。あえて言うならば、プレイヤーの感情がそのまま621の想いになるのだろう。

*3 一応、この時全く無名のエアがルビコニアンたちを扇動する手段が他に無かったのも事実なので仕方ない話ではある

*4 メタ的には回避方法を明確に設定してしまうともう片方のルートを選ぶ大きな理由が無くなってしまう(ウォルターたちの能力不足で過激な手段を取ったことになってしまう)ので互いのルートを等価とする上ではこうせざるを得ないものと思われる。

*5 エアがインテグレーション・プログラムにハッキングし始めるのは賽投げルートチャプター3突入時だが、この時点でオールマインドから特に依頼を貰っておらず、ゴーストとオールマインドの繋がりも気づいていない。1周目でネストを解放される件といい、この辺りはオールマインドが完全に被害者である。

*6 実のところ、たまに歩き始めるのは「火」ルートでもやるので、戦い慣れていないエアの操縦の癖や、息継ぎの長いコーラルジェネレーターの特性の表現とみる事もできる。

*7 ラスティ役の加瀬氏とペイター役の下川氏も実況動画で「これバッドエンドだろ」「エア的には良いエンディング」と評している。