セブンスターズ(鉄血のオルフェンズ)

登録日:2025/01/01 Wed 00:11:34
更新日:2025/04/10 Thu 11:10:38
所要時間:約 15 分で読めます







本記事では『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場する武力組織ギャラルホルンにおける『セブンスターズ』の解説を行う。

なお、初代当主達やその搭乗機については本編では語られておらず、アプリゲーム『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ウルズハント(以下『ウルズハント』記載)』や同時進行で展開していたMSVで詳細が明かされる形で名前が登場しているため、本記事ではそれも併せて記載する。



【概要】

武力組織ギャラルホルンを束ね、管理運営する7つの家門。
組織運営はこの7家代表の合議で行われる。

その歴史は本編時点で約300年になるが、当主達は別に300年間生き続けてるわけでもなければもっと上の存在がいたりもしない。


【歴史】

その始まりは、モビルアーマー(MA)をによる人類絶滅一歩手前まで進んだ厄祭戦において、ガンダム・フレームMSを驅ることでモビルアーマーを討伐し、戦争を終結に導いた英雄達とされる。
現在のセブンスターズはその英雄達の子孫にあたり、各家の初代当主からガンダム・フレームを継承している。

セブンスターズの席次は、当時MAを撃墜したエースに与えられた撃墜スコア「七星勲章」の取得数で決められているらしい。


【問題点】

とまあここまでならかつてギャラルホルン設立に大きく貢献した英雄達の末裔ということだけで済むのだが、時が過ぎれば人も組織も変わりゆくもので、ただでさえ意見が一致しないことの多い合議制に加え、当主が世襲制ということもあって組織運営には下々の意向はろくすっぽ聞き入れられず、セブンスターズ当主やその子息はどんなに能力の低いものや問題児でも一定以上の権力を手に入れてしまい、逆にセブンスターズ以外で能力がある者でも7家の直系でなければ出世に限界もあり上に意見するにも限界のある風通しの悪い状態になってしまっている。

逆に言えば7家に気に入られれば組織内での差別対象となる地球外出身者でも一定の地位に就くことができるが、そもそも肝心の当主に能力がなければ意味がないため、7家関係者に見込まれたことで地位を得た者は劇中でもジュリエッタと石動、『ウルズハント』に登場するロンドしか確認できない(アインはあくまでガエリオ個人のお付き扱い)。

その結果組織の内部腐敗も進み、上層部は権力闘争や汚職のるつぼと化している。組織自体も巨大化が進んだゆえの硬直化や権威主義への傾倒が目に余る。


【セブンスターズ各家】

ファリド家

家紋:北欧神話の魔犬・フェンリル
当主:蒔絵・ファリド(初代)→イズナリオ・ファリド(〜1期)→マクギリス・ファリド(2期)
保有ガンダム:ガンダム・ムルムル

現地球本部司令官・イズナリオの家。
養子のマクギリスをボードウィン家のアルミリアと婚約させ、イシュー家子女の後見人を務めるなど、セブンスターズでは事実上のトップに位置する。
しかし養子と言ってもその実態はイズナリオが元は他人の男娼から拾ってきた庶民の出で、このこともマクギリスが改革を目指す原動力となっている。
なお、イズナリオに正妻がいたのかは不明。

CV.櫻井孝宏
ギャラルホルン監査局特務三佐(1期)→ファリド家当主兼地球外縁機動統制統合艦隊司令官。
有能かつ高潔な人物。後に准将に昇格し、地球外縁軌道統制統合艦隊司令となる。
詳細は当該項目を参照。

イズナリオ・ファリド
CV:速水奨
ファリド家当主兼ギャラルホルンの地球本部司令官。マクギリスの養父。
マクギリスの婚約を認めたりカルタの後見を務めるなど、セブンスターズ内部での地位固めを怠らないばかりか、アーブラウ連邦のフリュウ議員とコネクションを作り、自身の権力を盤石にしようとする。

稚児趣味があり、金髪碧眼の美少年ばかりを囲っては夜な夜な弄ぶド変態鬼畜男。
しかし趣味に合えば身分関係なく食うなどある意味で平等であり、その中から優秀だったマクギリスを見出し「妾の子」との体裁をつけて養子にした。本当の妻子がいたことがあるのかは不明*1
養子にした後もマクギリスにはアザができるほどのプレイを行なっていたため、マクギリスからは激しく恨まれている。
当のイズナリオは、マクギリスの抱く憎悪にはこれっぽっちも気付いていなかったのだが。
その変態さ加減はラスタルを始めとした一部の者は知っていた模様。
第1期終盤でマクギリスの手回しによって失脚し、亡命する羽目となった。

  • 蒔絵・ファリド
初代ファリド家当主。
厄祭戦ではガンダム・ムルムルに搭乗していた。

ボードウィン家

家紋:北欧神話の主神オーディンの乗馬・スレイプニル
当主:ガーギン・ボードウィン(初代)→ガルス・ボードウィン
保有ガンダム:ガンダム・キマリス

当主の娘であるアルミリアがマクギリスに嫁いだことでファリド家とは良好な関係となっている。

ガエリオ・ボードウィン
CV:松風雅也
ギャラルホルン監査局特務三佐(1期)
マクギリスとは親友同士で、彼の妹がマクギリスの許嫁になっているなど、家同士の交流も深い。
詳細は当該項目を参照。

ガルス・ボードウィン
CV.星野充昭
ボードウィン家当主にしてガエリオとアルミリアの父。
長身で体格のいい偉丈夫だが人当たりのいい穏やかな性格で、娘婿となるマクギリスにも期待を寄せている。
しかし、年端もいかない娘の政略結婚に応じてしまうあたり、悪意はないのだがギャラルホルンの悪い面にも染まっている。

  • アルミリア・ボードウィン
CV:加隈亜衣
ガエリオの妹。9歳この年でマクギリスと許婚の関係を結ばされているあたり、ギャラルホルンという組織の貴族主義・権力志向な傾向が覗える。
もっとも本人はいたって無邪気で、マクギリスを「マッキー」と呼んで大いに慕い、彼の未来の妻になろうと頑張っている。
同時に、子供の自分を婚約者としたことでマクギリスに向けられる白眼視も気にしている様子。
戦いや貧困とは無縁の世界で生きていたが、兄・ガエリオが戦死したことで他人事ではないことを知る。

  • ガーギン・ボードウィン
初代ボードウィン家当主。
厄祭戦時の乗機はガンダム・キマリス。

イシュー家

家紋:北欧神話の栗鼠・ラタトスク*2
当主:アルゾナ・イシュー(初代)→オルセ・イシュー(病床のため娘のカルタが代行)→オキナ・ウロカ(代理)
保有ガンダム:ガンダム・ザガン

セブンスターズ第一席と一番の名門だが、現当主が病床の身にあり、当主代行を務めるカルタの後見人となっているファリド家の影響力が強くなっている。
フレスヴェルグとニーズヘッグの口論を仲介し、世界樹の弱体化を助ける「無能な働き者」たるラタトスク。彼女が辿る運命や如何に。
本編1期と2期の間の時期を舞台にしているアプリゲーム『ウルズハント』ではカルタの死亡による断絶を回避するべく家老のオキナ主導の下、病床の当主の隠し子の身柄確保を狙う。
またセブンスターズ第一席という立場上特に格式を重視し家柄や出自には厳しく、後ろ盾を持たない者を軽んじる風潮もあるとのこと。

カルタ・イシュー
CV:井上喜久子
イシュー家当主代行兼地球外縁軌道統制統合艦隊指揮官。階級は一佐。
セブンスターズの一家門・イシュー家の出身で、ガエリオとは幼馴染。少女期よりマクギリスに惚れており、彼に似た金髪の美男子達を親衛隊として側近に置いている。
白髪と丸まっこい眉(いわゆる麻呂眉)、赤い紅と帯刀する日本刀が和のテイストを醸し出す。第2期OPでの初登場時にはぶっ飛んだルックスに視聴者が沸いた。
当主である父が病気で仕事ができない状態のため、イズナリオの後見を得てやっと名ばかり幹部の閑職を得ている立場であり、ギャラルホルン内での状況は芳しくない。

感情の起伏が激しく、執念深いが乙女らしい面もある。コロコロと表情を変えてカリカチュアな面白い言動を連発するおばさんお姉さん。
側近の部下達には面壁九年(めんぺきくねん)堅牢堅固(けんろうけんこ)の標語を斉唱させるのが癖らしい。

決して無能ではないのだが、ギャラルホルンの格式ばった考え方に染まりきっており、危機管理能力に難がある。
昔の陣形*3をそのまま実行したり、貧民育ち中心の鉄華団相手に上流階級の流儀を期待するなど悪い意味で教科書通りのことをしようとする。
とはいえ腐敗と差別が横行する現在のギャラルホルンにおいて、それに染まらず高潔さを持ち続けている誇り高い人物でもあり、出身での差別もしない。
お飾り艦隊のお飾り指揮官という地位にも腐らず、部下とともに日々厳しい訓練を続けており、部下からは強く慕われている。

  • オルセ・イシュー
イシュー家当主。カルタの父親。
長年病床ということで娘のカルタが当主代行として家を取り仕切っている。
なお、本人は本編では未登場で名前も明かされておらず、本編2期をまとめた公式アニメムックにて名前のみ明かされている。

  • 当主の隠し子
『ウルズハント』に登場した現当主の隠し子でカルタの異母姉妹。

  • アルゾナ・イシュー
初代イシュー家当主。
厄祭戦ではガンダム・ザガンに搭乗していた。
とある宙域に存在する旧式の発電施設「ラタトスク」は代々イシュー家が管理しており、当初最深部にはガンダム・フレームの一機であるガンダム・ザガンが保管されていた。

エリオン家

家紋:北欧神話の大蛇・ヨルムンガンド
当主:アンゼリカ・エリオン(初代)→ラスタル・エリオン
保有ガンダム:ガンダム・ハーゲンティ

ラスタルの影響か一人の人間の素性を完全に闇に隠すことができるほどの権力を持つ。

  • ラスタル・エリオン
CV:大川透
エリオン家当主兼月外縁軌道統合艦隊司令官。
ワイルドな髭面が特徴の大男で、見た目に違わず(表面上は)豪快な言動をする。
職域に干渉してくるマクギリスを内心で危険視し、真っ向から対抗する気でいる。

マクギリスやイズナリオが可愛く見えるほどの情け容赦ない策謀家。
政敵排除やギャラルホルンの正当性の誇示のために紛争のマッチポンプを演出したり、まともに使用できない兵器を労働者に流出させ、最低限の被害で鎮圧するといった隙のない策を数々と実行した。
自分が「胡散臭い大人」であるという自覚はあり、ヤクザ企業であるテイワズやノブリスとも繋がりを持っている。
一方で軍人としては高潔であり、私欲のために自らの立場を利用することは一切ないとも言及されている。
マクギリス同様、ラスタルも穏健派とはいえギャラルホルンの改革を心掛ける一人であり、スタッフインタビューではマクギリスと手を取り合う道もあったことが示唆された。
実際マクギリスや配下の石動が目指した身分に捉われない門戸開放政策はラスタルによって一部取り入れられている。
ガラン・モッサは同期であり、彼が全てを捨てて尽くすほどの信頼を得ている。
その他にもヴィダールやジュリエッタ、イオクと彼を慕う者は数知れず。
こうしたラスタルの姿勢は『清濁併せ呑む』と作中で度々呼称された。
単純な善悪論でこの豪傑は語ることが出来ない。

後見人を務めているイオクに対しては、(名君だったクジャン家先代当主を知っていることもあり)出来の悪い子ほど可愛いと思っているようだが、その甘さが色々と厄介なことになる。

  • アンゼリカ・エリオン
初代エリオン家当主。
最初のポイントである幽霊船の持ち主とされる。
厄祭戦時の乗機はガンダム・ハーゲンティ。

クジャン家

家紋:北欧神話の神の一柱・オーディンの使いの2羽の鴉フギンとムニン
当主:エンブリラ・クジャン(初代)→イオクの父(故人)→イオク・クジャン
保有ガンダム:ガンダム・ゼパル

CV:島﨑信長
クジャン家当主兼アリアンロッド第2艦隊提督。
真面目で血気盛んで行動力はあるのだが、「行動力だけは無駄にある」状態でモビルスーツの操縦技術も低く、出撃する度に部下がフォローに振り回されている。
おまけに本人にその自覚はゼロなのだが、部下からは(名君だった亡き先代当主の父と重ねられているため)かなり慕われている。
そして良くも悪くも真面目な性格をジャスレイに利用されたことで大きな騒動を起こしてしまう…
劇中での活躍は当該項目を参照。……なに、あまり参考にならない? ニコニコ大百科とかPixiv百科事典とか併読するといいんじゃないかな(震え声)。

  • 先代当主
クジャン家先代当主でイオクの父親。
現在は故人で生前はジャスレイ・ドノミコルスとも繋がりを持っていたが、ラスタルからも「立派な方だった」と評されるほどの名君で、古くから仕える家臣たちもイオクに彼の面影を追うほどに慕われていた模様。

  • エンブリラ・クジャン
初代クジャン家当主。
厄祭戦ではガンダム・ゼパルに搭乗していた。
代々クジャン家が管理する廃棄コロニーにはMAの一体であるハラエルと数体のプルーマが封印されていた。

バクラザン家

家紋:北欧神話の大鷲・フレースヴェルグ
当主:ネモ・バクラザン
保有ガンダム:不明

セブンスターズ各家のガンダム格納庫がある「バエル宮殿」はバクラザン家の格納庫が空になっている*4
更に『ウルズハント』『MSV』にてセブンスターズ初代当主やその搭乗機が明かされ、縁のある施設が登場する中、現状バクラザン家のみ明かされないなど謎が多い家でもある。
また『ウルズハント』で行われているレースの中継ポイントは全て初代セブンスターズに関連する場所になっており、現状最終ポイントは消去法でバクラザン家の関連する場所ということになる。

  • ネモ・バクラザン
CV.佐々健太
バクラザン家の当主。エゥーゴの量産型モビルスーツみたいな名前をしている。
眉毛、口髭、モミアゲ、耳たぶがとにかく長い老爺で、恐らく現セブンスターズ当主の中では最年長。
のらりくらりでやる気はあまりない。

ファルク家

家紋:北欧神話の蛇・ニーズヘッグ
当主:カルフ・ファルク(初代)→エレク・ファルク
保有ガンダム:ガンダム・ガミジン

  • エレク・ファルク
CV.綿貫竜之介
ファルク家の当主。
恰幅の良すぎる壮年男性。

  • カルフ・ファルク
初代ファルク家当主。
厄祭戦時はガンダム・ガミジンに搭乗して多くの戦果を挙げたとされる。
またファルク家が管理する防衛システムの施設内にはガンダム・アスモデウスが実戦投入されずに厄祭戦当時の状態で保管されていた。


【各家直轄部隊・人員】

劇中においてもボードウィン家やファリド家、『ウルズハント』でのイシュー家のようにギャラルホルンの直接的な指揮下にない家系専用のハーフビーク級戦艦やその乗員等、正規部隊とは別の家系専属部隊が割り当てられている。

  • 艦長
CV:松本忍
ボードウィン家専用艦「スレイプニル」の艦長。
ドルトコロニーで現場に介入しようとするガエリオを説得して一時は介入を抑えさせる。

  • 石動・カミーチェ
CV.前野智昭
地球外縁軌道統制統合艦隊所属。
マクギリスとは彼が監査局にいた頃から面識があり、思想にも賛同したことから副官に任命された。
「独自のネットワーク」によって圏外圏情勢に詳しい。雑誌等によれば、彼の出自には秘密があるようだが……。
マクギリスのお下がりであるシュヴァルベ・グレイズを難なく乗りこなす腕利きパイロットでもある。

  • ジュリエッタ・ジュリス
CV.M・A・O
アリアンロッド艦隊所属のMSパイロット。敵味方問わず、常に敬語で接するが、敬愛する人物とそうでない人物では温度差が激しい。ちょうちょはたべもの
金髪のショートヘアが良く似合う、自由奔放で直情的な性格。ゆえに物事もあまり深く考えないし他人の発言も裏を疑わない…というかちょっとアホの娘の素質がある可愛い。
アリアンロッド内の立場としては少々変わっており、階級はつけられていない。これはあくまでも彼女の立場はアリアンロッド総司令であるラスタルの私兵扱いとなっているため。
ただ、一部隊を預かって戦闘を請け負っている場面もあるので、実質部隊長クラスの扱いはされている。
親しい人間からは『ジュリー』の愛称で呼ばれている。
元々、ジュリエッタは幼いうちに両親を亡くしてしまっており、孤独な存在だった。彼女もまた、三日月やオルガ同様孤児(オルフェン)」なのである。
そんな彼女に転機が訪れたのは通わされた施設で訓練指導を行っていたガラン・モッサとの出会いである。MSの操縦技術などで才能を開花させたジュリエッタはガランに可愛がってもらい、鍛えてもらうこととなる。
遂にはガランの推薦でラスタルとの運命的な出会いを果たす。
親友からの推薦ということもあって、ラスタルはジュリエッタを迎え入れた。
彼女がラスタルの私兵扱いで階級がないのは、こうした経歴に起因している。
唯一自慢できる自らの能力と、それを認めてくれたラスタルに強い誇りを抱き、ガランの事も「ひげのおじさま」と慕っている。
その意思はそのまま本人の強さや生命力に繋がっており、特に生命力は作中屈指のものでバルバトスに重傷を負わされてもわずかな時間で復帰するという驚異的なものであった。
その反面、気に入らない相手に対しては凄くシビアだったり辛辣だったりする。特にイオクとヴィダール。
中でもヴィダールに対しては感情を隠さず、ジト目になったり、ドヤ顔になったり表情豊か。かなり可愛い。当然ながらイオクには良く思われておらず、「猿」呼ばわりされる犬猿の仲。
乗機のレギンレイズは両腕にツインパイルを携行した近接戦仕様。

夜明けの地平線団戦、オセアニア連邦コロニーでの反乱鎮圧でもイオクのお守りに苦労させられたが、火星でのハシュマルの件でついにブチ切れ、イオクの尻拭い役として苦労を強いられる姿が多くの視聴者の同情を誘った。
それでも見限らない辺り、ジュリエッタの真面目さがうかがえる。
それと、ハシュマルの騒動の時のヴィダールに必死に応援を求める様子はかなり可愛らしい。

<ヴィダール!何をしているんですか?

とっとと合流してください!>

<早く来てくださいヴィダール!

ちなみに胸のサイズは控えめ。というかお世辞でも大きくはない、貧乳である。まあまだ若いし成長期だから…。

  • ヴィダール
CV.松風雅也
ジュリエッタ同様ラスタルに拾われた鉄仮面の男。自身の名を冠したMS、ガンダム・ヴィダールを駆る。仮面は光る。
当初はジュリエッタから信頼されていなかったが、現在は多少見直されている。
マクギリスと鉄華団に異様な執着を持っているがその声にあまり激しさは無く、似た境遇のジュリエッタとの会話ではむしろ悟りや自嘲とも取れる発言をしている。

イシュー家関係者

『ウルズハント』に登場。
正規部隊とは別にスキップジャック級戦艦や複数のハーフビーク級戦艦、大規模なMS部隊を保有している。
当主が長年病床の身ということに加えて跡取りだったカルタの戦死も重なって断絶寸前になっており、それを回避するべく家老のオキナ主導の下イシュー家の血を引く当主の隠し子の身柄確保を狙う。
またセブンスターズ第一席という立場上特に格式を重視し家柄や出自には厳しく、後ろ盾を持たない者を軽んじる風潮もあるとのこと。

  • ロンド・ブロン
CV:浜田賢二
イシュー家に仕えるギャラルホルン士官。
ガンダム・フレーム機やマクギリスとも渡り合える程のMSの操縦技量のみならず生身での白兵戦にも長け、同じく白兵戦に長けているデムナーをして「勝てるか分からない」と言わしめる実力者。
後ろ盾を持たずに入隊したため組織内で差別されていた自身を親衛隊に取り立ててくれたカルタに深い忠誠を誓っており、カルタの面影をもつ彼女の異母妹を当主に迎えようと忠義を尽くす一方で、オキナからは「忠臣というより忠犬」と評され疎まれている。
担当声優の浜田氏はガンダム00パトリック・コーラサワーを演じている他、水星の魔女でもグエルのバイト先の船の艦長役としても出演している。

  • オキナ・ウロカ
CV:津田英三
イシュー家家老を務める老人。
当主が病で寝たきりとなっている上にカルタの戦死で断絶の危機にあるイシュー家を存続するべく、イシュー家当主の隠し子をお飾りの当主に据えることで自らがイシュー家の実権を握ることを画策しており、更には鉄華団との戦闘でイシュー家生え抜きの士官達の戦死により壊滅状態にある地球外縁軌道統制統合艦隊の補充戦力としてシクラーゼを含めた裏社会のマフィアや海賊達を大量招集しているなど不穏な動きも見せている。


【劇中での動向(ネタバレ注意!)】

実は世襲の血脈は本編開始時点でいきなり不安要素満載
イシュー家、クジャン家は当主(イシュー家は代行)が若く跡取りがなく、当主本人が死ねば即アウト状態*5
しかもクジャン家に至っては現当主が後述の通り「行動力だけは無駄にあるバカ殿」のためどうしようもない。
ファリド家は当主が自分の個人的な欲望を満たす目的も兼ねて血縁関係のない元浮浪児を跡取りにしており、すでに血統が絶えることは確定状態だった(そもそも正妻がいたかどうか不明)。
加えて7人という中途半端に多い人数ゆえに、各家の距離感や力関係も微妙。
それでいて当主達が相当のことをやらかしてさえなお処分できないため、かなりの無茶苦茶をやっても早期に止められない。

マクギリスやイオクが何もしなくても、体制はすでに崖っぷちであったのだ。


後に「マクギリス・ファリド事件」と命名された一連の騒動において、マクギリスは「他家の跡取りの謀殺+クーデター」に加えて当主と血縁がなかったことでなんとか逆賊扱いにして処理できたものの、イオクは人員・装備を大量に無駄遣いして死ぬまでなお謹慎処分以上の措置ができなかったため、事態の悪化に拍車をかけた。
当主が病床の身で後継者も戦死したイシュー家、現当主が戦死したクジャン家、血縁関係が世間に暴かれ後継者がいなくなったファリド家は断絶。
ボードウィン家も後継者であるガエリオが年単位の長期療養により表舞台から退かざるを得なくなり、残りの2家は当主が事なかれ主義であったため、エリオン家以外まともな仕事ができる状態ではなくなってしまう。

結果、今までのような運営に限界を悟ったラスタルの手で組織改革が行われ、世襲制ではなく民主的な体制に移行した。
ラスタルはこれと同時に火星支部を縮小。図らずも火星の自治が実現する形になったのは皮肉としか言いようがない。






追記・修正は、その身に7つ星を纏ってからお願いします。



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最終更新:2025年04月10日 11:10

*1 本編1期でアンリ・フリュウと面会した際に隣に金髪少年を侍らせていたが、まあそういうことだろう…

*2 ラタトスクが住まう世界樹の葉陰、樹の頂点に住む大鷲フレスヴェルグの羽根、根を齧る蛇ニーズヘッグの意匠もあしらわれている。

*3 モビルアーマーの項目に詳しいが、その陣形戦術が作られた当時にはそれなりの意味はあったと思われる。ただ、カルタは「何故そのような陣形を取るのか」という分析をせず、現況向きのアレンジもしないで実行するため、格好の的になってしまっている。

*4 同じくボードウィン家も格納庫が空になっているが、こちらはキマリスが実戦投入されているため。

*5 イシュー家は後付け感はあるがスマホアプリ『ウルズハント』にて現当主の隠し子が登場している。