登録日:2025/01/01 Wed 00:11:34
更新日:2025/04/10 Thu 11:10:38
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なお、初代当主達やその搭乗機については本編では語られておらず、アプリゲーム『
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ウルズハント(以下『ウルズハント』記載)』や同時進行で展開していたMSVで詳細が明かされる形で名前が登場しているため、本記事ではそれも併せて記載する。
【概要】
武力組織
ギャラルホルンを束ね、管理運営する7つの家門。
組織運営はこの7家代表の合議で行われる。
【歴史】
その始まりは、
モビルアーマー(MA)をによる人類絶滅一歩手前まで進んだ厄祭戦において、
ガンダム・フレームMSを驅ることでモビルアーマーを討伐し、戦争を終結に導いた英雄達とされる。
現在のセブンスターズはその英雄達の子孫にあたり、各家の初代当主からガンダム・フレームを継承している。
セブンスターズの席次は、当時MAを撃墜したエースに与えられた撃墜スコア「七星勲章」の取得数で決められているらしい。
【問題点】
とまあここまでならかつてギャラルホルン設立に大きく貢献した英雄達の末裔ということだけで済むのだが、時が過ぎれば人も組織も変わりゆくもので、ただでさえ意見が一致しないことの多い合議制に加え、当主が世襲制ということもあって組織運営には下々の意向はろくすっぽ聞き入れられず、セブンスターズ当主やその子息はどんなに能力の低いものや問題児でも一定以上の権力を手に入れてしまい、逆にセブンスターズ以外で能力がある者でも7家の直系でなければ出世に限界もあり上に意見するにも限界のある風通しの悪い状態になってしまっている。
逆に言えば7家に気に入られれば組織内での差別対象となる地球外出身者でも一定の地位に就くことができるが、そもそも肝心の当主に能力がなければ意味がないため、7家関係者に見込まれたことで地位を得た者は劇中でもジュリエッタと石動、『ウルズハント』に登場するロンドしか確認できない(アインはあくまでガエリオ個人のお付き扱い)。
その結果組織の内部腐敗も進み、上層部は権力闘争や汚職のるつぼと化している。組織自体も
巨大化が進んだゆえの硬直化や権威主義への傾倒が目に余る。
【セブンスターズ各家】
ファリド家
家紋:北欧神話の魔犬・フェンリル
当主:蒔絵・ファリド(初代)→イズナリオ・ファリド(〜1期)→マクギリス・ファリド(2期)
保有ガンダム:ガンダム・ムルムル
現地球本部司令官・イズナリオの家。
養子のマクギリスをボードウィン家のアルミリアと婚約させ、イシュー家子女の後見人を務めるなど、セブンスターズでは事実上のトップに位置する。
しかし養子と言ってもその実態はイズナリオが元は他人の男娼から拾ってきた庶民の出で、このこともマクギリスが改革を目指す原動力となっている。
なお、イズナリオに正妻がいたのかは不明。
CV.
櫻井孝宏
ギャラルホルン監査局特務三佐(1期)→ファリド家当主兼地球外縁機動統制統合艦隊司令官。
有能かつ高潔な人物。後に准将に昇格し、地球外縁軌道統制統合艦隊司令となる。
詳細は当該項目を参照。
イズナリオ・ファリド
CV:
速水奨
ファリド家当主兼ギャラルホルンの地球本部司令官。マクギリスの養父。
マクギリスの婚約を認めたりカルタの後見を務めるなど、セブンスターズ内部での地位固めを怠らないばかりか、アーブラウ連邦のフリュウ議員とコネクションを作り、自身の権力を盤石にしようとする。
稚児趣味があり、金髪碧眼の美少年ばかりを囲っては夜な夜な弄ぶド変態鬼畜男。
しかし趣味に合えば身分関係なく食うなどある意味で平等であり、その中から優秀だったマクギリスを見出し「妾の子」との体裁をつけて養子にした。本当の妻子がいたことがあるのかは不明。
養子にした後もマクギリスにはアザができるほどのプレイを行なっていたため、マクギリスからは激しく恨まれている。
当のイズナリオは、マクギリスの抱く憎悪にはこれっぽっちも気付いていなかったのだが。
その変態さ加減はラスタルを始めとした一部の者は知っていた模様。
第1期終盤でマクギリスの手回しによって失脚し、亡命する羽目となった。
その後はどうなったか不明だが、マクギリスの死亡によりファリド家は断絶。
彼の変態ぶりも騒動の情報合戦で公になってしまい、復権や新たな後継者を迎えることもままならない状況であったと思われる。
また、『ウルズハント』ではかつて厄祭戦やモビルアーマーの調査を行っていた学者を事故に見せかける形で暗殺したことが仄めかされているが、
実はこの学者はMAや厄祭戦に関してはかなり深いところまで突き止めており、
「厄祭戦でMAを統率して人類に敵対した上位個体の存在」「その手がかりがイシュー家の禁足地にある」との仮説まで立てていたことから、遺族の息子はMAという
世界のタブーに触れたことで消されたのではと推測している。
初代ファリド家当主。
厄祭戦ではガンダム・ムルムルに搭乗していた。
ボードウィン家
家紋:北欧神話の主神
オーディンの乗馬・スレイプニル
当主:ガーギン・ボードウィン(初代)→ガルス・ボードウィン
保有ガンダム:
ガンダム・キマリス
当主の娘であるアルミリアがマクギリスに嫁いだことでファリド家とは良好な関係となっている。
ガエリオ・ボードウィン
CV:
松風雅也
ギャラルホルン監査局特務三佐(1期)
マクギリスとは親友同士で、彼の妹がマクギリスの許嫁になっているなど、家同士の交流も深い。
詳細は当該項目を参照。
ガルス・ボードウィン
CV.星野充昭
ボードウィン家当主にしてガエリオとアルミリアの父。
長身で体格のいい偉丈夫だが人当たりのいい穏やかな性格で、娘婿となるマクギリスにも期待を寄せている。
しかし、年端もいかない娘の政略結婚に応じてしまうあたり、悪意はないのだがギャラルホルンの悪い面にも染まっている。
マクギリスに騙されたと知り、ファリド家にいたアルミリアを迎えに行こうとするが本人に拒絶される。
その回が最後の登場だった為、最終回エピローグでは、どうしているかは不明。
CV:
加隈亜衣
ガエリオの妹。
9歳。
この年でマクギリスと許婚の関係を結ばされているあたり、ギャラルホルンという組織の貴族主義・権力志向な傾向が覗える。
もっとも本人はいたって無邪気で、マクギリスを「
マッキー」と呼んで大いに慕い、彼の未来の妻になろうと頑張っている。
同時に、子供の自分を婚約者としたことでマクギリスに向けられる白眼視も気にしている様子。
戦いや貧困とは無縁の世界で生きていたが、兄・ガエリオが戦死したことで他人事ではないことを知る。
兄の命を奪ったのがマクギリスであったことを、生きていたガエリオの宣言で知ることになった。
最初はマクギリスに復讐しようとしたが、マクギリスへの愛を捨てきることができず、苦悩の末に自害を図り、マクギリスの捨て身の行動で止められる。
マクギリスが戦場に赴いてからしばらくして、父からボードウィン家に戻るように命じられるが、夫の罪を共に背負うことにしたアルミリアは、マクギリスの血が付いた布を身代わりのように持ち続け、彼の帰りを待った……が、それが果たされることはなかった。
その後、形はどうあれマクギリスの望んだ変革は果たされ、兄・ガエリオも今度こそ生存したが、最終回エピローグにアルミリアの姿はなく、ガエリオの口からもアルミリアの名は出てこなかった。その去就は現在のところ不明。
放送終了後の「鉄華団ラジオ」の長井監督発言によると、「皆様にお見せできる状態ではない」らしい。
初代ボードウィン家当主。
厄祭戦時の乗機はガンダム・キマリス。
イシュー家
家紋:北欧神話の栗鼠・ラタトスク
当主:アルゾナ・イシュー(初代)→オルセ・イシュー(病床のため娘のカルタが代行)→オキナ・ウロカ(代理)
保有ガンダム:ガンダム・ザガン
セブンスターズ第一席と一番の名門だが、現当主が病床の身にあり、当主代行を務めるカルタの後見人となっているファリド家の影響力が強くなっている。
フレスヴェルグとニーズヘッグの口論を仲介し、世界樹の弱体化を助ける「無能な働き者」たるラタトスク。彼女が辿る運命や如何に。
本編1期と2期の間の時期を舞台にしているアプリゲーム『ウルズハント』ではカルタの死亡による断絶を回避するべく家老のオキナ主導の下、病床の当主の隠し子の身柄確保を狙う。
またセブンスターズ第一席という立場上特に格式を重視し家柄や出自には厳しく、後ろ盾を持たない者を軽んじる風潮もあるとのこと。
カルタ・イシュー
CV:
井上喜久子
イシュー家当主代行兼地球外縁軌道統制統合艦隊指揮官。階級は一佐。
セブンスターズの一家門・イシュー家の出身で、ガエリオとは幼馴染。少女期よりマクギリスに惚れており、彼に似た金髪の
美男子達を親衛隊として側近に置いている。
白髪と丸まっこい眉(いわゆる麻呂眉)、赤い紅と帯刀する
日本刀が和のテイストを醸し出す。第2期OPでの初登場時にはぶっ飛んだルックスに視聴者が沸いた。
当主である父が病気で仕事ができない状態のため、イズナリオの後見を得てやっと名ばかり幹部の閑職を得ている立場であり、ギャラルホルン内での状況は芳しくない。
感情の起伏が激しく、執念深いが乙女らしい面もある。コロコロと表情を変えてカリカチュアな面白い言動を連発するおばさんお姉さん。
側近の部下達には「面壁九年、堅牢堅固」の標語を斉唱させるのが癖らしい。
決して無能ではないのだが、ギャラルホルンの格式ばった考え方に染まりきっており、危機管理能力に難がある。
昔の陣形をそのまま実行したり、貧民育ち中心の鉄華団相手に上流階級の流儀を期待するなど悪い意味で教科書通りのことをしようとする。
とはいえ腐敗と差別が横行する現在のギャラルホルンにおいて、それに染まらず高潔さを持ち続けている誇り高い人物でもあり、出身での差別もしない。
お飾り艦隊のお飾り指揮官という地位にも腐らず、部下とともに日々厳しい訓練を続けており、部下からは強く慕われている。
戦場に降り立った直後、かっこよくポーズと決め台詞を見せるが、その隙を突かれて鉄華団に攻撃されるという、シリアスな笑いを披露。
戦いの最中、敵の司令塔であるオルガとビスケットが乗るMWに攻撃を行うも、ビスケットの犠牲でオルガを叩くことには失敗し部下に救出される。
撤退後、マクギリスに激励されたカルタは残った2人の部下と共に、ア-ブラウに向かう途中の鉄華団に3対3の決闘を申し込む。
その内容は「自分たちが勝てば、クーデリアと蒔苗を引き渡してもらう」「自分たちが負けたら通って良し」という、以前のクランク同様に相手側に筋の通ったメリットのない独善的なものだった。
その結果、決闘を無視した三日月のバルバトスの奇襲を受けて、部下を喪い、自身も死にかける。
ただし、この時彼女は「準備ができたら」と言いかけており、それに準じれば「準備OKだから襲いかかった三日月は不意打ちではなかった」と言えなくもない。
キマリストルーパーで駆けつけたガエリオに助けられて戦場から離脱するも、すでに虫の息であり、ガエリオをマクギリスと思い込みながら息を引き取った。マクギリスからは死を望まれていたことを知る由もなく……。
あるいは、そうとは知らずに死ねたことは幸運だったのだろうか。
病床の父も間も無く死亡したとみられ、彼女の死によりイシュー家は断絶した。
イシュー家当主。カルタの父親。
長年病床ということで娘のカルタが当主代行として家を取り仕切っている。
なお、本人は本編では未登場で名前も明かされておらず、本編2期をまとめた公式アニメムックにて名前のみ明かされている。
『ウルズハント』に登場した現当主の隠し子でカルタの異母姉妹。
CV:
田中美海
イシュー家の使用人だった母親はカチュアの妊娠発覚と同時に家を追い出されており、義姉であるカルタの戦死も人づてにしか聞かされていない。
本編1期でのカルタ死亡を受け次期当主としてイシュー家に迎え入れられることとなるが、母親を捨てた父への敵愾心から当主就任を拒み逃亡していた。
その後宇宙海賊に軟禁されて人質の一人となるが、『ウルズハント』主人公のウィスタリオに解放された際にギャラルホルンの保護を拒否してウィスタリオたちが次のミッションを遂行するまでの雑用係として雇われる。
なお毛先が黒くなっていることや前髪で隠れて分かりづらいものの麻呂眉であるため、ファンの間では以前からカルタとの関係が考察されていた。
劇中でもマクギリスなどかつてのカルタと面識のある者達からはその容姿と意志の強さがカルタに似ていると語られている。
初代イシュー家当主。
厄祭戦ではガンダム・ザガンに搭乗していた。
とある宙域に存在する旧式の発電施設「ラタトスク」は代々イシュー家が管理しており、当初最深部にはガンダム・フレームの一機であるガンダム・ザガンが保管されていた。
エリオン家
家紋:北欧神話の大蛇・ヨルムンガンド
当主:アンゼリカ・エリオン(初代)→ラスタル・エリオン
保有ガンダム:ガンダム・ハーゲンティ
ラスタルの影響か一人の人間の素性を完全に闇に隠すことができるほどの権力を持つ。
CV:
大川透
エリオン家当主兼月外縁軌道統合艦隊司令官。
ワイルドな髭面が特徴の大男で、見た目に違わず(表面上は)豪快な言動をする。
職域に干渉してくるマクギリスを内心で危険視し、真っ向から対抗する気でいる。
マクギリスやイズナリオが可愛く見えるほどの情け容赦ない策謀家。
政敵排除やギャラルホルンの正当性の誇示のために紛争のマッチポンプを演出したり、まともに使用できない兵器を労働者に流出させ、最低限の被害で鎮圧するといった隙のない策を数々と実行した。
自分が「胡散臭い大人」であるという自覚はあり、ヤクザ企業であるテイワズやノブリスとも繋がりを持っている。
一方で軍人としては高潔であり、私欲のために自らの立場を利用することは一切ないとも言及されている。
マクギリス同様、ラスタルも穏健派とはいえギャラルホルンの改革を心掛ける一人であり、スタッフインタビューではマクギリスと手を取り合う道もあったことが示唆された。
実際マクギリスや配下の石動が目指した身分に捉われない門戸開放政策はラスタルによって一部取り入れられている。
ガラン・モッサは同期であり、彼が全てを捨てて尽くすほどの信頼を得ている。
その他にもヴィダールやジュリエッタ、イオクと彼を慕う者は数知れず。
こうしたラスタルの姿勢は『
清濁併せ呑む』と作中で度々呼称された。
単純な善悪論でこの豪傑は語ることが出来ない。
後見人を務めているイオクに対しては、(名君だったクジャン家先代当主を知っていることもあり)出来の悪い子ほど可愛いと思っているようだが、その甘さが色々と厄介なことになる。
地球でマクギリスの権力を殺ぐために経済圏同士の戦争を起こさせて影響力を落とさせるが、それから、しばらくして、イオクが火星でMAを目覚めさせる大失態を起こす。
鎮圧後、イオクには釘を刺すにとどめ、見限りはしなかったが、イオクは独断で暴走を繰り返した挙句、ヤクザにネタを握られテイワズのマクマード・バリストンと「手打ち」をせざるを得なくなり、イオクを謹慎させるが、この件で「目の見えるところに置いておいた方がマシ」と思ったのか、イオクを手元に戻し、直々に指導者教育を行うようになる。
バエルを手にしたマクギリス、並びに彼に加担する鉄華団と交戦。革命派に仕込んだ間者にダインスレイヴを使わせ、報復という形でダインスレイヴを使うための大義名分を作り上げ、革命派の戦力をほぼ壊滅させた。更に、情報操作も用いて、逃亡する革命派を追い詰めていく。
マクギリスに見切りをつけて交渉を持ちかけたオルガも意に介さず、マクギリスと鉄華団団長の首だけではギャラルホルンの威厳は回復できない事、威厳回復のための生け贄として鉄華団そのものを壊滅させることを宣言。
オルガへの宣言の中で告げた時刻を変えることなく鉄華団への攻撃を開始したのは、オルガの任侠心への敬意だったのか、それとも嘘をつき不意打ちをする必要すらない、という余裕の表れか。
マクギリスや鉄華団を討ち取ることに成功するが、その戦いでイオクを喪う。
鉄華団に対しても3機のガンダム・フレームMSとそのパイロットを仕留め、基地もダインスレイヴで壊滅させたが、三日月達の命懸けの時間稼ぎで多くの団員の脱出を許している。
にも関わらず残存兵の追撃は行わなかった。この理由は後述。
その後、敵対しながらも思うところのあったマクギリスの遺志を継ぐかのように、セブンスターズを廃止。
民主的組織として再編成されたギャラルホルンの初代代表となり、クーデリアと協力しながら、ヒューマンデブリ廃止にも尽力した。
クーデリアの側近のユージンが鉄華団の生き残りであることには気づいたようだが、彼女は鉄華団は今も生きていることや自分も鉄華団の誇りを持つ者であることを間接的にアピール。
ラスタルは、争いを繰り返さないためか、それともクーデリア達の新たな決意が気に入ったのか、クーデリアと鉄華団を排除しようとはしなかった。
ジュリエッタにも、仇である自分と相対しても目的の一致のためにこれまでの遺恨は飲み込んで笑顔で対応したクーデリアの姿勢を見習うよう促している。
ガンダムシリーズのラスボスでは珍しく五体満足で生き残ったこともあって、一人勝ちの印象が強いが、実際は改革をしなければならないほどにギャラルホルンが失墜したため、革命派の勝ちという見方もできなくはない。
クーデリアの議長就任の一因に、イオク失態の件でマクマードに迫られた「手打ち」も含まれているのではとジュリエッタは見ており、マクマードに格好の餌を与えてしまったことにもなる。
…しかしそもそもラスタルは初めからギャラルホルンの改革を志していたので、この結末は彼にとって理想の形だったのだろう。
放映終了後の鉄ラジ長井監督の発言によると、上記の鉄華団掃討の段取りと、残党の掃討をまともに行わなかった理由は自陣の「大義」の演出の一環として「バルバトスを倒す絵面を必要としていたため」とのことであり、
その目的が果たせた以上、もはや丸腰の鉄華団残党はどうでも良かったということなのだろう。
初代エリオン家当主。
最初のポイントである幽霊船の持ち主とされる。
厄祭戦時の乗機はガンダム・ハーゲンティ。
クジャン家
家紋:北欧神話の神の一柱・オーディンの使いの2羽の鴉フギンとムニン
当主:エンブリラ・クジャン(初代)→イオクの父(故人)→イオク・クジャン
保有ガンダム:ガンダム・ゼパル
CV:
島﨑信長
クジャン家当主兼アリアンロッド第2艦隊提督。
真面目で血気盛んで行動力はあるのだが、「
行動力だけは無駄にある」状態でモビルスーツの操縦技術も低く、出撃する度に部下がフォローに振り回されている。
おまけに本人にその自覚はゼロなのだが、部下からは(名君だった亡き先代当主の父と重ねられているため)かなり慕われている。
そして良くも悪くも真面目な性格をジャスレイに利用されたことで大きな騒動を起こしてしまう…
劇中での活躍は当該項目を参照。……なに、あまり参考にならない? ニコニコ大百科とかPixiv百科事典とか併読するといいんじゃないかな(震え声)。
クジャン家先代当主でイオクの父親。
現在は故人で生前は
ジャスレイ・ドノミコルスとも繋がりを持っていたが、ラスタルからも「立派な方だった」と評されるほどの名君で、古くから仕える家臣たちもイオクに彼の面影を追うほどに慕われていた模様。
初代クジャン家当主。
厄祭戦ではガンダム・ゼパルに搭乗していた。
代々クジャン家が管理する廃棄コロニーにはMAの一体であるハラエルと数体のプルーマが封印されていた。
バクラザン家
家紋:北欧神話の大鷲・フレースヴェルグ
当主:ネモ・バクラザン
保有ガンダム:不明
セブンスターズ各家のガンダム格納庫がある「バエル宮殿」はバクラザン家の格納庫が空になっている。
更に『ウルズハント』『MSV』にてセブンスターズ初代当主やその搭乗機が明かされ、縁のある施設が登場する中、現状バクラザン家のみ明かされないなど謎が多い家でもある。
また『ウルズハント』で行われているレースの中継ポイントは全て初代セブンスターズに関連する場所になっており、現状最終ポイントは消去法でバクラザン家の関連する場所ということになる。
CV.佐々健太
バクラザン家の当主。
エゥーゴの量産型モビルスーツみたいな名前をしている。
眉毛、口髭、モミアゲ、耳たぶがとにかく長い老爺で、恐らく現セブンスターズ当主の中では最年長。
のらりくらりでやる気はあまりない。
ファルク家
家紋:北欧神話の蛇・ニーズヘッグ
当主:カルフ・ファルク(初代)→エレク・ファルク
保有ガンダム:ガンダム・ガミジン
CV.綿貫竜之介
ファルク家の当主。
恰幅の良すぎる壮年男性。
初代ファルク家当主。
厄祭戦時はガンダム・ガミジンに搭乗して多くの戦果を挙げたとされる。
またファルク家が管理する防衛システムの施設内にはガンダム・アスモデウスが実戦投入されずに厄祭戦当時の状態で保管されていた。
【各家直轄部隊・人員】
劇中においてもボードウィン家やファリド家、『ウルズハント』でのイシュー家のようにギャラルホルンの直接的な指揮下にない家系専用のハーフビーク級戦艦やその乗員等、正規部隊とは別の家系専属部隊が割り当てられている。
CV:松本忍
ボードウィン家専用艦「スレイプニル」の艦長。
ドルトコロニーで現場に介入しようとするガエリオを説得して一時は介入を抑えさせる。
CV.
前野智昭
地球外縁軌道統制統合艦隊所属。
マクギリスとは彼が監査局にいた頃から面識があり、思想にも賛同したことから副官に任命された。
「独自のネットワーク」によって圏外圏情勢に詳しい。雑誌等によれば、彼の出自には秘密があるようだが……。
マクギリスのお下がりであるシュヴァルベ・グレイズを難なく乗りこなす腕利きパイロットでもある。
後ろ盾のいないスペースコロニーの出身であることに絶望していた時、マクギリスと出会い、「身分に囚われない」理想に感銘を受けている。
アリアンロッド艦隊との戦闘ではガエリオの駆るキマリスヴィダールに翻弄され、マクギリスとガエリオの戦闘に手も足も出せずにいたが、
ガエリオの猛攻で撤退ができないマクギリスを助けるためにその盾となり、撤退を促しながら散っていった。
CV.M・A・O
アリアンロッド艦隊所属のMSパイロット。敵味方問わず、常に敬語で接するが、敬愛する人物とそうでない人物では温度差が激しい。
ちょうちょはたべもの。
金髪のショートヘアが良く似合う、自由奔放で直情的な性格。ゆえに物事もあまり深く考えないし他人の発言も裏を疑わない…
というかちょっとアホの娘の素質がある。
可愛い。
アリアンロッド内の立場としては少々変わっており、階級はつけられていない。これはあくまでも彼女の立場はアリアンロッド総司令であるラスタルの私兵扱いとなっているため。
ただ、一部隊を預かって戦闘を請け負っている場面もあるので、実質部隊長クラスの扱いはされている。
親しい人間からは『ジュリー』の愛称で呼ばれている。
元々、ジュリエッタは幼いうちに両親を亡くしてしまっており、孤独な存在だった。彼女もまた、三日月やオルガ同様
「孤児(オルフェン)」なのである。
そんな彼女に転機が訪れたのは通わされた施設で訓練指導を行っていた
ガラン・モッサとの出会いである。MSの操縦技術などで才能を開花させたジュリエッタはガランに可愛がってもらい、鍛えてもらうこととなる。
遂にはガランの推薦でラスタルとの運命的な出会いを果たす。
親友からの推薦ということもあって、ラスタルはジュリエッタを迎え入れた。
彼女がラスタルの私兵扱いで階級がないのは、こうした経歴に起因している。
唯一自慢できる自らの能力と、それを認めてくれたラスタルに強い誇りを抱き、ガランの事も「ひげのおじさま」と慕っている。
その意思はそのまま本人の強さや生命力に繋がっており、特に生命力は作中屈指のものでバルバトスに重傷を負わされてもわずかな時間で復帰するという驚異的なものであった。
その反面、気に入らない相手に対しては凄くシビアだったり辛辣だったりする。特にイオクとヴィダール。
中でもヴィダールに対しては感情を隠さず、ジト目になったり、ドヤ顔になったり表情豊か。
かなり可愛い。当然ながらイオクには良く思われておらず、「猿」呼ばわりされる犬猿の仲。
乗機のレギンレイズは両腕にツインパイルを携行した近接戦仕様。
夜明けの地平線団戦、オセアニア連邦コロニーでの反乱鎮圧でもイオクのお守りに苦労させられたが、火星でのハシュマルの件でついにブチ切れ、イオクの尻拭い役として苦労を強いられる姿が多くの視聴者の同情を誘った。
それでも見限らない辺り、ジュリエッタの真面目さがうかがえる。
それと、ハシュマルの騒動の時のヴィダールに必死に応援を求める様子はかなり可愛らしい。
<ヴィダール!何をしているんですか?
<早く来てくださいヴィダール!
ちなみに胸のサイズは控えめ。というかお世辞でも大きくはない、貧乳である。まあまだ若いし成長期だから…。
ハシュマル戦で自身の無力さを見せつけられた後、ラスタルのためにより強い力を求めるようになり、ついにはラスタルの忠告を聞きながらも、新型MSであるレギンレイズ・ジュリアのテストパイロットの任に就くばかりか、作戦そのもの(と、ついでにイオク)に嫌悪感を感じながらも、タービンズ掃討作戦に加担してしまう。
MSの性能差は圧倒的、本来ならば膠着にすらならない勝負。しかし状況はレギンレイズ・ジュリアの装備を最大限に活用してもなおジュリエッタの方が圧倒されていた。
何故自分では止めることさえできないのか。対峙する相手を駆りたてるものは何なのか。 ダインスレイヴによる砲撃で機能停止した相手に対し、ジュリエッタは安堵してしまった事に驚いていた。
革命派との戦闘では、ラスタルを救うも自身は怒りに燃える三日月の猛攻で死にかける。
火星のMA騒動後、更なる改修を受けたバルバトス相手にジュリエッタは一歩も引かなかった。明確なダメージは与えらず、レギンレイズ・ジュリアの損傷は大きくなる一方。
実力の差は圧倒的、それでも守るべきもののために…
ついにはラスタルを最大の窮地に陥れたガンダム・フラウロスのスーパーギャラクシーキャノンの弾道さえ、渾身の一撃で凌ぎきった。
最終的にはレギンレイズ・ジュリアは中破。ジュリエッタも重傷を負ったが、なんとか生還。
アリアンロッド艦隊の勝利に貢献した彼女の戦績は大きいといえよう。
戦闘終了後、見舞いに来たガエリオにジュリエッタは自分なりの結論を語る。
悪魔と対峙したような恐怖、決して届かない人ならざる力。それを目にしてもなお人として強くなることを決意した少女の姿をみたガエリオの表情はどこか安堵を含むものだった。
それはかつて止めることのできなった大切な部下が選べなかったもう一つの選択肢だったのだから…
鉄華団掃討戦においては、大義を持たずとも信じるもののために戦う三日月に驚愕しながらも、すでに息絶えた彼のバルバトスルプスレクスの首級を掲げ、ギャラルホルンの勝利を宣言する。
掲げる大義もなく、ただ前に進み続けていく姿勢はジュリエッタには理解できなかった。
搭乗者の三日月がもう既に事切れる寸前であったという事実も彼女を一層苦しめる。
全てが終わり、バルバトスの首を掲げ勝利を謳う彼女の姿が『悪魔の首を取った凛々しき女騎士』と称えられたことに何を思ったのだろうか…
ラスタルの下、民主体制に移行しつつある中でジュリエッタは次代のギャラルホルンを担う後継者として噂される渦中の人物となった。
清濁併せ呑み、自らの理想の為に奮闘するクーデリアの姿に思うところがありつつも、ジュリエッタは療養中のガエリオを見舞う。
思い返すのは火星の地で相対したあの機体とパイロット。当時は分からなかったが今なら理解できる。
人ならざる存在としてして自分たちが恐れていた彼らこそ誰よりも人間らしい存在だったことに。
ただひたすらに生きるために戦っていたからこそ恐れていたのだと。
一連の騒動で彼女は絶対的なものと疑わなかった自身の価値観を揺さぶる様々なものに対峙した。
異なる価値観を目にすることで成長を遂げていったといっても過言ではないだろう。
そして軽薄な性格に戻ったガエリオに呆れつつも焼肉屋へ向かうのだった。
作中を通して尊敬する相手のために強敵と対峙し、あらゆる価値観を学び成長していくという主人公属性を兼ね備えたヒロインであり、実質ギャラルホルン側の主人公ポジションであるといってもおかしくはないキャラクター。
彼女の孤児という設定も三日月やマクギリスと出発点を同じくしながらもちょっとしたことで運命は変わっていくということを表現するためのものだったことがスタッフインタビューで明かされている。また、作中でも言及されていた誇りある上官のために戦う姿はアインと、本人の意思に関わらずジャンヌ・ダルクのような救世主として称えられる姿はクーデリアと似通っており、様々な本作のキャラクターと対比するようにイメージされている。
CV.松風雅也
ジュリエッタ同様ラスタルに拾われた鉄仮面の男。自身の名を冠したMS、ガンダム・ヴィダールを駆る。仮面は光る。
当初はジュリエッタから信頼されていなかったが、現在は多少見直されている。
マクギリスと鉄華団に異様な執着を持っているがその声にあまり激しさは無く、似た境遇のジュリエッタとの会話ではむしろ悟りや自嘲とも取れる発言をしている。
イシュー家関係者
『ウルズハント』に登場。
正規部隊とは別にスキップジャック級戦艦や複数のハーフビーク級戦艦、大規模なMS部隊を保有している。
当主が長年病床の身ということに加えて跡取りだったカルタの戦死も重なって断絶寸前になっており、それを回避するべく家老のオキナ主導の下イシュー家の血を引く当主の隠し子の身柄確保を狙う。
またセブンスターズ第一席という立場上特に格式を重視し家柄や出自には厳しく、後ろ盾を持たない者を軽んじる風潮もあるとのこと。
CV:
浜田賢二
イシュー家に仕えるギャラルホルン士官。
ガンダム・フレーム機やマクギリスとも渡り合える程のMSの操縦技量のみならず生身での白兵戦にも長け、同じく白兵戦に長けているデムナーをして「勝てるか分からない」と言わしめる実力者。
後ろ盾を持たずに入隊したため組織内で差別されていた自身を親衛隊に取り立ててくれたカルタに深い忠誠を誓っており、カルタの面影をもつ彼女の異母妹を当主に迎えようと忠義を尽くす一方で、オキナからは「
忠臣というより忠犬」と評され疎まれている。
担当声優の浜田氏は
ガンダム00で
パトリック・コーラサワーを演じている他、
水星の魔女でも
グエルのバイト先の船の艦長役としても出演している。
CV:
津田英三
イシュー家家老を務める老人。
当主が病で寝たきりとなっている上にカルタの戦死で断絶の危機にあるイシュー家を存続するべく、イシュー家当主の隠し子をお飾りの当主に据えることで自らがイシュー家の実権を握ることを画策しており、更には鉄華団との戦闘でイシュー家生え抜きの士官達の戦死により壊滅状態にある地球外縁軌道統制統合艦隊の補充戦力としてシクラーゼを含めた裏社会のマフィアや海賊達を大量招集しているなど不穏な動きも見せている。
【劇中での動向(ネタバレ注意!)】
実は世襲の血脈は本編開始時点でいきなり不安要素満載。
イシュー家、クジャン家は当主(イシュー家は代行)が若く跡取りがなく、当主本人が死ねば即アウト状態。
しかもクジャン家に至っては現当主が後述の通り「行動力だけは無駄にあるバカ殿」のためどうしようもない。
ファリド家は当主が自分の個人的な欲望を満たす目的も兼ねて血縁関係のない元浮浪児を跡取りにしており、すでに血統が絶えることは確定状態だった(そもそも正妻がいたかどうか不明)。
加えて7人という中途半端に多い人数ゆえに、各家の距離感や力関係も微妙。
それでいて当主達が相当のことをやらかしてさえなお処分できないため、かなりの無茶苦茶をやっても早期に止められない。
マクギリスやイオクが何もしなくても、体制はすでに崖っぷちであったのだ。
後に「マクギリス・ファリド事件」と命名された一連の騒動において、マクギリスは「他家の跡取りの謀殺+クーデター」に加えて当主と血縁がなかったことでなんとか逆賊扱いにして処理できたものの、イオクは人員・装備を大量に無駄遣いして死ぬまでなお謹慎処分以上の措置ができなかったため、事態の悪化に拍車をかけた。
当主が病床の身で後継者も戦死したイシュー家、現当主が戦死したクジャン家、血縁関係が世間に暴かれ後継者がいなくなったファリド家は断絶。
ボードウィン家も後継者であるガエリオが年単位の長期療養により表舞台から退かざるを得なくなり、残りの2家は当主が事なかれ主義であったため、エリオン家以外まともな仕事ができる状態ではなくなってしまう。
結果、今までのような運営に限界を悟ったラスタルの手で組織改革が行われ、世襲制ではなく民主的な体制に移行した。
ラスタルはこれと同時に火星支部を縮小。図らずも火星の自治が実現する形になったのは皮肉としか言いようがない。
追記・修正は、その身に7つ星を纏ってからお願いします。
- 未だ謎の多いアグニカ・カイエル。マクギリスの動向からすればセブンスターズにも優る権威があるはずだろうになぜ「バエルの主」以外後継者不在の状態が永らく続いていたのか。もし「本編時代のセブンスターズのような権威の世襲化を防ぐため、意図的に子孫を残さなかった(or一切の特権を放棄し隠棲した)」だったら尚更に報われないぞ……。 -- 名無しさん (2025-01-01 01:27:48)
- そもそもアグニカ・カイエル自体が「ギャラルホルンの権威」を絶対的なものにするために情報操作で作り出された存在しない人物の可能性もあるよな。それでバエルのパイロットは出撃の度に違う人間が務めててあたかも一人の人間がずっとパイロットしてると見せかけてるとか… -- 名無しさん (2025-01-01 02:16:34)
- バクラザン家のガンダムは結局詳細不明なままだけど、情報が不自然なレベルで何も残ってないマルコシアスになるのかな?身内の誰かが勝手に持ち出したから敢えて情報を隠してるとか… -- 名無しさん (2025-01-01 02:19:17)
- カイエル家がないのはアグニカ自身が地位に興味ねぇわタイプだったのかも知れない可能性もあるな -- 名無しさん (2025-01-29 15:11:30)
- バエルがある以上アグニカもいたんだろうけど時代が進むたびに話に尾ひれがつきまくったのかもしれない -- 名無しさん (2025-02-18 00:33:05)
- セブンスターズ全員がアグニカの血をひいているとか?初代はほとんど女性だし。 -- 名無しさん (2025-04-10 11:10:38)
最終更新:2025年04月10日 11:10