登録日:2025/02/28 (金) 04:53:14
更新日:2025/03/12 Wed 15:13:29
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『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 最終章』とは、2025年2月21日に公開された、台湾・日本共同で製作された人形劇映画。
台湾の人形劇スタジオ・霹靂國際多媒體股份有限公司と日本のゲーム会社・ニトロプラスが共同で製作した特撮人形劇『
Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』の映画第3弾にして、シリーズの完結編である。
脚本は、これまでのシリーズを牽引してきた、総監修も務めている
虚淵玄。
概要
2016年のTVシリーズ第1期から始まり、足掛け9年も続いてきた『Thunderbolt Fantasy』シリーズ(以下サンファン)。
本作は、タイトルにあるように、シリーズ全体の完結が描かれている。
TVシリーズ以上の、人形同士による大規模なアクションシーンや腹の探り合いによる心理戦、そして義理と人情に満ちた武侠劇として相応しい終幕となった。
更に、本作ではシリーズが抱えていた最大の謎の答えも用意されている。
その答えには、多くの人間が得心がいくが、同時に深い余韻をもたらすことだろう。
キャラクター達の生き様にも、一つの決着が訪れる。
彼らが如何なる選択をするか、そして何を誇りとし、何を思いやるか。その結末を見届けて欲しい。
主題歌は、西川貴教の「VOYAGE」。
入場者特典として、分解刑氏書き下ろしの短編小説が配布される。
配布されるのは、公開第1週の「凜雪鴉篇」、公開第2週の「殤不患篇」の2種類。
ストーリー
鬼歿之地に開いた魔界への裂け目の発見により、二度目の窮暮之戰の始まりはすぐそこまで迫っていた。
丹翡達護印師は、鬼歿之地に新たな仙鎮城を建て、魔族との戦いの準備に取り掛かる。
そこには、式典のために東離の皇軍も加わっていた。
そんな中、魔界では、新たなる魔神の生贄として囚われた浪巫謠を助けるために、殤不患、凜雪鴉、裂魔弦の三人は魔王城へと乗り込もうとしていた。
別用で一足先に城へと向かった凜雪鴉を尻目に、殤不患達は城へと侵入する。
一方、禍世螟蝗に外法魔術を与えられた嘲風もまた魔界に入り、浪巫謠を奪還するために魔王城へと攻め込んだ。
やがて、阿爾貝盧法の思惑通りに浪巫謠は城の動力源として取り込まれ、魔王城は地上に向けて浮上を開始する。
再び勃発する、魔族と人間との間の戦いである窮暮之戰。
果たして地上の運命は?
そして、凜雪鴉、浪巫謠、殤不患の選ぶ未来とは……?
登場人物
主要人物
CV:
鳥海浩輔
ご存知外道盗賊。
今回は自分の分身というまたとない獲物を狙うとだけあって、一切の抜かりなく謀略に挑む。
魔王を幻術を使って惑わせ、彼の矛盾を突いて煽り散らかす様は完全に悪役のそれであり、殤不患や魔王からもドン引きされている。
剣術では魔王と五分五分で、奥の手として魂を吸われそうになるが……?
CV:
諏訪部順一
ご存知流浪の風来坊。
浪巫謠救出のために魔王城に乗り込み、第4期に引き続き神誨魔械「怒雷斧」を扱う。
最後の敵には様々な武器を使うが手も足も出ず、絶対絶命となるが、芙蓉慧刀を使うことで、友と交わした最後の約束を果たす。
そんな中で、彼は自分の宿命に気づき、ある決断を下す。
CV:
西川貴教
ご存知殤不患の盟友の楽士。
第4期にて魔族化し、阿爾貝盧法に囚われ魔王城の動力源として組み込まれてしまい、魔宮印章により魔神にされようとしていた。
嘲風の命を賭した愛により悪夢から覚め、遂に人間として生きることを決意。
阿爾貝盧法の「邪悪」に立ち向かい、因縁を断ち切ろうとする。
そして、全てが終わり、睦天命と共に人としての幸せを掴むが、その果ての運命に直面することに……。
CV:
小西克幸
かつて「聆牙」だった琵琶の付喪神の人間態。
相棒である浪巫謠を助けるために魔王城の中心へと急ぎ、阿爾貝盧法と対決する。
殤不患から喋り方に関して何か含みがあるような指摘をされ、逢魔漏を手渡されるが……。
復活した浪巫謠と共闘し、阿爾貝盧法を共に倒す。
全てが終わった後、平和になった世界で魔族故の退屈を感じてしまうが、すぐに自分に課せられた使命を自覚することになる。
東離
CV:
中原麻衣
東離の護印師の名家の令嬢。
護印師の代表として人類の砦を指揮し、その名に恥じない高潔さを示した。
夫の捲殘雲に槍を持つことを許可するも、それでも剣の稽古は欠かさないよう釘を刺した。
CV:
鈴村健一
丹翡の夫の護印師。
実力を発揮するために、丹翡から慣れた得物である槍による戦闘を許可されウキウキになる。
夫婦揃って背中合わせの共闘をし、エンドロールでもラブラブぶりを見せつけた。
CV:拝真之介
東離のベテラン護印師。
丹翡と共に、護印師達の戦闘の指揮を執る。
初登場時は敵にいいようにやられていたが、本作では魔族相手に凄まじい強さを発揮した。
CV:
東山奈央
西幽にいた頃の殤不患の盟友。
芙蓉慧刀の使い方を研究していたが、なかなかその扱いを掴めずにいた。
ようやく浪巫謠とも再会し、かつての仲間が揃ったのも束の間、殤不患の決断により再び涙を飲むことになる。
やがて、一つの幸せを掴むが、その先には過酷な運命が待っていた。
CV:
利根健太朗
殤不患の協力者の発明家。
第4期に引き続き、本作でも巨大アーマー「渾天元鎧」を駆り、魔族の群れを蹴散らしていた。
CV:
杉田智和
東離の皇弟。
自他共に暗君と認めており、能天気に振る舞っているが、実のところ人の使い道を弁えている賢さを秘めている。
CV:武内駿輔
晏熙の側近。
何かと無茶を言う皇弟に忠誠を誓っている。
西幽
CV:
速水奨
神蝗盟の猊下にして、西幽の皇帝・幽皇の二つの顔を持ち、世界の「天秤」を気取る男。
嘲風を魔界に赴かせ、浪巫謠の奪取を命じ、自身は幽皇の顔で東離と同盟を組み、人類側として戦争を見物していた。
しかし、戦争が繰り広げられ、神誨魔械が一堂に会した瞬間、その本性を現す。
その真の目的は、全ての神誨魔械を我が物とし、外法魔術を使って融合することで、世界最強の存在として地上、そして魔界に君臨することだった。
最早殤不患ですら敵わない最強の存在となるが、彼が芙蓉慧刀を使ったことでやって来た白蓮により、その身に変化が起こる。
そして、『サンファン』に登場した悪党の中でトップクラスに惨めな末路を迎えることに……。
凜雪鴉が見れなかったと知るとそれは悔しがることだろう。
CV:
釘宮理恵
西幽の皇女にして、神蝗盟の新しい法師。なお、作中では一貫して「嘲風」と呼ばれる。
愛しい浪巫謠を求めるあまり、父に言われるがまま外法魔術を習得し、魔界へと乗り込む。
そして、魔王城に取り込まれた浪巫謠を取り戻すために城を強襲し、阿爾貝盧法と戦う。
その異常な愛からしてこれまでは否定的に描かれていたが……。
使い続けると体に負担がかかる魔術を限界まで駆使し、浪巫謠への貪欲なまでの愛を貫いた。
そして、自らを浪巫謠の嫌う「悪」になってでも彼を守ると誓い、
自分の命に代えてでも彼を悪夢から解き放った。
嘲風が禍世螟蝗から授けられた魔術により顕現した、「武」の面が形となった神蝗盟法師の霊魂。
嘲風の意のままに動く操り人形ではあるが、彼らがダメージを受けるとそのまま術者である嘲風に苦痛がフィードバックされるリスクがある。
CV:高橋伸也
嘲風の側近を務めていた西幽の宰相。
幽皇(禍世螟蝗)に付き従って鬼歿之地へと赴き、人知を超えた戦いに唖然とする。
戦いが終わり、今までの悪行のツケを払わされるが……?
魔界
CV:梅原裕一郎
魔界に君臨する魔王。かつて、「愉悦と享楽の化身」である凜雪鴉を捨てた男。
二度目の窮暮之戰に向け、盤石の態勢で挑もうとするが、そんな中で「自分の部下の形をした何者か」から、「自分の施策が魔族として間違いだった」と詰られ愕然とする。
やがてその凜雪鴉が、かつて自分が捨てた魂の一部と判明し、彼を全否定しようとするが、自分の矛盾点を悉く指摘され完全に言い負かされた挙句、凜雪鴉の自分以上の邪悪な考えを見せてドン引きする。
自分の甘さを自覚した彼は、凜雪鴉の魂を奪って自己を制御しようとするが……。
CV:
三木眞一郎
魔宮貴族最後の生き残りにして浪巫謠の父。
息子への情を、「苦しめてその中でもがく様を愉しむ」ことだと勘違いしている父親の風上にも置けない男。
自由自在に動く三本の剣を操り、複数の敵を相手に善戦する技量の持ち主。
浪巫謠を魔神に仕立て上げ、「人間への復讐」を果たさせようとする。
嘲風、裂魔弦の二人の邪魔が入り、彼ら相手に善戦するが、嘲風により浪巫謠の悪夢を妨害され、彼の覚醒を許してしまう。
魔を断ち切った息子に激怒し、彼に襲い掛かるが、裂魔弦との連携により圧倒され、遂には哀れみと共に自分の野望を断たれることになる。
CV:野島健児
CV:清水理沙
CV:興津和幸
CV:勝杏里
様々な要因により命を落とした魔宮貴族の面々。
本作では、魔王が凜雪鴉に見せられた変装や幻覚として登場し、「魔族の性分は他者との蹴落とし合い」だと主張し、魔王の施策が間違いだったと彼に思い知らせる。
その他
CV:
子安武人
神誨魔械を人類に託した、「神仙」と呼ばれる異世界人。
芙蓉慧刀の力で、かつて心を通わせた殤不患との約束を果たすために、世界を超えて召喚され、神誨魔械を悪用する禍世螟蝗から、彼の体ごと全ての聖剣を没収する。
そのまま聖剣を、自分の世界の中原へと連れ帰り、図らずも禍世螟蝗に残酷な仕打ちを与えることになる。
CV:
マフィア梶田
中原のチンピラコンビ。
「俺は世界の天秤だ」とわけのわからないことをほざいていた惨めな浮浪者に、饅頭を分けてやった。
本家霹靂布袋劇ではお馴染みのキャラクターであり、まさかのゲスト出演枠として登場。
CV:虚淵玄
南へ向かう船の船頭。
「刃無鋒」を名乗る男に親しげに話しかけた。
キーワード
魔王・阿契努斯が居を構える城。
城自体が巨大な生き物であり、動力源に魔神を組み込むことで、地上への浮上が可能となる。
魔宮貴族がその証として保管していた特殊な印章。
四個集めて体内に取り込むと、その体を魔神へと変貌させる。
神仙によって、魔族の襲来に喘ぐ萬輿にもたらされた、魔を打ち払える強力な聖剣。
その正体は、異世界・中原で白蓮によって鋳造された何の変哲もない剣だが、世界を超えたことにより破魔の属性が付け加えられたもの。
斬った人間を自在に操れる魔剣。
第2期ラストで凜雪鴉が使用し、殤不患に返されたと思われていたが……?
神誨魔械の中でひときわ強い力を持つとされる聖剣。
使用方法が睦天命や天工詭匠にもわからず、手に余っていたが、殤不患が使ったことで、その予想外の性能が発揮される。
異次元の宮殿「無界閣」に生えている、時間と空間を移動できる鏡。
最後の一枚を殤不患が持っており、裂魔弦に「いずれ来る時に使え」と託されるが……?
追記・修正は大団円から旅に出てからお願いします。
- 驚天動地のどんでん返し、確と堪能させて貰いました。いつかまた逢おう、おじさん達!! -- 名無しさん (2025-02-28 08:58:00)
- まだ二週間経ってないから項目建てるのは早過ぎない? -- 名無しさん (2025-02-28 09:52:29)
- 数が少ないのもあるかもしれないけどパンフレットが売り切れになってて驚いた。 -- 名無しさん (2025-02-28 21:29:57)
- 饅頭のシーンが泣けますね… -- 名無しさん (2025-03-02 03:29:07)
- 惨めな浮浪者マジ惨めすぎる……今回も特撮楽しませてもらいました -- 名無しさん (2025-03-12 15:13:29)
最終更新:2025年03月12日 15:13