ドラムス(楽器)

登録日:2025/09/14 Sun 22:30:25
更新日:2025/10/03 Fri 23:35:23
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概要

ドラムス(またはドラムやドラムセット)とは、クラシック音楽などで使われる打楽器(太鼓、シンバルなど)を一人で演奏できるようにしたものであり、バンドにおけるパートの一つである。
バンドにおけるリズムの要であり、奏者のことをドラマーと呼ぶ。

バンドの土台となる重要なパートであり、曲に躍動感を与え様々なフィルインで盛り上げる名脇役。
ジャズ、ロック、ポップスなどのポピュラー音楽においては必須と言っても過言ではない。

楽器の中でも特に体力を必要とする*1パートであり、ドラマーはトレーニングが欠かせない。
しかし、それを逆手にとってアニメでは華奢で小柄な女の子が担当することも多い。


使われる楽器

※奏者によって様々なセッティングが存在し、中には楽器類を大量に配置して要塞のようにしてしまう人たちもいるが、ここでは基本的なセッティング(右利き、左利き問わず右利き用でセッティングする人が多い)を解説。

太鼓類

・スネアドラム

ドンッターンドドターン
のターンの部分。

ドラムにおける主役的存在でセッティングでは両足の間に置かれる。スネアとも略される。
裏側にスナッピーと呼ばれる針金でできた線が張ってあり、これにより歯切れのいい音を出す。主にバックビートとフィルインで用いる。
サイズは14インチ*2が主流。エフェクト的に使われるミニスネアもあるが逆に大きいスネアはあまり一般的でなく、普通に手に入る最大サイズは15インチ程度。むしろ深さのバリエーションがあるのがスネアで、3インチ〜8インチ程度が一般的。浅いほど響きが短く、ピッチが高くなる傾向にある。
このように自分のサウンドをコントロールする要になる楽器であることから、ドラマーはまずこのスネアドラムを自前で用意することが推奨される。


・バスドラム

ドンッターンドドターン
のドン、ドドの部分。

オーケストラにおける大太鼓であり、ドラムセットで最も大きい太鼓。バスドラ、ベースドラム、キックとも呼ばれる。
打面を手前側にして床に設置しキックペダルを踏みこんで演奏する。
スネアと同じくキックペダルも自前を持つことが推奨される。
サイズは一般的に20〜24インチが多いが、ジャズ系の人などは18〜20が主流、逆にハードロック等では24〜26がよく使われる。中には40インチとかいう頭おかしいサイズを使う人も……一番よく見かけるのは22インチ。
ハードロック・ヘヴィメタルのドラマーはこのバスドラムを2台以上セッティングする人も多い(ツーバス、ツインバス等呼ばれる)が、実はこのセッティングのルーツはジャズドラムである。
リズムにおける土台部分を担当し、曲のノリを決定する重要な楽器である。
例えば
ドンッターンドドターン
ドンドッドドドン
ドンドドンッタン
下線を引いた場所がバスドラだが印象が変わるのがわかるだろう。
特にベースとの相性は抜群で、ベースとバスドラをユニゾンさせることも多い。
しかし、携帯、スマホなどの安いスピーカーでは物理的に聞こえなくなることも多い悲しい宿命を背負っている(この辺もベースと同じである)。


タム類

タカタカドコドコドコドコジャーン!
のドコドコの部分。

丸みを帯びた正に太鼓という音を出し、主にフィルインに使われる。
幾つか種類はあるが、一般的なツータムの場合主に使われるのは三種類。多数のタムをセットする場合下記のような呼び方では対応しきれなくなる(3タムの場合ミッドタム、ミドルタムなどという場合もある)。

  • ハイタム
バスドラムの左上に配置される。最も高い音を出すタム。最も一般的なセッティングだと12インチの太鼓がセットされる。ワンタムのセッティングだとここに13インチを置く場合も。

  • ロータム
バスドラムの右上に配置される中音域のタム。ドラマーによっては設置しない者もいる。一般には13〜14インチがセットされる。

  • フロアタム
最も大きいタムであり、唯一床に設置される。設置場所は奏者のすぐ右側が多い。16インチが主流。14や18インチを使う人も。フロアをフロアを2台置く場合も。
フィルイン以外にもハイハットの代わりにリズムを刻んだり、スネアとユニゾンさせて音に厚みを出したりする。


シンバル類

ハイハット

チッチッチッチ…
小さなシンバルを二枚重ね合わせ、足のペダルで開閉できるようにしたもの。ハットと略される。セッティングは奏者のすぐ左側。
主に曲の基本ビートを決定する。ドラムスはハイハットの刻みを基準に他を合わせていくことが多い。例えばハイハットを八分音符で刻めば8ビートになる場合が多い(実際にはそんな単純な話ではないが)。
サイズは14インチが主流だが、13等の小径シンバルを使ったり、逆に15〜18インチ等のサイズが使われる場合も。流石に大サイズのハイハットを作っているメーカーも少ないので16以上の場合はクラッシュで代用する場合が多い。
通常はペダルを踏み込んだ状態(クローズ)でリズムを刻み、時折開く(オープン)ことでアクセントを付けるという使われ方が主流。踏み込み具合で音色が変化し、少し緩めに踏むことでラウドな響きにすることもできる(ハーフオープン)。ハードロック等ではこのハーフオープンが多用され、ジャズやポップス等ではクローズの綺麗な響きを使う場合が多い。
また、変わった使い方としてペダルを瞬間的に踏んでシンバル同士をぶつける(いわゆる普通の合わせシンバルの使い方をイメージ)スプラッシュ*3という奏法もある。
ハイハットはドラムセットの中で唯一音長をコントロールできるパーツのため、グルーヴの表現において重要な役割を持つ。

クラッシュシンバル

タカタカドコドコドコドコジャーン
のジャーンの部分。

よく小節の頭やアクセントとなる位置でジャーンとシンバルが鳴ることがあるが、それはこのクラッシュシンバルの音である。奏者から見て左側、ハイハットの右上あたりと右手側の任意の場所に設置することが多い。2枚セッティングする場合一般的なサイズは16インチと18インチ。好みによって14〜20インチ等を使う場合も。

ライドシンバル

チャーンチャーンチャーン…

クラッシュシンバルよりも大きめなシンバル。トップシンバルとも呼ばれる。セッティングは奏者の右斜め前に置くことが多い。
サイズは18〜24インチが主流。普通にスタジオ等にあるのは大体20インチ。また、近年では厚手のシンバルがライドとして使われるが、ジャズ等の奏者は大径かつ薄手のシンバルを好む場合が多い。
主にリズムを刻む点でハイハットと役割が似ているが、ハイハットよりも音の広がりがあるため、サビで曲を盛り上げたり、逆に静かなパートで空間の表現をしたい場合に使うことが多い。
なおジャズナンバーでは他ジャンルと異なり、ライドシンバルがリズムを刻むためのメインパートを担う。ライドでビートを刻み、ハイハットやキックは拍のカウントや要所におけるアクセント、スネアやタムはもっぱらフィルインやソロに使われるのが基本的なパターンとなる。

なお、70年代くらいまではシンバルにライド、クラッシュの区別は無かった。もちろん、現代においてもどのシンバルをどのような使い方をしようと自由である。


その他

ドラム椅子

楽器ではないが、奏者を支える最重要なパーツである。「スローン」とも呼ばれる。
座面が丸いものが多いが、自転車のサドルの様な座面のものや、背もたれを付けた物もある。
演奏中は背筋を伸ばして座っているので、背もたれがあると長時間の演奏でも腰が非常に楽である。
個人差はあるが、座ったときに膝が直角になるか、かかとがやや浮くぐらいの高さに調整するのが基本とされる。ただし低い方がキックのパワーが出るのでハードロックやヘヴィメタルのドラマーは膝が鋭角に曲がるくらい低い場合も。


ドラムスティック

ドラムを叩くための棒状の物。先端にはチップと呼ばれる丸まった突起が作られている。ドラムを始めたい人はこれだけは最初に買おう。
ヒッコリー、オーク、メイプルといった木製のものが多いが、カーボンファイバーや金属などで作られたものもある。最もポピュラーなのはヒッコリーで、初心者からプロまでジャンルを問わず使われており入門用としても最適。
ドラムスティックを持つときにはチップとは逆の側で、全長の約1/3の部分を持つ。持ち方には大きくマッチドグリップ(両手共に人差し指と親指の間に持つ)とレギュラーグリップ(利き手でない方のみ鉛筆持ち)の2種があるが、レギュラーグリップは習得に時間がかかるためマッチドグリップを使う奏者の方が多い。
また、スティック以外にブラシ、マレット、ロッズなどを使って叩く場合もある。中級以上のプレイヤーでスティックだけでの表現に限界を感じてくるととても便利なアイテム。


パーカッション類

カウベルやタンバリン、ボンゴ、ティンバレスなどを追加する奏者も多い。ハードロックのドラマーでティンパニやゴングを組み込んだりすることもあるがこれはもうアマチュアにはほぼ無理な領域。組み込みとは違うがマラカスやタンバリンをスティックがわりに持ってドラムを叩く場合も。


追加シンバル類

チャイナシンバルやスプラッシュシンバルを代表とするエフェクトシンバルを組み込むプレイヤーも少なくない。最近では重ねシンバルや穴あきシンバルをセットする人も増えてきた。重ねシンバルはほとんどサステインが無いのでスネア代わりに叩くこともある。


ドラムトリガー

ドラムの振動を電気信号に変換する機械で変換した信号を音源モジュールに送り音源を鳴らすというもの*4。「トリガー」とも。
サンプリングしたドラムを再生して音を増幅させたり、全く別の音を出して新たなサウンドを生み出すなど多様な用途がある。
主にヘヴィメタルなどで使われることが多い。


その他

ロートタム(胴なしのタム)やキャノンタム(長い筒状の小口径タム)などのパーカッシブなドラム、ゴングタムのような低音ドラムが追加される場合もある。また、特に近年はエレクトロニック・ドラムを組み合わせるドラマーも増えてきている。


日本のドラマー事情

ふぅ…真面目な解説はこれくらいでいいだろう……。
実は我が国の音楽業界は圧倒的なドラマー不足である。
どれくらいかと言うと、「ドラムができます!」となっただけで即バンドに採用されるレベル。
何故そうなったかというと、


練習場所が少ない

ドラムは電気を用いないアコースティック楽器では最大の音量を誇る。ハイハットクローズですらアコギと同じ音量が出るのだ。
そのため生のドラムを家で練習することは、近隣住民に対して迷惑になり兼ねない。
「なら、消音パッドや電子ドラムでよくね?」と思ったそこの君、甘いぞ!
騒音には空気を伝わるものと、壁などの物体を伝わる音がある。前者は手拍子や話し声など、後者は工事現場の掘削振動や上の階でドタバタ駆け回る音などである。
消音パッドでは空気中に広がる音は抑えられても、叩いた振動が伝わって広がる騒音は防げない。キックペダルを踏もうものならすぐに下の階に響く。

我が国の都会の住宅事情ではドラムを練習するには、広い家に住んでいるか防音室を設置できる金持ちか、かなり工夫するかしかないのである。
「自分の家がド田舎だったら…」と妄想するのはドラマーあるあるである。ド田舎だとバンドグループ自体無いだろうけど


価格・必要面積の理由でドラムセットの所有は一苦労

初期投資が比較的安いエレキギターなんかと比べ、一式揃えるにはかなりの出費が必要である。
そのため、自前のものはスティック、キックペダル、スネアしか持っておらず、他はスタジオやライブハウスで借りるドラマーも多い。
さらに家に置いておくのも一苦労ですぐに部屋がいっぱいになります。マジで。
運搬もキャリーか車での運搬を余儀なくされるため、プロであってもツアーなどでは一部をレンタルで済ますという場合もある。


学校などで経験を得る機会が少ない

騒音問題がある、私有も一苦労、ならば経験を得る入口として学校の部活やクラブで共用品を使わせてもらう形が考えられる。
…が、吹奏楽部や軽音楽部でもバンドにつき一人、良くても控えでもう一人という形でそもそも経験させてもらえる機会が少ない。
また吹奏楽部では常に使うわけではなく、夏~秋に行われるコンクールで使われることはあまりない*5*6
パーカッションが自主練習の一環で叩いたり、他パートの部員も許可を取れば触れる機会は作れるだろうが、本番の機会どころか練習する機会もなかなかないのだ。


その他の事情

レコーディングも一苦労でマイキングは複雑怪奇であり、準備に恐ろしく時間がかかるため演奏してみた動画を撮るのも一苦労である。
また、バンドの解散後に一番苦労することが多いのはドラマーと言われている。ドラムはその性質上ステージを動くなどのアクションをしにくく、ボーカルかギターに転向してしまう元ドラマーも多い。
中には俳優メインにシフトしたり*7、ドラムスと共に芸能界からも身を引き、心機一転勉強や新しい経験を重ね、一般職につくものも…*8
しかし、ファンとしてはドラマーとしての姿が見たいという板挟みの状態になっている。


とはいえ…こんなレアケースも

首都圏などで開催されるセッション会*9では、逆にドラマーが集まることが多い。
ドラマーは幅広いジャンルを経験していたり、やりたがったりする傾向があり、この手のイベントには集まりやすい。
そのためギタリストやベーシストよりも多くの、なんならボーカリストに匹敵するレベルでドラマーが集まることもある。
ドラマーを探したいときは、メンバー募集のほかにもこういったイベントに目を向けてみるとよいだろう。


名ドラマー達


バディ・リッチ

最も偉大なジャズドラマーに上がることも多い名ドラマーであり、様々な技法を開拓して現代に繋がる礎を築き上げた。
特筆すべきはそのスピードで、素人でもわかる高速ドラムプレイは他の追随を許さなかった。


アート・ブレイキー

代表的ジャズドラマーの一人。ダイナミックな「ナイアガラ」と呼ばれるロールは彼の代名詞。また、アフリカ音楽を欧米に持ち込んだ第一人者の一人でもある。


マックス・ローチ

彼もまたレジェンドの名に相応しいジャズドラマー。ジョン・ボーナムはローチに強い影響を受けており、モビー・ディックにはドラム・オルソー・マーチのフレーズが引用されている。


スティーヴ・ガッド

アメリカのフュージョンドラマー。
チック・コリアの作品を始めとして、ジャズ、フュージョンのみならずエリック・クラプトンなどロックも含め数え切れないほどの作品・ツアーに参加している。
80歳を過ぎた2025年現在も現役で活動を続けている。


ハル・ブレイン

アメリカを代表するセッションドラマーの一人。
60年代ごろから数知れぬほどのアメリカン・ポップスのリズムを刻み続けた。ビーチ・ボーイズや座・モンキーズ、カーペンターズ*10などのドラムの多くは彼のプレイである。


メル・テイラー

1959年の結成以来メンバーを変えつつも今なお活動中のインストゥルメンタルバンド『ザ・ベンチャーズ』のドラマー。
ちなみに歴代のドラマーとしては三代目にあたる*11
ジーン・クルーパに影響を受けたとされる華やかなプレイやシンプルかつダイナミックなグルーヴ、『キャラバン』などで披露されたドラムソロは当時の観客に衝撃を与え、
特に日本では空前のエレキ・ブームを巻き起こす切っ掛けとなった1965年の来日公演などの存在により、今なおメルを憧れのドラマーと公言する往年のファンが多い。
1996年の日本公演中に肺がんが発覚し、治療のために急遽緊急帰国するもそのわずか10日後に死去。
以後は息子のリオン・テイラーが後任の5代目ドラマーとして就任し、現在も活躍中。


リンゴ・スター

ご存じThe Beatlesのドラマー。
そこまで技巧的なプレイはないが、独特のドラムスタイルは現在も影響を与え続けている。とにかくひたすら歌を活かすことに専念するドラミングが特徴で、特に「引き算」のドラミングには定評がある。不要と思ったらハイハットとか全く使わないのもザラなのだ*12。左利きだが右利き用のセッティングで叩いているため、フィルインの時など独特な手順になり、それがリンゴのスタイルになっているところも特筆すべき点といえよう。


チャーリー・ワッツ

The Rolling Stonesの屋台骨を支えたドラマー。
ロックンロールバンドの代表格と言われるストーンズのメンバーでありながら本人はロックンロールに全然興味がなく、本人はジャズドラマーであると主張し続けた。しかし若干突っ込み気味のグルーヴはパンクの時代にも色褪せず、ロックバンドとしてのストーンズを支え続けた。8ビートの時スネアを叩く際にハイハットを抜くスタイルが特徴的だが、実際にこの奏法を始めたのは70年代以降なのでコピーする際は注意。


キース・ムーン

The Whoのドラマーであり、常時フィルインと形容される破天荒スタイルは後世のドラマー達に多大な影響を与えた。とはいえ、彼のプレイもリンゴ同様歌を大事にするスタイルであり、よく聞くとめちゃくちゃに叩いているわけでなく、ヴォーカルやギターに寄り添う演奏しているのがわかる。実際のスタイルはオーケストラの打楽器類に近いと言えるだろう。ただその分リズムキーパーとして役割は半ば放棄しており、ピート・タウンゼンドのギターがキープしていくのがWhoのスタイルになっている。
アニヲタ的に関連がある事柄としては『けいおん!』の田井中律がキースのファンという設定*13


ジンジャー・ベイカー

クリームのドラマーであり、力強く情熱的なプレイは後のハードロックドラマーの基礎を作り上げた。本人の性格もかなり気難しかったことで有名。ジャズやアフリカのリズムに強い影響を受けたタムを多用したドラミングが特徴。


カレン・カーペンター

『シング』、『イエスタデイ・ワンス・モア』、『トップ・オブ・ザ・ワールド』などの世界的ヒットで知られる兄妹デュオ『カーペンターズ』のメンバー。
ヴォーカリストとしての知名度が圧倒的なため知らない人も多いが、前身となったバンド『スペクトラム』時代の担当はドラムスとバックコーラス。カーペンターズ時代でも多数の楽曲でレコーディングの際にドラムを担当している。
正確無比なリズムキープには定評があり、カレン本人も「歌うドラマー」というポジションを気に入っていたものの、後に兄の意向によってヴォーカリスト専門となりドラムを叩く機会は失われてしまった。
拒食症を原因とする心不全により32歳で死去。その早すぎる死は多くの人から惜しまれた。


ジョン・ボーナム

Led Zeppelinのドラマーであり、もっとも偉大なロックドラマーとしてしばしば名前が挙がる。力強く叩きまくる中でも技巧的かつ多彩なフレーズの数々はLED ZEPPELINになくてはならないものだった。ジャズやファンクの影響も強く、パワーで押すだけではなくグルーヴを重視したドラミング*14が彼の本領である。そのグルーヴはヒップホップ等ダンスミュージックのジャンルでもリスペクトされており、特にWhen The Levee Breaksのドラムパートは定番サンプリングネタとしても超有名。


ミッチ・ミッチェル

Jimi Hendrix Experienceのメンバーとして知られる。ちょうどキース・ムーンとジョン・ボーナムの中間的なスタイルで、リズムのボトムを支えつつ手数の多いフィルインを多用する。そのグルーヴはヘンドリクスとの相性抜群で、黒人的グルーヴとブリティッシュロックの接着剤としても機能したと言える。


イアン・ペイス

Deep Purpleのドラマー。結成から現在まで脱退していない唯一のメンバーでもある。
他の60年代組ドラマーと同様ジャズに根差した高速かつテクニカル、そして正確なドラミングが特徴。リッチー・ブラックモアの目指したハードロックのスタイルを実現するにはペイスのプレイが頼りになったことは想像に難くない。左利きで、セットを全て逆にセッティングしているのも目を惹く特徴の一つ。


コージー・パウエル

ハードロック・ヘヴィメタル界では絶対的な人気と影響を誇るドラマー
ジェフ・ベック・グループ、レインボー、ブラック・サバス、ホワイトスネイクなど数多くのバンドを渡り歩いたことから「渡り鳥」の異名を持つ。
それだけ引く手数多なのも事実だが、本人が飽きっぽいのか喧嘩っ早いのか、バンドに馴染んだかと思うと辞めてしまうのが玉に瑕。
とはいえ、重厚さとテクニックを併せ持つ、ハードロックの基本スタイルを作り上げた人物の一人と言って過言ではない。


リック・アレン

イギリスのハードロックバンド、Def Leppardのドラマー。
彼は交通事故で片腕を失うという、ドラマーとしては致命的な怪我を負ってしまう。
しかし、メンバーの励まし、シモンズ社*15の協力、本人自身の努力により、片腕と両足だけで叩けるようになり、隻腕のドラマーとしてバンドに復帰する。以後は長年バンドを支え続けている。
+ 余談
アレンが腕を失い、復帰した直後はサポートのドラマーがツアーに帯同しており、最初の頃はほとんどサポートのプレイがメイン、ツアーが進むにつれ徐々にアレンの演奏を出して行く、というリハビリ的な構成をとっていたという。
そのツアー中、サポートドラマーが遅刻してしまった日があった。彼が会場に到着するとステージはすでに始まっており、そこにはもう完璧に一人でステージをこなすアレンの姿があった。それを見てサポートは感動しつつ、その場を後にしたという。
さらに余談ながら、そのドラマーは翌年から再結成したStatus Quoに新加入するジェフ・リッチである。


ロジャー・テイラー

QUEENのドラマー。メンバー随一のロッカー気質でパワフルなドラミングが特徴。
メインはドラムだが自身が作曲した楽曲では、少年期の聖歌隊で培った歌唱力を活かしボーカルを務めることも。またギターの素養も高い。
若い頃は中性的な美貌で女性からの人気が非常に高く、日本で人気が出た要因の一つとも言われている。
『I Want To Break Free』のMVでの女装姿は必見。


ジョージ・コリアス

ギリシャ出身で、ブルータルデスメタルバンド「Nile」で活動するドラマー。
凄腕ドラマーが多いデスメタルシーンの中でも突出した演奏力を持ち、人外じみた正確かつ高速のドラミングに定評がある。
その中でも、足を左右にスライドさせて踏む「スイベル(スウィベル)奏法」を活用したツーバスに至っては、速すぎて摩擦で靴が溶けたなんて逸話もある。
そのため、「デスメタルドラマーの名手は?」という話題ではほぼ確実に名前が挙がる。
バンド以外では音楽講師としても活動しており、ギターやベースなども弾けるマルチプレイヤーでもある。


スティーヴ・ジョーダン

アメリカのセッションマン。デビュー当時はブルース・ブラザーズ・バンド等で活躍していたが、80年代にキース・リチャーズのソロに関わった頃から頭角を表した名手。とにかく絶対余計なことは叩かないグルーヴマスターで、リンゴ直系でありながらアメリカン・グルーヴを体現するドラマーである。チャーリー・ワッツ亡き後のストーンズのドラマーも勤め、また、奥田民生のレコーディングセッションにも参加している。


カールトン・バレット

Bob Marley & The Wailersのドラマーであり、レゲエ・ドラミングの草分け。
2拍4拍にキックを踏む「ワンドロップ」を世界に広めた(発明者ではないらしい)のは彼とWailersの功績。三連符を交えたハイハットも独特なスタイル。


トミー・リー

Motley Crueのドラマー。細マッチョな体型から半裸でパワフルなサウンドを繰り出す。ビキニパンツ一丁でステージに出たり、ドラムセットが回転したり、客席の上に張り巡らされたレール上をジェットコースターよろしく駆け巡ったり、バスドラムが異常に大きかったり、YOSHIKI以前からドラム兼ピアノだったりとパフォーマンス面で話題を集めがち。


ジョジョ・メイヤー

ドラムンベースのドラムを人力で再現する*16という驚異的なリズム感と精度を持つ。ディレイすら人力で再現してしまう。
彼を皮切りに「人力ドラムンベース」という分野が発展したと言っても過言ではない。


高橋幸宏

サディスティック・ミカ・バンド〜YMOのドラマー。リズムマシンの如くソリッドな演奏には定評がある。YMO時代以降は自ら打ち込みをしたり、シンセドラムを導入したりと、ドラムとエレクトロニクスの融合にも積極的だった。シンガーでもあるため、彼もまた歌とドラムの関係を活かすプレイヤーでもある。


林立夫

70年代にティン・パン・アレイ周辺で活躍したセッションドラマー。
細野晴臣、大滝詠一らの作品で、本場のプレイヤーにも負けない見事なニューオーリンズ風のビートを繰り出す名手。プレイスタイルは多彩で、歌謡曲等の仕事でも大活躍している。アムウェイの広告塔って言うな。


村上"ポンタ"秀一

日本を代表するセッション・ドラマー。ジャズに根差しつつも常にあらゆるスタイルを自分に取り込み、あらゆる仕事への対応力のあるドラマーのため無数ともいえそうな数の作品に起用されている。また、古のジャズメン譲りの歌舞伎者な面もあり、派手な服装やビッグマウスでスターとして振る舞うことも忘れなかった。


樋口宗孝

レイジー→ラウドネスのドラマーであり、日本におけるヘヴィメタルドラマーの草分け。コージー・パウエルの影響も感じさせるパワフルなプレイはラウドネスの米国進出の後押しになる説得力があった。


雷電湯澤/ライデン湯沢殿下

地獄から来た悪魔達により結成された宗教団体聖飢魔IIの四代目ドラマーにして、地球デビュー後の唯一無二の正規ドラマー。
先に紹介されているジョン・ボーナムに憧れて独自にドラムを学び始め、自身が日本屈指のパワーヒッターであると同時に、繊細で正確なリズムを刻む超技巧派ドラマーとなった。
現在は人間の姿で活動中だが定期的に記憶を取り戻して悪魔(正確には雷神の息子だが)に戻る。


YOSHIKI

X JAPANのリーダー。彼のドラムプレイは見る者を圧倒するスピードと激しくパワフルなプレイを特徴とし、やりすぎて体を壊した。
作詞・作曲やピアノなどもこなすマルチプレイヤーであり、現在は実業家としても活動している。


ヤガミトール

BUCK-TICKのドラマー。デビュー当時から一人だけ続けている天高く聳え立つ髪型がトレードマーク。見た目のインパクトだけでなく、ジョン・ボーナム直系のヘヴィネスとパンク由来のシャープさを兼ね備え、その上テクノロジーや新しいサウンドにも対応し続ける姿勢には多方面からの尊敬を受けている。


真矢

LUNA SEAのドラマー。能楽師の家系出身で、幼い頃から和太鼓などの伝統楽器を嗜んでいた。
ビジュアル系らしからぬ恰幅のよい体型が特徴的だが、これはドラムの音を響かせるために体重を維持しているため。
音楽活動のみならずラーメン店やパワーストーンのお店をプロデュースするなど、多彩な人物。


笠浩二

『Romanticが止まらない』で一世を風靡したC-C-Bのドラマー。メガネがトレードマークだが実は伊達メガネ。
コーラスや裏方というイメージの多いポジションであるドラマーとしては珍しくハイトーンボイスを活かしてリードボーカルも担当していた異色の人物*17
また、当時は高価かつ珍しかったシモンズ製の電子ドラムを使用していた事でも知られ、メーカーからは知名度アップに貢献したとして感謝されたという。


松田弘

サザンオールスターズのドラマー。結成以来常にサザンのリズムを支えている屋台骨。
キーボード担当の原由子がリードボーカルを務める『そんなヒロシに騙されて』のヒロシとは彼の事*18
大学時代に大森隆志*19の紹介で桑田佳祐と出会い、その縁でサザンへ加入。
アマチュア時代から卓越した腕前を持ち、彼が加入した事で実質解散状態になっていたサザンは活動を再開することになる。
リーダーの桑田は松田の演奏に惚れこんでおり、「サザンの本当のリーダーは彼じゃないかなってのは僕は思うんですよね」とまで言わしめている。
その証拠に桑田以外のメンバーは体調不良等で活動できない際はサポートメンバーで代演されることもあるが、
松田に関しては一度もサポートを立てられたことがなく、彼が体調を崩した際はライブそのものを延期したほど。
ハスキーボイスの桑田と対照的な甘い高音の歌声も特徴的で、それを活かした原由子とのコーラスはサザンにとってなくてはならない重要なパーツ。
大の愛妻家かつネタにされるほどの熱烈な巨人ファン。
また、ゴルフも大好きで「ドラムのスティックを忘れる事はあってもゴルフのクラブは忘れない」とは原由子の弁。
ちなみに息子の松田翔もドラマーであり、『愛と死の輪舞』では親子での共演が実現している。


菊地英二

『太陽が燃えている』『JAM』などで知られるTHE YELLOW MONKEYのドラマー。
上述したコージー・パウエルや高橋幸宏の影響を色濃く受けたスタイル。
ちなみに中央大学理工学部出身で博識さを見せることも。


ドラムス経験のある有名人


加藤茶

コメディアンのイメージが一般的だろうが、音楽バンド時代のドリフターズではドラムス担当。
当初はトロンボーンを志望していたが貧しさゆえに断念し、「木の棒が二本あれば始められるから」とドラムに転向、実際ゴミ捨て場から壊れたドラムスティックを持ち帰ってきてそれで練習していたという剛の者。
特に1974年制作の映画『ザ・ドリフターズの極楽はどこだ!!』における2分以上に渡るドラムソロはファンの間での語り草。
ドリフがビートルズ日本公演で前座を務めた際もショートライブ形式だったため、実はリンゴ・スターや同じ前座組のジャッキー吉川(ジャッキー吉川とブルーコメッツ)共々日本武道館で初めてドラム演奏を披露したミュージシャンでもある。
ちなみに映像を見る限りスティックの持ち方はレギュラーグリップ。


荒木しげる

カレッジフォークバンド「フォーセインツ」ドラムスからモデルへと転身し、『仮面ライダーストロンガー』で名を馳せた俳優。


松本隆

現代では『赤いスイートピー』『ルビーの指輪』『硝子の少年』等を手掛けた名作詞家として知られる彼だが、実は芸能界入り時に所属していたバンド『エイプリル・フール』『はっぴいえんど』ではドラムス担当だった。


西城秀樹

少年時代アマチュアバンドでドラムス経験があり、ソロ歌手としてデビューし名を馳せた後も時々ドラム演奏の腕を披露していた。
なので『8時だョ!全員集合』にゲスト出演した際、ある回にて加藤茶とのドラム合戦コントを行った事もある。


古谷徹

かつて声優バンド「スラップスティック」にてドラムスを担当していた。
本人曰く中学生の頃から友人たちとバンド活動をしており、横浜で豆腐屋を営んでいた実家には一通りの楽器が揃っている環境だったという。
ちなみに初期のメンバーだった神谷明によれば、その実家はスラップスティックの練習場所としても使われ、
メンバー全員で押し掛けた上で二階の自室に防音用の発泡スチロールを貼りつけて練習に励んだというエピソードが残されている。


森高千里

説明の必要もない歌手であるが、ドラマーとしてもなかなかの腕である。ビートルズファンでもありリンゴの影響を受けた歌に寄り添うドラミングは、結果として彼女を「和製カレン・カーペンター」たらしめた。あの美脚で踏まれるキックペダルになりたいファンも少なくないと言われる[要出典]。


大倉忠義

SUPER EIGHTのメンバー。同グループ所属前のV.WEST時代からドラムスを始め、現グループ加入後もライブでのバンドモード時はドラムの腕を披露している。


シシド・カフカ

珍しいソロアーティストのボーカル兼ドラムス(後にトリオバンド「BONE DAWN」を結成している)。ドラムスからソロデビューを目指してボーカル修行を積んでいた際の助言から、話題性も高いこのスタイルになった。実はイカ天出身バンドTHE NEWSの3代目ドラマーである(イカ天出演時は加入前)。


ウォーレン・クロマティ

ハードロックバンド、 Climbのドラマー…というか野球選手。
88年に突然野球選手がリズム&ドラム・マガジン*20に載ったので何事かと思ったらバンドを結成してデビューしてしまった。当然のようにアルバム一枚で消えたが、ゲストにはRush、Foreigner、Rainmow等のメンバーも参加していたらしい。


ランディ・ジョンソン

アメリカの野球選手。
208cmの長身から繰り出すMAX164キロの快速球と高速スライダーを武器に5度のサイ・ヤング賞やMLB歴代2位となる4875奪三振、他にも数えきれないほどの記録を打ち立てた米国球界を代表する剛腕投手。
自宅にかなり本格的な練習場を作るほどドラムにのめり込んでおり、2015年に野球殿堂入りを果たした際のセレモニーでは金メッキの施されたドラムセットをプレゼントされた程。
また、日本のテレビ番組で前述の加藤茶とのドラムバトルを行ったこともある。
引退後はもう一つの趣味である写真撮影が高じて、プロのカメラマンとして活躍している。


(番外)

石原裕次郎

後に西城秀樹が主題歌をカバーした主演映画「嵐を呼ぶ男」は有名だが、ドラムの演奏シーンは吹き替えである。


代表的メーカー

Ludwig (ラディック)

アメリカを代表するドラムメーカーの一つ。リンゴ・スター、ジョン・ボーナム、アレックス・ヴァン・ヘイレンなどをはじめとする世界の一流ドラマーが愛用するメーカー。
通常の木製のドラム以外にもアクリルのVistaliteシリーズや、オールステンレスのドラムなども作成している。
スチール製スネアの代表格とも言える名機、スープラフォニック(LM400, LM402)や、キックペダルのスタンダード、スピードキングはこのメーカー。

Gretch (グレッチ)

同じくアメリカのメーカーで、ギターメーカーとしても知られる。
19世紀から存在するメーカーで、ジャズドラマーに愛用者が多い。ロック界での代表的プレイヤーはチャーリー・ワッツ。

Slingerland(スリンガーランド)

こちらもアメリカのメーカー。
同じくジャズのプレイヤーが多い。単板スネア*21の名器、ラジオキングは憧れるドラマーも多いだろう。

Rogers(ロジャース)

正直、あまり有名なメーカーではないのだが、Rogersを有名にしているのはスウィヴォマチックというタムホルダーである。60年代のドラマーはLudwig等他社のドラムを使っていてもタムホルダーをこのRogersのものに交換しているプレイヤーが非常に多かった。

Premier(プレミア)

イギリスを代表するドラムメーカー。
リンゴ・スターの最初のドラムがこのメーカーで、その後Ludwigに買い替えたため二流メーカーのように勘違いされる場合もあるが、イギリスのドラマーでこのメーカーを愛用する者は多い。
キース・ムーンやケニー・ジョーンズ、リック・バックラーなど、プレイヤーも英国色が強いバンドのメンバーが多い。変わったところではF1チームオーナーだったエディ・ジョーダンもこのメーカーと契約していた。

Sonor(ソナー)

ドイツのドラムメーカー。
ドイツ感溢れる質実剛健かつ正確な造りとそこから発生する爆音が特徴で、ニコ・マクブレインなどヘヴィメタルのドラマーにも好まれるようだ。
チューニングキーが独自の形状で他社と互換性が無いのが厄介。

DW(ドラム・ワークショップ)

こちらはアメリカのメーカー。同じく精緻な作りと爆音が特徴。あと高い。
楽器のイメージ通りテクニカルなプレイヤーや、セッションマンが愛用しているイメージがある。

YAMAHA(ヤマハ)

お馴染み日本を代表する楽器メーカー。勿論ドラムも世界的に有名。
デザイン、サウンドともにヤマハのイメージ通りのソツがないというか、まとまりが良い印象がある。
スティーヴ・ガッドやスティーヴ・ジョーダンなど名手に愛されている。
余談だが道頓堀のくいだおれ人形のスネアはヤマハ製で、正式に契約している。

TAMA(タマ)

こちらも日本のメーカー。
ヤマハとは対照的というか、なんとなくやんちゃなイメージのあるメーカーで、ちょっと変な楽器やハードウェアを率先して出してくる印象がある。
高橋幸宏、ラーズ・ウルリッヒやサイモン・フィリップスなど多彩なアーティストが使用する。

Pearl(パール)

日本で質実剛健系のメーカーはこちら。他のメーカーに比べがっちりしたタムホルダーが特徴。
イアン・ペイスやチャド・スミスが愛用しているせいかハードロック寄りのイメージがある。イアン・ペイス・モデルのスネアはジェネリックLM402という雰囲気がある。


関連項目



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最終更新:2025年10月03日 23:35

*1 とはいえ実際には力任せに叩くだけでは下手なドラマーと言われ、上手い人は意外に体力を使わなかったりする。まあ、例外はいるが。

*2 ドラムやシンバルのサイズはインチ表記が一般的。

*3 小径のスプラッシュシンバルとは別

*4 厳密にいえば電気信号に変換する機械を指すのだが、一般的には音源まで含めてトリガーと呼ばれる。

*5 全国大会まであるコンクール課題曲を例に挙げると、ドラムセットを必要とするのは、1977年度C『ディスコ・キッド』、2010年度V『吹奏楽のためのスケルツォ 第2番 ≪夏≫』、2013年度Ⅲ『復興への序曲「夢の明日に」』くらいである。ディスコ・キッドは当時どころかその後何十年経っても課題曲としては異色のポップス曲、吹奏楽のためのスケルツォ 第2番 ≪夏≫は終盤にドラムソロが入る無調変拍子な現代音楽曲、「夢の明日に」は戦後からポップスと吹奏楽アレンジで長らく活躍してきた作編曲家の岩井直溥氏に委嘱して作られた曲、である。

*6 自由曲としても、クラシック曲からの編曲版では出番がないし、コンクール使用を視野に入れて作られているであろう邦人作品でもやはり出番は少なめ。アメリカのスクールバンド向けに作られた曲など、選曲次第で使われることもなくはない、というくらい。

*7 古い例になるがフランキー堺(ジャズバンド「フランキー堺とシティ・スリッカーズ」リーダーから喜劇役者に転身)やウガンダ・トラ(「ビジーフォー」出身)等。

*8 ザ・タイガース」解散後に改めて勉強し、慶応大学卒業後に付属高校の教師となり60代初めまで芸能界と縁を切っていた瞳みのるや、「Mrs. GREEN APPLE」離脱後社会保険労務士に転身した山中綾華等。

*9 スタジオやライブハウス・ライブバーなどに集まり、事前に決めた曲を当日一発合わせで演奏するイベント。初対面同士での演奏も多い。イベントによっては「バンオフ」と呼称されることもあり、お店のウェブサイトやSNSなどで募集される。

*10 カレンも腕利きのドラマーだが歌のバックではブレインが多く起用されていた

*11 初代ドラマーのジョージ・バビットはグループがメジャーデビューした当時は未成年だったためにナイトクラブなどでの演奏が許可されず脱退。二代目のホーウィー・ジョンソンは交通事故による後遺症が原因でこれまた脱退。メルがソロ活動のため離脱した後に加入した四代目のジョー・バリルはそれなりに定着したものの、コカインの不法所持により逮捕されてグループを解雇。その後メルが復帰したため、今でもベンチャーズのドラマーと言えばメルをイメージする人は多い

*12 ただし、フレーズそのものはポールら、メンバーのサジェストが多々あったのも事実である。

*13 ただしアニメ版のみ。原作版で言及されたことはない

*14 但しアルコールやドラッグに溺れるにつれプレイが雑になっていったのも事実。

*15 かつて存在していた電子ドラムの代表的メーカー。

*16 本来ドラムンベースはPCを用いた打ち込みで作曲する。

*17 ただし、C-C-Bは曲ごとにボーカルが変わっていたため、常にメインだったわけではない

*18 「名前は貸したけど俺がモデルってわけじゃないよ」とは本人の談

*19 サザンのギタリスト。2001年に脱退

*20 リットーミュージック刊行の打楽器専門誌

*21 通常木製スネアの胴は木材を貼り合わせて作るが、1毎の木材を丸く曲げて作ったものをこう呼ぶ。