煉獄大帝 キング・ロマノフ

登録日:2024/01/27 Sat 14:56:45
更新日:2024/11/25 Mon 17:21:36
所要時間:約 17 分で読めます





煉獄から超獣世界を見続けていたキング・ロマノフは、

龍魂珠の力を得て、

その歴史のすべてを邪眼に取り込む野望を抱いた。


「「「全ての歴史は、邪眼の手の中に納まるべきなのだ!」」」
*1


煉獄大帝 キング・ロマノフ》とは、TCGデュエル・マスターズ」のクリーチャー。
DM23-BD5「エキサイティング・デュエパ・デッキ 不敬なり!真邪眼騎士団」に収録された看板カードの1枚である。

マッドロックチェスターと共に設定だけは存在していた「キング・ロマノフ」が、三位一体になった《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》を経てついにカード化された。


解説


煉獄大帝 キングロマノフ SR //自然文明 (10)
クリーチャー:ディスペクター/ドラゴン・ゾンビ/ダークロード/ナイト 14000
EXライフ
ブロッカー
T・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、各プレイヤーは自身のクリーチャーを1体選び、残りの自身のクリーチャーをすべて持ち主のマナゾーンに置く。
各ターン、はじめて自分のシールドがシールドゾーンを離れた時、各相手は、それぞれ自身のシールドを1つ選ぶ。これにより選ばれたシールドをすべてブレイクしてもよい。
相手のクリーチャーは可能なら攻撃する。

ディスペクターらしいコスト10の大型クリーチャーで、文明は接続勢力と同じ自然の三色で構成されている。
EXライフに加えてブロッカーとT・ブレイカーを備え、三つの強力な能力も有する。

cipでは《大宇宙シンラ》のように全てのプレイヤーに自身のクリーチャーを1体ずつ選ばせ、それ以外を全てマナゾーンへと飛ばす事が可能。
マナブーストしながら全体除去もこなせる凶悪な効果であり、相手に選ばせるので狙ったクリーチャーはどかせない反面アンタッチャブル持ちも除去できる利点がある。
煉獄大帝自身はEXライフによる除去耐性でマナ送りを凌げるため、除去したくない味方クリーチャーが他にいればそちらを選択して2体場に残すという選択も取れる。

次に各ターン1回に限り、自分のシールドが離れた際には相手のシールドも1枚割る効果も持つ。
「シールドゾーンを離れた時」なので通常のブレイクだけでなくシールド焼却にも対応している他、cipの全体マナ送りともシナジーがあり、自分からEXライフシールドを剥がして発動させるという連結ディスペクターのようなコンボも可能にしている。
地味に任意効果のため、相手のS・トリガーなどを警戒するなら発動を見送るのもアリ。

更には、相手クリーチャー全員に攻撃を強制させる常在効果も持つ。
cipで場のクリーチャーを殆ど吹っ飛ばされている相手にとっては泣きっ面に蜂であり、煉獄大帝自身も14000とそこそこ高めのパワーを有するブロッカーのため、残された相手クリーチャーのパワーによっては自爆特攻を余儀なくされる。
とはいえ、場のクリーチャーが少ないのは全体マナ送りを食らっている自分も同じであり、相手のデッキによっては大量展開からの物量攻撃で押し切られてしまう事も有り得るので注意。

このように構築戦でも十分強い能力だが、デュエパーティをテーマにしたデッキの主力カードなだけあってデュエパだと更に強力。
cipは自分以外のプレイヤー3人にも発揮されてバトルゾーン全体のクリーチャーの大半がマナ送りとなり、カウンターのシールドブレイクは各ターン発揮されるので割られる度に全員のシールドが削れていき、攻撃強制は誰が誰を狙うかで混迷すること間違いなし。
盤面への干渉力は構築戦の比でなく、場に出れば敵も味方も大きく揺れ動かせるクリーチャーである。


また、種族や文明の関係で受けられるサポートが非常に多く、重量級でありながら極めて出しやすいのも強みになっている。

コスト軽減ならディスペクターとしてディスタスでササゲールするもよし、コスト10以上のクリーチャーとして《流星のガイアッシュ・カイザー》で4軽減するもよし。
踏み倒しの手段も光文明のブロッカーとして《ヘブンズ・ゲート》のS・トリガー、ドラゴン・ゾンビとして《邪龍秘伝ドラゴン・ボーン》のアタック・チャンス、ダークロードとして《大邪眼バルクライ王》のアタックトリガーと選り取り見取りである。

このように様々なデッキに入れられる可能性を秘めている…と言いたいところだが、cipの関係で味方も巻き込んで除去してしまうのでデッキによっては向き不向きがある。
最も適正が高いのは天門からの踏み倒しに対応しつつ、煉獄大帝と同じく全体マナ送りをEXライフで耐えられるディスペクター達で構築した【ディスペクター天門】だろう。
トリガーで出せれば相手クリーチャーを全体除去しながら自身は除去耐性持ちの大型クリーチャーを2体も展開でき、大きなアドバンテージを稼げる。


相性の良いカード


接続王 ロマノグリラ0 KGM 光/闇/自然 (11)
クリーチャー:ディスペクター/ダークロード/ガーディアン/ナイト 17000
EXライフ
マッハファイター
T・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から3枚を見てもよい。そうしたら、その中から1枚を墓地に置き、残りをマナゾーンに置く。
このクリーチャーが攻撃する時、コストの合計が、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下になるよう、自分のマナゾーンと墓地からクリーチャーを最大1体ずつ選び、出す。
このクリーチャーがタップしていれば、自分は攻撃されない。

同じロマノフのディスペクター。
アタックトリガーでマナゾーンの数を参照して踏み倒しできるため、単純に煉獄大帝の踏み倒し手段として優秀な事に加え、cipの全体マナ送りでマナを増やして次の踏み倒し範囲を増強してやれる。

更にタップしている状態で煉獄大帝と並ぶ事によって、クリーチャーの攻撃強制と自分への攻撃封殺が合わさって相手はクリーチャーのみの攻撃を強いられるという、かのヘヴィイズモにも匹敵する堅牢なロックを掛けられる。
突破するにはパワーで優ってバトルで破壊するか、除去札で煉獄大帝かロマノグリラのいずれかを破壊するしかなく、非常に厄介な布陣を築く事が可能。

詳しくは個別項目を参照。

冥界を統べる新月のハーデス SR 光/闇文明 (9)
クリーチャー:エンジェル・コマンド/デーモン・コマンド/月光王国 15500
ブロッカー
T・ブレイカー
自分のクリーチャーすべてに「エスケープ」を与える。(「エスケープ」を持つクリーチャーが破壊される時、墓地に置くかわりに自分のシールドを1つ手札に加えてもよい。ただし、その「S・トリガー」は使えない)
<オシオキムーン>カードが自分のシールドゾーンを離れた時、相手のクリーチャーを1体選び、破壊する。

月光王国所属のクリーチャー。
天門で共に出しつつ煉獄大帝のcipで場に残すクリーチャーにこいつを選べば、EXライフが剥がれる事でオシオキムーンを起動させて全体マナ送りを免れた残りの相手クリーチャーも破壊するというコンボが可能。

禁呪と聖(パーフェクト・)句の決断(オラトリオクルス) VR 光/闇文明 (6)
呪文
このターン中に自分のクリーチャーが出ていれば、自分のシールドゾーンにあるこの呪文に「S・トリガー」を与える。
次の中から2回選ぶ。(同じものを選んでもよい)
▶相手のクリーチャーを1体選び、破壊する。
▶「ブロッカー」を持つクリーチャーを1体、自分の手札から出す。
▶自分の山札の上から2枚を見る。そのうちの1枚をシールド化し、もう1枚を墓地に置く。

パーフェクト呪文の1枚。
ブロッカーなら無条件で踏み倒せる幅広さを持ち、天門と同じく一気に2体出す動きにも対応している。
効果の順番の関係で、残念ながら煉獄大帝を出して全体マナ送り→残る1体をこの呪文で破壊といった芸当はできないが、逆に踏み倒す上で邪魔なメタクリーチャーを除去してから安定して場に出す事が可能。


関連カード


魔弾 マッド・ゲンド・チェスター R 闇/自然文明 (6)
呪文:ナイト
S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
次のうちいずれか1つを選ぶ。自分のディスペクターがあれば、かわりに両方選んでもよい。
►相手のコスト8以下のクリーチャーを1体選び、マナゾーンに置く。
►コスト8以下のクリーチャーを1体、自分の墓地から出す。

煉獄大帝に対応するナイト呪文。
通常はコスト8以下の相手クリーチャーのマナ送りor自分クリーチャーのリアニメイトから選んで発動し、更に自分のディスペクターが場にいれば両方発動できるという破格の性能を持つ。
呪文を踏み倒せるディスペクターの《龍風混成 ザーディクリカ》と相性が良く、しかもS・トリガーまで付いている事から公開当初は煉獄大帝以上に注目を集めた。

イラストでは魔銃を構えた煉獄大帝が、無数の魔法陣から大量の(ゲンド)を弾替わりに発射するという衝撃的な姿で描かれている。
果たしてこの姿の意味する所とは…?

煉獄邪神MRCロマノフ SR 闇/文明 (20)
進化クリーチャー:ゴッド/ダークロード/ナイト 17000
すべての墓地にあるカードの数だけ、このクリーチャーの召喚コストを1少なくする。ただし、コストは1以下にはならない。
墓地進化GV-闇または火のクリーチャーを3体自分の墓地から選び、このクリーチャーをその上に重ねつつ出す。
メテオバーン:このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを3枚まで、墓地に置いてもよい。こうして墓地に置いたカード1枚につき、闇または火の、コスト6以下の呪文を1枚自分の墓地からコストを支払わずに唱え、山札の下に置く。
T・ブレイカー

三邪神の《邪神M・ロマノフ》《邪神R・ロマノフ》《邪神C・ロマノフ》が一つに合わさったキング・ロマノフその人。
ロマノフ一族の影の支配者として煉獄に君臨していたはずの彼が何故ディスペクターと化したのか…そこには驚くべき秘密が隠されていた。

詳しくは個別項目を参照。

龍魂珠(アントマ・タン・ゲンド) C 自然文明 (4)
クリーチャー:ドラゴン・オーブ/ディスタス 4000
このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から5枚を見る。その中から1枚をマナゾーンに置き、残りを好きな順序で山札の下に置く。
ササゲール2(ディスペクターを召喚する時、コストを2少なくしてもよい。そうしたら、このクリーチャーを破壊する。そのディスペクターのコストは0以下にはならない)

ディスタスディスペクターを造り出した王来篇の黒幕。
しかし煉獄大帝のイラストでは、どういうわけか魔銃に組み込まれた姿で描かれている。
キング・ロマノフと龍魂珠、全く繋がりのなさそうな両者が如何にして出会いどのようにしてこうなったのか…それは王来篇の後の歴史で語られる事となる。

連結バウ・M(マッド)・ロマイオン P 光/火文明 (8)
クリーチャー:ディスペクター/エンジェル・コマンド/ナイト 14000
EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
ブロッカー
T・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、呪文を2枚まで、自分の墓地から手札に戻す。
このクリーチャーが攻撃する時、またはこのクリーチャーの「EXライフ」シールドが自分のシールドゾーンを離れた時、コスト8以下の呪文を1枚、自分の手札からコストを支払わずに唱えてもよい。

同じくキング・ロマノフのディスペクター。もっともこちらは3分の1だけだが。
こちらは主従関係が逆転してキング・ロマノフ側がディスペクトを受けた姿であり、煉獄大帝とは真逆の存在とも言える。
また、14000の基礎パワーは煉獄大帝と同じ値であり、キング・ロマノフがロマイオン時代を参照した可能性がある。


背景ストーリー


かつて伝説の魔銃「マッド・ロック・チェスター」を手にする野望を抱き、煉獄へと赴いて魔銃の呪いで身体を三つに裂かれながらも、それぞれがゴッドに神化して煉獄を支配してのけた《キング・ロマノフ》というナイトがいた。
三つの身体を一つに統合したキングはその後、煉獄の主として君臨しながら超獣世界の同族に「ロマノフ」の名と力を授けるようになった。

かつて「新世界」を造り上げる野望を抱き、王来大戦を引き起こして五大龍神ディスペクターである《Volzeos-Balamord》を誕生させながらも、レクスターズの奮闘によってあえなく敗れ去った《龍魂珠》というオーブがあった。
破壊された龍魂珠はその後、キング・ロマノフの支配する煉獄に送り込まれていた。

交わるはずがなかった2体の出会いは思わぬ結果をもたらし、煉獄の中でも屈指の力を持つキング・ロマノフは龍魂珠という存在を逆に掌握
魂を奪って支配する龍魂珠の力は元より邪眼と相性が良く、キング・ロマノフはディスペクターの新たな合成方法「魔縛」を身に付けた。
更には煉獄より超獣世界の歴史を見てきた経験から、龍魂珠のディスペクターを作り出す力が歴史として残っているものを復活させる能力である事にも気付いており、その力を利用して「キング・ロマノフ」という歴史をディスペクターとして復活できる可能性を見出していた。

そんな目論見は見事に当たり、龍魂珠と自分自身を魔縛して復活させた《煉獄大帝 キングロマノフ》として煉獄から超獣世界へと舞い戻る事に成功する。


かくして完全復活を遂げたキング・ロマノフ、その力は世界を崩壊させるほどのものだったが、同時に超獣世界の歴史の全てを邪眼に取り込むという野望も抱いていた。
そして過去の邪眼一族を復興させた真邪眼騎士団と、七人の邪眼の騎士からなる七大軍団を結成する。

まず行ったのは、ナイトの四大派閥である邪眼・天雷・魔光・氷牙の統一だった。
邪眼皇ロマノフI世》に《魔光大帝ネロ・グリフィス・ルドルフ》を魔縛させた《魔縛 ロマノフ=ルドルフI世》は、魔光のナイトを取り込んだ邪光騎士団を率いて東方血土へと進軍した。
邪眼教皇ロマノフII世》に《白騎士の聖霊王 HEAVEN》を魔縛させた《魔縛 ロマノフ=VENII世》は、白騎士の残党を取り込んだ邪天騎士団を率いて天門へと進軍した。
復活した《邪眼将デス・ロマノフV世》は、氷牙のナイトを取り込んだ邪牙騎士団を率いて魔霊宮へと進軍した。

他にも、王来大戦を生き延びた《Disゾロスター》ら龍魂珠製ディスタスを真邪眼騎士団に組み込んだり、ゼロの力を手中に収めようと仙界への侵攻を企んでいる模様。
キング・ロマノフによる超獣世界の侵略は、まだ始まったばかりである…


備考


背景ストーリーでの扱い

ディスタスとディスペクターを牛耳り王来篇のラスボスとして大暴れしたあの龍魂珠を取り込んで復活する、という衝撃的な再登場を果たしたキング・ロマノフ。
元々煉獄からパラレルワールドを認識して干渉したりできる力の持ち主だったが、これでも《サファイア・ウィズダム》や《仙界一の天才 ミロク》のような上位存在に相当するわけではなく、あくまで一般のクリーチャーとしてここまで成長したらしい。
それはそれで凄まじい話である。

また、それまで人となりはあまり描かれてこなかったが、どうやら自分の携わった邪眼を相当気に入っていた事が判明した。
特に自分が授けた「ロマノフ」の名が大層お気に入りのようで、魔縛でディスペクトする際には一文字も崩さず原型を維持させる程。
龍魂珠にロマノグリラアルキングで名前を切り取られたのが余程腹に据えかねたのだろうか…。

魔縛ディスペクター

背景ストーリーにてキング・ロマノフが生み出したディスペクター達。
繋ぎ目にナイト特有の魔法陣が挟まれているという特徴がある。

DM23-BD5発売時点では接続カラーと同じ光/闇/自然しか登場していないが、これはパートナーが持つ文明以外のカードはデッキに入れられないデュエパのルールに則って収録されたため。
今後も5体は登場する事が仄めかされており、うち1体の魔縛相手と予想されるクリーチャーは水文明を持つため、その内接続カラー以外の魔縛ディスペクターも登場すると予想される。


元ネタの関係性


前述の通りキング・ロマノフは《真邪連結バウ・M・ロマイオン》でディスペクトされた事があり、龍魂珠にとってはかつての素材に反逆された形になる。
己が野望のために超獣世界の支配を目論む傲慢な思想は両者共通だが、龍魂珠がこれまでの歴史を切り捨てて新世界で塗り替えようとしたのに対し、キング・ロマノフは歴史の全てを否定する事なく邪眼に取り込もうとしており、同じようでいて根本の部分は丸っきり異なっていたりする。

カードの能力面から見てみると、邪神から大帝になった事でゴッドの種族が失われているが、生粋のナイトかつダークロードであるキング・ロマノフにとってゴッドは分裂時にたまたま得た後付けの力であり、ディスペクターへと変化するにあたって捨てたものと思われる。
また、配下のI世II世V世らが持つドラゴン・ゾンビも加わっており、合成元の龍魂珠が破壊されて煉獄に送られた事を考えると、これはロマノフとしてというより龍魂珠の一度死んで実質的なゾンビと化した性質を表しているのかもしれない。

また、文明のネクラカラーはロマノフ一族を代表するI世のディスペクター《零獄接続王 ロマノグリラ0世》と同じ色である。
自身の闇文明と龍魂珠の自然文明はともかく、そこから元来の火文明を足したデアリカラーではなくわざわざ光文明を選んだ辺り、ロマイオン時代に光文明と連結していた事や一族代表のロマノグリラが接続勢力を率いていた事が選択の一因となったのだろう。
ロマイオンと同じ基礎パワーを持っている事といい、ディスペクトだけでなくキング・ロマノフなりに龍魂珠を「リスペクト」しているのかもしれない。

一方で効果については、墓地利用と呪文の踏み倒しを得意としていたMRCロマノフの能力がまるで原型を留めておらず、数いるディスペクターの中でも屈指の魔改造度を誇る。
ただ《お清めトラップ》の「煉獄から復活した後に、どれだけお清めしてももう遅い。」というFTを読むに、この大胆な変更はキング・ロマノフが煉獄(≒墓地)から脱却した事の象徴として意図的に行ったものと思われる。
ディスペクターとしては珍しくない進化クリーチャーでなくなった点も、「ロマノフ」クリーチャー限定の設定である「墓地進化は煉獄と結びついている証」より解き放たれた演出として機能している。


イラスト


異なるクリーチャー同士を歪に合成させてきたこれまでのディスペクターと異なり、《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》がベースとなって龍魂珠を取り込んだ形になったため、キング・ロマノフの姿が全面に出て一般的なクリーチャーと殆ど変わらないというディスペクターにしては極めて異質なデザインをしている。
ただし細部で微妙に異なっていて、腕や脚の各部が魔法陣で「魔縛」されている。
種族として捨てたゴッドのG・リンクに替わって、ディスペクターの合成で分裂した自分自身を繋ぎ止めている事が窺える。

また、新たに自然文明と光文明が加わった影響なのか、Rロマノフの装飾に緑色が加わり、Cロマノフも鎧に金色の割合が増えている。
前者は魔銃に隠れて見えづらいが、ポーズを変えた《魔弾 マッド・ゲンド・チェスター》のイラストだと分かりやすい。
一方で火文明を担っていたMロマノフのデザインは手付かずであり、文明を考えるとややチグハグなカラーリングである。

そして最大の特徴となるのが、Rロマノフが構えている龍魂珠の埋め込まれた正体不明の魔銃
マッド・ロック・チェスター時代から使っていた魔銃とも異なるデザインをしており、Mロマノフの赤で彩られた上顎パーツとCロマノフの青で彩られた下顎パーツで刀部分を挟み、Rロマノフの瞳と同じ紫の目を持っている。
これらのM・R・Cの要素を併せ持ったような特徴から、明言されていないがこの魔銃こそがキング・ロマノフを呪いで三つに引き裂いた「マッド・ロック・チェスター」であり、今は龍魂珠を合成した「マッド・ゲンド・チェスター」なのだと思われる。

なお、カードイラストではロマノフの顔が「煉獄大帝」のテキストでぴったり隠れてしまっている
カード性能の強力さから長い間プレミアム殿堂に指定され、煉獄大帝に先んじてロマイオンでディスペクターになったり単独リメイクも出たりと三邪神の中で特に優遇されてきたため、その事に対するロックとチェスターからのディスペクトかもしれない。


余談


  • デッキ名の「不敬なり!」というワードや、魔銃に何故か龍魂珠が埋まっているパッケージイラストからある程度は予想できたものの、まさかキング・ロマノフがディスペクターになっているとは思われず多くのファンの度肝を抜いた。

  • 王来篇の続編的な背景ストーリーでの活躍から、王来MAX最終弾で示唆されていた「禍々しき邪神」とは《アビスベル=ジャシン帝》ではなくキング・ロマノフの事だったのではないかとする珍説が挙がったりした。



追記・修正は超獣世界の歴史を振り返ってからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 煉獄大帝 キング・ロマノフ
  • DM
  • デュエマ
  • デュエル・マスターズ
  • 煉獄
  • 大帝
  • ロマノフ
  • キング・ロマノフ
  • 光文明
  • 光文明のクリーチャー
  • 光文明のドラゴン
  • 闇文明
  • 闇文明のクリーチャー
  • 闇文明のドラゴン
  • 自然文明
  • 自然文明のクリーチャー
  • 自然文明のドラゴン
  • ディスペクター
  • ドラゴン・ゾンビ
  • ドラゴン
  • ダークロード
  • ナイト
  • EXライフ
  • ブロッカー
  • T・ブレイカー
  • DM23-BD5
  • デュエパーティ
  • SR
  • スーパーレア
  • 真邪眼騎士団
  • 龍魂珠
  • 煉獄邪神M・R・C・ロマノフ
  • 龍魂珠加害者の会
最終更新:2024年11月25日 17:21

*1 画像出典:Twitter イラストレーター猫61氏 @neko61_btan 2024年1月20日掲載 https://x.com/neko61_btan/status/1748541243020529891 ©Wizards of the Coast/Shogakukan/WHG