エステバリス

登録日:2011/06/10(金) 09:13:04
更新日:2023/12/20 Wed 11:03:39
所要時間:約 6 分で読めます




エステバリスは『機動戦艦ナデシコ』に登場する人型機動兵器で、愛称は「エステ」。
この項目ではエステバリスのフレームや関連機にも触れる。

◆概要

エステバリスはネルガル重工の火星奪還計画「スキャパレリ・プロジェクト」用に開発された局地戦対応型の特殊兵器である。
奪取された施設内での活動も考慮され、基本の機体のサイズは6メートル前後とロボットアニメの中ではかなり小柄となっている。
比較すると、マジンガーZガンダムが約18メートル、スコープドッグが約3.8メートルである。
また、脚部には高速移動用にキャタピラが装備されている。

操縦方式はナノマシンを体内に注入する「イメージフィードバックシステム(IFS)」を採用し、操縦者のほぼ思うがままに動くという機能性を獲得している。
例として、パイロットの意思がダイレクトに反映するタイプはエヴァンゲリオングレンラガンザンダクロスなどがある。

本機の最大の特徴としてエネルギー源となるジェネレータが存在しない事で、これは母艦から常時「重力波ビーム」でエネルギーの供給を行うという思い切った設計にある。
これによって機動性と機体の小型軽量化を両立しており、エステバリスの重量は約800㎏とロボットアニメの中ではとんでもなく軽く、トラック一台で簡単に輸送できる。
しかも脱出装置となる「アサルトピット」は350㎏とほぼ半分弱。どうやってこの重量で水中戦なんか行ってるんだろう…。
デメリットとしてはジェネレータの役割を母艦に任せているので、母艦から離れすぎるとエネルギーが切れて単独行動が出来ない点にある。
これは設計思想として、エステバリスの立ち位置が個別の兵器でなく「戦艦の搭載機」として採用していることから。


◆フレーム

エステバリスはフレーム換装システムを採用している為、アサルトピットから下を換装する事で様々な戦場に対応出来る。

武装としてイミディエットナイフ、ワイヤードフィスト、オプション装備としてラピッドライフル等が使われる。
ウリバタケが開発した武装としてフィールドランサーもある。
フレームによって一部武装が使用できなかったり、別武装がある。
また、ディストーションフィールドを装備しており、それを纏っての格闘戦も可能。
これにより単騎で戦艦をも撃沈できるほどの機動力と攻撃力を有している。

カラーリングは主人公のテンカワ・アキトマゼンタ
ガイは、リョーコは、ヒカルは山吹色、イズミはと、まるで戦隊ヒーローである。

・陸戦フレーム
一番オーソドックスな重力下仕様のフレーム。ローラーダッシュで悪路もスイスイ走行する。脚部にバッテリーが有るため活動時間が長い。

・重装備フレーム
陸戦フレームをベースに火力を向上したもの。破壊されたため、一度しか使われなかった。

・重機動フレーム
砲戦フレームとも。火力、装甲を強化し、移動砲台化させたフレームで、砲戦エステバリスのプロトタイプ。

・空戦フレーム
重力下での空中戦を行う為のフレームで、大気圏高高度でも戦闘可能。
木星重力圏内での戦闘も想定しており、宇宙でも使えなくはない。
陸戦、砲戦エステの混成小隊では隊長機として用いられる。

・0G戦フレーム
オージー戦フレームではなく、ゼロジー戦フレーム。宇宙空間での戦闘に使用するフレーム。
陸戦、低重力の火星ならば空戦も可能と一番汎用性のあるフレームの為、
エステバリスと言われてこのフレームを装備したものを思い浮かべる人は多いだろう。立体化の機会も多いし。
陸戦同様脚部にバッテリーが装備されているが、重力波推進機関は消費電力が大きい為、母艦から離れると稼働時間は10分と短い。

・月面フレーム
月面での低重力、真空下での戦闘を目的としたフレーム。
ジェネレーターである相転移エンジンを搭載し、大出力のレールガンにミサイルを装備したフレームで、
18mとエステバリスとしては巨体で、アサルトピットを頭部ごと収納した専用の頭部を使用する。
母艦と同様に他のエステに重力波ビームを照射する事が出来る言わば延長コード。
はっきり言ってエステじゃねぇ。

・海戦フレーム
セガサターンのゲームで登場したフレーム。文字通り水中戦で使う。試作段階で実用化されなかった。
武装に魚雷ランチャー、トルネードスクリューがある。

・ゲキガンフレーム
海戦フレーム同様サターンのゲームに登場したフレーム。木連とネルガルが手を組んで作りあげた。
エステとジン・タイプの技術を掛け合わせて作られた。外見はエステではなくゲキ・ガンガーV。
このフレームは、攻撃するには音声入力を必要とする。

もう一度書く。音声入力を必要とする。

それも恥ずかしいぐらい大きな声で言わないと反応しない。
装備は「ゲキガンソオォォォド!!」と「ゲキガンシュゥゥゥト!!」


◆バリエーション

・アカツキカスタム
落ち目こと、アカツキ専用のエステ。
スーパーエステバリスの原型となった。

・Xエステバリス
別名・エクスバリスorエステバX。
ウリバタケが予算をちょろまかして作った試作機。
エステバリスと比較し約5倍の重力波変換効率を持ち、小型のグラビティブラストも撃てるという、まさに最強のエステバリス。
…の、筈だったが、エネルギーに機体が耐えられないというシャレにならない欠陥がある失敗作。
(だが機体のノウハウは後のエステバリスII等に受け継がれた為、全くの無駄にはならなかった。)
錯乱したムネタケ提督が勝手に乗ってしまい……。

本来はアキト専用機になる予定だったとの事であり、アキト本人も欠陥を聞くまでは乗る気満々だった。
機体へのエネルギー負荷の問題が解決してたら、シリーズ終盤の主役機になっていたかもしれない。
実際スパロボでは欠陥を乗り越えて隠し要素で使用できるケースがある。そもそもスパロボではキノコオカマ出番少ないし

・デビルエステバリス
木星蜥蜴の無人兵器「バッタ」「コバッタ」に取り付かれた0G戦フレーム。
スパロボではお約束通りデビルガンダムに乗っ取られる。

・耐圧エステバリス
ネルガル傘下の会社での有人ボソンジャンプの実験に使用された機体。

・量産型エステバリス
アカツキが裏切った時に出て来たエステ。
頭部が劇場版のエステバリスIIに似ている。
スパロボではたまに敵が使ってくる。

・エステバリスII
劇場版で登場。量産型エステバリスのアップデート機体。
統合軍の部隊ライオンズシックル(隊長はリョーコ)が使用した。

・トレーラーバリス
サターンのゲームに登場。
文字通りトレーラーだったのだが、ウリバタケが魔改造を施し、エステバリス空戦フレームに変形する。
元々エステじゃない為、IFSを使用していない。その為操作はトレーラーのハンドルで行う(コンピュータが判断するらしい)。

ブラックサレナ
アキト用エステバリスカスタムに、全身への追加装甲と高機動ブースターを装着した全高8mのマシン。
秘密工作オペレーションを目的としているため戦闘能力はエステバリスとは一線を画している。

・エステバリスカスタム
リョーコ、ヒカル、イズミの乗ったエステバリスIIの改良型。
量産型の性能に物足りなさを感じ、重力波を受けるアンテナを倍に増やしたカスタムメイド。
当然出力は上がり、エステバリスIIでは使えないレールガンが装備出来るが、性能はピーキーになった。

・スーパーエステバリス
劇場版でサブロウタが使用したエステバリス。
アカツキカスタムの改良型で、母艦であるナデシコBの兵装補助の役割があるため武装と出力が強化されている。

・アルストロメリア
ブラックサレナのデータを元に作られたエステの発展機。
有人ボソンジャンプが可能でクローを装備する。

・砲戦エステバリス
重機動フレームを更に特化させたエステ。
まあ、ただの砲台。

・エグザバイト
漫画『遊撃宇宙戦艦ナデシコ』に登場したエステバリスの後継機。
TV版における0Gフレームに相当するが足が無い
敵内部に直接電流を流し込んで機体を破壊する「ハイボルト・スキッフ」を使用する。
IFSの精度が非常に高く、視覚障害を患い1か月間エグザバイトの中で生活し続けていたアキトは最終的にマンガ本をめくって読めるまでに使いこなした。
最終的に草薙の剣を振るい、地球より巨大な八岐遠呂智と対決した(ホントだってば)。

スーパーロボット大戦シリーズでは

普通のリアル系の性能。
ナデシコの範囲内にいればENが毎ターン全回復する。ENを消費する必殺技や合体攻撃を使いやすい利点がある。
逆に範囲を出たままターンを終えるとENが減っていくので注意。
そのため前線に行くにはナデシコもついていかなければならないが、たいていの作品でナデシコは半端なく強いので無問題。
Dフィールドがあるものの、装甲は厚くないので保険程度。

基本的に宇宙や海では0G*1、地上では空戦か陸戦を使うのが一般的で、砲戦は意識しないと使わない。
月面は単体での威力は高いが、合体攻撃を除く全武装が弾数なので、ナデシコの恩恵が意味ないのが残念。弾数が少なめなため、継戦能力も低い。
また、各地形のエキスパートとはいえ、逆を言えば他の地形は苦手なので、換装を忘れると悲惨(特に地形適応の影響がW以前より大きいBX)。
また、陸と海の両方で戦うステージ、空と陸それぞれの敵が多数出現するステージ等では立ち回りに難儀してしまう。

カスタム、スーパーはオールマイティーな性能になっている。
が、ディストーションアタック(ゲキガンフレア)以外すべて射撃なのは格闘の方が得意なリョーコやガイにはありがたくないかもしれない(射撃もそれなりにはある)。
X、Ⅱは武器に癖がありすぎるのが難点というか、Ⅱは低威力のラピッドライフルしかないので完全に戦力外。
多くのプレイヤーからは資金20万とダイテツジンのおまけとみなされている。
何故アカツキが自分用のカスタムやスーパーを用意せずにこれを持ってきたのかは永遠の謎。…いやホント、なんでなんだよ。

初登場のでは射程や威力の問題から恐ろしく弱く使いにくかったが、以後は見直され使いやすくなっている。

原作では死亡したガイが生存することが多いため、スパロボオリジナルのガイ専用のスーパーエステバリス(R)、エステバリスカスタム(Wも登場している。
Rでは歴史改変の影響でTV版の時期に開発が先倒しされた、Wでは劇場版でもガイが生存という形になっている。

BXでは、適応する地形適応が武器・機体ともにSなために命中率・回避率・攻撃力が割と高く、初期から全員合体攻撃が使えるため序盤では貴重なアタッカー集団となった。
さらにボーナスランクが上がることでパートナーの地形適応もSにする能力を得るため、パートナーとしても有用。陸戦も空戦と合わせることで武器の地形適応に隙がなくなる。水中の敵は苦手。
ただし、ステージ開始前にしか換装できないので、うっかり間違うと無改造ボチューンにすら劣る雑魚になる。
特に『機甲界ガリアン』の「無重力の谷」は地名の通り地上であるにもかかわらず宇宙扱いなので、空戦や陸戦のまま出撃してあっさり撃墜されるプレイヤーが多発したそうな。





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最終更新:2023年12月20日 11:03

*1 海戦用のフレームがないため、oGがその役割となっている