ブレイヴ(機動戦士ガンダム00)

登録日:2010/11/04(木) 19:58:25
更新日:2024/02/12 Mon 13:03:44
所要時間:約 9 分で読めます




ソルブレイヴス隊、スタンドマニューバと同時に散開!

弔い合戦だ!



全機、フルブラスト!!







BRAVE
commander test type/standard test type



ブレイヴとは『劇場版 機動戦士ガンダム00-A wakening of the Trailblazer-』に登場するモビルスーツ(MS)。
よく名前を間違えられるがブレイではなくブレイなので気をつけよう。





機体緒元

型式番号:GNX-Y903VW/GNX-Y903VS
頭頂高:20.2m
総重量:65.2t/61.5t
所属:地球連邦平和維持軍
   試験飛行隊「ソルブレイヴス」
動力機関:GNドライヴ[T]×2/GNドライヴ[T]
装甲材質:Eカーボン

武装
  • GNビームライフル「ドレイクハウリング」
  • GNキャノン×2
  • トライパニッシャー
  • GNビームサーベル×2
  • GNビームマシンガン×2
  • GNミサイル×4
  • チャクラムグレネード×2
  • 30mm機関砲×2

搭乗者:ソルブレイヴス隊員
グラハム・エーカー(隊長)
ヴィクトル・レオーノフ(副隊長)
ルドルフ・シュライバー
アキラ・タケイ
イェーガン・クロウ
ネフェル・ナギーブ


機体概要

ビリー・カタギリを中心とした旧ユニオン・AEUの共同開発チームが、マスラオ/スサノオをベースに完成させた試作可変機
とは言ってもあくまでユニオンフラッグAEUイナクトの混合発展機でありフラッグの純粋な派生機とは言い難い。
一般機は緑色に塗装されている。


疑似太陽炉には充電及び始動装置のために結構な規模の施設が必要で、旧国連軍時代から各地に偏在する施設が襲撃された場合、かなり遠方から一個小隊規模のGN-Xが駆け付ける運用体制をとっていた。
この時代には軍縮に加えて、ヴェーダの運用によってテロの規模や件数も縮小傾向にあったので、より少数精鋭で現地に素早く派遣出来る機体、長距離を高速で航行する能力が求められていた。

そうした運用思想から開発されて最終選考まで残っていたのが、本機とガデラーザである。


ユニオンフラッグAEUイナクトから受け継いだ変形機構を持ち、MS形態のスタンドポジションと巡航形態のクルーズポジションへの変形が可能だが、GN粒子による機体制御と専用OS「LEIF」の恩恵で旧世代機よりも格段に変形の難易度は下がった。
なお、クルーズボジションはフラッグ、イナクトの飛行機形態を踏襲し腰部を前方に突き出すようにしてボディを折り畳んでいるが、脚部だけでなく腕部も後方に向けるなどの相違点も認められる。

西暦2314年時点では性能評価中であり、専任の試験飛行隊「ソルブレイヴス」に全6機が配備されている。
うち1機は指揮官用で、隊長であるグラハムが搭乗。
この指揮官用試験機はグラハム専用にシステムが左利きに調整され、機体色がパーソナルカラーであるに変更されている。
左右の頭部アンテナも長さが延長され一緒となっており、カラーこそ違うもののオーバーフラッグを思わせる。

疑似太陽炉は一般機が一基、指揮官機が二基ずつ搭載。
機体左右に装備されたサイドバインダーは推進器と武装ラックを兼ねるマルチユニットで、一般機はここにGNコンデンサー、指揮官機は擬似太陽炉を一基ずつ載せている(指揮官機の背面にはコンデンサーが積まれている)。
さらにサイドバインダー自体を回転させてディフェンスロッドとして使うことも可能。

巡航形態で長距離航行を行う際には、機体の粒子消費を抑えるために背部に大型のGNコンデンサーを追加し使用後はパージ可能。
大気圏内での飛行時にはサイドバインダーに内蔵された翼と臑のカナードを展開し、空力制御能力を向上させる。

そして、マスラオ/スサノオと同じく疑似太陽炉仕様のトランザムシステムを搭載しており、一時的に出力および機体性能を高めることも出来る。
課題だったトランザム使用に伴う疑似太陽炉の破損も解決できているようで、途中中断も可能など運用の柔軟性はかなり向上している。


GN-X系がCBの技術を基にしているのに対し、本機は旧世代機の技術も多く見られる。

本機の基本性能は西暦2314年時点において最高レベルであり、イノベイドの技術も参考にして開発されたこともあって、この時期のガンダムGN-XⅣすら上回る。

しかし求められた長距離の高速航行能力も結局はGN-XⅣに追加ブースターを装備させれば良く、本機は試験運用に留まっている。

因みに、機体名の「ブレイヴ(BRAVE)」は「マスラオ(益荒男)=勇敢な者」を英訳したもの。

製作初期段階では『フラッグ・グロリアス』という名前だった。



武装

  • GNビームライフル「ドレイクハウリング」
オーバーフラッグのリニアライフル「トライデントストライカー」から設計思想を受け継いだビームライフル。巡航形態では機首となる。
グリップが2本あり、左右どちらの腕で保持しても銃身と機体のセンサーが重なりやすいようになっている他、巡航形態時には腰部ブロックとの連結固定パーツとしても機能する。
エネルギーをチャージすることでバレル先端部が左右に展開し、強力な砲撃が可能。
先端を取り外してショートバレル形態にすれば、威力を犠牲にして連射性が上がる。
ビームの発射音が特徴的で、『ドレイクハウリング(竜の咆哮)』の名はこれに由来する。
SE自体はTVシリーズからイナクト系のリニアライフルに使われていたものだが、ボリュームがかなり大きくされ目立つようになっている。

  • GNキャノン
サイドバインダー先端に装備されている。威力はライフルに劣るが、チャージサイクルが短く、ドレイクハウリングの隙を埋めるフェイルセーフとして有効に機能する。
指揮官機のものは直にGNドライヴが接続されている都合で出力に比して大口径の内蔵式で、バインダーの先端を開いて砲口を露出させる必要がある。
一般機は粒子量が少ない為、指揮官型に比べ小口径となっている。

  • トライパニッシャー
スサノオから継承した砲撃システム。
GNビームライフルとGNキャノンを同調させ、強力な粒子ビームを発射する。
スサノオでは球形圧縮粒子だったが、本機は照射ビームに変更された。
威力は本機の中で最強だが、大量に粒子を消費する。

サイドバインダーに格納されている。こちらもGNキャノンと同様に、指揮官機のものは大型で高出力。
ELSとの戦闘特性上、劇中では未使用で終わった。

  • GNビームマシンガン
前腕部に装備されたビーム機銃。発射には内蔵したブロックをスライドさせて砲口を露出させる必要がある。
主に牽制や巡航形態時の後方迎撃用。

  • GNミサイル
両脚部に2発ずつ格納されている。楔型をしており、対象により深く突き刺さる。

  • チャクラムグレネード
脚部に格納されている。炸裂させることで高濃度GN粒子を周囲に散布し、相手のセンサー類を狂わせる。

  • 30mm機関砲
胸部に固定された実体弾機関砲。唯一のNGN兵器。

  • GNディフェンスロッド
地上での飛行時にサイドバインダーから展開される主翼にGN粒子を定着させることで、フラッグ及びイナクトのディフェンスロッドと同質の防御装備に転用できる。

GN粒子を纏わせる都合で、すれ違い様に切り裂くGNソードのような運用も可能。

劇中での活躍

序盤にグラハムと共に僅かに姿を見せ、火星圏での戦闘終盤に地球連邦軍の援軍としてソルブレイヴス隊が駆け付ける。
プトレマイオス2改の離脱をサポートし、見事な連携攻撃でELSの大群を焼き払った。
この時量産機でありながらハルートの飛行形態に追いつくほどの推力を見せつけた。

最終決戦ではカティ・マネキンの指揮下から外れた独立遊撃部隊として、開戦からやや遅れて参戦。司令部の管制識別用に型式番号の「Y」を外された状態で投入された。
この時既にELSはMSに擬態しており、その驚異的な猛攻により戦闘開始からほどなくしてイェーガン機が被弾し撃墜され、その後ルドルフ機も変形時の一瞬の隙に小型ELSの群れに吶喊され撃墜される。*1
隊長機を駆るグラハムは長年のライバル、刹那・F・セイエイダブルオークアンタを巨大ELSの中枢へと向かわせるべく、トランザムを起動し、最期は機体の大部分を侵食された状態で表面の裂傷に特攻自爆して侵入口を抉じ開け、見事「未来への水先案内人」の役目を果たした。
なお、6機の内3機が残りパイロットは3名(非公式上ではELSと共存したグラハムを入れた4名)とも生存している。

だが、ELSとの戦闘後の世界ではGN-Xに代わる主力の座に至る事は遂に無かった。

戦闘機動中の変形を改良によって比較的容易にしているとはいえ、難易度の高さ故に並のパイロットに使い熟せるものではない点は変わらない。
元々縮小化しつつある対テロ対策用の少数派遣を視野に入れた本機は、残念ながら戦争へと傾きつつある世情にはそぐわないといった事情も絡んでいると思われる。



関連機体

マスラオ/スサノオ

ビリーが開発した試作実験機であり、ブレイヴの直接の原型機。
胴体形状に類似点がある。ただしこちらは非可変機。

ユニオンフラッグ

AEUイナクト

設計系譜上の繋がりがあり、それぞれ頭部や四肢の形状のほか、可変機構なども類似している。



立体化

ガンプラ

HG GUNDAM 00が2010年11月に両機同時発売。パッケージアートは並べると1つの絵になる素敵仕様。
フラッグやイナクトと同様にポリキャップレスとなっているが関節構造がかなり進化しており、広い可動範囲を誇る。
変形も差し替え無しの完全変形で、各部がカッチリ固定される。
スサノオと比べるとサイドバインダーも安定しており、プロポーションも細身でかっこいい。
ポリレスのフラッグ、イナクト、ABSレスのスサノオの土台があったからこその傑作キットと言えよう。
残念ながらビームサーベルはビーム刃も一体となったパーツになっており、形状は一般機のもののみとなっている。


ROBOT魂

指揮官用試験機が2011年4月発売。
可動に癖があるがガンプラよりもプロポーションが設定に近く、GNビームマシンガンやGNキャノン、脛のカナードも展開できるようになっている。
一般機は魂ウェブ商店限定で7月に発売した。



ゲームでの扱い

スーパーロボット大戦シリーズ

プレイヤー機として使用可能なのは指揮官機のみで、一般機は召喚武装、下手したら出ない場合まである。
また、作品によってはフラグを立てないと原作通り特攻して永久離脱してしまう場合もあるので注意。


SDガンダムGジェネレーションシリーズ

一般機・指揮官機共に自軍で運用可能。
『OVERWORLD』ではトライパニッシャーが特殊射撃であったために防御アビリティに対応し易かったものの、『CROSSRAYS』ではGNキャノンに変更させられたために、耐ビーム防御に苦労することに。
また、OWでは宇宙・空中共にBだった一方、CRでは宇宙A・空中Cという変則的な地形適応になっているためOPパーツでの補正が求められる。


◆機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOST

稼働と同時に参戦。2500コスト。
スサノオ同様に射撃CSに入魂が配置されるなど、一部武装にインスパイアを受けたようなものが多い。それ故に当初は射撃機版スサノオを見做された時期もあったが、実際には特殊格闘の急速変形を主軸に立ち回る奇襲特化型で、多量のキャンセルルートを使った空中での足掻きや高火力格闘コンボでダメージを取っていくスタイル。
射撃の回転率は覚醒やSドライヴ中であれば改善されるが、Fドライヴで格闘の爆発力に賭けてみるのも一興。
ただ、この機体が空中足掻きをしまくった結果、次回作以降では空中ペナルティが追加されてしまう。

次回作の機動戦士ガンダム Extreme vs. MAXI BOOST ONでは、サブ射撃の弾数増加やメイン射撃の威力増加など微々たる面だが欲しかった部分でテコ入れが入る。
期中で一度も調整されなかったが、性能は程よく纏まっていたので高水準の評価を下されている。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2では、格闘威力が軒並み上昇し特殊格闘もクールタイムが削除された。
新技こそ一つも貰えなかったが、相変わらず本機独自のプレイスタイルは唯一無二といって過言ではなく、数多の新規参戦機体や強機体がいる中で稼働初期からほぼ変わらぬポジションを維持し続けている。
覚醒はS覚醒やF覚醒と相性が良く、技の挙動に大きく依存するため素の機動力強化の恩恵がやや薄いM覚醒とは噛み合いにくい。

機動戦士ガンダム Extreme vs. 2 X BOOSTでは、遂に新技が追加。特殊格闘特格射撃派生とサブ射撃派生に、それぞれGNキャノン発射とGNミサイルを発射する。特に後者は入魂中だと誘導が強化されるため、織り交ぜて使いたい。
しかし特殊格闘特格格闘派生の威力が大幅に減少し、OH中は特殊格闘の性能自体が劣化する下方調整も受けている。後者はOH中の足掻き行為を抑制する目的があるのだろうが、大半の攻撃行為を特殊格闘に依存している本機は他とは桁違いに影響を受けたため、大きく性能を削がれてしまった。
覚醒は爆発力に依存するSやF覚醒、バーストリンクによる相乗効果に期待するM覚醒、相方に前を任せ奇襲に専念する目的のC覚醒など戦術に応じた使い分けが可能。



Wiki篭り隊、スタンドマニューバと同時に追記・修正!弔い合戦だ!

――全機、フルブラスト!!


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最終更新:2024年02月12日 13:03

*1 接触しただけでは機体は爆発しないため、自爆した可能性もある。