共和国同盟において富が集まる場所と言えばフローレンシア市であり、そのフローレンシア市で一番富が集まるのはガスペリ銀行本店である。
そして当然ながら、富とは特定の形のみを取るものではなく、呪具の形で収まるものもあった。
そして当然ながら、富とは特定の形のみを取るものではなく、呪具の形で収まるものもあった。
「そして、そのうち幾つかがこちらにあります」
そう、呪具を前にあっけらかんと話を進めるのはガスペリ銀行の主、リリアーナ。
それを見せるのはシルフィーヌ二世とトルーヴ姉弟。ちょっとした話し合いのついでに銀行から持ってこさせた呪具コレクションを見せようというつもりである。
それを見せるのはシルフィーヌ二世とトルーヴ姉弟。ちょっとした話し合いのついでに銀行から持ってこさせた呪具コレクションを見せようというつもりである。
「例えば、こちらの白い粒が納められた箱。これは人骨を削って産み出された呪具だそうです」
「人骨を?趣味が悪いのね」
「ええ、確かに趣味は悪いかもしれません。ですが、これは醜女であれば欲しがるようなものです」
「……醜女であれば、ですか。どのようなものですか」
「人骨を?趣味が悪いのね」
「ええ、確かに趣味は悪いかもしれません。ですが、これは醜女であれば欲しがるようなものです」
「……醜女であれば、ですか。どのようなものですか」
リリアーナが示したのは、白い粒が7粒ばかり納められた箱。その粒一つ一つが、細かく紋様が刻まれていた。
それを趣味が悪いだの、醜女であれば、だの。躊躇のないトルーヴ姉弟と、言葉をどう紡げばいいかわからなくなっているシルフィーヌ。それを受け入れてか、無視してか。リリアーナは続けた。
それを趣味が悪いだの、醜女であれば、だの。躊躇のないトルーヴ姉弟と、言葉をどう紡げばいいかわからなくなっているシルフィーヌ。それを受け入れてか、無視してか。リリアーナは続けた。
「これは様々な美女の骨の一部から切り出された呪具、人呼んで『仙女珠』と言います。
使い方は単純。これを一粒ずつ呑むと、その骨の持ち主の美しい部分ーー肌、声、髪、腕、脚、胴、顔。そういったものを得られるそうです」
「けれど、これは呪具。タダってわけじゃないんでしょう?」
「ええ、エイダのご明察の通り。どうもこれを作るには、非業の死を遂げた美女の骨でないといけないようで。
その為か、気を強く持たないと美女に魂を呑まれて乗っ取られてしまうようです」
「……それでも、欲しがる人はいる、のでしょうね。少なくともお金で解決できるのなら」
「それもそうかもしれません。まあ、私には不要な呪具ですがーー売って消費されてしまうのも忍びなく、コレクションの一つにしています」
「成程」
「それにどうやら、一人分の遺骨から一粒しか切り出せないようで。一人分作るのにとんでもない手間がかかるのですよ、これは。
更に言えば、今のところ現存するのはこの箱ともう一つか二つ程度ですし」
「……人の亡骸を壊す、というのも通りが悪いよなぁ」
「その通り。この呪具、東マジョリアで産み出されたものですがーー作った側は必ず死刑に処されます。南北螭の価値観では『人の亡骸を弄ぶのは最大の侮辱』ですから」
使い方は単純。これを一粒ずつ呑むと、その骨の持ち主の美しい部分ーー肌、声、髪、腕、脚、胴、顔。そういったものを得られるそうです」
「けれど、これは呪具。タダってわけじゃないんでしょう?」
「ええ、エイダのご明察の通り。どうもこれを作るには、非業の死を遂げた美女の骨でないといけないようで。
その為か、気を強く持たないと美女に魂を呑まれて乗っ取られてしまうようです」
「……それでも、欲しがる人はいる、のでしょうね。少なくともお金で解決できるのなら」
「それもそうかもしれません。まあ、私には不要な呪具ですがーー売って消費されてしまうのも忍びなく、コレクションの一つにしています」
「成程」
「それにどうやら、一人分の遺骨から一粒しか切り出せないようで。一人分作るのにとんでもない手間がかかるのですよ、これは。
更に言えば、今のところ現存するのはこの箱ともう一つか二つ程度ですし」
「……人の亡骸を壊す、というのも通りが悪いよなぁ」
「その通り。この呪具、東マジョリアで産み出されたものですがーー作った側は必ず死刑に処されます。南北螭の価値観では『人の亡骸を弄ぶのは最大の侮辱』ですから」
そうリリアーナが説明した後、仙女珠を仕舞って次の呪具を出す。今度は、幾つもの札が貼られた瓢箪であった。
「これはわかりやすいですよ。『封魂瓢箪』だそうです。なんでも、秋津列島で暴れた悪霊が閉じ込められてるとのことです」
「え、それ大丈夫なの?」
「トルーヴ姉弟なら倒せる、と信じて持ってきましたので。それに普段は壊れぬよう厳重に扱っていますから」
「え、それ大丈夫なの?」
「トルーヴ姉弟なら倒せる、と信じて持ってきましたので。それに普段は壊れぬよう厳重に扱っていますから」
そう話すリリアーナであるが、目は笑っていない。
「それにこの呪具、私がハンマーを振り下ろしても壊れませんでしたから。恐らく札が強度を高めているのでしょう」
「まあ、頼りにして貰うのは嬉しいけれど。もっとこう……扱いをだな」
「討伐の報償は当然支払いますから」
「そういうことではなくない?」
「まあ、頼りにして貰うのは嬉しいけれど。もっとこう……扱いをだな」
「討伐の報償は当然支払いますから」
「そういうことではなくない?」
そういう話をしながらも、リリアーナは次の呪具を出す。
今度は古い鏡のようなものである。
今度は古い鏡のようなものである。
「これは『照魔鏡』と言いまして、その人物の正体を暴く鏡です。変装も姿を誤魔化す魔術も、この鏡の前では無意味、ということですね」
「……前二つよりは地味だけれど、一番有用なのはこの鏡だよね」
「ええ。ですから、どうにかこれを量産できないか試しているのですが。やはり元となる数が少ないのと、偶発的に出来るもののため再現が出来ず……」
「商機を見出だしたんですね、照魔鏡に」
「……前二つよりは地味だけれど、一番有用なのはこの鏡だよね」
「ええ。ですから、どうにかこれを量産できないか試しているのですが。やはり元となる数が少ないのと、偶発的に出来るもののため再現が出来ず……」
「商機を見出だしたんですね、照魔鏡に」
という話をしながら、事は進む。