THE 夏祭り'82
概要
「THE 夏祭り'82」は、1982年7月から8月にかけて開催されたチャゲ&飛鳥の野外コンサートシリーズ。
前年の田園コロシアム公演「THE夏祭り'81」に続く夏季イベントとして、名古屋城深井丸、つま恋エキシビジョンホール、大阪城西の丸庭園の3会場で開催された。
通常の全国ツアー「御意見無用'82」とは意識的に異なる選曲と演出が用意され、祭り太鼓、法被姿、初めて導入されたブラスセクションなどによって、野外公演ならではの開放的なステージが展開された。
大阪城西の丸庭園公演の模様は、翌1983年に映像作品『THE夏祭り 大阪城LIVE』として発売され、2009年には『CHAGE and ASKA LIVE DVD BOX 1』にも収録された。
公演データ
| 開催期間 |
1982年7月30日~1982年8月15日 |
| 公演数 |
3会場3公演 |
| 総動員数 |
約36,000人 |
| 出演 |
チャゲ&飛鳥 |
| 公演形態 |
野外コンサートシリーズ |
| 関連ツアー |
御意見無用'82 |
開催日程
| 日付 |
会場 |
動員数 |
| 1982年7月30日(金) |
名古屋城深井丸(愛知県) |
約6,000人 |
| 1982年8月8日(日) |
つま恋エキシビジョンホール(静岡県) |
約15,000人 |
| 1982年8月15日(日) |
大阪城西の丸庭園(大阪府) |
約15,000人 |
セットリスト
1982年8月15日(日) 大阪城西の丸庭園(大阪府)
1. 夏は過ぎて
2. 御意見無用'82
3. 長い雨のあとに
4. 万里の河
5. カーニバル
6. 花暦
7. 男と女
8. 21世紀
9. 私の愛した人
10. 翼
11. 嘘
12. 熱風
13. 誓い
14. 南十字星
15. 悲炎
16. 翼
17. 熱い想い
18. 終章(エピローグ)~追想の主題
19. 幻夜
20. 放浪人(TABIBITO)
21. ひとり咲き
22. 歌いつづける
公演の概要
「コンサートツアー 熱風」の総決算として開催された前年の「THE夏祭り'81」を発展させ、複数の会場を巡る野外コンサートシリーズとして企画された。
1982年は、2月から3月に「'82春の陣 時代ヲ越エテ〈ドン・キホーテ〉ハ走ル」を開催。その後、映画『真紅な動輪』の音楽制作を経て、7月から全国ツアー「御意見無用'82」が始まった。
本公演は「御意見無用'82」の期間中に開催された特別イベントであるが、通常ツアーの一公演を屋外へ移したものではなく、夏祭り専用の選曲と演出が組まれていた。
| 公演 |
特徴 |
| 御意見無用'82 |
全国各地のホールを中心とした通常ツアー |
| THE 夏祭り'82 |
祭りをテーマにした野外特別公演 |
| 選曲 |
通常ツアーとは意識的に変更 |
| 演出 |
祭り太鼓、法被、ブラスセクションを導入 |
前年の田園コロシアム公演で作られた祭りの雰囲気を引き継ぎながら、動員規模と演奏編成の両面で拡大された。
祭り太鼓と法被によるオープニング
各公演は、前年の田園コロシアム公演と同様に、祭り太鼓が打ち鳴らされる演出で始まった。
チャゲと飛鳥は赤い法被姿で登場。客席にも浴衣や法被を着た観客が多く、ステージと客席の双方で「夏祭り」の雰囲気が作られた。
オープニングでは「夏は過ぎて」「御意見無用'82」「長い雨のあとに」が演奏された。
祭りを題材にした力強い演出から、野外公演に適した開放的な楽曲へつなげる構成となっており、通常の「御意見無用'82」ツアーとは異なるステージであることを冒頭から明確に示していた。
初のブラスセクション
本公演では、チャゲ&飛鳥のコンサートとして初めてブラスセクションが導入された。
管楽器の加わった厚みのあるサウンドによって、「御意見無用'82」や「カーニバル」などの楽曲に、通常のツアーとは異なる華やかさと祭りらしい高揚感が加えられた。
後年のチャゲ&飛鳥のコンサートでは、ホーンセクションを含む大編成の演奏も用いられるようになるが、本公演はその初期の試みの一つとなった。
名古屋城深井丸公演
シリーズ初日は、1982年7月30日に名古屋城深井丸で開催された。
前日まで東海地方は雨に見舞われていたが、公演当日に梅雨明けが発表され、気温30度を超える晴天となった。
チャゲはステージへ登場すると、梅雨明けと夏の到来を告げるように客席へ呼びかけた。本人たちは事前に天候を心配していたとされるが、当日は晴天となり、二人も明るい表情を見せていた。
夕暮れの中で始まった公演は、次第に夜のステージへ移行した。
会場後方には、ライトアップされた名古屋城の天守閣が浮かび上がり、その上には月が見えていたという。城郭を背景に音楽と照明が広がる、屋外会場ならではの光景となった。
名古屋公演の客席
名古屋城深井丸は縦長の会場で、約6,000人の観客が集まった。
ステージ後半では、客席の最後方から前方へ向かって手拍子が広がり、その波がステージへ押し寄せるように見えたとライブ記事で表現されている。
終演曲「歌いつづける」では、観客による大合唱が発生。歌声が夜空へ響き、演奏終了後も合唱が続いたという。
ステージと客席が一体となって公演を作るという、「THE夏祭り」の特徴が強く表れた場面だった。
大阪城西の丸庭園公演
シリーズ最終日は、1982年8月15日に大阪城西の丸庭園で開催された。
約1万5,000人を動員し、チャゲ&飛鳥にとって当時最大規模の野外公演の一つとなった。
| 項目 |
内容 |
| 開催日 |
1982年8月15日 |
| 会場 |
大阪城西の丸庭園 |
| 観客数 |
約15,000人 |
| 位置づけ |
THE 夏祭り'82最終公演 |
| 映像収録 |
ライブ映像作品として発売 |
チャゲは「21世紀」を歌っている際、サイモン&ガーファンクルが行ったセントラルパーク公演を思い出したと後に語っている。
大規模な屋外会場に集まった観客を前にした経験は、翌1983年の国立代々木競技場公演など、その後の大規模イベントへつながるものとなった。
観客と作り上げた夏祭り
チャゲは後年、本公演について、各会場の観客から「待っていた」という雰囲気が伝わってきたと振り返っている。
浴衣や法被を着た観客が多く、出演者が用意した公演を見るだけではなく、客席側も夏祭りへ参加しようとしていたという。
通常のホールコンサートとは異なり、屋外の空気、夕暮れから夜へ変わる景色、祭りの服装、太鼓やブラスの音を含め、会場全体が演出の一部となった。
映像作品
THE夏祭り 大阪城LIVE
| 項目 |
内容 |
| タイトル |
THE夏祭り 大阪城LIVE |
| 発売日 |
1983年7月1日 |
| 収録公演 |
1982年8月15日 大阪城西の丸庭園 |
| 発売元 |
パイオニアLDC |
| 媒体 |
VHS・ベータ・レーザーディスク |
大阪城西の丸庭園公演の模様を収録したライブ映像作品。
公演セットリストをそのまま全曲収録したものではなく、曲順の変更や一部楽曲の省略、編集が行われている。
映像作品収録曲
| No. |
曲名 |
| 1 |
夏は過ぎて |
| 2 |
御意見無用 |
| 3 |
長い雨のあとに |
| 4 |
万里の河 |
| 5 |
いろはにほへと |
| 6 |
カーニバル |
| 7 |
花暦 |
| 8 |
男と女 |
| 9 |
21世紀 |
| 10 |
翼 |
| 11 |
暁 |
| 12 |
魅惑 |
| 13 |
誓い |
| 14 |
南十字星 |
| 15 |
悲炎 |
| 16 |
翼 |
| 17 |
熱い想い |
| 18 |
終章(エピローグ) |
| 19 |
ひとり咲き |
| 20 |
歌いつづける |
CHAGE and ASKA LIVE DVD BOX 1
『THE夏祭り 大阪城LIVE』は、2009年8月26日発売の『CHAGE and ASKA LIVE DVD BOX 1』にもDVD化して収録された。
同BOXには、以下の3作品が収録されている。
| No. |
収録作品 |
| 1 |
THE 夏祭り チャゲ&飛鳥大阪城LIVE |
| 2 |
Good Times-1983.9.30国立代々木競技場LIVE- |
| 3 |
ONE SIDE GAME IN YOKOHAMA STADIUM |
その後への影響
本公演の成功によって、「THE夏祭り」はチャゲ&飛鳥を代表する野外イベントの一つとなった。
祭り太鼓や法被姿といった分かりやすい祭りの演出に加え、通常のツアーとは異なる選曲、新しい演奏編成、大規模な屋外会場を使用する形式が確立された。
大阪城西の丸庭園公演後、会場にはごみがほとんど残っていなかったとされる。
主催者側も観客のマナーと公演内容を高く評価し、終演当日のうちに翌年も開催したいという話が出たと、本人たちは後年のインタビューで振り返っている。
備考
- 名古屋城公演当日は東海地方の梅雨明けが発表され、前日までの雨から一転して晴天となった。
- 名古屋城公演では、ライトアップされた天守閣と月を背景に演奏が行われた。
- アンコール時、ステージ前方にいた男性ファンを飛鳥がステージ上へ引き上げ、チャゲを含む3人でスキップする一幕があった。
- 通常の「御意見無用'82」ツアーとは、意識的に異なるセットリストが組まれていた。
- 大阪城西の丸庭園公演後、会場にはごみがほとんど残されていなかったという。
最終更新:2026年06月28日 01:13