初心者おすすめ呪文
〈カンジャー・アニマルズ〉は戦闘中に手数を増やしたり、探索に役立てたりと汎用的な状況で使用できる。
ダメージを与える
〈カンジャー・バラージ〉
矢や投擲物が無数に分裂し、60フィートの円錐形の範囲に、3d8ダメージを与える呪文。
- 効果範囲は申し分ないが、ダメージが小さすぎる。レンジャーは9レベルでこの呪文を覚えるが、同レベルのウィザードが覚える〈コーン・オヴ・コールド〉は、同じ範囲に、8d8ダメージを与えることができる。レンジャーは単体または少数の相手を攻撃するクラスであり、複数の相手を攻撃するのは向いていない。君のパーティにウィザードやソーサラーがいないなら、範囲攻撃の手段として使うことがあるかもしれない。
- 余談:矢に毒を塗ってから呪文を唱えれば、毒も複製されるかもしれない(DM次第)。君がDMで、この呪文が弱すぎると感じるならば、あるいはPLの工夫やアイディアに報いたいと思うならば、毒が複製されることにしてもよいだろう。(変則的な裁定のため、毒の種類によってはゲームバランスを壊す威力になることに注意)
〈ライトニング・アロー〉
【精神集中】
1体のクリーチャーに武器の通常のダメージの代わりに[電撃]ダメージを与える。
さらに、攻撃が当たっても外れても、着弾点から10フィートの範囲に2d8の[電撃]ダメージを与える。
1体のクリーチャーに武器の通常のダメージの代わりに[電撃]ダメージを与える。
さらに、攻撃が当たっても外れても、着弾点から10フィートの範囲に2d8の[電撃]ダメージを与える。
- レンジャーは9レベルでこの呪文を覚えるが、同じレベルのウィザードが〈ファイアーボール〉を5レベルで唱えれば、半径20フィートに10d6ダメージを与えられる。
- レンジャーは単体または少数の相手を攻撃するクラスであり、複数の相手を攻撃するのは向いていない。君のパーティにウィザードやソーサラーがいないなら、範囲攻撃の手段として使うことがあるかもしれない。
- なお、最初の攻撃は、「武器の通常のダメージを4d8の〔電撃〕ダメージに変える」ものであるため、そのダメージに能力修正値を足すことができる。また、4d8の[電撃]ダメージの目標になったクリーチャーが、次に発生する2d8の〔電撃〕ダメージを受けることはない。
HPを回復する/状態を終了させる
〈リヴィヴィファイ〉TCoE
死後1分以内の死体を蘇生する呪文。
- キャラクターロストに対する確実な保険となるため、必ず準備しておきたい。物質要素として300gpのダイヤモンドを要求することに注意。
- ちなみに、「失われた体の部位を修復することはできない」ので、巨大なモンスターに飲み込まれて消化されたり、触手のたくさんあるモンスターに脳みそを食べられたり、目玉のたくさんあるモンスターに体を分解されたときは再生することができない。
自分や味方を支援する(バフ)
〈アシャーダロンズ・ストライド〉FToD
【精神集中】
持続時間中以下の効果を得る。
① 移動速度+20フィート。
② 機会攻撃を受けない。
③ クリーチャーや物体の5フィート以内に移動すると、1d6〔火〕ダメージを与える。 (目標1つにつき、1ターンに1回のみ)
持続時間中以下の効果を得る。
① 移動速度+20フィート。
② 機会攻撃を受けない。
③ クリーチャーや物体の5フィート以内に移動すると、1d6〔火〕ダメージを与える。 (目標1つにつき、1ターンに1回のみ)
- HPが低い敵がたくさん出てきたときに使いたい呪文。
- ウッド・エルフは元々移動速度が速いので、相性が良い。
- 出来るだけ前衛に出られるビルドで使うのがおすすめ。
- 精神集中が必要なので、ダメージを受けるたび解除のリスクがある点に注意。
- 〈ファインド・スティード〉と共に唱えると、 君と乗騎の双方にこの呪文がかかる。 その後乗騎から降りて別々に走り回ることで、大量のダメージを与えることができる。 ただし〈ファインド・スティード〉はパラディン呪文なのでマルチクラスが必要。
〈エレメンタル・ウェポン〉TCoE
【精神集中】
魔法でない武器を+1の魔法の武器にし、さらに[酸][電撃][火][雷鳴][冷気]の内1種を選択して追加ダメージを与える。
魔法でない武器を+1の魔法の武器にし、さらに[酸][電撃][火][雷鳴][冷気]の内1種を選択して追加ダメージを与える。
- 魔法の武器以外に抵抗を持つクリーチャーに攻撃したい場合は〈マジック・ウェポン〉を勧める。
- 戦う前に敵の脆弱性が分かっているなら準備する価値ありか。
〈プロテクション・フロム・エナジー〉
【精神集中】
〔酸〕〔電撃〕〔火〕〔雷鳴〕〔冷気〕ダメージへの抵抗を付与する。
〔酸〕〔電撃〕〔火〕〔雷鳴〕〔冷気〕ダメージへの抵抗を付与する。
- クロマティック・ドラゴンや一部のエレメンタルと戦う時にこの呪文があれば、被害を低減することができる。
- 呪文の持続時間が1時間なので、事前にこの呪文をかけてからカチコミに行くとよいだろう。
- ただし精神集中を必要とする呪文であるので、ドラゴンのブレスのような範囲攻撃に術者が巻き込まれた際は精神集中を維持するための【耐久力】セーヴをロールすることになる。
〈フレイム・アローズ〉XGtE
【精神集中】
12本の矢に魔力を付与し、追加で1d6の火ダメージを与える。
12本の矢に魔力を付与し、追加で1d6の火ダメージを与える。
- 発動時に「アローまたはボルトが入っている矢筒」に触れるとあるので、矢筒やボルトケースに対してかける呪文なのだろう。したがって、複数人で矢筒を回しながら射撃すれば、12本の矢を余すところなく使いきれる。
- また、1レベル呪文〈ハンターズ・マーク〉と併せて使えばダメージの底上げが可能である。
- なお、目標に命中したとき着火するとは書いていないが、DMの判断次第で着火することにしてもよいだろう。
敵を妨害する(デバフ)
〈ウィンド・ウォール〉
【精神集中】
強風の吹く風の壁を作り出し、範囲内のクリーチャーに3d8の〔殴打〕ダメージを与える。
風の壁は、ガス、小型の飛行生物、遠隔攻撃を通さない。
強風の吹く風の壁を作り出し、範囲内のクリーチャーに3d8の〔殴打〕ダメージを与える。
風の壁は、ガス、小型の飛行生物、遠隔攻撃を通さない。
- 攻撃呪文として使うこともできるが、平均ダメージは13ポイントとあまり高くない。
- この呪文の真骨頂は「この強風は霧や煙及びその他の気体を一瞬で吹き飛ばす」所と「普通の矢弾は自動的にミスする」所にある。敵軍に呪文使いがいない場合、遠隔武器攻撃を完全に防ぎ、こちらは一方的に呪文で攻撃できる。ただし、攻城兵器やジャイアントの岩投げに対しては効果がないので要注意である。
- ガスを吹き散らす効果については、〈フォッグ・クラウド〉〈スティンキング・クラウド〉〈クラウドキル〉〈インセンディエリ・クラウド〉などを無効化できる。
〈プラント・グロウス〉
半径100フィートの範囲に草を茂らせ、非常に強力な移動困難地形(1フィート移動するごとに4フィート分の移動が必要になる)と化す呪文。
- きわめて広い範囲で敵の移動を封じることができる。しかし、周囲に植物がないと使えない。もし森や草原以外で使うなら、あらかじめ種子を大量に持ち歩いて、呪文の発動の前にばら撒き、敵を待ち構える必要がある。
- この呪文はもう一つの効果があり、8時間かけて発動させると、範囲内の農作物を豊作にすることができる。君の卓で、冒険の合間に領地経営をするなら使うかもしれない。
クリーチャーを召喚する/生み出す
〈カンジャー・アニマルズ〉
【精神集中】
野獣を召喚する呪文。召喚する野獣の脅威度によって、召喚できる数が変動する。
野獣を召喚する呪文。召喚する野獣の脅威度によって、召喚できる数が変動する。
- 脅威度2以下×1
- 脅威度1以下×2
- 脅威度1/2以下×4
- 脅威度1/4以下×8
- クリーチャーを召喚する呪文の1つ。召喚される野獣はそれほど強くないが、壁や捨て駒として使うには十分。基本的には、弱いクリーチャーをたくさん確保したいときに使う。
- なお、野獣の種類をPLが選択できるかは明記されていない。君がDMなら、PCが唱えた場所によって召喚される野獣を決定しても面白いだろう。たとえば森で唱えたならばブラウン・ベアが現れる、洞窟で唱えたならジャイアント・スパイダーが現れるなど。
- 君がDMで、どの野獣を出すべきか迷った時や、髪のDMが現れる野獣の種類をPLが選択してもよいと言った場合は、以下のおすすめを参照のこと:
- ポーラー・ベア×1:最もダメージの期待値が高い。
- ジャイアント・コンフリクター・スネーク×1:相手を拘束状態にすることができる。また、超大型サイズであるため、グリッド戦闘では3マスまでの通路を塞ぐことができる。
- ジャイアント・イーグル×2:飛行能力があるため、空中の敵を攻撃できる。DMが許可すれば、PCが騎乗して空中戦に参加したり、空の旅を楽しむこともできる。
- ジャイアント・スパイダー×2:蜘蛛糸の能力で敵を拘束することができるほか、壁や天井を歩くことができる。DMが許可すれば、PCが騎乗して共に移動することも可能。
- ダイヤ・ウルフ×2:「連携戦闘」により、有利で攻撃が可能。攻撃時に相手を伏せ状態にする能力もある。また「鋭敏聴覚&嗅覚」の能力は、戦闘後、逃げる敵を追うときなどにも役立つ。
- ウォー・ホース×4:移動手段がないときに使う。
- ウルフ×8:とにかく手数が欲しいときに召喚しよう。連携戦闘、伏せ状態にする効果があるため、攻撃の命中率は高い。敵の魔術師の精神集中を解除したいときなどに使おう。また、「鋭敏聴覚&嗅覚」の能力による〈知覚〉判定を8体全員で使えば成功確率を大幅に上げられる。
- ジャイアント・バジャー×8:穴掘り能力がある。トンネルを開通したいときに。
- ライディング・ホース×8:ウォー・ホース4頭では足りないときに。
〈サモン・フェイ〉TCoE
【精神集中】
1体のフェイを召喚する。
フェイは君のターンの直後に行動する。
1体のフェイを召喚する。
フェイは君のターンの直後に行動する。
- 手数の点では〈カンジャー・アニマルズ〉の方が強い。
- フェイは30フィート以内に瞬間移動できる。高所や矢狭間の向こう側にいる敵に攻撃したり、狭い隙間を通り抜けて偵察したい場合などには有用。
その他
〈ウォーター・ウォーク〉
水の上を歩けるようになる呪文。
- 海や川を横切るのに使えるが、レンジャーは儀式発動ができないので、優先度は下がる。
- ちなみに、液体に沈んでいるクリーチャーにかけた場合、そのクリーチャーは浮かび上がってくるが、これは水中に潜れなくなるということでもある。したがって、水中に撤退していった敵を追いかけるには、まずこの呪文を終了させなければならない。そのためには、(1)持続時間が終了するか、(2)〈ディスペル・マジック〉で解呪するかしかない。よって、この呪文をパーティ全体にかける時は注意されたし。
〈ウォーター・ブリージング〉
10体までの同意するクリーチャーに、水中呼吸の能力を与える呪文。
- 対象にできる数が多く、持続時間も24時間と破格である。水中での呼吸能力を提供するだけで、水中移動速度は提供しないので要注意。
- また、レンジャーはこの呪文を儀式発動できないので、他クラスと比べて優先度は下がる。
〈スピーク・ウィズ・プランツ〉
植物との会話が可能になる呪文。
- 植物と会話し、自律行動能力を与える呪文。「植物たち」とあるので、範囲全体に効果がある。スピークと言いつつできることは割と多様で、質問をすることはもちろん移動困難地形の解除/生成、場合によっては遮蔽の生成や簡易的な足場の生成、下生えで物を隠したりといったこともできるかもしれない。また、ブラウンモールドやキノコなどの有害な胞子の噴霧を一時的に止めさせることができるかもしれない。当然周囲に植物がなければ効果がないので、主にウィルダネスアドベンチャー向けの呪文。
- また、〈ロケート・アニマル・オア・プランツ〉と組み合わせれば、話し相手である植物を探すことができるが、2レべルと3レベルのスロットを1つずつ使うのでコストパフォーマンスは悪い。
〈デイライト〉
120フィートを照らす光源を作り出す呪文。
物体を光らせるて持ち運ぶこともでき、その場合、物体を覆うことで光を隠すことができる。
物体を光らせるて持ち運ぶこともでき、その場合、物体を覆うことで光を隠すことができる。
- 精神集中無しで1時間持続し、〈ライト〉の3倍の照明範囲を持つ光を生み出せる。洞窟などで明かりを持った場合は、光源の外から狙われる危険もあるが、逆に、開けた場所では隅々まで照らし出すことができる。
- 費用対効果は良くないが、現代兵器における照明弾のように、視界を確保するだけでなく信号弾として用いることもできる。
- またこの呪文は、3レベル以下の魔法の暗闇を作り出す呪文と効果範囲が一部でも重なったら、即座にその呪文を解呪できる。特に、〈ダークネス〉呪文が発動できなくなる点が有用。
- 日本語訳では「陽光」だが、ルール上はこの光は日光ではない。(日光である場合は、呪文の説明文中に「日光」と明記されている)したがって、この呪文でドラウやコボルドの目を眩ませたり、ヴァンパイアにダメージを与えることはできない。ただしDMが特別な裁定を行う可能性はある。
〈ノンディテクション〉
占術魔法による探知や魔法的な念視のセンサーによって探知されなくなる。
- 〈ディテクト・マジック〉〈ディテクト・ソウツ〉〈シー・インヴィジビリティ〉〈スクライング〉などによって発見されなくなるのは大きな利点。味方の隠密行動を確実化するために使いたい。
- また、マインドフレイヤーやナイト・ハグのような生得呪文として〈ディテクト・ソウツ〉を発動できるクリーチャーから身を隠すのにも使える。
- 公式デザイナーのTwitterでの回答によれば、〈トゥルー・シーイング〉によって得られた視覚からも隠されるとのこと。
- 参考として、この呪文によって無効になる占術を列挙してみた。(こちら)
- その他、この呪文の効果は占術「呪文」ではなく占術「魔法」から護られるとあるので、占術であると裁定されれば魔法のアイテムや魔法の罠、魔法的効果全般に作用するものと思われる。
- DM次第だが、あらゆる占術から護られると解釈するなら、〈フォアサイト〉の不意打ちを受けなくなる効果や、攻撃者の攻撃ロールに不利を付ける効果を無効化できるかもしれない。
- なお、発動のたびに物質構成要素として25gpを消費するため、事前に用意しておこう。インスマスでもない限り、さびれた漁村にダイヤモンドの粉末があることを期待しない方がよい。
- その他の注意点は以下のとおり。
- ① クリーチャーが生来持つ能力である「超視覚」や「思考読解」、あるいはパラディンの「聖邪感知」など、魔法ではない探知能力に対しては無力である。詳しくはWOtCスタッフのTwitterでの回答を参照。
- ② 特定のレベル以下の呪文に関する完全耐性を持つクリーチャーなども、この呪文を無効化して探知してくる。
- ③ あらゆる占術の目標にならないため、〈ガイダンス〉〈フォアサイト〉などの有用な効果の目標にもならない点には注意が必要。
〈メルド・イントゥ・ストーン〉TCoE
8時間、石の中に潜伏する呪文。
- あらかじめ敵のアジトに忍び込んでおけば、待ち伏せや盗み聞きのための潜伏手段として利用できる。ただし外の様子を聞き取るための〈知覚〉判定に不利が課される上、レンジャーの得意な【判断力】ではなく【知力】で行わなければならないので要注意。この点、レンジャーは〈ビースト・センス〉である程度感覚を確保できる。
- 基本的には儀式で発動することが多いが、逃走時に追っ手を撒くために使う場合は1アクションで急いで使うこともあるだろう。石の中にいることは非魔法的な手段で感知することはできないので安全地帯となる。また、石の中にいても自分を対象とした呪文を使うことは可能であるため、石の中で治療のための呪文を発動することもできる。ただし、この呪文は自分自身にしか発動できないので、パーティ全員を隠すことはできない。あるいは、小休憩や大休憩を取ることも可能かもしれない(DM次第)。ただしこの場合も、自分自身しか隠れられないことが難点である。
- 以上の事を踏まえれば、呪文の発動前や終了直後に単独である可能性が高い呪文であると言える。一人のときに敵と出くわしたり、待ち伏せされた敵に狙われたりしないようにしっかり対策しておきたい。