初心者おすすめ呪文
〈ディスペル・マジック〉は、戦闘や探索を問わず、幅広い局面で使われる呪文である。
〈マス・ヒーリング・ワード〉は、範囲攻撃などで複数の味方が倒れた時、彼らを同時に戦場に復帰させることができるという点で非常に有用。
〈リヴィヴィファイ〉は、キャラクターロストに対する確実な保険となるため、必ず準備しておきたい。
〈スピリット・ガーディアンズ〉は優秀な攻撃手段であり、狭い部屋の中で継続的にダメージを与えるのにも使えるし、通路で発動して敵が部屋の中に侵入するのを防ぐのにも使える。
〈マス・ヒーリング・ワード〉は、範囲攻撃などで複数の味方が倒れた時、彼らを同時に戦場に復帰させることができるという点で非常に有用。
〈リヴィヴィファイ〉は、キャラクターロストに対する確実な保険となるため、必ず準備しておきたい。
〈スピリット・ガーディアンズ〉は優秀な攻撃手段であり、狭い部屋の中で継続的にダメージを与えるのにも使えるし、通路で発動して敵が部屋の中に侵入するのを防ぐのにも使える。
ダメージを与える
〈スピリット・ガーディアンズ〉
【精神集中】
術者の周囲に守護霊を召喚し、範囲内に入るかターンを開始した敵に3d8の〔光輝〕または〔死霊〕ダメージを与える呪文。
術者の周囲に守護霊を召喚し、範囲内に入るかターンを開始した敵に3d8の〔光輝〕または〔死霊〕ダメージを与える呪文。
- 狭い部屋の中で継続的にダメージを与えるのにも使えるし、通路で発動して敵が部屋の中に侵入するのを防ぐのにも使える。作用を受けるクリーチャーを選べるので、敵味方入り乱れる乱戦状態でも使えるのは長所。
- ダメージを受けるタイミングは、呪文を発動した時ではなく、「クリーチャーが自分自身のターンにおいてこの効果範囲の中に入るか、この効果範囲内で自分のターンを開始した時」である。よって、敵クリーチャーの立っている場所にこの呪文を発動したとしても、そのクリーチャーのターンが来るまではダメージは発生しない。なお、効果範囲に入ることは、自発的である必要はない。したがって、〈サンダーウェイヴ〉のような呪文でクリーチャーをそのエリアに押しやることは可能。ただし、ダメ―ジを受けるのは、ターンで最初にその範囲に入ったときだけであることに注意。出し入れしても、複数回ダメージを受けることはない。詳しくは、セージ・アドバイスのp19を参照のこと。
- 範囲内では移動速度が半分になるが、「移動困難地形」を作るわけではない。したがって、この呪文の効果と移動困難地形が重なった場合は、移動速度は(実質的に)1/4にすることができる。
HPを回復する/状態を終了する
〈オーラ・オヴ・ヴァイタリティ〉TCoE
【精神集中】
持続時間中、半径30フィート内のクリーチャー1体を、ボーナス・アクションで2d6回復できる。
持続時間中、半径30フィート内のクリーチャー1体を、ボーナス・アクションで2d6回復できる。
- 精神集中で1分間持続するので最大10回も回復が可能。とはいえ回復量は2d6と控えめなので、気絶したクリーチャーを起こす手段として考えるとよい。
- 戦闘終了後に安全を確保した状態で、10回発動すれば確実。
〈ディスペル・マジック〉
目標に作用している3レベル以下の呪文をすべて終了させる。
4レベル以上の呪文に対しては、呪文発動能力に対する能力値判定を行う。(難易度は10+呪文レベル)
4レベル以上の呪文に対しては、呪文発動能力に対する能力値判定を行う。(難易度は10+呪文レベル)
- 戦闘や探索を問わず、幅広い局面で使われる呪文。
- 戦闘で使う:ウィザードやクレリックなどの呪文使いが敵に回るだけでなく、モンスターの中には生得呪文発動能力の特徴を有する個体もいる。これらのクリーチャーが呪文で自身の戦闘能力を強化したり、冒険者たちを直接傷つけるのではなく、何らかの妨害を仕掛けてくることはよくあるため、それらを打ち破るためにこの呪文が使われることになる。さて、ここで注意しなければならないことが幾つかある。
- 第一に、相手がウィザードやソーサラー、ウォーロックであれば〈カウンタースペル〉でこちらの〈ディスペル・マジック〉を妨害してくることは予想しておく方がよい。〈カウンタースペル〉の射程は60フィートに対し、〈ディスペル・マジック〉は120フィートなので、射程外から撃ち込むことで完全に封殺できる。その他の〈カウンタースペル〉対策については当該項目を参照のこと。
- 第二に、解呪する対象の呪文が、この呪文のレベルを上回っていた場合、能力値判定を要求される。たとえば、5レベル呪文を対象とした際、5レベルで発動したならば確実に解呪できるが、3レベルや4レベルで発動すると、解呪できるかは能力判定となる。この場合、3レベルで発動しても4レベルで発動しても、成功確率が変わるわけではないことに注意すべし。とはいえ、「バードの声援」や〈ガイダンス〉、インスピレーションを用いて成功確率を上げることは可能である。強力な呪文で防御している相手には、それらのリソースを惜しみなくつぎ込んで解呪してやろう。味方の助力を得て強力な魔法の守りを打ち破るのは、一つの見せ場にもなるだろう。
- 戦闘以外で使う:ダンジョン内の魔法の罠を取り除いたり、魔法の装置を壊して黒幕の計画をくじくのに使える。しかし、シナリオの都合上、DMが解呪可能かどうか、あるいは難易度がいくつかを明かしてくれないこともあろうかと思う。呪文を打ち消すためにこちらも呪文スロットを消費するので、無駄打ちにならないよう確実に決めていきたいところである。占術呪文を使ったり、【知力】〈魔法学〉判定に成功すれば、DMが、解呪可能か、可能ならば難易度はいくつなのか、教えてくれるかもしれない。いろいろ提案してみよう。
- また、この呪文にはいろいろな制約があるため、セージ・アドバイスを参考にしつつ、ディスペル・マジックに関するあれこれを記載したので、参考にされたし。
〈マス・ヒーリング・ワード〉
クリーチャー6体までのHPを1d4+【呪文発動能力の修正値】だけ回復する呪文。
- 範囲攻撃などで複数の味方が倒れた時、彼らを同時に戦場に復帰させることができるという点で非常に有用。
- ただし、回復量は1レベルの〈ヒーリング・ワード〉と同じなので、敵から再び攻撃を受ければ、ほぼ確実に倒れる。とくに5レベルのクレリックは、3レベルスロットが2つしかないので、範囲攻撃を受けるたびにこの呪文を唱えていては、あっという間にスロットが尽きて押し負けること確実である。唱えるなら、短期決戦を狙っていきたい。
〈リヴィヴィファイ〉
死後1分以内の死体を蘇生する呪文。
- キャラクターロストに対する確実な保険となるため、必ず準備しておきたい。物質要素として300gpのダイヤモンドを要求することに注意。
- ちなみに、「失われた体の部位を修復することはできない」ので、巨大なモンスターに飲み込まれて消化されたり、触手のたくさんあるモンスターに脳みそを食べられたり、目玉のたくさんあるモンスターに体を分解されたときは再生することができない。
〈リムーヴ・カース〉
クリーチャーや物体にかかっている呪いを除去する。
物体が呪いのアイテムである場合、この呪文は"同調"を破るが、アイテムの呪いそのものを解く効果はない。
物体が呪いのアイテムである場合、この呪文は"同調"を破るが、アイテムの呪いそのものを解く効果はない。
- 発動時間が1アクションなので、戦闘中であっても発動は容易。ただしこの呪文の射程は"接触"なので、君自身もある程度前に出られるようなビルドにする必要がある。
- 呪いをかけられている者が素直にこの呪文を受け入れるとは限らない。場合によっては組み伏せたり拘束したりといった、手荒な真似をする必要があるかもしれない。
- また、この呪文が対象とする「呪い」の範囲は厳密には決まっていない。一部の呪文やウォーロックの妖術や特徴、一部のモンスターの特徴には「呪いをかける」と明記されているものあるし、呪いのような効果だが「呪いである」と書かれていないものもある。
- 君がDMなら、「〈リムーヴ・カース〉では解けないと書かれていない限り、呪いらしきものは何でも除去する」としてもよいし、「〈リムーヴ・カース〉が除去するのは『呪い』と明記されているものだけで、『呪いのような効果』には作用しない」としてもよい。態度が一貫しているならどちらでもよいだろう。
〈ライフ・トランスファランス〉XGtE
術者は4d8の〔死霊〕ダメージを受け、味方1体のHPを、そのダメージの2倍回復する。
- 単体を大量に回復させる手段として有用。
- ダメージの平均は18ポイント、回復値の平均は36ポイントであり、これは4レベルのファイターやバーバリアンのHPを全回復させるに足る数値である。射程も30フィートあるので接触しなくても発動できる点が〈キュア・ウーンズ〉より便利。言うまでもないが、弱点は発動した術者もダメージを受ける点。使用の際の判断はくれぐれも慎重に。
- クレリックの場合、相性がよいのは「生命の領域」であろう。「生命の使途」の効果で回復量が上がるし、「幸いなる癒し手」の効果で自分が受けたダメージを回復することもできる。
- なお、エラッタにより、「このダメージはいかなる方法によっても減少させることはできない」ことになった。
自分や味方を支援する(バフ)
〈スピリット・シュラウド〉TCoE
【精神集中】
持続時間中、君の攻撃が君から10フィート以内のクリーチャーにヒットするたび、1d8の追加ダメージを与える。ダメージ種別は〔光輝〕〔死霊〕〔冷気〕から選ぶ。このダメージを受けたクリーチャーのHPは、君の次のターン開始時まで回復できない。
君から見えるクリーチャーが、君から10フィート以内でターンを開始するたび、そのクリーチャーの移動速度を10フィート低下させることができる。この効果は君の次のターン終了時まで持続する。
持続時間中、君の攻撃が君から10フィート以内のクリーチャーにヒットするたび、1d8の追加ダメージを与える。ダメージ種別は〔光輝〕〔死霊〕〔冷気〕から選ぶ。このダメージを受けたクリーチャーのHPは、君の次のターン開始時まで回復できない。
君から見えるクリーチャーが、君から10フィート以内でターンを開始するたび、そのクリーチャーの移動速度を10フィート低下させることができる。この効果は君の次のターン終了時まで持続する。
- 火力増強手段。ボーナス・アクションで使えるため攻撃のテンポを損なわない。
- ただし、君から10フィートの範囲にしか作用しないのに精神集中が必要であり、殴られて即解除と言うこともあり得るのが難しいところ。
- ダメージ種別は〔光輝〕〔死霊〕〔冷気〕から選べる。 特にこだわりがなければ 〔光輝〕がおすすめ。
- ダメージを受けたクリーチャーは1ラウンドの間HPを回復できなくなる。トロルなどの自己再生能力のあるクリーチャーや、敵方にクレリックがいる場合などに役立つだろう。
〈ビーコン・オヴ・ホープ〉
【精神集中】
任意の数のクリーチャーに、3つの有益な効果を与える呪文。
任意の数のクリーチャーに、3つの有益な効果を与える呪文。
- ①【判断力】セーヴに有利を与える。
- ②死亡セーヴに有利を得る。
- ③HPを回復する効果が最大値になる。
- ①の効果について:恐怖状態や、心術系統の呪文の多くが【判断力】セーヴを要求する。重要性は高い。
- ②の効果について:キャラクターがロストするか否かに関わる判定である。重要性は言わずもがな。
- ③の効果について:〈キュア・ウーンズ〉などの呪文だけでなく、ファイターの「底力」やポーションの効果など、すべての回復効果に対しても有効であり、汎用性の高い効果である。
- このように効果じたいは強力だが、最大の欠点は、持続時間が1分しかないことである。ダンジョン突入前に唱えておくことができないし、だからといって、戦闘中にアクションを使ってこの呪文を唱えるのはテンポが悪い。敵のいる部屋に突入する時直前や、不意打ちのターンなどにチャンスがあれば唱えることになるだろう。
〈プロテクション・フロム・エナジー〉
【精神集中】
〔酸〕〔電撃〕〔火〕〔雷鳴〕〔冷気〕ダメージへの抵抗を付与する。
〔酸〕〔電撃〕〔火〕〔雷鳴〕〔冷気〕ダメージへの抵抗を付与する。
- クロマティック・ドラゴンや一部のエレメンタルと戦う時にこの呪文があれば、被害を低減することができる。
- 呪文の持続時間が1時間なので、事前にこの呪文をかけてからカチコミに行くとよいだろう。
- ただし精神集中を必要とする呪文であるので、ドラゴンのブレスのような範囲攻撃に術者が巻き込まれた際は精神集中を維持するための【耐久力】セーヴをロールすることになる。
敵を妨害する(デバフ)
〈ビストウ・カース〉
【精神集中】
クリーチャー1体に呪いをかける呪文。
クリーチャー1体に呪いをかける呪文。
- 呪いの内容はどれも強力かつ選択肢も多い。目標のターン終了時ごとに再度セーヴを行う呪文ではないので、精神集中が途切れるまで呪いは継続する点も強力。
- くわえて、5レベル以上で発動するなら、その精神集中さえ不要となる。持続時間が8時間もあるので、逃げられても効果が持続するし、交渉事の事前の仕込みとして使うこともできる。たとえば、この呪文による呪いを解くことを条件に、相手に仕事を強要するなど、悪属性のロールプレイに活かせるだろう。
- 効果は基本的には4つの効果から選択となるが、DMの判断次第では他の効果を適用できるので提案してみてもいいだろう。移動力の減退や飛行の禁止、特定のアクションの制限などが考えられる。
- 単体の弱体化・無力化という意味では〈ホールド・パースン〉に近いが、こちらは人型生物以外にも使用でき、制約が多い代わりに与えられる効果の範囲に選択肢がある。ただしどれも効果としては麻痺より弱く、またこの呪文の発動は相手に接触する必要がある。
クリーチャーを召喚する/生み出す
〈アニメイト・デッド〉
ゾンビまたはスケルトンを創造する呪文。
- 大抵の文明圏において死者をアンデッド化するのは禁忌であり邪悪な行いとされているため、この呪文の使用によって術者がどのような目で見られるかは考慮しておいた方が良いだろう。開き直って悪を満喫することも可能であるし、禁忌と正義の間で揺れ動く葛藤を演じることも可能だ。そういった意味でこの呪文はロールプレイ的にも美味しい。この呪文を物語上どのように位置づけるか、プレイグループのメンバーで相談してみよう。
- この呪文のルール上の注意点は以下の通り:
- ① アンデッドは24時間しか術者の制御下に置くことができない。作り出せる数や制御下に置くことのできる数から考えて、アンデッドの大軍団を作るのは難しい。
- ② 高レベル版で発動すれば、追加で2体のアンデッド・クリーチャーに自律行動能力を与えるか制御を延長できる。「アンデッド・クリーチャーに自律行動能力を与える」は、「アンデッド・クリーチャーを創造する」と読み替えてよい。(原文が"animate"であるため)
- ③ この呪文で作り出したアンデッドは〈ディスペル・マジック〉の対象にはならない。(この呪文の持続時間は「瞬間」であり、〈ディスペル・マジック〉を発動するときにはこの呪文は終了しているため)
- アンデッドがモンスター・マニュアルの通りの装備であるとは限らない。公式デザイナーのTwitterでの回答によると、プレイヤー側があらかじめ武器や防具を用意しておいて、新たに装備させることは可能とのこと。ただし、アンデッドがその装備に習熟しているかどうかについては意見が分かれる。(習熟しているとする回答はこちら/習熟していないとする回答はこちら)明確な答えを見つけることはできなかったので、判断はそれぞれの卓のDM諸氏に委ねたい。
その他
〈ウォーター・ウォーク〉
10体までのクリーチャーが、水上を歩けるようになる呪文。
- 海や川を横切るだけでなく、例えば、急流をこの呪文をかけた馬二頭で筏を牽引して遡行することも可能である。
- 性能面も破格であり、儀式発動ができ、持続時間が1時間もあり、最大10体までのクリーチャーを目標にすることができる。
- ちなみに、液体に沈んでいるクリーチャーにかけた場合、そのクリーチャーは浮かび上がってくるが、これは水中に潜れなくなるということでもある。したがって、水中に撤退していった敵を追いかけるには、まずこの呪文を終了させなければならない。そのためには、(1)持続時間が終了するか、(2)〈ディスペル・マジック〉で解呪するかしかない。よって、この呪文をパーティ全体にかける時は注意されたし。
〈クリエイト・フード・アンド・ウォーター〉
人型生物15人分または馬5頭分の食べ物と水を作る呪文。
- 捕らえられた時、僻地で遭難した時、異次元に飛ばされた時などに役立つが、構成要素が音声・動作であるため、手が縛られていたり声を発せられない状況では発動できない。いっぽうで、物質要素を必要としないため、装備を奪われてしまったとしても発動は出来る。ただし水袋や樽などの容器がないとせっかく出した水が地面にこぼれてしまうので注意。
- 食糧はおいしくはないとのことなので、早くまともな食事を取れる環境を目指そう。
〈グリフ・オヴ・ウォーディング〉
呪文を仕掛けておき、あらかじめ決めた条件を満たすと発動して侵入者を罠にかける呪文。
- 特性上、防御戦やダンジョンなどの罠に用いられることが多い。
- 仕掛けた際は、〈ニストゥルズ・マジック・オーラ〉や〈ノンディテクション〉で魔法のオーラを隠そう。
- 罠は、仕掛けた位置から10フィート以上移動したなら破壊される。したがって、持ち運んで奇襲に備えたり、敵に投げつけて攻撃することはできない。
- この呪文には「爆発のルーン」と「呪文の秘文」の2つの用途がある。
- ①:爆発のルーン:半径20フィートの角を回り込む魔法のエネルギーが炸裂し、5d8のダメージを与える。平均値22.5ポイントとなかなかのもの。
- ②:呪文の秘文::3レベル以下の好きな呪文を封じられる。何を選ぶかは、最もPLの力量が問われるところだ。なお、封じることのできる呪文はクリーチャー1体か一定の範囲を目標とする呪文でなければならない。
〈クレアヴォイアンス〉
【精神集中】
射程内に不可視のセンサーを作る。
見たり行ったことのある場所か、行ったことはないが明確に指定できる場所の様子を見聞きすることができる。
射程内に不可視のセンサーを作る。
見たり行ったことのある場所か、行ったことはないが明確に指定できる場所の様子を見聞きすることができる。
- 行ったことのある場所しか見聞きすることはできないが、あらかじめ会議室を訪れておいて、後に始まる作戦会議を盗み聞きしたり、ダンジョンから帰るときに入り口に敵が待ち伏せていないか確認するのには使える。
- 行ったことのない場所でも、明確に指定できるならセンサーを設置できるので、鍵のかかった扉の向こうや、隣の部屋の様子を探ることができる。しかし、この呪文自体が発動に10分かかる点に注意。敵地で発動するのは難しいだろう。
- 敵地の偵察に使う場合、そこが野外ならば、1マイル離れた場所から高台などに登って、上空にセンサーを出現させることができる。 上空からではあまり精度の高い情報を得られないかもしれないが、上空から大要を把握しつつ斥候を敵地に送り込んだり、むという補助的な使い方ならばできるはずだ。 (たとえば、鎖の契約のウォーロックと協力して不可視状態のインプを送り込み、必要に応じて撤退の指示を出すなど)
- DM次第であるが、術者が暗視やそれ以外の視覚を有している場合、センサー越しにも有効であるかもしれない。この考え方に立った場合、術者の感覚を強化することによって、はるか遠くから敵地を偵察したり、〈知覚〉判定に有利を得ることも可能であろう。
- この呪文に関するルール上の注意点は以下の通り。
- センサーは見えないだけで存在しているので、〈シー・インヴィジビリティ〉や"超視覚"を持つクリーチャーには発見される。
- センサーは不可視のため、〈ディテクト・マジック〉で探知することはできない。
- センサーは〈ディスペル・マジック〉の対象となる。
- 呪文名は「クレアヴォイアンス」であるが、旧版で言う所の「クレアオーディエンス」の効果も併せ持っている。日本語訳は透視・透聴だが、イメージとしては盗み見と盗み聞きの方が近いだろう。
〈スピーク・ウィズ・デッド〉
死者に質問をする呪文。
- 制限事項はかなり多いが、冒険者であればダンジョンでもシティアドベンチャーでも死体を目にするタイミングは多く、使用できるタイミングはそれなりにあるだろう。
- ただし、「この呪文には死体に真実を話すよう強いる力はない」というのが曲者で、敵対的なクリーチャーを起こしても意味がない。なお〈ゾーン・オヴ・トゥルース〉は「クリーチャーに真実を話すように強制する」呪文なので、死体に真実を話すことを強いることはできない。〈ディスガイズ・セルフ〉などと組み合わせれば敵対的クリーチャーからも情報を引き出せる可能性はあるが、貴重な呪文スロットを2つ消費する価値があるかは判断が難しいところだろう。
- 死体であればよいので、〈スピーク・ウィズ・アニマルズ〉などと組み合わせれば動物からも情報を聞き出すことは可能。
〈センディング〉
術者と目標との間で、75文字までのメッセージのやり取りをする呪文。
- 説明文中に75文字までとあるが、原文では「25words」となっている。したがって、おそらく「ひらがな/カタカナで75文字」という意味だろう。漢字を使ってよいとすると英語25単語に比べて情報量が多すぎる。
- この呪文のいい所は、術者と目標同士が同一次元界にいるならば、必ずメッセージを伝達できるということである。それどころか、別の次元界にいても失敗確率5%で届く(ただし、魔法的に妨害されうる可能性や、目標が受信できない状況であることを除く)。
- 誰かから依頼を受けて長期間の探索任務に就いている冒険者が、依頼主に進捗状況や定時連絡を行ったり、生存確認として使うことが考えられる。また、依頼主から追加の任務を課されることもあるだろう。定時連絡にはうってつけの呪文だ。また、仲間が人質に取られたり誘拐された場合、トラップなどにより分断された場合などでも連絡を取ることができる。(まぁ往々にして分断されても「何故か」相手の状況がメタ的に分かってしまうこともあるが)
- 便利な呪文ではあるが、戦闘や探索にはたいして役立たない場面も多いので、遠距離でどうしても連絡を取り合いたい人が居る時に。
- 参考までに、75文字と言うのがどのくらいの情報量なのか、例文を書いてみた。
「ワレ ジャングルノ オクチニテ ウシナワレシミヤコヲ ハッケンセリ サレド ユアンティ ノ シュウゲキニヨリ ジンイン ナナメイヲ ソンモウセリ スミヤカニ ゾウエンヲ モトム」
- 君がDMなら、数文字の超過は多目に見てやっても良いだろう。あまり長いのは考え物だが。
〈タンズ〉
あらゆる言語の会話と聞き取りが可能になる呪文。
- この呪文があれば確実に交渉や盗み聞きができる。D&D世界では様々な種族が様々な言語を用いるので、キャラクターが習得してない言語が出てくる可能性は十分にある。その種族特有の特定の言語しか話さないクリーチャー相手に交渉するには必須の呪文だ。
- もしDMがSCAG112ページ記載の「オプション・ルール:ヒューマンの諸言語」を採用しているなら、地方によってヒューマンの用いる言葉も変わるので、この呪文の有用性も跳ね上がる事だろう。そうでなくとも、不慣れな言語や方言によって、聞き間違いや言い間違いで交渉が上手くいかない場合もあるかもしれない。逆に、キャラクターが言葉を流暢に話せるならば、相手方が警戒を解いたり、地元の人間だと信用してくれるかもしれない。
- この呪文を用いる際の注意点は以下のとおり:
- 読み書きはできないので、〈コンプリヘンド・ランゲージズ〉やウォーロックの妖術「ルーンの守り人の目」で補完しよう。
- 暗号や専門用語を理解できるようになるわけではない。英語の論文を読めたとて、その論文の内容を理解できるとは限らないのと同じだ。
- 1種類以上の言語を理解できるものでなければならないため、言語を持たないクリーチャーとは会話できない。
- あくまで会話が可能になるというだけで、相手の文化的背景までわかるわけではない。白旗が徹底抗戦の意思表示である文化圏も存在するかもしれない。君がDMなら、わざとプレイヤーを誤解させるようなジャスチャーや慣用句を使って、文化のすれ違いを表現するのも良いだろう。上手くやれば、世界観に深みが出る。
〈デイライト〉
120フィートを照らす光源を作り出す呪文。
物体を光らせて持ち運ぶこともでき、その場合、物体を覆うことで光を隠すことができる。
物体を光らせて持ち運ぶこともでき、その場合、物体を覆うことで光を隠すことができる。
- 精神集中無しで1時間持続し、〈ライト〉の3倍の照明範囲を持つ光を生み出せる。
- 洞窟や夜闇などを隅々まで照らし出せるので"薄暗い"ことによるデメリットを受けなくなる。
- 開けた場所では目立つので、光源の外から狙われる危険はあるだろう。
- 費用対効果は良くないが、現代兵器における照明弾のように、視界を確保するだけでなく信号弾として用いることもできる。
- またこの呪文は、3レベル以下の魔法の暗闇を作り出す呪文と効果範囲が一部でも重なったら、即座にその呪文を解呪できる。特に、〈ダークネス〉呪文が発動できなくなる点が有用。
- 日本語訳では「陽光」だが、ルール上はこの光は日光ではない。(日光である場合は、呪文の説明文中に「日光」と明記されている)したがって、この呪文でドラウやコボルドの目を眩ませたり、ヴァンパイアにダメージを与えることはできない。ただしDMが特別な裁定を行う可能性はある。
〈フェイン・デス〉
死を偽装する呪文。
- 「状態を確認するような呪文に対しても、死んでいるように見える」ので、ペテンに用いることができそうである。死体のふりをすれば敵が拠点から放り捨ててくれるかもしれない。
- また、目標が毒や病気に冒されていた場合、この呪文によって進行を止めることができる。ただし止まると言っても1時間が限度なので、その間に何らかの対策は必須である。
- ただし注意しなければならないのは、呪文を途中で終了させるには、この呪文をかけた術者が直接触れねばならないということだ。今すぐにでも呪文の効果を終了させて自律行動させねばならぬという時に、この呪文をかけた術者が隣にいないと好き放題にされてしまう。
- なお、時間さえあれば呪文スロットを消費せずに“儀式発動”が可能。
〈マジック・サークル〉
半径10フィートの魔法円を作り出し、円の中にいるクリーチャーを、アンデッド、エレメンタル、セレスチャル、フィーンド、フェイのうち任意のものから護る。
この呪文を逆方向に作用させ、中の者を閉じ込めるために使うこともできる。
この呪文を逆方向に作用させ、中の者を閉じ込めるために使うこともできる。
- 〈インファーナル・コーリング〉〈カンジャー・エレメンタル〉〈カンジャー・フェイ〉などを使った召喚で、彼らとの交渉に失敗したり制御を失った時の保険として使うことができる。また、アドベンチャーの中で悪魔や天使、精霊と出会う時、彼らから情報を聞き出したり交渉する際、防壁として使える。(天使や精霊が善良であるとは限らないし、平和主義者である保証もない。)
- この呪文のイメージは、著名な魔導書(アブラメリン、ゴエティアなど)に見られる悪霊や天使、精霊などを呼び出して使役する魔導士たちが、自らの身を守るために描く魔法円や護符などであろう。「ザナサーの百科全書」(153ページ)の〈インファーナル・コーリング〉の挿絵や、「モルデンカイネンの敵対者大全」9ページと25ページに、魔法円のようなものが描かれている。ロールプレイや描写の際には参考にしてみよう。
- この呪文を戦闘で活用するのであれば、狭い場所での防御戦闘で有効であろう。何しろ、指定されたクリーチャーはこの円の中に入ることがまったくできないので、これ以上有効な壁はない。ただし発動には1分かかるので、あらかじめ発動しておいて迎え撃つかたちになるだろう。
- もっとも、瞬間移動や次元移動の能力を持っていて、かつ【魅力】セーヴに成功されると侵入されてしまう。また、呪文である以上〈ディスペル・マジック〉の対象となるので、敵方に呪文使いや生得呪文の使い手がいる場合は突破される可能性がある。
〈メルド・イントゥ・ストーン〉
8時間、石の中に潜伏する呪文。
- あらかじめ敵のアジトに忍び込んでおけば、待ち伏せや盗み聞きのための潜伏手段として利用できる。ただし外の様子を聞き取るための〈知覚〉判定に不利が課される上、信仰系の術者はニガテな【知力】で行わなければならないので要注意。
- 基本的には儀式で発動することが多いが、逃走時に追っ手を撒くために使う場合は1アクションで急いで使うこともあるだろう。石の中にいることは非魔法的な手段で感知することはできないので安全地帯となる。また、石の中にいても自分を対象とした呪文を使うことは可能であるため、石の中で治療のための呪文を発動することもできる。小休憩や大休憩を取ることも可能かもしれない(DM次第)。
- 自分自身にしか発動できないので、パーティ全員を隠すことはできない。呪文の発動前や終了直後に単独である可能性が高い呪文であると言える。1人のときに敵と出くわしたり、待ち伏せされた敵に狙われたりしないようにしっかり対策しておきたい。