おすすめ呪文
〈カウンタースペル〉は発動前の呪文を打ち消す。
〈スロー〉は目標のアクションや移動速度、ACや敏捷セーヴなどにペナルティを与える。詳しくは当該記事にて。
〈ディスペル・マジック〉はすでに発動している、持続時間のある呪文を打ち消す(例外有り)。
〈ファイアーボール〉は効果範囲内の敵を焼き払う。コストパフォーマンスが非常に高い呪文である。
〈レオムンズ・タイニイ・ハット〉は快適な避難所を作り出す。ウィルダネスを旅する時の必須呪文。
〈スロー〉は目標のアクションや移動速度、ACや敏捷セーヴなどにペナルティを与える。詳しくは当該記事にて。
〈ディスペル・マジック〉はすでに発動している、持続時間のある呪文を打ち消す(例外有り)。
〈ファイアーボール〉は効果範囲内の敵を焼き払う。コストパフォーマンスが非常に高い呪文である。
〈レオムンズ・タイニイ・ハット〉は快適な避難所を作り出す。ウィルダネスを旅する時の必須呪文。
ダメージを与える
〈ヴァンピリック・タッチ〉
【精神集中】
1体のクリーチャーに近接呪文攻撃を行い、ヒットしたなら3d6の〔死霊〕ダメージを与える。
その後、自分は与えたダメージの半分のHPを回復する。
持続時間、アクションを使って同じ攻撃を行える。
1体のクリーチャーに近接呪文攻撃を行い、ヒットしたなら3d6の〔死霊〕ダメージを与える。
その後、自分は与えたダメージの半分のHPを回復する。
持続時間、アクションを使って同じ攻撃を行える。
- クリーチャーに与えたダメージの半分を自分のHPとして得ることができる。だが、敵に近づいて近接呪文攻撃を成功させねばならず、さらに回復量が1~9と幅があるため安定性に欠ける。
- 捕らえたクリーチャーを尋問するのに使うならばどうだろうか。己が生命を吸い取り、それによって傷を癒す術者のなんと恐ろしいことか。魔法の知識がない者なら、術者の事を恐るべきヴァンパイアと思い込むこともあろう。もっとも、その行いが善であるとはいえないだろう。PC設定や属性が許す範囲でロールプレイしよう。
- 近接攻撃であるので手加減で生かさず殺さず生命力を吸い取ることも可能。
〈エラプティング・アース〉XGtE
範囲内に土砂が吹き出し、3d12の〔殴打〕ダメージを与える。
さらに、範囲内は移動困難地形になる。
さらに、範囲内は移動困難地形になる。
- 与えるダメージは同レベルの〈ファイアーボール〉等に比べれば低い。
- 効果範囲内が移動困難地形になる効果がある。逃走したい場合や、敵が近接攻撃を主体とする場合、接敵を妨害するために使うことができる。
〈サンダー・ステップ〉XGtE
90フィートまでの瞬間移動を行いつつ、周囲に3d10の〔雷鳴〕ダメージを与える。
この瞬間移動には術者のサイズ以下の味方を同伴できる。
この瞬間移動には術者のサイズ以下の味方を同伴できる。
- 敵に囲まれた時の脱出用として有用。自分だけでなく、他者や物体を連れていくことができるため味方を守るためにも使える。
- 構成要素が音声のみなので、呪文の発動を目撃しないと使えない〈カウンタースペル〉の対象にならないと思われる。(DM次第)
- この呪文を唱える際、注意すべき点は以下のとおり。
- ① 他者を運ぶ場合は自分以下のサイズでなければならない。つまり、ノームやハーフリングなどの小型クリーチャーは、ヒューマンやエルフなどの中型クリーチャーを連れて行けない。
- ② 雷鳴は300フィート先まで聞こえるので、隠密行動には向かない。
- ③ 術者の移動元から10フィート以内のクリーチャーは〔雷鳴〕ダメージを受けるので、周囲に味方がいると使いにくい。
- ④ 移動先が術者から見える所でなければならないので、扉や壁などの完全遮蔽の向こう側に飛ぶことはできない。
〈タイダル・ウェイヴ〉XGtE
津波を作り出す呪文。
範囲内のクリーチャーは4d8の〔殴打〕ダメージを受け、伏せ状態になる。
範囲内のクリーチャーは4d8の〔殴打〕ダメージを受け、伏せ状態になる。
- ダメージの平均値は18ポイントと低い。
- 追加効果で相手を伏せさせることができるため、パーティに近接攻撃職が多く、伏せさせることの利益が大きければ採用する価値はある。
- 波の範囲から30フィート以内の覆われていない火をすべて消す。攻城戦などで火災が発生した時に一気に鎮火できるだろう。持続時間は"瞬間"のため、水はすぐ消え去り、水損被害を考えなくてもよい。
- 高レベル版が存在しないことに注意。PCが高レベルになってくると価値が下がる。
〈ファイアーボール〉
範囲内に火球が炸裂し、8d6の[火]ダメージを与える呪文。
- 3レベルを象徴する、非常に強力な呪文。ダメージの平均値は28で、3レベルの範囲攻撃としては最もダメージが高い。
- 〔火〕は抵抗や完全耐性を持つクリーチャーが多いので、あまり良いダメージ種別ではない。一方で、脆弱性を持つクリーチャーも一定数いるため、当たり外れのある種別であるとも言える。
- 射程は150フィートと長いので、遠距離から一方的に攻撃できる。特に〈カウンタースペル〉(射程60フィート)の射程外から発動することができるのが長所。
- 【敏捷力】セーヴを要求するため、拘束状態にすればセーヴに不利を課すことができるし、気絶、麻痺、朦朧状態にすれば必ず当てられる。
- 多くの敵を巻き込めるのが利点(味方を巻き込みやすいとも言える)。〈シャター〉よりも範囲が広いので、面制圧だけでなく立体制圧も可能。例えば、敵が高台の上に集約している場合には、多くを巻き込んで攻撃が可能になる。
- 力術の学派の「呪文効果範囲操作」と非常に相性がよい。乱戦状態でも気にせず撃ち込めるので、使い勝手は飛躍的に向上する。
- 着火効果があるため、相手の貴重品を破壊してやったり、可燃物に着火してかく乱を行うことも可能。ただし、可燃性のガスが充満している場所や、乾燥した森林で使用する場合は要注意。
- 特に音が聞こえる範囲の記載はないが、爆発音がすることは間違いないので、隠密作戦には不向き。 逆に言えば、音を利用して敵をおびき出したり、遠くの味方に戦闘が始まったことを伝えるという使い方も考えられる。
- 構成要素は音声、動作、物質が3つとも必要である。したがって、少なくとも片手を空けておき、その手に焦点具や呪文の物質要素を持っておく必要がある。
- 「君から見える」という記述がないので、暗闇や霧の中などの"重度の隠蔽"の中を起点にすることもできる。また、君が盲目状態であっても呪文を発動できる。
- ただし呪文に関する基本ルールとして「君が何かを呪文の目標にするためには、遮るもののない目標までの直線を引くことができる」必要があるので、扉や壁、窓ガラスなど完全遮蔽の向こう側を起点にすることはできない。
- 「角を回り込んで広がる」とあるので、1/2遮蔽や3/4遮蔽があっても【敏捷力】セーヴのボーナスは付かないし、完全遮蔽であっても、横や背後に隙間があれば、効果範囲に含めることができる。
〈メルフス・マイニュート・ミーティアズ〉XGtE
【精神集中】
6つの小さな流星を作り出す。
発動時とその後のターンのボーナス・アクションにおいて、1つまたは2つずつ射撃することができる。流星は1つあたり2d6の〔火〕ダメージを与える。
6つの小さな流星を作り出す。
発動時とその後のターンのボーナス・アクションにおいて、1つまたは2つずつ射撃することができる。流星は1つあたり2d6の〔火〕ダメージを与える。
- ダメージは流星1つあたり2d6。ボーナス・アクションで撃てるので、他のアクションを邪魔しない。
- 着弾すると直径5フィートの爆発を起こす。範囲が狭いので、乱戦状態の前線に撃ちこんでも味方を巻き込みにくい。爆発の効果範囲が角を回り込むことはないことに注意。
- 【敏捷力】セーヴを要求するため、拘束、麻痺、朦朧状態の相手に撃とう。
- 精神集中をしている術者に撃ちこんでも有効である。1ラウンドに2発撃ちこめるので、精神集中を行うための【耐久力】セーヴも2回強要できる。(アクションでもダメージを与えれば、合計3回)
- 〈ヒプノティック・パターン〉による魅了状態や、〈スリープ〉による気絶状態の味方にダメージを与えて、目覚めさせるという使い方もある。
〈ライトニング・ボルト〉
100フィートの直線上の範囲に、8d6の[電撃]ダメージを与える呪文。
- 〈ファイアーボール〉と同じくこちらもD&Dを象徴する呪文である。総合的には〈ファイアーボール〉の方が使い勝手は良いので、どちらか一方しか覚えないなら、〈ファイアーボール〉の方に軍配が上がる。
- 理想論を言えば、〈ファイアーボール〉も〈ライトニング・ボルト〉も両方準備しておいて状況によって使い分けるのが良いだろう。
- 〔電撃〕ダメージを与える。〔電撃〕は抵抗や完全耐性を持つクリーチャーが比較的少ない。また、〈ファイアーボール〉と異なり、水中でもダメージが半減しない。
- 効果範囲内の、何者にも着用されたり運搬されていない可燃物は燃え上がる。可燃性のガスが充満している場所や、乾燥した森林で使用した場合、大爆発や森林火災が発生しかねないので注意。なお、君がDMで、この呪文で可燃物が燃え尽きたか否かを判定する際は、DMG247ページの「物体のヒット・ポイント」の項目を参照するとよいだろう。
- 呪文の特性上、非常に目立つ。隠密行動中には向かないが、逆に言えば、大きな爆音によって遠くの味方に危機を伝える、信号弾的な使い方もできるとも言える。(費用対効果はさておき)
- 術者から直線状に放たれるというのが、〈ファイアーボール〉との大きな違い。敵が都合良く一直線に並んでいることはまれなので、多くを巻き込むのは難しいが、逆に言えば味方を巻き込まずに撃つのが容易である。なお、遮蔽を貫通しないので、目標が遮蔽の後ろにいるなら、【敏捷力】セーヴへのボーナスが適用される。
- 直線状に2人以上のクリーチャーが並んでいる場合、後ろにいるクリーチャーは1/2遮蔽や3/4遮蔽を得ることができ、その結果、この呪文に対する【敏捷力】セーヴにボーナスを得ることができるはずである。しかし、公式デザイナーのTwitterでの回答によると、「前にいるクリーチャーのサイズと状況による。DM次第」とのこと。この裁定に従うなら、サイズ分類が"大型"のクリーチャーや、鉄格子など大きな物体の影に隠れている場合のみ1/2遮蔽や3/4遮蔽として扱う、ということになるだろう。とはいえ厳密なルール通りの裁定ではないので、DM諸氏は各々の判断でこの裁定を適用すること。
- 旧版と異なり、電撃が壁に当たって跳ね返ったりはしない。
HPを回復する/状態を終了する
〈ディスペル・マジック〉
目標に作用している3レベル以下の呪文をすべて終了させる。
4レベル以上の呪文に対しては、呪文発動能力に対する能力値判定を行う。(難易度は10+呪文レベル)
4レベル以上の呪文に対しては、呪文発動能力に対する能力値判定を行う。(難易度は10+呪文レベル)
- 戦闘時、非戦闘時を問わず、幅広い局面で使われる呪文。
- 戦闘で使う:呪文使いだけでなく、モンスターが生得呪文発動能力の特徴によって呪文を使ってくることはよくあるので、それらを打ち破るためにこの呪文が使われることになる。さて、ここで注意しなければならないことが幾つかある。
- 第一に、相手がウィザードやソーサラー、ウォーロックであれば〈カウンタースペル〉でこちらの〈ディスペル・マジック〉を妨害してくることは予想しておく方がよい。〈カウンタースペル〉の射程は60フィートに対し、〈ディスペル・マジック〉は120フィートなので、射程外から撃ち込むことで完全に封殺できる。その他の〈カウンタースペル〉対策については当該項目を参照のこと。
- 第二に、解呪する対象の呪文が、この呪文のレベルを上回っていた場合、能力値判定を要求される。たとえば、5レベル呪文を対象とした際、5レベルで発動したならば確実に解呪できるが、3レベルや4レベルで発動すると、解呪できるかは能力判定となる。この場合、3レベルで発動しても4レベルで発動しても、成功確率が変わるわけではないことに注意すべし。とはいえ、「バードの声援」や〈ガイダンス〉、インスピレーションを用いて成功確率を上げることは可能である。強力な呪文で防御している相手には、それらのリソースを惜しみなくつぎ込んで解呪してやろう。味方の助力を得て強力な魔法の守りを打ち破るのは、一つの見せ場にもなるだろう。
- 戦闘以外で使う:ダンジョン内の魔法の罠を取り除いたり、魔法の装置を壊して黒幕の計画をくじくのに使える。しかし、シナリオの都合上、DMが解呪可能かどうか、あるいは難易度がいくつかを明かしてくれないこともあろうかと思う。呪文を打ち消すためにこちらも呪文スロットを消費するので、無駄打ちにならないよう確実に決めていきたいところである。占術呪文を使ったり、【知力】〈魔法学〉判定に成功すれば、DMが、解呪可能か、可能ならば難易度はいくつなのか、教えてくれるかもしれない。いろいろ提案してみよう。
- また、この呪文にはいろいろな制約があるため、セージ・アドバイスを参考にしつつ、ディスペル・マジックに関するあれこれを記載したので、参考にされたし。
〈ライフ・トランスファランス〉XGtE
術者は4d8の〔死霊〕ダメージを受け、味方1体のHPを、そのダメージの2倍回復する。
- ウィザードにとっては、他者のHPを回復できる唯一の呪文。
- ダメージの平均は18ポイント、回復値の平均は36ポイントであり、これは4レベルのファイターやバーバリアンのHPを全回復させるに足る数値である。
- 射程も30フィートあるので接触しなくても発動できる点が便利。
- なお、エラッタにより、「このダメージはいかなる方法によっても減少させることはできない」ことになった。
〈リムーヴ・カース〉
クリーチャーや物体にかかっている呪いを除去する。
物体が呪いのアイテムである場合、この呪文は"同調"を破るが、アイテムの呪いそのものを解く効果はない。
物体が呪いのアイテムである場合、この呪文は"同調"を破るが、アイテムの呪いそのものを解く効果はない。
- 発動時間が1アクションなので、戦闘中であっても発動は容易。ただしこの呪文の射程は"接触"なので、君自身もある程度前に出られるようなビルドにする必要がある。
- 呪いをかけられている者が素直にこの呪文を受け入れるとは限らない。場合によっては組み伏せたり拘束したりといった、手荒な真似をする必要があるかもしれない。
- また、この呪文が対象とする「呪い」の範囲は厳密には決まっていない。一部の呪文やウォーロックの妖術や特徴、一部のモンスターの特徴には「呪いをかける」と明記されているものあるし、呪いのような効果だが「呪いである」と書かれていないものもある。
- 君がDMなら、「〈リムーヴ・カース〉では解けないと書かれていない限り、呪いらしきものは何でも除去する」としてもよいし、「〈リムーヴ・カース〉が除去するのは『呪い』と明記されているものだけで、『呪いのような効果』には作用しない」としてもよい。態度が一貫しているならどちらでもよいだろう。
自分や味方を支援する(バフ)
〈アシャーダロンズ・ストライド〉FToD
【精神集中】
持続時間中以下の効果を得る。
① 移動速度+20フィート。
② 機会攻撃を受けない。
③ クリーチャーや物体の5フィート以内に移動すると、1d6〔火〕ダメージを与える。 (目標1つにつき、1ターンに1回のみ)
持続時間中以下の効果を得る。
① 移動速度+20フィート。
② 機会攻撃を受けない。
③ クリーチャーや物体の5フィート以内に移動すると、1d6〔火〕ダメージを与える。 (目標1つにつき、1ターンに1回のみ)
- HPが低い敵がたくさん出てきたときに使いたい呪文。
- ウッド エルフは元々移動速度が速いので、相性が良い。
- ブレードシンガーなど前衛に出られるビルドで使うのもおすすめ。
- 精神集中が必要なので、ダメージを受けるたび解除のリスクがある点に注意。
- 〈ファインド・スティード〉と共に唱えると、 君と乗騎の双方にこの呪文がかかる。 その後乗騎から降りて別々に走り回ることで、大量のダメージを与えることができる。 ただし〈ファインド・スティード〉はパラディン呪文なのでマルチクラスが必要。
〈インテレクト・フォートレス〉TCoE
【精神集中】
同意するクリーチャー1体は、〔精神〕ダメージへの抵抗および、【知力】【判断力】【魅力】セーヴへの有利を得る。
同意するクリーチャー1体は、〔精神〕ダメージへの抵抗および、【知力】【判断力】【魅力】セーヴへの有利を得る。
- 〈ホールド・パースン〉や〈ドミネイト・パースン〉などの致命的な効果を防げる。
- クマのバーバリアンにこの呪文をかけると全ての種別に抵抗を得られる。
- 【知力】や【魅力】は、呪文使いでもない限り低いことが多い。 ファイターやバーバリアン、ローグなどをこの呪文で助けてあげよう。
〈スピリット・シュラウド〉TCoE
【精神集中】
持続時間中、君の攻撃が君から10フィート以内のクリーチャーにヒットするたび、その攻撃は1d8の追加ダメージを与える。ダメージ種別は〔光輝〕〔死霊〕〔冷気〕から選ぶ。このダメージを受けたクリーチャーのHPは、君の次のターン開始時まで回復できない。
君から見えるクリーチャーが、君から10フィート以内でターンを開始するたび、そのクリーチャーの移動速度を10フィート低下させることができる。この効果は君の次のターン終了時まで持続する。
持続時間中、君の攻撃が君から10フィート以内のクリーチャーにヒットするたび、その攻撃は1d8の追加ダメージを与える。ダメージ種別は〔光輝〕〔死霊〕〔冷気〕から選ぶ。このダメージを受けたクリーチャーのHPは、君の次のターン開始時まで回復できない。
君から見えるクリーチャーが、君から10フィート以内でターンを開始するたび、そのクリーチャーの移動速度を10フィート低下させることができる。この効果は君の次のターン終了時まで持続する。
- 火力増強手段。ボーナス・アクションで使えるため攻撃のテンポを損なわない。
- ただし、君から10フィートの範囲にしか作用しないのに精神集中が必要であり、殴られて即解除と言うこともあり得るのが難しいところ。
- 追加攻撃の特徴を持つエルドリッチ・ナイトやブレードシンガーとは相性が良い。
- ダメージ種別は〔光輝〕〔死霊〕〔冷気〕から選べる。 特にこだわりがなければ 〔光輝〕がおすすめ。
- ダメージを受けたクリーチャーは1ラウンドの間HPを回復できなくなる。トロルなどの自己再生能力のあるクリーチャーや、敵方にクレリックがいる場合などに役立つだろう。
〈フライ〉
【精神集中】
60フィートの飛行移動速度を得る呪文。
60フィートの飛行移動速度を得る呪文。
- 「空を飛べる」ということは、立体的な戦い方が可能になるということである。たとえば、以下のような使い方がある。
- ① 前衛を飛び越して一気に敵の後衛まで肉迫する。
- ② 移動困難地形を無視する。
- ③ 胸壁の後ろに身を隠している相手を上空から攻撃する
- ただし、飛んでいる者が孤立し敵から集中攻撃を受けたり、〈ディスペル・マジック〉などで解呪され落下させられる危険性があるので注意しよう。
- 戦闘以外でも、偵察や高所に移動してロープを張り、味方が上に登ってくるのを援護したりなどもできる。時間はかかるが、味方を抱えて往復することによって谷を越えたり崖を登ったりも可能だ。
- 追跡にも使える。一般的な人型生物の移動速度は30フィートなので、逃げた敵を追いかけるのに便利だ。
〈ブリンク〉
持続時間中、術者のターン終了毎に、50%の確率でエーテル化する。(次のターン開始時に再び現れる)
エーテル化している間、術者は他者から認識されなくなり、お互いに影響を及ぼすことができない。
エーテル化している間、術者は他者から認識されなくなり、お互いに影響を及ぼすことができない。
- 運が良ければ敵の攻撃を一切受けなくなる。ターンごとに消えたり現れたりするので「明滅(blink)」と言うのだろう。
- 精神集中無しで1分間持続するため、他の精神集中呪文を発動してからエーテル界に隠れれば安全である。ただし、以下の事に気を付けなければならない。
- ① 〈シー・インヴィジビリティ〉等で探知される。
- ② 「お互いに影響を及ぼすことができない」ので、相手の呪文発動に対して〈カウンタースペル〉などを発動することができない。
- ③ 味方と意思疎通できない。
- ④ エーテル界にも作用を及ぼすクリーチャーからの攻撃対象となった場合、例え死んだり"気絶"状態になっても呪文の効果は残るので、味方による回復が困難になる。(そもそも味方に気付いてもらえない可能性がある)
- エーテル界についてはDMGp48を参照のこと。エーテル界には「境界エーテル界」と「真エーテル界」があるが、この呪文によって訪れることはできるのは「境界エーテル界」であると思われる。「境界エーテル界」と接しているのは物質界、フェイワイルド、シャドウフェル、内方次元界である。したがって、アストラル海や外方次元界では機能しないものと思われる。
〈フレイム・アローズ〉XGtE
【精神集中】
12本の矢に魔力を付与し、追加で1d6の火ダメージを与える。
12本の矢に魔力を付与し、追加で1d6の火ダメージを与える。
- 発動時に「アローまたはボルトが入っている矢筒」に触れるとあるので、矢筒やボルトケースに対してかける呪文なのだろう。したがって、複数人で矢筒を回しながら射撃すれば、12本の矢を余すところなく使いきれる。追加攻撃の特徴を持つキャラクターに使わせればさらに早く使い切れるだろう。
- 目標に命中したとき着火するとは書いていないが、DMの判断次第で着火することにしてもよいだろう。
〈プロテクション・フロム・エナジー〉
【精神集中】
〔酸〕〔電撃〕〔火〕〔雷鳴〕〔冷気〕ダメージへの抵抗を付与する。
〔酸〕〔電撃〕〔火〕〔雷鳴〕〔冷気〕ダメージへの抵抗を付与する。
- クロマティック・ドラゴンや一部のエレメンタルと戦う時にこの呪文があれば、被害を低減することができる。
- 呪文の持続時間が1時間なので、事前にこの呪文をかけてからカチコミに行くとよいだろう。
- 精神集中を必要とする呪文であるので、ドラゴンのブレスのような範囲攻撃に術者が巻き込まれた際は精神集中を維持するための【耐久力】セーヴをロールすることになる。
〈ヘイスト〉
【精神集中】
味方1体に4つの利益を与える。
味方1体に4つの利益を与える。
- ① 移動速度が2倍になる。
- ② ACに+2のボーナスを得る。
- ③ 【敏捷力】セーヴに有利を得る。
- ④ ターン中、追加のアクション(1回の武器攻撃/早足/離脱/隠れ身/物体の操作)を得る。
呪文が終了すると、その味方は次のターン終了時まで移動もアクションも行えなくなる。
- 武器攻撃職に唱えよう。とくに、「大業物の使い手」や「射撃の名手」など、ダメージ追加系の特技を持つPCと相性がよい。幾つかの注意点があるため、以下に挙げる:
- ① 「1回の武器攻撃」のみなので、初級呪文〈グリーンフレイム・ブレード〉などは使えない。
- ② 「物体の操作」アクションを用いてマジック・アイテムを使用することはできない。つまり、ポーションを飲んだりワンドから呪文を発動することはできない。
- ③ 呪文終了時のデメリットの「アクションを行えない」は、ボーナス・アクションも行えないことを意味する。ただし、公式デザイナーのTwitterでの回答によると、リアクションは行えるとのこと。
- 同時に〈スロー〉も受けた場合の作用については、〈スロー〉に関するあれこれを参照のこと。
敵を妨害する(デバフ)
〈ウォール・オヴ・ウォーター〉XGtE
【精神集中】
射程内に水の壁を作る呪文。以下の4つの効果を持つ。
射程内に水の壁を作る呪文。以下の4つの効果を持つ。
- ① 壁の効果範囲内は移動困難地形になる。
- ② この壁を通過する遠距離武器攻撃は不利を受ける。
- ③ 火の効果が壁を通過する場合、ダメージは半分になる。
- ④ 冷気の効果が壁を通過する場合、その部分を凍らせる。
- 撃つ方も撃たれる方も攻撃ロールに不利を受けるため、こちらが遠隔武器攻撃主体のときは使えない。呪文主体で戦おう。
- 「〔火〕ダメージが半分になる」効果は抵抗を付与するものではない。既に抵抗を持つクリーチャーであれば、受けるダメージは1/4になる。強力な〔火〕ダメージを与えてくるクリーチャーと一戦交える時は、用意しておきたい。
〈ウォール・オヴ・サンド〉XGtE
【精神集中】
砂嵐の壁を作り出す。
壁は視線を遮るが移動は可能。クリーチャーは範囲内にいる間盲目状態になり、通過する際3倍の移動速度を要する。
砂嵐の壁を作り出す。
壁は視線を遮るが移動は可能。クリーチャーは範囲内にいる間盲目状態になり、通過する際3倍の移動速度を要する。
- 壁は長さ30フィート、高さ10フィート、厚さ10フィートであり、他の壁を作り出す呪文に比べて厚みがある。広い部屋を横切るように召喚するのが一般的だが、たとえば幅10フィート以内の長い通路に召喚して、通路を砂嵐で埋めてしまうこともできる。
- 砂嵐の中にいるクリーチャーは盲目状態になる。したがって、壁の中や向こう側を目標として攻撃ロールを行う場合は不利を受ける。しかしながら目標も攻撃者を見ることができないので、攻撃者の攻撃ロールには有利が適用され、結果として有利と不利で打ち消しとなる。
- この壁は視線を遮るので、「見る」ことが必要な呪文は、この壁の中や反対側を目標とすることはできない。ただし、あくまで「視線を遮る」だけであり、遮蔽を提供するわけではないので、目標を見なくても発動できる呪文、たとえば〈ファイアーボール〉などは問題なく使える。なお、力術の学派の特徴である「呪文効果範囲操作」は「見る」ことができないので、爆発の効果範囲に味方がいたとしても除外することはできない。
〈エネミーズ・アバウンド〉XGtE
【精神集中】
クリーチャー1体の精神を支配し、見える者をすべて敵とみなすようにする。
そのクリーチャーはダメージを受けるたびにセーヴを行い、成功するとこの効果は終了する。
クリーチャー1体の精神を支配し、見える者をすべて敵とみなすようにする。
そのクリーチャーはダメージを受けるたびにセーヴを行い、成功するとこの効果は終了する。
- 判定は【知力】セーヴ。習熟しているクリーチャーは少ないため、当たりやすい
- 相手は、持っている攻撃手段、呪文、その他の能力の射程内で、かつ見ることができるクリーチャーの中から無作為に目標を選ぶ。相手が近接攻撃手段しか持っていないならば、相手の移動範囲よりも遠くに位置取ることで目標の候補から外れることが可能だが、相手が遠隔武器や呪文発動能力を持っているなら、「無作為」な決定によって味方が狙われる可能性はある。
- 相手の視界を制限して目標をコントロールしたり、遠くから発動して(この呪文の射程は120フィートもある)相手の攻撃手段の射程の外で戦うとよいだろう。
- 「見えている」クリーチャーの中から目標を選ぶので、〈ブラインドネス〉などを使って盲目状態にすれば、誰も攻撃できなくなる。
- 何であれダメージを受けた時に再セーヴを行うので、呪文の効果を長続きさせるのあれば攻撃対象に含まないように注意する必要がある。なお、よくあるデバフ呪文と違って、ターン終了毎のセーヴはない。
〈カウンタースペル〉
呪文の発動を妨害する呪文。
- 相手の呪文を打ち消すのに使うのはもちろんのこと、相手の〈カウンタースペル〉を打ち消して、自分の呪文を通すのにも使える。
- ボーナス・アクションで呪文を発動したのと同一のターンには、初級呪文以外の呪文は使えないが、このルールは〈カウンタースペル〉にも適用される。自身のターンにこの呪文を使う時は気を付けよう。
- 射程は60フィートなので、それより遠くに離れてから呪文を発動されると手も足も出ない。
- 既にリアクションを消費済みであれば、この呪文は発動できない。リアクションを用いて発動する呪文を複数準備あるいは修得済みのクリーチャーであれば、お互い読みあいになるので、緊張感が生まれて白熱すること請け合いであるが、やりすぎると他のPLが暇になるので程々にしよう。
- 相手を「視認する」必要があるため、相手が不可視化しているときや、完全遮蔽や重度の隠蔽の中にいるとき、あるいは、君が盲目状態のときは使えない。また、「呪文発動秘匿」、サイオニックによる呪文発動、生得呪文発動能力など、構成要素を省いて発動できる場合も使えない。何の予備動作もなしに呪文を発動されると流石に打ち消せないということだろう。
- 構成要素が音声のみで、動作や物質によって呪文の発動を「見る」ことができない場合、この呪文で打ち消せない可能性がある(DM次第)。
- ただし疑似視覚によって音を"見る"ことができるなら、音声のみの呪文でも打ち消せるかもしれない(同じくDM次第)。
- 待機中の呪文を打ち消すことはできない。なぜなら、待機を宣言した時点ですでに呪文の発動が済んでいるからである。打ち消すなら、待機を宣言した時点で行うこと。
〈スティンキング・クラウド〉
【精神集中】
効果範囲内に悪臭のするガスを出現させる。
ターン開始時に範囲内にいるクリーチャーは【耐久力】セーヴに失敗すると、そのターンアクションを行えない。
効果範囲内に悪臭のするガスを出現させる。
ターン開始時に範囲内にいるクリーチャーは【耐久力】セーヴに失敗すると、そのターンアクションを行えない。
- 効果範囲は半径20フィート。角を回り込んで広がるので、矢狭間から矢を射かけてくる連中の中に撃ちこむこともできる。
- 【耐久力】セーヴは成功されやすい。なおかつ、毒に対するセーヴは有利や完全耐性を持っているクリーチャーも多い。
- セーヴのタイミングは、「その効果範囲内でターンを開始した時」「自分のターンでこのガスの範囲に入った時」「誰かのターンでガスの範囲に押しやられた時」の3パターン。大型以上のクリーチャーだと、効果範囲の端にいると全身を覆えない可能性もあるので注意。
- セーヴに失敗した場合、相手はアクションを行えないが、潰れるのはアクションだけ(ボーナス・アクションや移動は可能)なのであまり強力な効果ではない。
- 狭い部屋の中に居る複数の敵に対し、戸口を塞いでからこの呪文を撃ち込む、など逃げ場がない状態で使うと効果的だろう。
- このガスは"重度の隠蔽"を作り出す。範囲内の相手は見えなくなるため、遠距離攻撃やマジックユーザーへの対策として一定の効果を有する。逆にこちらも、攻撃や呪文の目標にするのが難しくなる。
- 「ガス」なので、〈ガスト・オヴ・ウィンド〉や〈ウォーディング・ウィンド〉などによって吹き散らされうる。
- ロールプレイするなら、相手に腐った卵をぶつけたり、周囲にミズバショウの葉をばら撒いたりすると面白いだろう。
〈スリート・ストーム〉
【精神集中】
効果範囲内にみぞれ交じりの雨が降り注ぎ、移動困難地形と重度の隠蔽を作り出す。
範囲内に入ったりターンを開始したクリーチャーを、伏せ状態にしたり、呪文の精神集中を途切れさせる効果もある。
効果範囲内にみぞれ交じりの雨が降り注ぎ、移動困難地形と重度の隠蔽を作り出す。
範囲内に入ったりターンを開始したクリーチャーを、伏せ状態にしたり、呪文の精神集中を途切れさせる効果もある。
- 使い辛い呪文である。敵を伏せ状態にする最大のメリットは近接攻撃を当てやすくなることだが、この呪文の場合、せっかく敵を伏せ状態にしても、近接攻撃を行うために範囲内に入っていくと、"重度の隠蔽"であるため周りが見えないので攻撃は不利になり、有利と不利で打ち消しとなり結局通常のロールとなる。
- 空中にいるクリーチャーに対しても効果があるため、飛行中のクリーチャーは落とす手段としては使えるか。この呪文のセーヴは【敏捷力】であるため、【筋力】は高いが【敏捷力】はさほど高くないというクリーチャー(ドラゴンなど)は狙いどころ。
- 精神集中を切らす効果があるため、敵方に呪文使いがいるなら有用かもしれない。
- 「見えている相手でなければ目標にできない」呪文は多いため、"重度の隠蔽"を作る効果も妨害として役立つかもしれない。
- セーヴが発生するタイミングは、クリーチャー自身のターンで効果範囲内に入るのが初めてか、その効果範囲内でターンを開始した時である。したがって敵クリーチャーの立っている場所にこの呪文を発動したとしても、そのクリーチャーのターンが来るまではセーヴは発生しない。なお、効果範囲に入ることは、自発的である必要はない。したがって、〈サンダーウェイヴ〉のような呪文でクリーチャーをそのエリアに押しやることは可能。ただし、ダメ―ジを受けるのは、ターンで最初にその範囲に入ったときだけであることに注意。出し入れしても、複数回判定が発生することはない。詳しくは、セージ・アドバイスのp19を参照のこと。
〈スロー〉
【精神集中】
範囲内のクリーチャーを6体選択し【判断力】セーヴを行い、失敗すると以下の効果を受ける。
範囲内のクリーチャーを6体選択し【判断力】セーヴを行い、失敗すると以下の効果を受ける。
- ① 移動速度が半分になる。
- ② ACと【敏捷力】セーヴに-2ペナルティ。
- ③ リアクションを行えなくなる。
- ④ 自身のターンにおいてアクションかボーナス・アクションのどちらかしか行えない。
- ⑤ 複数回攻撃を行えない。
- ⑥ アクションで呪文を発動するとき、1d20をロールして11以上だったなら、発動に2ターンかかってしまう。
- 目標を選択できるので、乱戦状態の場所に撃ちこんでも味方を巻き込む必要がない。
- 説明文中に「君が見ることのできる」と言う文言がないため、相手が不可視状態であったり、"重度の隠蔽"の中にいたり、君が盲目状態であっても、目標に取ることが可能。しかし目標が完全遮蔽の裏側にいた場合、呪文発動の基本原則である「遮るもののない目標までの直線」(PHBp204記載)が引けないため、目標にできない。
- 同時に〈ヘイスト〉の効果も受けた場合の作用については、〈スロー〉に関するあれこれを参照のこと。
〈ビストゥ・カース〉
【精神集中】
クリーチャー1体に呪いをかける。
クリーチャー1体に呪いをかける。
- 呪いの内容はどれも強力。目標のターン終了時ごとに再度セーヴを行う呪文ではないので、精神集中が途切れるまで呪いは継続する点も強力。
- 5レベル以上で発動するなら、その精神集中さえ不要となる。持続時間が8時間もあるので、逃げられても効果が持続するし、交渉事の事前の仕込みとして使うこともできる。たとえば、この呪文による呪いを解くことを条件に、相手に仕事を強要するなど、悪属性のロールプレイにも使える。
- 効果は基本的には4つの効果から選択となるが、DMの判断次第では他の効果を適用できるので提案してみてもいいだろう。移動力の減退や飛行の禁止、特定のアクションの制限などが考えられる。この際の有効な追加物質構成要素はピザだ。
- 単体の弱体化・無力化という意味では〈ホールド・パースン〉に近いが、こちらは人型生物以外にも使用でき、制約が多い代わりに与えられる効果の範囲に選択肢がある。ただしどれも効果としては麻痺より弱く、またこの呪文の発動は相手に接触する必要がある。
- ウィザードが用いるにあたっては、射程距離が接触であるということに注意しなくてはならない。この短所を補完する方法として、〈ファインド・ファミリアー〉がある。射程が"接触"の呪文は、使い魔を伝達して発動できるからである。(なに、そんなにペラペラめくらなくても〈ビストゥ・カース〉の次のページだ)この2つの呪文を組み合わせることで、遠くからでもこの呪文を発動できる。
〈ヒプノティック・パターン〉
【精神集中】
範囲内にいて幻を見たクリーチャーを魅了かつ無力状態にする。
範囲内にいて幻を見たクリーチャーを魅了かつ無力状態にする。
- 非常に強力なデバフ呪文。効果範囲もそれなりに大きく、運が良ければこの一発で勝負を決めることも可能だ。
- 魅了状態では社交的やりとりに有利を得られるため、無力化した上で情報を聞き出すことなどもできるかもしれない。ただし、注意しなければならない点が幾つかある。
- ① 幻を見ることができないクリーチャー、例えば盲目状態になっていたり、"疑似視覚"によってものを見ているクリーチャーは、対象にならない。
- ② エルフは魅了に対する耐性を持っており、効きづらい。
- ③ 無力状態の目標に対する攻撃ロールは有利を得ない。無力状態はアクションとリアクションを行えなくなる状態であり、基本的にそれ以外の効果はない。
- ④ ダメージを受けたり、アクションを用いて揺り起こされると、この呪文の作用が終了してしまう。そのため、効果を維持したいならばダメージを与えてはいけない。縛り上げたり、武装を解除する際は、結果的に「揺り起こす」ことにならないか、DMに確認してみよう。
〈フィアー〉
【精神集中】
円錐形内のクリーチャーに【判断力】セーヴを行わせる。
失敗すると、手に持ったものを落として恐怖状態になり、"早足"を使って安全なルートで術者から逃げる。
円錐形内のクリーチャーに【判断力】セーヴを行わせる。
失敗すると、手に持ったものを落として恐怖状態になり、"早足"を使って安全なルートで術者から逃げる。
- 射程距離は短く、前に出てから発動する必要があるためリスクが高い。せっかく"恐怖"状態にしても、相手から攻撃を受けて精神集中が解ける可能性がある。
- 逃走した後に術者から視線が通っていなければ、自身のターン終了時に【判断力】セーヴを行うことになるため、開けた場所で使うのがおすすめ。
- 相手が使ってくる場合は、〈ヒロイズム〉で無効にしたり、〈カーム・エモーションズ〉で抑止したり、バードの特徴「心を守る歌」で有利を与えることができることを覚えておこう。
クリーチャーを召喚する/生み出す
〈アニメイト・デッド〉
ゾンビまたはスケルトンを創造する呪文。
- 大抵の文明圏において死者をアンデッド化するのは禁忌であり邪悪な行いとされているため、この呪文の使用によって術者がどのような目で見られるかは考慮しておいた方が良いだろう。開き直って悪を満喫することも可能であるし、禁忌と正義の間で揺れ動く葛藤を演じることも可能だ。そういった意味でこの呪文はロールプレイ的にも美味しい。
- アンデッドは24時間しか術者の制御下に置くことができない。したがって、アンデッドの大軍団を作るのは難しい。
- この呪文で作り出したアンデッドは〈ディスペル・マジック〉の対象にはならない。(この呪文の持続時間は「瞬間」であり、〈ディスペル・マジック〉を発動するときにはこの呪文は終了しているため)
- なお、アンデッドがモンスター・マニュアルの通りの装備であるとは限らない。公式デザイナーのTwitterでの回答によると、プレイヤー側があらかじめ武器や防具を用意しておいて、新たに装備させることは可能とのこと。ただし、アンデッドがその装備に習熟しているかどうかについては意見が分かれる。(習熟しているとする回答はこちら/習熟していないとする回答はこちら)明確な答えを見つけることはできなかったので、判断はそれぞれの卓のDM諸氏に委ねたい。
〈サモン・アンデッド〉TCoE
【精神集中】
1体のアンデッドを召喚する。
アンデッドは君のターンの直後に行動する。
1体のアンデッドを召喚する。
アンデッドは君のターンの直後に行動する。
- 召喚できるアンデッドは〔死霊〕や〔毒〕ダメージ、 恐怖状態や毒状態に強い。そのためアンデッドやフィーンドと戦う時に有用。
- アンデッドには3種類あり、 それぞれに強みがある。
- 骸骨:遠距離攻撃ができるので、 死ににくい。敵との射線が通りやすい開けた戦場で有用。
- 亡霊:物体を通り抜けて移動できる。狭い通路でPCが渋滞していても気にせず敵を殴りに行けるので、 ダンジョンで有用。
- 腐乱:相手を毒や麻痺状態にできる。単一の強力なボスと戦う時に有用。
〈サモン・シャドウスポーン〉TCoE
【精神集中】
1体の「影の霊」を召喚する呪文。
影の霊は君のターンの直後に行動する。
1体の「影の霊」を召喚する呪文。
影の霊は君のターンの直後に行動する。
- 攻撃力は大きいが、戦闘で使うなら遠隔攻撃やデバフが強力な〈サモン・アンデッド〉の方が強い。
- 暗い場所で隠れ身を行える点は長所。偵察や斥候に役立つ。
〈サモン・フェイ〉TCoE
【精神集中】
1体のフェイを召喚する呪文。
フェイは君のターンの直後に行動する。
1体のフェイを召喚する呪文。
フェイは君のターンの直後に行動する。
- 戦闘で使うなら〈サモン・アンデッド〉や〈サモン・レッサー・デーモンズ〉の方が強い。
- フェイは9m(30フィート)以内に瞬間移動できる。高所や矢狭間の向こう側にいる敵に攻撃したり、狭い隙間を通り抜けて偵察したい場合などには有用。
〈サモン・レッサー・デーモンズ〉XGtE
【精神集中】
下級のデーモンを召喚する。
下級のデーモンを召喚する。
- さまざまな制約があるため、順に解説する。
- ① 召喚できるデーモンは制御できない。:
- いざという時の援軍として呼び出すには頼りない。
- デーモンに知性があれば交渉や威圧で敵意を和らげることが可能かもしれないが、そもそも君が奈落語に習熟していなければ意思疎通が行えないことに注意。
- 一番良いのは、敵の中心地に呼び出して手当たり次第攻撃させることだろう。味方が狙われた場合は精神集中を切ればよいだけの話だ。
- ② 物質要素として、「24時間以内に殺された人型生物の血」が必要。:
- ルール上は価格の表記されていない物質要素はすべて「呪文構成要素ポーチ」に入っていることになっているが、「24時間以内に」殺された人の血が常にポーチに入っているというのはさすがに無理があるだろう。
- 君が悪の呪文使いなら、血が必要になるたびに無実のNPCを虐殺しても良いが、そうでなければ、倒したゴブリンやオークなどの血を使おう。
- 血が調達できない場合は、呪文焦点具を使って代用することもできる。この場合、血の魔法円を描くことができない点に注意。
- 余談であるが、公式デザイナーのTwitterでの回答によれば、「24時間以内に殺害した人型生物の血」を採取した人型生物を24時間以内に復活させても、「殺害した」という事実は残るので、呪文の行使に影響はないそうである。
〈タイニー・サーヴァント〉XGtE
超小型サイズの召使を作り出す呪文。
- 召使いを作り出す呪文。発動に1分を要するが、精神集中を必要とせず、8時間持続する所が強み。
- 召使いは、サイズが超小型ながら移動速度30と登攀移動速度30を有しているため、狭い所であれば壁を登って敵クリーチャーの背後に立つことや、サイズ差を生かして中型クリーチャーの足元を通り抜けることが可能である。
- 倒れた味方にポーションを飲ませることや、一部のマジック・アイテムを起動することもできる。
- 疑似視覚を有しており、不可視化しているクリーチャーや重度の隠蔽にいるクリーチャーを発見することができる。
- 探索中に、罠がありそうな箱や扉を開けさせたりするのにも使えるだろう。ただし、罠にかかって死んだ場合、かなりコストが高くつく。
- 戦闘で用いる時は、各個にイニシアチブをロールする必要があると思われる。これは説明文中に「自律行動能力を得」、「召使の次のターンに」とあるためである。
〈ファントム・スティード〉XGtE
半実体の乗騎を作り出す呪文。
- データはライディング・ホースのものを使うが、100フィートの移動速度を持つ点が異なる。儀式発動が可能なので、何度も召喚すれば、1日で60マイル以上移動することが可能だ。
- 普通の乗騎と異なり、水や食料が不要なので、荒野を移動する際には重宝するだろう。
- 騎乗できるのは術者もしくは術者が選んだクリーチャー1体なので、二人乗りはできない。しかしながら荷車やチャリオットなど、追加の馬具を用意して引くならばその限りではないだろう。
- ダメージを受けると呪文は終了するので、戦闘が発生した場合は高確率で呪文が強制終了することになるだろう(消える際は1分かけてゆっくり消えるので、降りる時間はある)。
その他
〈ウォーター・ブリージング〉
10体までの味方に、水中での呼吸能力を与える呪文。
- 水中呼吸能力を得る呪文。持続時間は24時間と破格であり、儀式発動も可能。
- 水中は言うに及ばず、水上を移動する時も保険としてかけておきたい。
- この呪文は水中での呼吸能力を提供するだけで、水中移動速度は提供しないので要注意。
〈ガシアス・フォーム〉
【精神集中】
同意するクリーチャーをガス状にする呪文。
同意するクリーチャーをガス状にする呪文。
- 飛行移動速度10フィートを得られるが、単に飛行移動速度を得たいだけならば、〈フライ〉の呪文をお勧めする。
- この呪文最大の長所は、ガス化することによって鍵穴やひび割れなどの非常に狭い隙間を通り抜けられるようになることだ。守りの固い城壁の裏側に忍び込むことも可能だろう。
- この呪文によって非実体化したからと言って、不可視化するわけでもダメージを受けなくなるわけでもない。また、ガスであるため、〈ガスト・オヴ・ウィンド〉や〈ウィンド・ウォール〉などの類似の効果によって移動を阻まれることもある。
- かような次第で、この呪文を使う際は戦闘に巻き込まれないように最大限気を付けよう。
〈キャットナップ〉XGtE
10分の休憩で小休憩(1時間)と同じ利益を得る呪文。
- 通常の小休憩が取れればそれに越したことはないが、敵地で行動するパーティにそのような余裕が常にあるとは限らない。タイムアタックや長期キャンペーンでの最終章を実行中に何とか10分は稼げるというような状況であれば活躍するだろう。ウィザードの「秘術回復」やドルイド(土地の円環)の「自然魔法回復」も機能する。
- 目標は気絶状態になり、無防備になるので、必ず見張りは立てておきたいところである。この呪文は術者を目標にすることも可能(PHBp204「君自身を目標にする」を参照)である。〈ロープ・トリック〉で一旦異次元に隠れるという手もあるが、〈ロープ・トリック〉があるなら1時間安全に隠れられるので、本末転倒の感はある。
〈グリフ・オヴ・ウォーディング〉
呪文を仕掛けておき、あらかじめ決めた条件を満たすと発動して侵入者を罠にかける呪文。
- 特性上、防御戦やダンジョンなどの罠に用いられることが多い。
- 仕掛けた際は、〈ニストゥルズ・マジック・オーラ〉や〈ノンディテクション〉で魔法のオーラを隠そう。
- 罠は、仕掛けた位置から10フィート以上移動したなら破壊される。したがって、持ち運んで奇襲に備えたり、敵に投げつけて攻撃することはできない。
- この呪文には「爆発のルーン」と「呪文の秘文」の2つの用途がある。
- ① 爆発のルーン:半径20フィートの角を回り込む魔法のエネルギーが炸裂し、5d8のダメージを与える。平均値22.5ポイントとなかなかのものだが、〈ファイアーボール〉(平均28ポイント)を覚えているなら、そちらを「呪文の秘文」で閉じ込めた方がダメージは高くなる。
- ② 呪文の秘文::3レベル以下の好きな呪文を封じられる。何を選ぶかは、最もPLの力量が問われるところだ。なお、封じることのできる呪文はクリーチャー1体か一定の範囲を目標とする呪文でなければならない。たとえば、こんな活用があるだろう。
- 〈ヒプノティック・パターン〉を仕掛け、侵入者に幻影を見せて足止めをする。
- 〈ウェブ〉や〈ホールド・パースン〉で動きを止め、その後、エリアに対してダメージが発生する呪文(〈クラウド・オヴ・ダガーズ〉など)でなぶり殺しにする。
- バフ呪文(〈プロテクション・フロム・イーヴル・アンド・グッド〉や〈プロテクション・フロム・エナジー〉など)を大量に封じておき、重要な戦いの前にまとめて発動させる。(大量の時間とコストがかかることに注意)
〈クレアヴォイアンス〉
【精神集中】
射程内に不可視のセンサーを作る。
見たり行ったことのある場所か、行ったことはないが明確に指定できる場所の様子を見聞きすることができる。
射程内に不可視のセンサーを作る。
見たり行ったことのある場所か、行ったことはないが明確に指定できる場所の様子を見聞きすることができる。
- 敵の部屋に一度忍び込んでからすぐ撤退し、その後部屋に入ってきた敵の会話を盗み聞きすることができる。
- ダンジョンから脱出するとき、入り口に敵が待ち伏せていないか確認することもできる。
- 野外ならば、1マイル離れた場所から高台などに登って、上空にセンサーを出現させることができる。
- DM次第であるが、術者が暗視やそれ以外の視覚を有している場合、センサー越しにも有効であるかもしれない。この考え方に立った場合、術者の感覚を強化することによって、はるか遠くから敵地を偵察したり、〈知覚〉判定に有利を得ることも可能であろう。
- センサーは見えないだけで存在しているので、〈シー・インヴィジビリティ〉や"超視覚"を持つクリーチャーには発見される。また、位置がバレれば、〈ディスペル・マジック〉の対象となる。
〈スピーク・ウィズ・デッド〉TCoE
死者に質問をする呪文。
- 冒険者であればダンジョンでもシティアドベンチャーでも死体を目にするタイミングは多い。
- しかし、死体に真実を話すよう強いる力はないので、敵対的なクリーチャーを起こしても意味がない。なお〈ゾーン・オヴ・トゥルース〉は「クリーチャーに真実を話すように強制する」呪文なので、死体に真実を話すことを強いることはできない。〈ディスガイズ・セルフ〉などと組み合わせれば上手く騙せるかもしれないが、呪文スロットを2つ消費する価値があるかは判断が難しい。
- 死体であればよいので、〈スピーク・ウィズ・アニマルズ〉などと組み合わせれば動物からも情報を聞き出すことは可能。
〈センディング〉
術者と目標との間で、75文字までのメッセージのやり取りをする呪文。
- 誰かから依頼を受けて長期間の探索任務に就いている冒険者が、依頼主に進捗状況の報告や、定時連絡を行える。
- 仲間が人質に取られたり誘拐された場合、トラップなどにより分断された場合などでも連絡を取ることができる。(まぁ往々にして分断されても「何故か」相手の状況がメタ的に分かってしまうこともあるが)
- 術者と目標同士が同一次元界にいるならば、必ずメッセージを伝達できる。それどころか、別の次元界にいても失敗確率5%で届く(ただし、魔法的に妨害されうる可能性や、目標が受信できない状況であることを除く)。
- 説明文中に75文字までとあるが、原文では「25words」となっている。したがって、おそらく「ひらがな/カタカナで75文字」という意味だろう。漢字を使ってよいとすると英語25単語に比べて情報量が多すぎる。
- 便利な呪文ではあるが、戦闘や探索には役立たないので、準備する際は慎重に。
- 参考までに、75文字と言うのがどのくらいの情報量なのか、例文を書いてみた。
- 「ワレ ジャングルノ オクチニテ ウシナワレシミヤコヲ ハッケンセリ サレド ユアンティ ノ シュウゲキニヨリ ジンイン ナナメイヲ ソンモウセリ スミヤカニ ゾウエンヲ モトム」君がDMなら、数文字の超過は多目に見てやっても良いだろう。あまり長いのは考え物だが。
〈タンズ〉
あらゆる言語の会話と聞き取りが可能になる呪文。
- この呪文があれば確実に交渉や盗み聞きができる。その種族特有の特定の言語しか話さないクリーチャー相手に交渉するには必須の呪文だ。
- もしDMが「ソード・コースト冒険者ガイド」112ページ記載の「オプション・ルール:ヒューマンの諸言語」を採用しているなら、地方によってヒューマンの用いる言葉も変わるので、この呪文の有用性も跳ね上がる事だろう。
- PCが地元の言葉を流暢に話せるならば、相手が警戒を解いて、地元の人間だと信用してくれるかもしれない。
- 読み書きはできないので、〈コンプリヘンド・ランゲージズ〉やウォーロックの妖術「ルーンの守り人の目」で補完しよう。
- 暗号や専門用語を理解できるようになるわけではない。英語の論文を読めたとて、その論文の内容を理解できるとは限らないのと同じだ。
- 1種類以上の言語を理解できるものでなければならないため、言語を持たないクリーチャーとは会話できない。
- あくまで会話が可能になるというだけで、相手の文化的背景までわかるわけではない。白旗が徹底抗戦の意思表示である文化圏も存在するかもしれない。君がDMなら、わざとPLを誤解させるようなジャスチャーや慣用句を使って、文化のすれ違いを表現するのも良いだろう。上手くやれば、世界観に深みが出る。
〈ノンディテクション〉
占術魔法による探知や魔法的な念視のセンサーによって探知されなくなる。
- 〈ディテクト・マジック〉〈ディテクト・ソウツ〉〈シー・インヴィジビリティ〉〈スクライング〉などによって発見されなくなる。味方の隠密行動を確実化するために使いたい。
- 〈トゥルー・シーイング〉によって得られた視覚からも隠される。(公式デザイナーのTwitterでの回答を参照のこと)
- この呪文の効果は占術「呪文」ではなく占術「魔法」から護られるとあるので、占術であると裁定されれば魔法のアイテムや魔法の罠、魔法的効果全般に作用するものと思われる。
- また、あらゆる占術から護られると解釈するなら、〈フォアサイト〉の不意打ちを受けなくなる効果や、攻撃者の攻撃ロールに不利を付ける効果を無効化できるかもしれない。(DM次第)
- クリーチャーが生来持つ能力である「超視覚」や「思考読解」、あるいはパラディンの「聖邪感知」など、魔法ではない探知能力に対しては無力である。詳しくはWOtCスタッフのTwitterでの回答を参照。
- その他、「特定のレベル以下の呪文に関する完全耐性」を持つクリーチャーなども、この呪文を無効化して探知してくる。
- あらゆる占術の目標にならないため、〈ガイダンス〉〈フォアサイト〉などの有用な効果の目標にもならない点には注意が必要。参考として、この呪文によって無効になる占術を列挙してみた。(こちら)
- 発動のたびに物質構成要素として25gpを消費するため、事前に用意しておこう。インスマスでもない限り、さびれた漁村にダイヤモンドの粉末があることを期待しない方がよい。
〈フェイン・デス〉
死を偽装する呪文。
- 死体のふりをする呪文。死んでいると勘違いさせれば、敵が拠点から放り捨ててくれるかもしれない。
- 目標が毒や病気に置かされていたばあい、この呪文によって進行を止めることができる。ただし止まると言っても1時間が限度なので、その間に何らかの対策は必須である。
- 呪文を途中で終了させるには、この呪文をかけた術者が直接触れねばならない。今すぐにでも呪文の効果を終了させて自律行動させねばならぬという時に、この呪文をかけた術者が隣にいないと好き放題にされてしまう。
- 時間さえあれば呪文スロットを消費せずに“儀式発動”が可能。
〈マジック・サークル〉
半径10フィートの魔法円を作り出し、円の中にいるクリーチャーを、アンデッド、エレメンタル、セレスチャル、フィーンド、フェイのうち任意のものから護る。
この呪文を逆方向に作用させ、中の者を閉じ込めるために使うこともできる。
この呪文を逆方向に作用させ、中の者を閉じ込めるために使うこともできる。
- 〈インファーナル・コーリング〉〈カンジャー・エレメンタル〉〈カンジャー・フェイ〉などを使った召喚で、彼らとの交渉に失敗したり制御を失った時の保険として使うことができる。また、アドベンチャーの中で悪魔や天使、精霊と出会う時、彼らから情報を聞き出したり交渉する際、防壁として使える。(天使や精霊が善良であるとは限らないし、平和主義者である保証もない。)
- この呪文のイメージは、著名な魔導書(アブラメリン、ゴエティアなど)に見られる悪霊や天使、精霊などを呼び出して使役する魔導士たちが、自らの身を守るために描く魔法円や護符などであろう。「ザナサーの百科全書」(153ページ)の〈インファーナル・コーリング〉の挿絵や、「モルデンカイネンの敵対者大全」9ページと25ページに、魔法円のようなものが描かれている。ロールプレイや描写の際には参考にしてみよう。
- この呪文を戦闘で活用するのであれば、狭い場所での防御戦闘で有効であろう。何しろ、指定されたクリーチャーはこの円の中に入ることがまったくできないので、これ以上有効な壁はない。ただし発動には1分かかるので、あらかじめ発動しておいて迎え撃つかたちになるだろう。
- もっとも、瞬間移動や次元移動の能力を持っていて、かつ【魅力】セーヴに成功されると侵入されてしまう。また、呪文である以上〈ディスペル・マジック〉の対象となるので、敵方に呪文使いや生得呪文の使い手がいる場合は突破される可能性がある。
〈メジャー・イメージ〉
【精神集中】
幻影を作り出す。
動かすことが可能で、視覚的効果だけでなく、音、臭い、温度も伴う。
幻影を作り出す。
動かすことが可能で、視覚的効果だけでなく、音、臭い、温度も伴う。
- 使い道は状況次第で多岐にわたる。他の幻術呪文にも同様に言えることだが、使用者の機転が非常に重要となる呪文である。〈サイレント・イメージ〉などと違い音や匂いも生み出せることから、クリーチャーの幻を見せることに向いている。主な使い道は以下のとおり:
- ドラゴンなど強力なクリーチャーの幻影を見せて相手を撤退させる
- 囮の幻影を見せて敵を持ち場から離したり伏兵を炙り出したりする
- 城門が閉じるアニメーションを音付きで見せて、門が閉じたと思わせる
- 仲間の幻を見せて情報を引き出したり戦闘を回避したりする
- 物や人質などを盗み、代わりに幻を置いておく
- 幻の足場を見せて、やってきた敵兵を崖の下に落とす。
- 幻の中に隠れ、視線を遮る。
- 音やにおいを持つため、種類によっては疑似視覚を持つクリーチャーを欺くことができるかもしれない(とは言え、コウモリのようなソナーを用いた疑似視覚には無力であるが)。
- 応用範囲が非常に広い一方、積極的に使おうとしないと使う場面がない呪文でもある。是非色々と使い道を考えてDMに提案してみてほしい。
〈レオムンズ・タイニィ・ハット〉
中型以下のクリーチャーが9体入れる、安全なドームを作り出す呪文。
- 安全に休憩できるため、ウィルダネスを旅する際には必ず持っておきたい呪文の一つ。アイスウィンド・デイルの雪原や、チャルトのジャングルを旅するなら心強い味方だ。
- 大型クリーチャーはこのドームに入れない(入ったならば、この呪文は終了する)。中型以下のクリーチャーが10体以上入った場合も同様に終了する。したがって、大型の乗騎や荷役獣を伴っていたり、10人以上の隊商を組んでいる場合は入れない。
- ドームは不透明にできるが、荒野に不審なドームが突然現れることには変わりない。敵に見つかった場合、呪文が終了するまで外で待ち伏せされたり、〈ディスペル・マジック〉で解呪されたり、穴を掘って地下から侵入されることがある。
- 〈アラーム〉を仕掛けて敵の接近を事前に察知したり、〈ハリューサナトリ・テレイン〉によってドームの周囲の地形に偽の地形の幻像を重ねて隠すなどして、対策を打とう。
- 敵に見つかって戦闘になった場合、ドームの中にいたクリーチャーや物体は自由に出入りできるため、これを利用して中から一方的に遠隔武器攻撃を行うことが可能である。呪文の場合、「呪文や魔法的な効果はこのドームを通過できず、壁越しに発動することもできない」が、ドームから外に出て発動し、その後すぐドームの中に戻れば何の問題もない。
- 時間をかければスロットを消費せずに“儀式発動”が可能で、その場合は準備している必要はない。