初心者おすすめ呪文
〈インヴィジビリティ〉は、不可視になることで偵察にも戦闘にも逃走にも役立つ非常に有用な呪文。
〈サイレンス〉は、音声要素を封じることで様々な魔法を封じることができる魔法使い殺しの呪文。また、音が通り抜けることができない無音の空間を作ることができ、潜入にも大いに役に立つ。
〈シャター〉はバードが取得可能な貴重な範囲攻撃魔法であり、同レベル帯では範囲・威力ともに申し分ない。
〈ブラインドネス/デフネス〉や〈ホールド・パースン〉は、使える状況は限定されるが敵を一気に弱体化・無力化できる可能性がある。ただしバードには同系統の呪文(〈ターシャズ・ヒディアス・ラフター〉や〈クラウン・オヴ・マッドネス〉など)があるため、どれを取得するかは他の呪文やアドベンチャーの雰囲気との兼ね合いで決めよう。
〈サイレンス〉は、音声要素を封じることで様々な魔法を封じることができる魔法使い殺しの呪文。また、音が通り抜けることができない無音の空間を作ることができ、潜入にも大いに役に立つ。
〈シャター〉はバードが取得可能な貴重な範囲攻撃魔法であり、同レベル帯では範囲・威力ともに申し分ない。
〈ブラインドネス/デフネス〉や〈ホールド・パースン〉は、使える状況は限定されるが敵を一気に弱体化・無力化できる可能性がある。ただしバードには同系統の呪文(〈ターシャズ・ヒディアス・ラフター〉や〈クラウン・オヴ・マッドネス〉など)があるため、どれを取得するかは他の呪文やアドベンチャーの雰囲気との兼ね合いで決めよう。
ダメージを与える
〈クラウド・オヴ・ダガーズ〉
【精神集中】
渦巻くナイフを召喚し、範囲内に4d4の[斬撃]ダメージを与え続ける。
渦巻くナイフを召喚し、範囲内に4d4の[斬撃]ダメージを与え続ける。
- 4d4ダメージの平均値は10ポイント。セーヴィング・スローなしでこのダメージを与えることができること、継続的にダメージを与えることができることを考えると、2レベルとしては十分な性能。
- ダメージ種別は〔斬撃〕。魔法による〔斬撃〕は、抵抗や完全耐性を持つクリーチャーがほとんどいないため優秀。ただし、呪文を使わなくても魔法の剣や斧で出すことができる種別ではある。
- そのクリーチャー自身のターンで効果範囲内に入るのが初めてか、その効果範囲内でターンを開始した時にダメージが発生する。よって、敵クリーチャーの立っている場所にこの呪文を発動したとしても、そのクリーチャーのターンが来るまではダメージは発生しない。なお、効果範囲に入ることは、自発的である必要はない。したがって、「翻弄の美技」などによって押しやることで、1ラウンドに何度も範囲内に押し込める可能性がある。ただし、ダメ―ジを受けるのは、ターンで最初にその範囲に入ったときだけであることに注意。出し入れしても、複数回ダメージを受けることはない。詳しくは、セージ・アドバイスのp19を参照のこと。
- 効果範囲がたった5フィートの立方体しかない。また、一度発動すると動かすことができないことに注意。
- 範囲が狭く、動かすことができないため、敵をこの呪文の効果範囲内に押しとどめる工夫(移動妨害呪文、前衛による壁、地形等)が必要。たとえば、狭い道や戸口での戦闘、身動きがあまり取れない空間での大型生物との戦闘等では採用価値が上がる。 何らかの方法で、呪文の効果範囲を隠すのも良いだろう。たとえば初級呪文〈マイナー・イリュージョン〉や2レベル呪文〈ダークネス〉で隠すなどすれば、敵が気付かずに呪文の効果範囲内に入ってくれるかもしれない。
〈シャター〉
範囲内に3d8の[雷鳴]ダメージを与える呪文。鉄や石のように無機質な材質で出来たものは、このダメージに対するセーヴに不利を受ける。
- 3d8の平均値は13.5ポイントで、セーヴ成功で半減。そこまで大きくはないが、複数の相手を攻撃できる点が非常に有用。ダメージ種別も優秀で、抵抗されることが少ない。
- バードにとって貴重な「射程が長く」「範囲を攻撃することができる」呪文。範囲は半径10フィートで、広範囲とは言えないが、2レベルでは一番広い。また、前衛に群がる敵は低レベルで多く、そうした際に味方を巻き込まずに打つには丁度いい広さともいえる。
- 判定は【耐久力】セーヴなので成功されやすいが、石、クリスタル、鉄などで構成されたクリーチャーに対してはセーヴに不利を課すことができる。石像はもちろん、骨系(スケルトン等)や土・岩系(アースエレメンタル等)、鉄系(アニメイテッド・アーマー等)に効く可能性がある。クリーチャーの材質についてはルールに明記されているわけではないので、いけるかなと思ったら積極的にDMに提案していこう。
- 特に音が聞こえる範囲の記載はないが、とにかく大きな音で攻撃することは間違いないので、隠密作戦には不向き。 逆に言えば、音を利用して敵をおびき出したり、遠くの味方に戦闘が始まったことを伝えるという使い方も考えられる。
- 貴重なアイテムのありそうな部屋では効果範囲を慎重に選ぶか、別の呪文を使わないと戦利品が台無しになる可能性がある。また、魔法のポーション等「内容物が魔法のアイテム」である物がこの呪文の範囲にあった際は、DMの判断次第だが、入れ物のガラス瓶などが壊れる可能性もある。
〈ヒート・メタル〉
【精神集中】
金属製の人工物を赤熱させ、接触しているクリーチャーに2d8〔火〕ダメージを与える。
持続時間中、ボーナス・アクションを用いてこのダメージを再度与えることができる。
金属製の人工物を赤熱させ、接触しているクリーチャーに2d8〔火〕ダメージを与える。
持続時間中、ボーナス・アクションを用いてこのダメージを再度与えることができる。
- この呪文最大の特徴は、いっさいの判定なしで相手にダメージを与えることができる点。(呪文の説明文中にある【耐久力】セーヴは、あくまで握っている物を落とさないためのセーヴである)
- ダメージの平均値は9ポイントと、このレベル帯では十分な威力。ボーナス・アクションで毎ラウンドダメージを与えることができるので、アクションで味方を援護したり攻撃を行ったりとテンポを損なわない。ただし、バードは声援によりボーナスアクションが埋まりがちなクラスなため、過信は禁物。
- 特に人型生物や巨人等武器を装備する敵が頻出するアドベンチャーなどでは有用なのはもちろんのこと、小技としては馬具などを赤熱させて乗騎を暴走させたり、鍵などを赤熱させて落とさせ奪ったりもできる。
- 持続時間は1分だが、切れる前に大体敵の命の灯が消える。
HPや状態を回復する
〈カーム・エモーションズ〉
【精神集中】
自身から半径20フィートの人型生物の心を落ち着ける。
自身から半径20フィートの人型生物の心を落ち着ける。
- ①魅了や恐怖をもたらす効果を抑止する。
- ②敵対的なクリーチャーを中立的に変える。
- ①の効果について:戦闘中に使用することが多い効果。魅了・恐怖状態にする効果を持つクリーチャーは多く、かつ心術の中には〈ドミネイト・パースン〉など、致命的な効果も多い。この呪文は範囲も広くそのような効果をまとめて抑制できる。
- ②の効果について:こちらの効果は戦闘が起こりそうな時に戦闘を未然に防ぐために使用することが多い。交渉のテーブルにつくことができたなら、あとは【魅力】の高いバードの腕の見せ所だ。
〈レッサー・レストレーション〉
触れたクリーチャー1体に影響を及ぼしている病気1種類、あるいは聴覚喪失状態、毒状態、麻痺状態、盲目状態のうち1種類を終了させる。
- 麻痺を治せる効果が強力。戦闘中に麻痺するとほぼ戦闘不能であるため確実に対策しておきたい。
- 病気に関しては、一部のモンスターの特殊攻撃で罹患することがある。種類によってはキャラクターロストに直結するような病気もある。また、稀なことだが、未開地の風土病や伝染病が登場するアドベンチャーもあるため、見知らぬ土地を歩く際には準備しておいた方がよい。
- さらに、短期の狂気と長期の狂気(DMGp260)を治療することもできる。
- くわえて、多分二日酔いにも効く。
自分や味方を支援する(バフ)
〈インヴィジビリティ〉
【精神集中】
不可視状態になる。ただし、攻撃や呪文の発動を行うと不可視状態は解ける。
不可視状態になる。ただし、攻撃や呪文の発動を行うと不可視状態は解ける。
- 持続時間は1時間あり、偵察や隠密行動にはもってこいの呪文である。他人にかけられるので、味方の斥候役を助けてあげよう。〈ファインド・ファミリアー〉で召喚した使い魔にかけることもできるので、隠密技能に長じたクリーチャーを不可視化すれば、実に優秀な斥候になる。敵陣に潜入し、内情や敵の配置を事前に調べよう。
- 高レベル版は目標を1体増やすことができるので、ウィザードやソ-サラーがパーティに複数いればパーティ全員を不可視化することも不可能ではない。
- この呪文に〈ノンディテクション〉を組み合わせれば、呪文や魔法によって術者を発見することはほぼ不可能になる。
- 攻撃や呪文の発動を行うと、不可視化が即座に解除されることに注意。奇襲を行う場合、最初の1回限定だが、攻撃ロールに有利を得ることができる。
- 不可視は強力だが万能ではない。不可視化を破る方法は数々あるので、順に解説する。
- ① 不可視化は視覚に基づく〈捜査〉や〈知覚〉をかいくぐることができるが、音や匂いで位置が露見することはあり得る。重い鎧や何種類もの武器、大きな背負い袋を運搬している冒険者が、何の物音も立てずに戦場を走り回るのは不可能だろう。もしくは殺した敵の返り血が鎧に付着して、ひどい匂いを放っているのかもしれない。これはゲーム的には、クリーチャーの受動知覚を使って判定される。君が隠密を行っていない場合や、行っていたとしてもその判定結果が相手の受動知覚を下回っていたなら、その所在が露見する。相手が「鋭敏嗅覚」や「鋭敏聴覚」を持つクリーチャーであれば、DMは受動知覚を用いずに、〈知覚〉判定を有利でロールする可能性もある。
- ② 埃っぽい場所や煙の充満している場所などでは足跡や煙の軌跡から位置が露見する場合もあり得る。
- ③ 視覚に基づかない知覚能力、たとえば「超知覚」、「疑似視覚」、「振動探知」などを持つクリーチャーは、君の隠密能力に関わらず知覚してくる。
- ④ 〈フェアリー・ファイアー〉や〈シックニング・レイディアンス〉などの呪文は、不可視化を無効化することができる。
- PHBp194「見えない攻撃者・見えない目標」に、「目標がいそうな位置をあてずっぽうで攻撃するのであれ、音はすれども見えないクリーチャーを目標として攻撃するのであれ、攻撃に不利を受けることに変わりはない」とあるので、少なくとも攻撃の目標にすることはできるようである。しかしその後に、「君が狙った位置に目標がいない場合、君の攻撃は自動的にミスする」とある。これが、5フィート単位で正確に目標の位置が分かっていないと攻撃できない、という意味なのか、大ざっぱに位置が分かっていれば攻撃できるのかはDMの裁定次第である。ただし、機会攻撃は「見えている相手」にしか行えない。
- また、一部の呪文や特徴は「見ることができる」クリーチャーにしか発動できないので、不可視化状態のクリーチャーを目標にできない。たとえば〈カウンタースペル〉は呪文の発動を見ていないと発動できないので、不可視化していれば妨害されずに呪文を発動することができる。
- いっぽうで、〈ディスペル・マジック〉は目標が見えてなくても発動できるので、この呪文を解呪されてしまう。敵方に呪文使いがいる場合は要注意である。
- この呪文を発動した場合、着用および運搬している物体も不可視となる。では、インヴィジビリティ呪文の発動中に物体を運搬したらどうなるか?リードデザイナーの回答によると、「透明化が発動されたときに着用/運搬しているアイテムのみが透明になるが、その下に何かを隠すことは許可される」とのことである。(ハリー・ポッターの透明マントを考えるとイメージしやすいかもしれない)
- この呪文を発動した場合にクリーチャーを運搬していた場合、運搬されているクリーチャーも透明になるのかについては、恐らく透明化しない可能性が高い。透明化するのはあくまで「身に着けているモノ(Anything)」であり、物体を指しているためクリーチャーは対象外ではないか、と思われる。
- ではクリーチャーの入った物体(服の下に隠れた使い魔のネズミやランプの中の魔神、妖精が閉じ込められたランプ、バッグ・オヴ・ホールディングに入った仲間、麻袋の中の捕虜など)を着用/運搬している時にどうなるのか?という問いは、DM次第である。デザイナー回答を元にすれば「下に何かを隠す」扱いになる可能性は高いが、物によってはクリーチャーと一体として考える、と言われる可能性もあるだろう。DMに相談し、DMの決定に従おう。
- 死体はクリーチャーか物体か?という議論もある。死体が物体扱いであれば、〈フェイン・デス〉を使って疑似的に透明化人数を増やしたりすることもできる可能性がある。一方で〈リヴィヴィファイ〉や〈レイズ・デッド〉等の記述を見ると、死体をクリーチャーとして扱っていると取ることもできる。もしそのような状況になった場合、DMに相談し判断を仰ごう。
〈エイド〉TCoE
持続時間中、味方3人の最大HPと現在HPを5増加させる。
- 持続時間が8時間と長めなので、スロットに余裕があれば、毎朝かけて置きたい呪文。
- また、複数を1アクションで回復できる唯一の2レベル呪文でもある。この呪文によって、気絶状態のクリーチャーも回復できる。(詳しくはこちら)
〈エンハンス・アビリティ〉
【精神集中】
1体のクリーチャーの能力値判定を有利にする呪文。
1体のクリーチャーの能力値判定を有利にする呪文。
- 戦闘だけでなくあらゆる局面で使いでがある。あらゆるシナリオで、冒険者は突発的に特定の能力値判定を求められることがあり、多くの場面で便利な呪文である。場面場面で柔軟に有利を与えられる汎用性が強みだが、2レベルスロットは決して安いコストという訳ではない。ここ一番という場面で使うのが良いだろう。おすすめは以下のとおり。
- 猫の敏捷力:イニシアチブ判定を有利にすることができる。また、ローグにこの呪文をかけた場合は、隠密判定に有利が得られるので、急所攻撃を命中させやすくなる。
- 熊の耐久力:〈フォールス・ライフ〉相当の一時的HPを得られるので全く腐ることはないだろう。
- 鷹の魅力:交渉事においては魅力判定を有利にできるので〈威圧〉〈説得〉〈ペテン〉が成功しやすくなる。
〈エンラージ/リデュース〉TcoE
【精神集中】
対象を巨大化/矮小化させ、メリットデメリットを生み出す呪文。
対象を巨大化/矮小化させ、メリットデメリットを生み出す呪文。
- エンラージ:
味方を大きくする呪文。
サイズが一段階大きくなる都合上、狭い通路などを塞いで敵の後方突破を防ぐのも有効。ただし視線を遮ったり遮蔽になる可能性もあるので、位置取りには注意。
【筋力】判定に有利もつくので"つかみ"や"突き飛ばし"を行う際にも効果が大きい。サイズ分類が一段階大きくなるので、中型クリーチャーを大型にすれば、超大型クリーチャーと組み合うことも可能になる。
DMの判断次第だが、武器のリーチが伸びるかもしれない。
サイズが一段階大きくなる都合上、狭い通路などを塞いで敵の後方突破を防ぐのも有効。ただし視線を遮ったり遮蔽になる可能性もあるので、位置取りには注意。
【筋力】判定に有利もつくので"つかみ"や"突き飛ばし"を行う際にも効果が大きい。サイズ分類が一段階大きくなるので、中型クリーチャーを大型にすれば、超大型クリーチャーと組み合うことも可能になる。
DMの判断次第だが、武器のリーチが伸びるかもしれない。
- リデュース:
相手を小さくする呪文で、残念ながらセーヴィング・スローで効果が無効になる。【耐久力】セーヴは高いクリーチャーが多く成功されやすい。
とはいえ、一度決まれば効果時間中はずっと小さくなるので、ほかの妨害呪文よりは効果時間が確実。
小型クリーチャーにかけて狭い隙間を通り抜けるなどの使い方もある。
とはいえ、一度決まれば効果時間中はずっと小さくなるので、ほかの妨害呪文よりは効果時間が確実。
小型クリーチャーにかけて狭い隙間を通り抜けるなどの使い方もある。
〈シー・インヴィジビリティ〉
不可視を可視のように見ることができる呪文。
- 対象が自身のみなのが非常に惜しい。不可視の敵を発見したとして警告を発することはできるが、他の味方は結局見ることはできない。
- とはいえ不可視は強力な状態であり、これを確実に見つけられる呪文としてはこれ以上なく優秀だ。ダンジョン探索の前にかけておいてもよいだろう。
- また、エーテル界の存在も視ることができ、こちらもまれにエーテル界から奇襲したりする敵も居るため役立つことがある。
〈ミラー・イメージ〉TCoE
自身と全く同じ幻影を三体作り出し、1/4の確率でしか攻撃が当たらなくなる呪文。
- ACに頼ることなく防御力を伸ばせる。前衛型のバードにとっては有用な呪文。
- 精神集中無しで1分間持続するので、他の呪文の精神集中を妨げないのも利点。
- 「君が攻撃の目標になった時」にしかこの呪文の効果は発揮されない。したがって、〈シャター〉や〈ファイアーボール〉などの範囲攻撃や、攻撃ロールを行わない〈マジック・ミサイル〉などの攻撃は普通に受けてしまう。(こちらを参照)逆に言えば、これらの攻撃を幻影が受けることはない。
- 幻術すべてに言えることだが、疑似視覚や超視覚などを持つクリーチャーには見破られてしまう。
敵を妨害する(デバフ)
〈ウォーディング・ウィンド〉XGtE
【精神集中】
自身を中心とした半径10フィートに強風を発生させる。
強風の中は聴覚喪失状態になり、移動困難になる。また、強風を出入りする遠隔攻撃は不利になる。
自身を中心とした半径10フィートに強風を発生させる。
強風の中は聴覚喪失状態になり、移動困難になる。また、強風を出入りする遠隔攻撃は不利になる。
- 遠隔攻撃が不利になる効果について:撃つ方も撃たれる方も攻撃ロールに不利を受けるため、こちらが遠隔武器攻撃主体のときは使えない。前衛戦闘職が遠隔攻撃を防ぐために使うこともできるが、呪文を維持するのに精神集中が必要なため、主に魔法系キャラクターが身を守るために使う場面が多いだろう。最大10分と効果時間が長いのもありがたい。
- 聴覚喪失になる効果について:範囲内にいる時は聴覚喪失状態になるため、テレパシーなどの音声に頼らない意思疎通の手段が必要になる。
- 強風を発生させる効果について:〈フォッグ・クラウド〉〈スティンキング・クラウド〉〈クラウドキル〉〈インセンディエリ・クラウド〉などにカウンターすることができる。また、周囲の火を吹き消すので、松明などで視界を確保している場合は、吹き消されて見えなくなってしまうので注意。また、(めったにないことではあるが)〈プリズマティック・ウォール〉の第2層を破壊するためにも使用可能である。
〈エンスロール〉
射程内の任意のクリーチャーは【判断力】セーヴを行い、失敗すると術者に釘付けになる。(戦闘中に使用すると、目標はセーヴに有利を得る。)
この呪文の作用を受けた目標は【判断力】<知覚>判定に不利を受け、受動知覚が5下がる。
この呪文の作用を受けた目標は【判断力】<知覚>判定に不利を受け、受動知覚が5下がる。
- バードらしく大衆の注目を集める呪文。射程内の任意のクリーチャーを目標にできるので、大群衆を一度に釘付けにすることが可能。
- 〈サジェスチョン〉と異なり、目標が術者の語る言葉を理解できる必要はない。
- この呪文を使うのは、術者が大衆の目を引いている隙に仲間がこっそりと何かを行いたい場合だろう。たとえば、地元の有力者の屋敷に忍び込む、群衆の一人のポケットから持ち物を奪う、往来に大規模な罠をしかける、奇襲をかける場合など。
- この呪文に精神集中は必要ないが、何らかの要因で喋れなくなったり無力状態になった時点で呪文が終了することに注意が必要である。
〈クラウン・オヴ・マッドネス〉
【精神集中】
目標の精神を狂気に陥れ、周囲のクリーチャーを敵味方問わず攻撃させる。
目標の精神を狂気に陥れ、周囲のクリーチャーを敵味方問わず攻撃させる。
- バードが初めて覚える「戦闘中に敵を支配する」呪文。戦闘中の支配は非常に強力な効果で、敵を1人減らし、味方の前衛を1人増やすようなものだ。上手くいけば、1.5体分くらいはこの呪文で無力化できる。
- 【判断力】セーヴなので、野獣やゴブリン族などに効きやすい。一方で魅了状態が発生する関係上、エルフやフェイには効きにくい。
- 相手の言語能力に関係なく効果が発動するので、異界の敵や言語を理解する知能がない敵にも有効。
- 〈ドミネイト・パースン〉などとは異なり、目標がダメージを受けても魅了状態が解けたりセーヴが行われることはない。
- ただし、効果は強力なだけに制約も多い。以下順に解説する。
- ① 精神集中を要するため、術者がダメージを受けたり無力状態になると終了するうえ、目標の各ターン終了毎に【判断力】セーヴ成功でも呪文を終了できる。早々に呪文が解けると本当になんの利益もない。
- ② 呪文を持続させたければ術者のアクションを用いなければいけない。したがって、なんらかの事情でほかのアクションを行わなればならない場合は呪文を終了させなければならない。
- ③ 持続時間中、対象の頭にねじれた鉄製の冠が被さる。見た目はオシャレだが、呪文で操られていることがバレバレになる。
- ④ 相手は「移動の前に」「間合い内の対象に」「近接攻撃で」攻撃できなければ通常通り行動できる。
- ⑤ 「1回の近接攻撃を行う」とあるので、複数回攻撃が可能であったとしても適用されない。攻撃手段が複数ある場合どうするかは明記がないが、術者がどの攻撃をするか選べてもよいだろう。
- このように低レベル呪文なだけあって制約は多く、闇雲に発動しても利益は少ない。
- 相手を行動不能にする呪文には同レベルに〈ホールド・パースン〉などがあり、それぞれの効果を比較しつつ適切なものを選択しよう。
- 狭い場所で使う場合はこの呪文が有用であろう。通路の先頭にいるクリーチャーや、部屋の唯一の扉の前に立っているクリーチャーにこの呪文を掛ければ、他の敵にとっては面倒なことこの上ない。
- ただし、最後に残ったこの呪文の対象の敵をどうするかは考えておかないと余計な被弾を受ける事もある。効果時間中に使い潰してしまいたいところだ。
〈サイレンス〉
【精神集中】
範囲内で発生した音や範囲内を通り抜ける音をシャットアウトする。
範囲内で発生した音や範囲内を通り抜ける音をシャットアウトする。
- 呪文の範囲内では音声要素を含む呪文を使えないため多くの呪文を封じることができる。(とはいえこの呪文の範囲がそこまで大きくはないため過信は禁物)
- 音を封じるため、鳴子のような罠を無力化したり、敵が増援を呼ぶことを阻止したり、潜入時に音を立てることをある程度気にせず戦闘したりと小回りが効く呪文である。
- また儀式呪文であることも有用であり、余裕があれば事前に発動しておくことで敵を迎え撃つこともできる。
〈サジェスチョン〉
【精神集中】
1体のクリーチャーに1文か2文の命令を与える。
目標は【判断力】セーヴに失敗したなら、持続時間中その命令に従った行動をする。
1体のクリーチャーに1文か2文の命令を与える。
目標は【判断力】セーヴに失敗したなら、持続時間中その命令に従った行動をする。
- 相手を操る心術系統の呪文は応用範囲が広く、活用方法は山のようにある。下手をすると前提を飛ばしてボスまで一直線に進めるシナリオ破壊能力がある。(DMの許可する範囲で運用すること)
- ただし、制約もいくつかある。
- 第一に「君から見えており、君の声を聴くことができ、君の言うことを理解できる」クリーチャーでなければ、そもそもこの呪文の対象にならない(対象としても自動的に失敗する)。たとえば、言語を持たないアウルベアや元素界の言葉しか知らないメフィットに共通語で〈サジェスチョン〉をかけても、首を傾げられるのがオチだ。
- 第二に、相手にとってあまりに理不尽だったり、自殺的な行動を強制することはできないので、自傷、同士討ち等は不可能。「いきなり理由もなく裏切れ」などというのは理不尽な指示の典型で、DMも認めてくれないことが多い。「どの程度までは妥当な指示か」はDMと相談しながら決めていく必要があるだろうが、「それはPCが知りえない情報だから、やってみるまで分からないよ」と突っぱねられる可能性もある。
- 第三に、命令は1文か2文以内でなければならない。「今すぐ本部に戻ってお前のボスに嘘の報告をせよ。そして次に云々」などべらべら喋った場合、DMはその命令の最初の1文か2文だけを抜粋して実行することにするとよいだろう。
- PL諸氏の助けとなるよう、戦闘中やその直前にこの呪文を発動して目標を戦闘に関わらせないようにするにあたり、妥当と思われる例文を以下に記す。あくまで一例なので、実際の使い方は各自で工夫されたい。
- 「その場で警戒を続けよ」:目標はその場にとどまり、呪文の持続時間中は知覚判定を行い続けるだろう。
- 「後方に回り、敵の奇襲に備えよ」:目標は前線を離脱していくだろう。
- 「本部に伝令に走れ」:目標は林を使って本部に急を知らせに行くだろう。
- 戦闘外であればこのような形だろうか。持続時間が8時間もあるので、本来は戦闘外での使用を想定していると思われる。
- 「この道は誰も通すべきではない」:味方含め通行を制限し、増援を封じたり逃亡を封じたりする。
- 「○○を哨戒し、敵対生物を排除せよ」:ダンジョン内に敵対勢力が併存していることはままあるので、上手くいけばそれぞれの戦力を削ることができる。
- 「訪問者を歓待せよ」:事前に発動しておくことで交渉を有利に進めたり、しれっと屋敷に潜入できる可能性がある。
〈ナーヘアズ・ミスチフ〉FToD
【精神集中】
一辺6m(20フィート)の立方体の範囲にフェイと竜の魔力が満たす。
1d4をロールしてランダムに効果を決定する。
1:範囲内のクリーチャーは【判断力】セーヴを行い、失敗すると君の次のターンの開始時まで君によって魅了状態になる。
2:範囲内のクリーチャーは【敏捷力】セーヴを行い、失敗すると君の次のターンの開始時まで盲目状態になる。
3:範囲内のクリーチャーは【判断力】セーヴを行い、失敗すると無力状態になり、自分の移動のすべてを使ってランダムな方向に移動する。
4:範囲内が移動困難地形になる。
君の各ターンの開始時毎に再度ロールを行う。ロールを行う前に、最大3m(10フィート)まで移動させることができる。
一辺6m(20フィート)の立方体の範囲にフェイと竜の魔力が満たす。
1d4をロールしてランダムに効果を決定する。
1:範囲内のクリーチャーは【判断力】セーヴを行い、失敗すると君の次のターンの開始時まで君によって魅了状態になる。
2:範囲内のクリーチャーは【敏捷力】セーヴを行い、失敗すると君の次のターンの開始時まで盲目状態になる。
3:範囲内のクリーチャーは【判断力】セーヴを行い、失敗すると無力状態になり、自分の移動のすべてを使ってランダムな方向に移動する。
4:範囲内が移動困難地形になる。
君の各ターンの開始時毎に再度ロールを行う。ロールを行う前に、最大3m(10フィート)まで移動させることができる。
- 効果は悪くないが、 ランダムなので使いにくい。
- この呪文を使うことで、 自身が妖精や竜にまつわる出自であることをアピールできるかもしれない。 相手がエルフやドラゴンなら一目置いてくれるだろう。
- 音声要素がないので、水中や〈サイレンス〉の範囲内でも呪文を発動できる。
- 説明文に「君から見える」 とあるので、 "重度の隠蔽"の中を目標にすることはできない。 また、君が盲目状態のときは呪文を唱えられない。
- 幻術の学派の14レベル特徴 「実体ある幻影」を使えば糖蜜やアップルパイの香りを実体化させることができるかもしれない。 「その物体は、他のものにダメージを与えることも、その他の方法で直接危害を与えることもできない」のあるので駄目かもしれない。(DM次第)
〈パイロテクニクス〉XGtE
60フィート以内にある一辺5フィートの立方体の範囲内の火を消すと同時に、眩い花火を飛び散らせるか、黒い煙を発生させる呪文。
- “花火”は次のターンで解けるとはいえ広範囲版の〈ブラインドネス/デフネス〉のようなものであり、決まれば強力。
- “煙”は〈フォッグ・クラウド〉とほぼ同一の性能だが、精神集中が不要な点で優れている。2レベル呪文でやることかと言われると立つ瀬が無いが……。
- この呪文最大の問題は、火がないところにはかけられないこと。敵が持っている松明の火に対して唱えるのが最も一般的だが、D&Dの世界には〈ライト〉というとても便利な呪文があり、多くの種族が活用している。またダンジョンに住む生物の多くは暗視を持つためなかなかこの状況にはならないのが悲しいところ。火の呪文を可燃物に撃ち込んで着火する手や、前衛キャラクターが火のついた松明を手に持っておき1ターン目に敵の近くに投擲するという手、火矢の作成をDMに認めてもらい、弓につがえて敵や敵の近くの地面に撃つなどの手も考えられる。また、10フィート間隔で松明が並んでいる通路などがあれば活躍できるかもしれない。
〈ファンタズマル・フォース〉
【精神集中】
相手の精神に根ざした幻術を発生させる。
幻は呪文をかけた目標1体にしか作用しないが、匂いや触覚を伴い、危険な幻ならダメージすら与える。
相手の精神に根ざした幻術を発生させる。
幻は呪文をかけた目標1体にしか作用しないが、匂いや触覚を伴い、危険な幻ならダメージすら与える。
- 【知力】セーヴという珍しくかつモンスター相手に通りやすいセーヴを要求するのが特徴。他の幻術系呪文と毛色が違うのが、対象以外のクリーチャーはその幻を視ることができないが、対象は幻と関わった結果不合理な事象が発生しても信じこもうとする点。つまり他の幻術よりも幻だと気づきかれにくい。
- もっともらしい理由さえあれば相手に行動を強制させることができるので、やれることは多岐に渡る。崖があれば足場があると思い込ませて転落させることができるし、障害物を作って侵入を諦めさせることもできる。敵対的なクリーチャーの幻影を見せたり、敵の見た目を変えて同士討ちを狙うこともできる。DM次第だが、 恐ろしいドラゴンの幻影を作り出せば「畏怖すべき存在」の能力によって、相手を恐怖状態にできるかもしれない。応用幅が広いので、DMやパーティにどのようなことがしたいかを打ち明けて、作成する幻術にアドバイスをしてもらおう。
- この呪文は、「術者から幻を見せる相手までの距離」には制限があるが、「幻を出現させる場所」には制限がない。つまり、「すべての呪文の中でもっとも遠い場所に幻を出現させられる呪文」である(ただし騙せるのは一人限定)。
〈ブラインドネス/デフネス〉
クリーチャー1体を盲目状態または聴覚喪失状態にする呪文。
- 【耐久力】セーヴは比較的成功されやすいのが懸念点だが、特筆すべきは、なんといっても精神集中が不要な点。
- そのため他の精神集中が必要な呪文とも併用できるし、前衛型バードでも精神集中の解除を恐れなくていいのは安心感がある。
- 盲目状態:状態異常の中でもかなり強力な部類であり、近接戦闘をするクリーチャーを機能不全に陥らせることができる。多くの呪文は見えている場所や対象を起点or目標にする関係上呪文の発動妨害にも使える。
- 聴覚喪失状態:あまり選択することは無いだろうが、一応コウモリなどの"疑似視覚"を聴覚によって有する敵にも有効。
〈ホールド・パースン〉
【精神集中】
人型生物を麻痺状態にする。
人型生物を麻痺状態にする。
- 対人金縛りという日本語訳のとおり、この呪文は人型生物を麻痺状態にする。麻痺状態は致命的な状態異常であり、「当たれば勝ち」と言っても過言ではない。(麻痺の効果はPHBp292を参照してほしい)
- すべてのクリーチャーを対象にできる〈ホールド・モンスター〉が5レベルなことを考えると、対象がかなり限定化されたとはいえ強力な呪文。
- 判定は【判断力】セーヴだが、人型生物というのは(知性のない生物に比べて)【判断力】が高い傾向にある。したがって基本的に効きにくく、効いたとしても直ぐに立ち直ってくる可能性が高い。呪文が効いたら速やかにクリティカル・ヒットを当てて倒してしまおう。
- スロット・レベルが1上がるごとに目標の数が1人増える。ただし目標に取る人型生物がそれぞれ30フィート以内にいなければならないことに気を付けなければならない。ダンジョンなど狭い場所では問題ないが、野外など広大なフィールドでは、敵軍も範囲攻撃の目標にならないために分散して位置取ることが多いため、うまく目標のクリーチャーを選ぶのが難しくなる。
- 1体を無力化するという点では〈ターシャズ・ヒディアス・ラフター〉があり、こちらは人型生物以外にも効く代わりに、ダメージを受けるたびに解除の可能性がある。また、〈ブラインドネス/デフネス〉は、対象にいっさいの制限がなく、くわえて精神集中が不要。どれも強力な呪文ではあるので、シナリオや現在の状況に合わせて採用しよう。
その他
〈アニマル・メッセンジャー〉
超小型サイズの野獣に75文字以内の伝言を託す呪文。
- 意志疎通手段はどの形態のセッションでも必要になる可能性がある。ただし、〈センディング〉などの即効性も無ければ返信も無いし、伝令である野獣が襲われて死ぬ可能性もある。しかしながら、〈センディング〉よりも低レベルであるうえ、儀式発動が可能なのでリソース消費もない点は長所。
- ウィルダネスや辺境の人類圏でしか使えないイメージがあるが、例えばラットやレイヴンを使って友好NPCに伝令を送るなら、シティでも活躍する可能性を秘めた呪文であるとも言える。
- バードにとっては、もし取得可能な枠が余っているなら取ってもよい、くらいの立ち位置。
〈スカイライト〉XGtE
【精神集中】
空に30文字以内の文を出現させる。
空に30文字以内の文を出現させる。
- 射程が「視界」なので、どれほど離れていようと、術者の視界内に収まるのであれば唱えることができる。また、通常の1アクションで発動することも"儀式"で10分かけて発動することもできるので、その時の時間的余裕によって切り替えよう。
- 使用例としては、奇襲が成功したことを味方陣営に伝えるため、上空に「奇襲成功」の文字を出現させて味方の行動を促す、などがある。「バットマン」に登場するバットサインのように使っても面白いだろう。
- 呪文の性能としては〈センディング〉にはるかに劣るものの、コストが安いため、後方と連絡を取り合う必要がある状況下であれば、安価な情報伝達手段として使えるかもしれない。
注意点は、強風の吹き荒れる日には使えないところ。
〈ゾーン・オヴ・トゥルース〉
嘘をつくことができない魔法の場を作り出す呪文。
- 主に尋問用。〈ディテクト・ソウツ〉と異なりエリアに対してかける呪文なので、複数人を一度にまとめてふるいにかけることができる。ただし相手も黙秘権を行使することは可能なので、別途口を割らせる手段を用意の上で利用する必要がある。捕らえた捕虜の発言の真偽を確かめたり、「私は正直に話しています」と周囲に対して証明するために使うイメージである。
〈ディテクト・ソウツ〉
【精神集中】
相手の思考を読み取る呪文。
相手の思考を読み取る呪文。
- 主に捕虜にしたクリーチャーや嘘をついているNPCの尋問に使用する。捕らえた敵を尋問したいと言うシーンは多く、大抵は武器で脅すなりすれば情報を出してくれるものの、ウソが混じっている可能性や、相手が頑として情報を吐かない可能性はある。この呪文はそんな情報を嘘なく確実に手に入れることができる呪文であり、重要人物にかけたい呪文の上位にランクインする。
- さて、思考を読むと言っても、詳しく言えば3つの効果がある。以下、順に解説する。
- ① 1体のクリーチャーの思考を読み取る効果について:こちらから質問をすれば、相手がその答えを知っている限り「考えない」ことは難しいだろうから、確実に答えを知ることができる。しかし、思考は曖昧で漠然としたものかもしれないし、思い込みや勘違いが含まれるかもしれない。DMが「表層的な思考」でどこまでの情報が得られると裁定するかで使い勝手が大きく変わるだろう。
- ② アクションとして対象の心を深く探る効果について:深く探ろうとした時点で相手には心を探っていることがバレてしまう。また、深く探ろうとした時点で対象は即座に【判断力】セーヴを行うことができ、成功すればこの呪文は終了する。また心を探られていることに気づいた対象は、1回のアクションとして術者と【知力】の能力値判定で対決できる。対象が勝つとこれまた呪文が終了しまう。深く探ろうとした時点で失敗のリスクが生まれるため、できるだけ①の効果で情報を集めたいところ。
- ③ 30フィート以内にいる、思考力を持つクリーチャーの数を感知する効果について:不可視状態の敵や隠れている敵を探すのに使えるが、術者の周囲30フィートにいる敵しか感知できない。さらに、明確な座標を特定できるかどうか書いていないので、DMによっては位置まではわからないと判断される可能性もある。不可視を見破る呪文と言えば〈シー・インヴィジビリティ〉があるが、この呪文は他にも効果があるので潰しが効く。
- まとめると、非常に有用な呪文であるが、いつでも使えるわけではない。バードにとっては、もし取得可能な枠が余っているなら取ってもよい、くらいの立ち位置。
〈ノック〉
封じられた扉等を開錠する呪文。
- 解錠呪文。普通の錠前や鍵穴はもちろん、魔法的な手段により開かない場所も開けることができる。また、鍵ではなく立て付けが悪かったり等により物理的に開かない場所も開けることができる。油でも差しているのか?
- 公式キャンペーンシナリオでも「〈ノック〉で開けることが可能」という記載もままあり、塞がれている場所、通れない場所に試す価値はある。また、遠距離から錠を開けられることも忘れてはならない。
- 大きな音が鳴ってしまうので隠密行動には不向きだが、〈サイレンス〉と組み合わせればデメリットは軽減できる。
〈マジック・マウス〉
物体に音声を録音し、特定のタイミングで喋らせる呪文。
- 10gpが必要なのはよいとしても効果が限定的すぎる。
- 「○○フィート以内に仲間以外のクリーチャーが近づいたら叫ぶ」等条件設定することで休憩時の警報や簡易的な見張り代わりにしたり、敵の注意を引くために使うこともできるが、〈アラーム〉や〈マイナー・イリュージョン〉で同じことができる。
- また、バードであれば自分の歌声等を物体に込めて売ったり遺したりすることができる(75字までだが)。
〈ロケート・アニマルズ・オア・プランツ〉
特定の種類の動物、もしくは植物を探知する呪文。
- 「どのような使い道が?」と思うかもしれないが、状況や工夫次第では輝くかもしれない。
- ①その動物や植物を探すこと自体が目的の場合:あまり頻繁に発生する状況ではないが、対象となる野獣もしくは植物が密猟の対象である場合や、特定の植物を入手する依頼があった場合に役立つ。また、名前を言えばそこまで導いてくれるため、似たような物品・動物の中から識別するために使うこともできる。
- ②薬や毒の原料を探す:DMにかなりの無茶ぶりを強いることになるが、もし「薬草師道具」に習熟しているなら、この呪文を使って「ポーション・オヴ・ヒーリング」や「キオートムズ・オイントメント」の材料となる薬草を探し、調合できるかもしれない。あるいは「調毒道具」に習熟しているなら、この呪文を使って毒草や毒キノコを見つけ出し、DMGp258掲載の様々な毒薬を作れるかもしれない。君のDMが脱線大好きな人間なら、許可してくれるだろう。
- ③その動物や植物に付随する何かを探す
:例えば君たちが砂漠でオアシスを探していたり、荒野に新たな開拓地を作ることを計画しているなら、水源地を探すため、そこに生える水草の名前を指定してこの呪文を唱えるかもしれない。(〈自然〉判定や〈生存〉判定で事足りるだろうという意見もあるかもしれない)あるいは、町でネコを探し当てて、〈スピーク・ウィズ・アニマルズ〉で人では知りえないような情報を聞けるかもしれない。このように、秘境探検だけでなく、工夫すればシティでも活躍できる可能性はある。
- ④強力な野獣を探す:〈アウェイクン〉によって作ることができる従者を探すために、この呪文を唱えることもあるだろう。南国のジャングル、極寒の極地、あるいはフェイワイルドやビーストランズなどを訪れたなら、この呪文を唱えてマンモス、ジャイアント・クロコダイル、ティラノサウルス・レックスなどの強力なクリーチャーを手に入れよう。
君のキャンペーンの部隊が上記のような僻地ではない場合でも、ブラウン・ベアやジャイアント・スパイダーくらいなら手に入るかもしれない。
〈ロケート・オブジェクト〉
【精神集中】
1,000フィート以内にあって、術者の見知ったものの位置を探る呪文。
1,000フィート以内にあって、術者の見知ったものの位置を探る呪文。
- シナリオ上の重要アイテムを探す使い方が想定されるが、射程が1000フィート(≒300m)しかないので、もし盗まれたものを探す場合、すぐに追いかけねば呪文の射程外に逃げられてしまう。その場合、対象の有るエリアを絞り込んだ上で発動するなど、ある程度の工夫は必要かもしれない。
- いっぽう、こちらが重要なアイテムを持っている場合、敵に使われると厄介な呪文なので、持ち運ぶ際は鉛の箱などで隠し持つと良い。
- また別の使い方として、金貨や銀貨を探知してダンジョン内の財宝を見つけることもできるかもしれない。ただし、ダンジョンにある財宝は、現代に流通していない古銭や、特定の地域でだけ使われる貨幣かもしれない。貨幣ではなく貴金属のインゴットや、宝石かもしれない。そういう場合は探知できないだろう。