初心者おすすめ呪文
〈カタパルト〉XGtEはアーティフィサーにとって貴重な攻撃呪文である。ルール次第ではマジックアイテムとも相性が良い。
〈キュア・ウーンズ〉はアーティフィサーが回復呪文を持つことで、強力なドルイド、クレリック等の呪文を温存できる。枠が余れば採用したい。
〈ディテクト・マジック〉は探索は勿論RPでも役立つ。
前衛型なら〈フォールス・ライフ〉や〈アブソーブ・エレメンツ〉XGtEも採用価値が高くなる。
〈キュア・ウーンズ〉はアーティフィサーが回復呪文を持つことで、強力なドルイド、クレリック等の呪文を温存できる。枠が余れば採用したい。
〈ディテクト・マジック〉は探索は勿論RPでも役立つ。
前衛型なら〈フォールス・ライフ〉や〈アブソーブ・エレメンツ〉XGtEも採用価値が高くなる。
ダメージを与える
〈カタパルト〉XGtE
5ポンド以内の物体を勢いよく発射し、当たれば3d8の〔殴打〕ダメージを与える呪文。
- 攻撃呪文が乏しいアーティフィサーにとっては貴重な攻撃呪文の一つ。
- 物体は何かにぶつかるまでは飛び続けるので、敵が【敏捷力】セーヴに成功した場合は(おそらく)そのまま後ろに飛んでいく。つまり、敵が直線上にたくさん並んでいるほど当たりやすい。
- 射程60フィートは飛ばす物体を選ぶ際の射程であり、物体自体は元あった場所から90フィートまで飛んでいく。つまり石がそこらじゅうに散らばっている戦場なら実質的な射程は150フィートあると考えて良い。物体の存在する位置次第では敵と自分の間にある1/2遮蔽や3/4遮蔽を無視した攻撃も可能。ただし重量1~5ポンド(454g~2270g)の範囲の物体しか目標に選べないため、石ならば野球ボールくらいの大きさは必要かもしれない。
- 物体を移動させる手段としても使えるが、何かに衝突した場合その物体もダメージを受けてしまうため壊すとまずい物には使いにくい。
- 毒の入った瓶や「錬金術師の火」を飛ばせるかどうかはDM次第。魔具化式で「アルケミー・ジャグ」を作って、酸や毒を瓶に詰めておくなどしても面白いだろう。
〈ターシャズ・コースティック・ブリュー〉TCoE
【精神集中】
直線状に酸を噴出する。範囲内のクリーチャーは【敏捷力】セーヴを行い、失敗すると酸に覆われる。この酸は呪文が終了するか、アクションを使用して酸を取り除くまで持続する。
酸に覆われているクリーチャーは自分のターン開始毎に2d4〔酸〕ダメージを受ける。
直線状に酸を噴出する。範囲内のクリーチャーは【敏捷力】セーヴを行い、失敗すると酸に覆われる。この酸は呪文が終了するか、アクションを使用して酸を取り除くまで持続する。
酸に覆われているクリーチャーは自分のターン開始毎に2d4〔酸〕ダメージを受ける。
- 攻撃呪文が乏しいアーティフィサーにとっては貴重な攻撃呪文の一つ。
- 毎ターンダメージが入るのも強み。酸を取り除くにはアクションが必要なので敵の攻撃の手も緩むだろう。
- 相手が呪文に精神集中している場合は、 何度もダメージが発生することにメリットが生まれる。
- 【敏捷力】セーヴを要求するため、拘束状態にしておくと当たりやすい。朦朧状態にすれば確実に当たる。
HPや状態を回復する
〈キュア・ウーンズ〉
同意するクリーチャーのHPを「1d8+呪文発動能力」ポイント回復する呪文。
- 回復量の平均は(4.5+【呪文発動能力】修正値)で、【呪文発動能力】修正値を+3とすると7.5となる。
- 回復量は大きいが、接触しなければいけないうえ、アクションを費やす。アクションを使うということは攻撃の手が緩むということであり、戦闘中には使い辛い。残念ながら〈ヒーリング・ワード〉もアーティフィサーの基本呪文リストにはない。
- また、多くの場合、戦闘中に回復は追いつかないことを覚えておこう。倒れた味方を回復しても次の敵のターンの攻撃でまた倒れてしまう、というのはよくある光景である。公開式のイニシアティブなら、きちんと行動順を確認して、敵に攻撃される前に確実に1ターンは動けるようにしたい。
- あるいは戦闘外の回復と割り切ってしまい、戦闘終了後、小休憩を取る暇がないときに使うのもよいだろう。クレリックやドルイドの呪文を温存できるならそれだけで採用価値がある。
自分や味方を支援する(バフ)
〈アブソーブ・エレメンツ〉XGtE
リアクションで、火、冷気、電撃、雷鳴、酸ダメージを半減し、次の近接攻撃のダメージに加える呪文。
- 範囲攻撃に対する対策として役立つことが多い。特に1レベルキャラクターは範囲攻撃一撃で死ぬので対策は必至。前半の効果だけも十分役立つが、後半の近接攻撃の威力が上がる効果は、アーマラーや、前衛型のバトル・スミスにはとても有効。
- この呪文は動作要素を必要としながら物質要素を必要としないため、セージ・アドバイスのp16(※"Components"の項目、3個目のQ&A)に厳密に従うなら少なくとも片手が空いていないと発動できない。この問題を解決するには特技「戦場の術者」を修得する必要がある。
〈エクスペディシャス・リトリート〉
この呪文を発動した時および持続時間中のボーナス・アクションにおいて、早足を行うことができる呪文。
- 近接系アーティフィサーなら呪文の選択肢に入ってくる。特に足が遅いドワーフやノームのPCなら悪くはない。
- 1レベルPCがこれを準備する優先度は低い。1レベルスロットを気軽に切れるようになる高レベルになって、なおかつボーナス・アクションが余る時には習得しても良いかもしれない。
〈サンクチュアリ〉
この呪文の目標を敵が攻撃するとき【判断力】セーヴに成功しないと攻撃できなくなる呪文。
ただし、目標が攻撃したり敵に対して呪文を発動するとこの呪文は終了する。
ただし、目標が攻撃したり敵に対して呪文を発動するとこの呪文は終了する。
- 攻撃や呪文の発動で終了するが、援護、回避、回復などは自由に行うことはできる。壁役にこれをかけてずっと回避や援護してもらうだけでも強い。また、1ラウンドのみの効果と割り切って、自身の攻撃の直後から次の自分ターンの攻撃までのあいだ自身を守るだけでも十分役立つ。
〈ジャンプ〉
味方1体の跳躍力を3倍にする。
- 廉価版の〈フライ〉としての活用が可能で、高所に陣取れば、敵によっては遠隔攻撃で一方的に攻撃できる。
- 長所としては1レベル呪文でコストが安い点、精神集中が不要な点、足場がない空中にも(通り過ぎるだけなら)移動できる点、などが挙げられる。
- セージ・アドバイスののp19("jump spell"に関するQ&A)によると、移動と早足アクションを組み合わせることで1回の跳躍で自身の最大移動速度を越えて跳躍ができるため、【筋力】値が16のPCが助走して早足アクションをとった場合、48フィートもの幅跳びが可能になる。これは戦闘マップとして登場するほとんどの落とし穴や谷間を飛び越えるのに十分な距離である。
- さらに助走ありの高跳びをした場合、18フィート(手が届く高さで言うなら25フィート前後)もの高さまで到達することができ、登攀移動なしで低めの建物の屋根の上に移動したり、高跳びしてからつかみを行うことで低空を飛ぶ敵や低めの天井に張り付いている敵を自分もろとも地上に落下させることも可能である。3次元戦闘を行うことの多い卓ならば有用性はあるだろう。
〈フォールス・ライフ〉
一時的HP1d4+4を得る呪文。
- 低レベルで特に役立つ。中装鎧まで着られるアーティフィサーならそこそこのACを持っているはずなので、この呪文単体で運用しても強い。
- もちろん他のACを上げる呪文や防御呪文と掛け合わせて使うと強力だが、そこまで防御にスロットを割きにくい。これを使うなら魔具化式で《防具強化》を取っておきたいところだ。
〈ロングストライダー〉
移動速度が10フィート増加する呪文。
- 1レベルPCがこれを習得する優先度は低い。1レベルスロットを気軽に切れるようになる高レベルになってから使い出が生まれる呪文。
- 精神集中不要で1時間持続するので、事前準備でかけておきたいところ。
- こと戦闘中においては、移動速度が25フィートのキャラクターの移動速度を向上させて足並みをそろえさせることも可能であるし、逃げ足を強化することもできる。また、増加するのは歩行移動速度に限らないため、例えば、この呪文をジャイアント・イーグルにかけると、飛行移動速度においてドラゴンを振り切ることが可能。
敵を妨害する(デバフ)
〈グリース〉
油を召喚し、範囲内のクリーチャーを"伏せ"状態にする呪文。
- 伏せ状態はそれほど強力なデバフではないが、範囲デバフ自体がアーティフィサーには貴重なので、採用価値はある。
- また、待機アクションを使って、目標が移動速度を消費したタイミングで発動すれば、攻撃を妨害した上に伏せ状態のままターンを終了させることができる。(※PCはそんなに正確に敵の移動速度を把握しているだろうか?という疑問はある。どこまでのメタ読みを許可するかはDM次第。)
〈スネア〉XGtE
5フィート四方に罠を設置する。踏むと罠にかかって拘束状態になる。
- 休憩時に唱えるための呪文。廊下や部屋の入り口などにかけておくとよいが、相手が罠にかかってくれるかが運次第なのが辛い。
- またかかった際に相手が叫んだりしなければ(突然宙釣りにされて叫ばないことは少ないだろうが)音もしないので、別途〈アラーム〉などが必要になる場合もある。
〈フェアリー・ファイアー〉
【精神集中】
範囲内にいる者を無害な火で縁取る呪文。その相手に対する攻撃は常に有利になる。
範囲内にいる者を無害な火で縁取る呪文。その相手に対する攻撃は常に有利になる。
- 自身も強力な武器攻撃によるダメージソースであるため、アーティフィサーのいるPTは攻撃力が高くなる傾向にある。そういう意味でとても便利な呪文。集中呪文のため前に出ない遠距離型アーティフィサーなら採用してみてもよいだろう。
- 不可視の敵を見えるようにするのはおまけ効果のように感じるかもしれないが、〈シー・インヴィジリティ〉は味方一体にしかかからないことを考えれば有用な効果。高レベルになるなら、余った呪文枠に採用しておきたい呪文だ。
その他
〈アイデンティファイ〉
魔法のアイテムや、人や物にかかった呪文を鑑定する。
- 基本ルールでは、小休憩すればアイテムを鑑定することは可能。
- マジック・アイテムだけでなくクリーチャーや物体にかかった呪文も鑑定できる。敵に掛けられた謎の呪いの詳細を知ることができるかもしれない(DM次第)。
- 君がDMで、この呪文の有用性を上げたいなら、〈アイデンティファイ〉でないとマジックアイテムを識別できない選択ルールを採用しよう。(DMGp136掲載)
- 時間をかければスロットを消費せずに“儀式発動”が可能で、その場合は準備している必要はない。
- マジックアイテムの専門家でもあるアーティフィサーのRPをするためにはかなり有用なので、枠が余ればぜひ採用してほしい。
〈アラーム〉
不可視の警報機を設置して、許可していない者が入ると警報を鳴らす呪文。
- 夜襲イベント回避用呪文。(メタな話、D&Dでは、就寝のシーンがあったら、80%くらいの確率で夜襲される)
- 「許可していない者が入ると警報を鳴らす」という効果の詳しい処理はDM次第だが、友好NPCに変身した偽物や、存在しない名前を偽名で名乗っている者を暴き出すのに使えるかもしれない。
- 時間をかければスロットを消費せずに“儀式発動”が可能で、その場合は準備している必要はない。
〈ディスガイズ・セルフ〉
1時間、別人に変装する呪文。術者にしか効果はない。
- どこまでの応用性を認めるかはDM次第だが、他人になりすまして家に入る時、悪党をだましてアジトの入り口から遠ざける時などに使えるはずである。変装道具に習熟している人がいるなら役割が被るので仲間に譲ろう。
- また、声は変えることができないので注意。
〈ディテクト・マジック〉
【精神集中】
周囲の魔法の気配を感知する呪文。
周囲の魔法の気配を感知する呪文。
- これは怪しいものを見つけた時使うだけでなく、怪しいものを見つけるためにも使うことができる。
- 常に唱えておきたいところだが、10分しか持続しないので高確率で探索中に切れてしまう。
- 儀式で発動することが可能なので、時間さえあれば常にこの呪文をかけておくことができるが、その暇があるかはシナリオ次第。
- なお、エラッタにより、不可視のものを探知できなくなった。
〈ピュアリファイ・フード・アンド・ドリンク〉
周囲の飲食物の毒や腐敗を浄化する。
- 食料や水をちゃんと管理するタイプのアドベンチャーなら輝けるかもしれない。
- 他クラスでは儀式発動できるが、アーティフィサーは儀式発動できないとエベロン冒険者ガイドには記載されている。が、『ターシャの万能釜』英語版のエラッタでは儀式発動可能なように修正されている。採用する際は、どのように裁定するがDMに確認しておくこと。
〈フェザー・フォール〉
リアクションで、落下している人や物をゆっくり着地させる。
- 落下イベント対策。パーティのうちの誰かはこれを持っておくべきである。特にエベロンのメイン都市であるシャーンは落下イベント表がわざわざ設定されているくらい高所で戦うことも多く、なんらかの落下対策は必要不可欠である。
- 積極的に使うなら、崖から飛び降りて敵から逃亡する際に使うなどが考えられる。