初心者おすすめ呪文
〈ヒート・メタル〉はアーティフィサーにとって貴重な攻撃呪文である。金属技術が発達したエベロン世界では他の世界より採用価値が高い。
〈レッサー・レストレーション〉は、クレリックやドルイドの呪文枠を節約できる。自分が状態異常にかかっては意味がないので、PTの二人以上が準備してもいいだろう。
多くの敵を一度に妨害・弱体化したいなら〈ウェブ〉の呪文がおすすめ。味方の攻防両面への支援になるほか、逃げる敵を捕らえたり、こちらが逃げる際に敵の進路をふさいだりと応用も利く。
前衛が強いPTなら〈エンラージ/リデュース〉をかけてあげるのも有効だ。特に同レベル帯には追加攻撃を覚えるクラスが多くあるため火力が伸びやすい。
〈レッサー・レストレーション〉は、クレリックやドルイドの呪文枠を節約できる。自分が状態異常にかかっては意味がないので、PTの二人以上が準備してもいいだろう。
多くの敵を一度に妨害・弱体化したいなら〈ウェブ〉の呪文がおすすめ。味方の攻防両面への支援になるほか、逃げる敵を捕らえたり、こちらが逃げる際に敵の進路をふさいだりと応用も利く。
前衛が強いPTなら〈エンラージ/リデュース〉をかけてあげるのも有効だ。特に同レベル帯には追加攻撃を覚えるクラスが多くあるため火力が伸びやすい。
ダメージを与える
〈ヒート・メタル〉
【精神集中】
金属製の人工物を赤熱させ、接触しているクリーチャーに2d8[火]ダメージを与える。
持続時間中、ボーナス・アクションを用いてこのダメージを再度与えることができる。
金属製の人工物を赤熱させ、接触しているクリーチャーに2d8[火]ダメージを与える。
持続時間中、ボーナス・アクションを用いてこのダメージを再度与えることができる。
- この呪文最大の特徴は、いっさいの判定なしで相手にダメージを与えることができる点。(呪文の説明文中にある【耐久力】セーヴは、あくまで握っている物を落とさないためのセーヴである)
- ダメージの平均値は9ポイントと、アーティフィサーが覚える5レベル帯ではそこそこ。ボーナスアクションを使ってサイドダメージを与える都合上、魔導砲やスチールディフェンダーのダメージとどちらが有効か考えなければならない。とはいえ実質必中攻撃であることを考えればこちらを使った方がよい場合が多いと思うが。
- 特に人型生物や巨人等武器を装備する敵が頻出するアドベンチャーなどでは有用なのはもちろんのこと、小技としては馬具などを赤熱させて乗騎を暴走させたり、鍵などを赤熱させて落とさせ奪ったりもできる。
- エベロン世界では金属加工技術の発達などもみられるので、金属鎧や武器を持った敵が多く登場するかもしれない。ほかの世界での冒険よりは若干採用価値が上がる。
- 持続時間は1分だが、切れる前に大体敵の命の灯が消える。
HPや状態を回復する
〈レッサー・レストレーション〉
触れたクリーチャー1体に影響を及ぼしている病気1種類、あるいは聴覚喪失状態、毒状態、麻痺状態、盲目状態のうち1種類を終了させる。
- 麻痺を治せる効果が強力。戦闘中に麻痺するとほぼ戦闘不能であるため確実に対策しておきたい。
- 病気に関しては、一部のモンスターの特殊攻撃で罹患することがある。種類によってはキャラクターロストに直結するような病気もある。また、稀なことだが、未開地の風土病や伝染病が登場するアドベンチャーもあるため、見知らぬ土地を歩く際には準備しておいた方がよい。
- さらに、短期の狂気と長期の狂気(DMGp260)を治療することもできる。
- くわえて、多分二日酔いにも効く。
自分や味方を支援する(バフ)
〈インヴィジビリティ〉
【精神集中】
不可視状態になる呪文。ただし、攻撃や呪文の発動を行うと不可視化は解ける。
不可視状態になる呪文。ただし、攻撃や呪文の発動を行うと不可視化は解ける。
- 持続時間は1時間あり、偵察や隠密行動にはもってこいの呪文である。他人にかけられるので、味方の斥候役を助けてあげよう。〈ファインド・ファミリアー〉で召喚した使い魔にかけることもできるので、隠密技能に長じたクリーチャーを不可視化すれば、実に優秀な斥候になる。敵陣に潜入し、内情や敵の配置を事前に調べよう。
- PHB194pによれば攻撃とは攻撃ロールを振ることを指すので、スチール・ディフェンダーや魔具化式で産み出した『ホムンクルスのしもべ』への攻撃命令では、アーティフィサー自身は攻撃ロールを振っていないため、透明化は解除されない。魔導砲の場合、防護機はロールが発生しないので大丈夫だが、力場の大弩と火炎放射器は攻撃ロールは作成者が振るので解除されるだろう。上手に使えば透明化を解除せず、安全な状態でしもべを戦わせることもできなくはない。
- 高レベル版は目標を1体増やすことができるので、ウィザードやソ-サラーがパーティに複数いればパーティ全員を不可視化することも不可能ではない。
- この呪文に〈ノンディテクション〉を組み合わせれば、呪文や魔法によって術者を発見することはほぼ不可能になる。
- 攻撃や呪文の発動を行うと、不可視化が即座に解除されることに注意。奇襲を行う場合、最初の1回限定だが、攻撃ロールに有利を得ることができる。
- 不可視は強力だが万能ではない。不可視化を破る方法は数々あるので、順に解説する。
- ① 不可視化は視覚に基づく〈捜査〉や〈知覚〉をかいくぐることができるが、音や匂いで位置が露見することはあり得る。重い鎧や何種類もの武器、大きな背負い袋を運搬している冒険者が、何の物音も立てずに戦場を走り回るのは不可能だろう。もしくは殺した敵の返り血が鎧に付着して、ひどい匂いを放っているのかもしれない。これはゲーム的には、クリーチャーの受動知覚を使って判定される。君が隠密を行っていない場合や、行っていたとしてもその判定結果が相手の受動知覚を下回っていたなら、その所在が露見する。相手が「鋭敏嗅覚」や「鋭敏聴覚」を持つクリーチャーであれば、DMは受動知覚を用いずに、〈知覚〉判定を有利でロールする可能性もある。
- ② 埃っぽい場所や煙の充満している場所などでは足跡や煙の軌跡から位置が露見する場合もあり得る。
- ③ 視覚に基づかない知覚能力、たとえば「超知覚」、「疑似視覚」、「振動探知」などを持つクリーチャーは、君の隠密能力に関わらず知覚してくる。
- ④ 〈フェアリー・ファイアー〉や〈シックニング・レイディアンス〉などの呪文は、不可視化を無効化することができる。
- PHBp194「見えない攻撃者・見えない目標」に、「目標がいそうな位置をあてずっぽうで攻撃するのであれ、音はすれども見えないクリーチャーを目標として攻撃するのであれ、攻撃に不利を受けることに変わりはない」とあるので、少なくとも攻撃の目標にすることはできるようである。しかしその後に、「君が狙った位置に目標がいない場合、君の攻撃は自動的にミスする」とある。これが、5フィート単位で正確に目標の位置が分かっていないと攻撃できない、という意味なのか、大ざっぱに位置が分かっていれば攻撃できるのかはDMの裁定次第である。ただし、機会攻撃が「見えている相手」にしか行えないことだけは確かである。
- また、一部の呪文や特徴は「見ることができる」クリーチャーにしか発動できないので、不可視化状態のクリーチャーを目標にできない。たとえば〈カウンタースペル〉は呪文の発動を見ていないと発動できないので、不可視化していれば妨害されずに呪文を発動することができる。
- いっぽうで、〈ディスペル・マジック〉は目標が見えてなくても発動できるので、この呪文を解呪されてしまう。敵方に呪文使いがいる場合は要注意である。
- この呪文を発動した場合、着用および運搬している物体も不可視となる。では、インヴィジビリティ呪文の発動中に物体を運搬したらどうなるか?リードデザイナーの回答によると、「透明化が発動されたときに着用/運搬しているアイテムのみが透明になるが、その下に何かを隠すことは許可される」とのことである。(ハリー・ポッターの透明マントを考えるとイメージしやすいかもしれない)
- この呪文を発動した場合にクリーチャーを運搬していた場合、運搬されているクリーチャーも透明になるのかについては、恐らく透明化しない可能性が高い。透明化するのはあくまで「身に着けているモノ(Anything)」であり、物体を指しているためクリーチャーは対象外ではないか、と思われる。
- ではクリーチャーの入った物体(服の下に隠れた使い魔のネズミやランプの中の魔神、妖精が閉じ込められたランプ、バッグ・オヴ・ホールディングに入った仲間、麻袋の中の捕虜など)を着用/運搬している時にどうなるのか?という問いは、DM次第である。デザイナー回答を元にすれば「下に何かを隠す」扱いになる可能性は高いが、物によってはクリーチャーと一体として考える、と言われる可能性もあるだろう。DMに相談し、DMの決定に従おう。
- 死体はクリーチャーか物体か?という議論もある。死体が物体扱いであれば、〈フェイン・デス〉を使って疑似的に透明化人数を増やしたりすることもできる可能性がある。一方で〈リヴィヴィファイ〉や〈レイズ・デッド〉等の記述を見ると、死体をクリーチャーとして扱っていると取ることもできる。もしそのような状況になった場合、DMに相談し判断を仰ごう。
〈エイド〉TCoE
持続時間中、味方3人の最大HPと現在HPを5増加させる。
- 持続時間が8時間と長めなので、スロットに余裕があれば、毎朝かけて置きたい呪文。
- また、複数を1アクションで回復できる唯一の2レベル呪文でもある。この呪文によって、気絶状態のクリーチャーも回復できる。(詳しくはこちら)
〈エンハンス・アビリティ〉
【精神集中】
1体のクリーチャーの能力値判定を有利にする呪文。
1体のクリーチャーの能力値判定を有利にする呪文。
- 戦闘だけでなくあらゆる局面で使いでがある。冒険者は突発的に特定の能力値判定を求められることがあり、場面場面で柔軟に有利を与えられる汎用性が強みだが、2レベルスロットは決して安いコストという訳ではない。ここ一番という場面で使うのが良いだろう。おすすめは以下のとおり。
- 猫の敏捷力:イニシアチブ判定を有利にすることができる。また、ローグにこの呪文をかけた場合は、隠密判定に有利が得られるので、「急所攻撃」を命中させやすくなる。
- 熊の耐久力:〈フォールス・ライフ〉相当の一時的HPを得られるので全く腐ることはないだろう。
- 鷹の魅力:交渉事においては魅力判定を有利にできるので〈威圧〉〈説得〉〈ペテン〉が成功しやすくなる。他の能力に関しても、使える局面があれば積極的に使っていきたい。ただし、スロット数と準備数に関してはご注意を。
〈エンラージ/リデュース〉
【精神集中】
対象を巨大化/矮小化させ、メリットデメリットを生み出す呪文。
対象を巨大化/矮小化させ、メリットデメリットを生み出す呪文。
- エンラージ:
味方を大きくする呪文。
サイズが一段階大きくなる都合上、狭い通路などを塞いで敵の後方突破を防ぐのも有効。ただし視線を遮ったり遮蔽になる可能性もあるので、位置取りには注意。
【筋力】判定に有利もつくので"つかみ"や"突き飛ばし"を行う際にも効果が大きい。サイズ分類が一段階大きくなるので、中型クリーチャーを大型にすれば、超大型クリーチャーと組み合うことも可能になる。
DMの判断次第だが、武器のリーチが伸びるかもしれない。
サイズが一段階大きくなる都合上、狭い通路などを塞いで敵の後方突破を防ぐのも有効。ただし視線を遮ったり遮蔽になる可能性もあるので、位置取りには注意。
【筋力】判定に有利もつくので"つかみ"や"突き飛ばし"を行う際にも効果が大きい。サイズ分類が一段階大きくなるので、中型クリーチャーを大型にすれば、超大型クリーチャーと組み合うことも可能になる。
DMの判断次第だが、武器のリーチが伸びるかもしれない。
- リデュース:
相手を小さくする呪文で、残念ながらセーヴィング・スローで効果が無効になる。【耐久力】セーヴは高いクリーチャーが多く成功されやすい。
とはいえ、一度決まれば効果時間中はずっと小さくなるので、ほかの妨害呪文よりは効果時間が確実。
小型クリーチャーにかけて狭い隙間を通り抜けるなどの使い方もある。
とはいえ、一度決まれば効果時間中はずっと小さくなるので、ほかの妨害呪文よりは効果時間が確実。
小型クリーチャーにかけて狭い隙間を通り抜けるなどの使い方もある。
〈シー・インヴィジビリティ〉
不可視を可視のように見ることができる呪文。
- 対象が自身のみなのが非常に惜しい。不可視の敵を発見したとして警告を発することはできるが、他の味方は結局見ることはできない。
- とはいえ不可視は強力な状態であり、これを確実に見つけられる呪文としてはこれ以上なく優秀だ。ダンジョン探索の前にかけておいてもよいだろう。
- また、エーテル界の存在も視ることができる。エーテル界から奇襲してくる敵もまれに居るため役立つことがある。
〈スパイダー・クライム〉
【精神集中】
同意するクリーチャー1体に、壁や天井を蜘蛛のように歩けるようになる能力を与える呪文。
同意するクリーチャー1体に、壁や天井を蜘蛛のように歩けるようになる能力を与える呪文。
- ダンジョンの床はトラップを仕込む絶好の場所であるが、逆に天井に罠が仕掛けられている場合は少ない。また、人は天井への警戒は薄いものなので、敵の知覚をかいくぐれるかもしれない。高さのある室内や洞窟の偵察の際にこの呪文をかけてあげれば斥候役は喜ぶだろう。
- 屋内であれば天井を移動して相手の後方に回ったり、足元の移動困難地形を壁を移動することによって避けたりなど。屋外であっても崖を素早く登ったり、小舟から帆船に乗り移る時、船体の外側を歩いて登るなど、使い道は環境次第で変わってくる。特に狭い通路で前衛が詰まっている時は、この呪文をかけて壁や天井に移動して道を開けるなどの行動も可能になる。とにかく地形を理解することが大事な呪文なので、この呪文を覚えたときからDMに「壁と天井の様子を教えてくれ!」と要求する人が後を絶たないとかなんとか。
- 効果時間も長いが、両手が自由でないといけない都合上天井から弓を撃ったりはできない。呪文も動作が構成要素に入るものが使えるかどうかはDMに確認した方がよいだろう。
〈ダークヴィジョン〉
接触したクリーチャー1体に8時間のあいだ、距離60フィートまでの暗視を授ける呪文。
- 他人にもかけられ効果時間も長く、精神集中が不要なので使いやすい。単独先行して偵察するローグなどが暗視を持っていないときにかけてあげるのが最も多い使い方だろう。明かりによって敵に気づかれるリスクを減らせる。またこの呪文によってパーティー全員を暗視持ちにできれば、暗い場所でも明かりを灯すことなく進軍でき、敵との戦闘を極力避けて進みたい場合や、不意打ちを狙う場合にも有用である。
- 暗視持ちであっても完全な暗闇の中では“薄暗い”場所と同等の視界しか得られないため、隠された罠などに気づくための【判断力】知覚判定に不利を受けてしまうことに注意しよう。
- また、マジック・アイテムの「ゴーグルズ・オヴ・ナイト」と異なり、既に暗視を持つクリーチャーに対して唱えても、暗視の距離が延びるような効果はない。くわえて、この呪文によって魔法の暗闇を見通すこともできない。
〈ブラー〉
【精神集中】
自らの体がぶれるように見える幻影を作り出し、自分への攻撃を不利にする防御呪文。
自らの体がぶれるように見える幻影を作り出し、自分への攻撃を不利にする防御呪文。
- 不利にするだけなのでACを高めないと焼け石に水になる場合がある。比較的ACを高めやすいアーティフィサーとしては採用価値が少し高い。
- 精神集中が必要な呪文なので、これを唱えたはいいものの攻撃が当たって即集中解除となってしまうこともある。〈メイジ・アーマー〉や〈シールド〉と言ったACを上げる呪文と併用すれば強力。ただし当たるときは何をしても当たる。
- 11レベル特徴「呪文蓄積アイテム」に込める呪文候補としてみると優秀で、ガチガチのタンクに使ってもらえればとても強い。
〈プロテクション・フロム・ポイズン〉
君が触れた、クリーチャー1体が目標となる。
目標が毒状態ならその毒を無効化する。複数の毒に侵されているなら、目標が侵されていると知っている1種類の毒を無力化する。君が毒の種類を知らないなら、ランダムに1種類の毒を無力化する。
持続時間中、目標は毒状態に対するセーヴに有利を得、〔毒〕ダメージに対する抵抗を得る。
目標が毒状態ならその毒を無効化する。複数の毒に侵されているなら、目標が侵されていると知っている1種類の毒を無力化する。君が毒の種類を知らないなら、ランダムに1種類の毒を無力化する。
持続時間中、目標は毒状態に対するセーヴに有利を得、〔毒〕ダメージに対する抵抗を得る。
- グリーン・ドラゴンやユアンティなど、毒を用いることがわかっているクリーチャーと戦う時には用意しておきたい(特に前者)。
- この呪文の最大の長所は持続時間1時間でなおかつ精神集中が不要なことである。つまり、前線に立つPC複数にこの呪文をかけることが可能であり、他の精神集中呪文を使うこともできる。
- また、毒状態であるクリーチャーに対して発動した場合、その毒を取り除くこともできる。ただし、毒が複数であった場合は1種類のみであること、毒の種類が不明である場合はランダムに1種類のみの中和になることに注意。
〈マジック・ウェポン〉
【精神集中】
非魔法の武器を魔法の武器化する呪文。
非魔法の武器を魔法の武器化する呪文。
- シンプルかつ便利な呪文。命中やダメージが増えるのが嬉しいだけでなく、非魔法の武器による攻撃に抵抗や完全耐性を持つ敵への対策となる。
- 多くのキャンペーンでは、冒険が進めば魔法の武器を手に入れる機会はあるだろう。しかし、もちろん確実に手に入るとは言えないし、仮に手に入ったとしても、敵に捕らえられて武器を取り上げられることもある。咄嗟に拾った武器を魔法武器化すれば、前衛がでくの坊になるのを防げる。
- 逆に、普通の非魔法武器で攻撃が通る状況なら、精神集中の必要なこの呪文を唱えるよりほかの呪文を唱えてサポートした方がよい場面の方が多い。DMやシナリオによって魔法の武器の取得状況は変わってくると思うので、状況に応じて取得、準備しよう。
- 残念だが魔具化式を施した武器は魔法的なので、この呪文と同時にかけることはできない。戦闘の際はこの呪文を掛けることを前提に、魔具化式をほかの者に使うというのは可能だ。精神集中を維持できるなら有効だろう。
敵を妨害する(デバフ)
〈ウェブ〉
【精神集中】
範囲内に蜘蛛の巣をまき散らし、範囲内のクリーチャーを"拘束"状態にする呪文。
範囲内に蜘蛛の巣をまき散らし、範囲内のクリーチャーを"拘束"状態にする呪文。
- 拘束状態になると自分の攻撃ロールは不利、自分に対する攻撃ロールは有利になる。単純かつ強力な効果であり、この呪文でサポートしてあげるだけで戦闘を無傷で終了させるだけのポテンシャルはある。
- 一時間持続するのも特筆すべきところ。長期戦や防衛戦ではより高レベルの呪文よりコストパフォーマンスに優れることすらありうる。(ただし、長期戦や防衛戦はD&Dの戦闘で多いシチュエーションではない)
- 可燃性なのは善し悪しだが、適当な〔火〕ダメージ呪文や松明を使って燃やし、追加ダメージ(このダメージはほぼ確実にヒットするのも魅力)を発生させることができるなど、善しとなることが多い。
〈パイロテクニクス〉XGtE
範囲内の火を消すと同時に、眩い花火を飛び散らせるか、黒い煙を発生させる呪文。
- “花火”は次のターンで解けるとはいえ広範囲版の〈ブラインドネス/デフネス〉のようなものであり、決まれば強力。
- “煙”は〈フォッグ・クラウド〉とほぼ同一の性能だが、精神集中が不要な点で優れている。2レベル呪文でやることかと言われると立つ瀬が無いが……。
- この呪文最大の問題は、火がないところにはかけられないこと。敵が持っている松明の火に対して唱えるのが最も一般的だが、D&Dの世界には〈ライト〉というとても便利な呪文があり、多くの種族が活用している。またダンジョンに住む生物の多くは暗視を持つためなかなかこの状況にはならないのが悲しいところ。
- 初級呪文の〈クリエイト・ボンファイアー〉は1アクションで任意の場所に焚火を作り出せるためこの呪文と相性が良い。他には〈ファイアー・ボルト〉の呪文を戦場にある可燃物に撃ち込んで着火する手や、前衛キャラクターが火のついた松明を手に持っておき1ターン目に敵の近くに投擲するという手、火矢の作成をDMに認めてもらい、弓につがえて敵や敵の近くの地面に撃つなどの手も考えられる。また、10フィート間隔で松明が並んでいる通路などがあれば活躍できるかもしれない。
その他
〈アーケイン・ロック〉
扉や箱に魔法の鍵をかける。それを破壊したりこじ開けるための難易度は10増加する。
- 冒険者は閉めたいときより開けたいことの方が多いだろう。しかし、何か重要なものの運搬を任される依頼はよくあることであり、その重要な品を守る防御手段として使うことができる。採用する際は対抗呪文の〈ノック〉も効果を確認するのをお勧めする。
- あるいは、ガス室を作って敵を殺すのにも使えるだろう。たとえば、扉が一つしかない部屋に向かって〈シックニング・レイディアンス〉や〈クラウドキル〉を発動し、扉を閉め、この呪文で鍵をかければ、部屋の中の者は脱出する手段がない限り死亡する。
- 街中で防犯のためにNPCが使っていることが多い呪文でもある。組織の入り口や、高級な宿等にかけられている場合がある。
〈オルター・セルフ〉
【精神集中】
自身の体を変身させる。
以下の3つの効果を、持続時間中1回のアクションで任意に切り替えられる。また同様のアクションで外見を現在選んでいるものと別の人物や人型をした種族のものに切り替えることもできる。
自身の体を変身させる。
以下の3つの効果を、持続時間中1回のアクションで任意に切り替えられる。また同様のアクションで外見を現在選んでいるものと別の人物や人型をした種族のものに切り替えることもできる。
- ① 「外見変化」:潜入任務において強力な効果で、幻で自らの外見を偽る1レベル呪文〈ディスガイズ・セルフ〉と比較すると、【知力】〈捜査〉判定で幻だと見抜かれる恐れがなく、べたべた触られたとしても平気、声色まで自在に変化させられる、効果時間中ならリソース消費なしで外見をどんどん別の人物に切り替えていける、という利点がある。特に他人の声色まで真似る効果は他の呪文での代用が難しく有用。ただ〈ディスガイズ・セルフ〉と違い、肉体が変化するだけで服装までは変化しないのでその点では工夫が必要である。
- ②「水中適応」:ダンジョン探索で役立つ事もある。ただし自身しか対象にできないので、もっぱら先行偵察用。
- ③「肉体武器」:+1のシミターやショートソードと同等の性能を持つが、精神集中が必要な呪文であるため戦闘で常用するのは難しい。「外見変化」の能力で油断させた相手を後ろから攻撃するときなどに使おう。
〈コンティニュアル・フレイム〉
消えない炎の見た目をした光を作り出す呪文。
- 効果時間が永続なのはとても良いメリットで、現実世界なら照明業界に革命が起きるに違いない。最大最悪の問題は作成に50gpが必要なことで、これだけあれば松明が5000本買える。単に照明が欲しいだけなら初級呪文の〈ライト〉や松明で事足りるだろう。
- エベロン世界には「エヴァーブライト・ランタン」というほぼ同じ効果のコモン・マジックアイテムがあるが、このマジックアイテムは円錐形に光が出るのでそこだけ差異がある。球形に光らせたいなら自分でランタンかなにかを買ってきて、中にこの呪文を使えばいい。
- オークやトロルなどに対して「永遠に消えない火です!」と貢物として捧げればご機嫌を取れるかもしれない。
- DMが豪華な屋敷などを演出する際にはとても役立つ。
〈スカイライト〉XGtE
【精神集中】
空に30文字以内の文を出現させる呪文。
空に30文字以内の文を出現させる呪文。
- 射程が「視界」なので、どれほど離れていようと、術者の視界内に収まるのであれば唱えることができる。また、通常の1アクションで発動することも"儀式"で10分かけて発動することもできるので、その時の時間的余裕によって切り替えよう。
- 使用例としては、奇襲が成功したことを味方陣営に伝えるため、上空に「奇襲成功」の文字を出現させて味方の行動を促す、などがある。「バットマン」に登場するバットサインのように使っても面白いだろう。
- 呪文の性能としては〈センディング〉にはるかに劣るものの、コストが安いため、後方と連絡を取り合う必要がある状況下であれば、安価な情報伝達手段として、価値のある呪文である。
- 注意点は、強風の吹き荒れる日には使えないところ。
〈マジック・マウス〉
特定の文言を特定のタイミングで喋るアイテムを作る呪文。
- 10gpが必要なのはよいとしても効果が限定的すぎる。
- 「○○フィート以内に仲間以外のクリーチャーが近づいたら叫ぶ」等条件設定することで休憩時の警報や簡易的な見張り代わりにしたり、敵の注意を引くために使うこともできるが、〈アラーム〉や〈マイナー・イリュージョン〉で同じことができる。
- ダンジョンの入り口で侵入者に警告を発したり、扉の前の石像が謎解きを出したり、DMにとっては、演出面でとても役立つ。
- 時間をかければスロットを消費せずに“儀式発動”が可能で、その場合は準備している必要はない。
- DMが豪華な屋敷などを演出する際にはとても役立つ。かっこいい呼び鈴に是非。
〈レヴィテート〉
【精神集中】
クリーチャー1体または500ポンド(225kg)までの物体1つを、20フィートまでの任意の高さに浮遊させられる呪文。
クリーチャー1体または500ポンド(225kg)までの物体1つを、20フィートまでの任意の高さに浮遊させられる呪文。
- 戦闘中に用いる場合:アクションを使う関係上これを使って自分が浮遊しながら戦闘するのは難しい。しかし、近接攻撃しかできず飛行移動能力を持たない敵クリーチャーがそばに壁がない場所に立っていたならば、この呪文で宙に浮かせれば完封することができる。ターン終了時やダメージによってセーヴを行わせないため、10分間こちらからの遠隔攻撃で好き放題に料理できる。術者が攻撃を受けて精神集中が切れないようにだけ注意。
- 戦闘外で用いる場合:PCが垂直な壁や崖などを登ったり下りたりする際にも用いる。登攀移動と同じく移動力が落ちてしまうし、移動に手を使うので途中で戦闘になると不便。ただ、能力値判定の必要がなく、手を放したり体勢を崩されたりしても落下しないので通常の登攀移動よりは安全。この場合も罠などにかかって精神集中が切れることだけには注意。また、重たいものを撤去する土木作業的な使い方もできなくはない。
〈ロープ・トリック〉
ロープの先に異次元の空間を作り、そこに入れる呪文。
- 1時間中で安全に留まることができ、小休憩にはピッタリ。深く危険なダンジョンの探索の際には重宝するかもしれない。
- またこの空間を見ることのできない敵にとってはほぼ発見不可能な場所であり、敵の会合場所等に事前にたどり着いた際などに安全に聞き見を立てられる。