初心者おすすめ呪文
- お手軽に範囲ダメージを与えたいなら〈ファイアーボール〉がおすすめ。
- 術者を相手にするときによく使える呪文は〈カウンタースペル〉または〈ディスペル・マジック〉であろう。
- 呪文と併用する呪文修正として使い勝手が良いのは、“呪文高速化”であろう。
ダメージを与える
〈ヴァンピリック・タッチ〉
1体のクリーチャーに近接呪文攻撃を行い、ヒットしたなら3d6の〔死霊〕ダメージを与える。
その後、自分は与えたダメージの半分のHPを回復する。
持続時間中、アクションを使って同じ攻撃を行える。
その後、自分は与えたダメージの半分のHPを回復する。
持続時間中、アクションを使って同じ攻撃を行える。
- 影の絡みつく君の手は他者の生命力を吸い取って君の傷を癒す。精神集中が必要だが、一度発動してしまえばスロットを再度使うことなく、1アクションで攻撃を行える。
- ウィザードよりHPを高くすることが容易なソーサラーだが、ウィザードと同じく回復手段は少ない。攻撃とともに回復できるこの呪文との相性はウィザードよりはいいと言えるだろう。
- ソーサラーでこの呪文を使う場合、以下の呪文修正を併用するとウィザードとは少し変わった使い方ができる。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文持続時間延長”:精神集中が継続する限り、スロットを消費することなく発動できるので、時間が長ければ長いほどその時間だけ回復手段を確保できる。
- “呪文高速化”を使ってボーナス・アクションで発動し、同じターンにこの呪文による攻撃を行うことで、1ターンに2回攻撃が可能。
〈エラプティング・アース〉XGtE
範囲内に土砂が吹き出し、3d12の〔殴打〕ダメージを与える。
さらに、範囲内は移動困難地形になる。
さらに、範囲内は移動困難地形になる。
- ダメージこそ同じレベル帯の攻撃呪文に劣るが、地形を変更できるところに強さが詰まっている。チェイスによる戦闘時には追いかける側としても、追いかけられる側としても有効に活用できる。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文威力強化”:ほかの呪文に比べて威力が低くなりがちなので、この呪文修正で補強しよう。
〈サンダー・ステップ〉XGtE
90フィートまでの瞬間移動を行いつつ、周囲に3d10の〔雷鳴〕ダメージを与える。
この瞬間移動には術者のサイズ以下の味方を同伴できる。
この瞬間移動には術者のサイズ以下の味方を同伴できる。
- 戦場を駆け巡ることのできるソーサラーにおすすめの呪文だ。隣接してきた相手から大きく離れることもできるし、移動速度の遅い前衛を簡単に前に送ることも可能。
- ただし、注意すべき点がいくつかある。
- ① 物体を運んでいく際は術者自身の運搬できる重量の限界を超えてはならず、他者を運ぶ場合は自分以下のサイズでなければならない。これは、ノームやハーフリングなどの小型のキャラクターで特に問題になる。
- ② この呪文によって発生する雷鳴は300フィート先まで聞こえるので、隠密行動には向かない。
- ③ 術者の移動元から10フィート以内のクリーチャーは〔雷鳴〕ダメージを受けるので、周囲に影響を受ける味方がいないか必ず確認すること。
- ④ 移動先が何ものにも占められておらず、術者から見える所でなければならないので、〈ディメンジョン・ドア〉のように「完全遮蔽の向こう側に飛ぶ」ことはできない。
- ⑤ この呪文は構成要素が音声のみなので、呪文の発動を目撃しないと使えない〈カウンタースペル〉の対象にならない──音を「見る」ことができなければ。(詳しくは当該項目を参照のこと)
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文高速化”:普通アクションで発動する呪文だが、“呪文高速化”でボーナス・アクションとして発動することによって、〈ミスティ・ステップ〉の完全上位互換として扱うことができる。
- “呪文射程延長”:この呪文は射程が90フィートであるため、“呪文射程延長”によって180フィートまで移動範囲を広げることができる。嵐の魔法のソーサラーや飛行速度が付与されるマジック・アイテムを身に着けている場合、上空へ瞬間移動することができる。
〈タイダル・ウェイヴ〉XGtE
津波を作り出す呪文。
範囲内のクリーチャーは4d8の〔殴打〕ダメージを受け、伏せ状態になる。
範囲内のクリーチャーは4d8の〔殴打〕ダメージを受け、伏せ状態になる。
- 射程内に大波を呼び出し、あらゆるものを押し流す。
- ダメージの平均値は18ポイントと低いが、追加効果で相手を伏せさせることができるため、自分のイニシアチブが早かったり、前衛がうまく戦線を築けなかった場合に相手の妨害としても使うことができる。
- また、この呪文は波の範囲から30フィート以内の覆われていない火をすべて消す。攻城戦などで火災が発生した時に一気に鎮火できるだろう。持続時間は"瞬間"のため、水はすぐ消え去り、水損被害を考えなくてもよい。
- なお、この呪文はダメージを与える呪文であるが、高レベル版が存在しない。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文射程延長”:この呪文は射程が120フィートであるため、“呪文射程延長”によって240フィートの先のクリーチャーまで影響を与えることができる。
- “呪文敵味方識別”:この呪文修正は力術系統のウィザードのように、味方への影響を無効することはできない。しかし、君の選んだ味方クリーチャーのセーヴィング・スローを自動成功にするため、ダメージは受けても伏せ状態にすることがなくなる。
〈ファイアーボール〉
範囲内に火球が炸裂し、8d6の[火]ダメージを与える呪文。
- 平均ダメージは28。D&Dのアイコニック・スペルとも言うべき呪文で、旧版時代から強力な範囲攻撃呪文として多くのプレイヤーが愛用してきた。
- 射程が長く、効果範囲も広く、ダメージも大きい。出目次第だが、脅威度1程度のクリーチャーであれば一撃で消し炭にすることができる。このレベル帯になると呪文のダメージが飛躍的に大きくなるため、この呪文か後述する〈ライトニング・ボルト〉のどちらかは持っておくのがいいだろう。〔火〕ダメージが通常に効く相手であれば、短時間で戦闘を終結させることができる。呪文の威力を見せつけて交渉に臨む、ある種の砲艦外交も可能であろう。
- 〔火〕ダメージを与える呪文だが、〔火〕は抵抗や完全耐性を持つクリーチャーが多い。また、水中ではすべてのクリーチャーが〔火〕に抵抗を得るため、ダメージが半減する。
- 多くの敵を巻き込めるのが利点(味方を巻き込みやすいとも言える)。〈シャター〉よりも範囲が広いので、面制圧だけでなく立体制圧も可能。例えば、敵が高さを用いて一か所に集約している場合にも、多くを巻き込んで攻撃が可能になる。
- また、この呪文による炎は角を回り込んでくるので、例え完全遮蔽であっても、横や背後に隙間があれば、この呪文の作用を受ける。たとえば矢狭間の後ろに隠れているクリーチャーにも作用を及ぼすのである。半端な遮蔽は意味をなさない。
- 要求するのは【敏捷力】セーヴ。それゆえ、クラス特徴などにある「身かわし」でダメージを無効/半減化される。また、特技「盾の使い手」で無効化される。
- 効果範囲内の、何者にも着用されたり運搬されていない可燃物は燃え上がる。これを利用すれば、遠方の爆薬や可燃物に着火して敵後方のかく乱を行うことも可能だ。ただし、可燃性のガスが充満している場所や、乾燥した森林で使用した場合、大爆発や森林火災が発生しかねないので注意。なお、君がDMで、この呪文で可燃物が燃え尽きたか否かを判定する際は、DMG247ページの「物体のヒット・ポイント」の項目を参照するとよいだろう。
- 呪文の特性上、非常に目立つ。隠密行動中には向かないが、逆に言えば、大きな爆音によって遠くの味方に危機を伝える、信号弾的な使い方もできるとも言える。(費用対効果はさておき)
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文高速化”を使ってボーナス・アクションで発動した場合も、PHBp202の「同じターン中には初級呪文以外の呪文を発動できない」制約を受ける。そのため、1ターンでこの呪文を2回発動、といった芸当はできない(公式デザイナーのTwitterでの回答を参照)。とはいえアクションで初級呪文を使うことで追い打ちは可能。これ以降のアクション呪文は、“呪文高速化”を使用することによって幅広い戦術を練ることが可能となる。
- “呪文射程延長”:もともと、射程が150フィートあるこの呪文を最大300フィートまで伸ばすことができる。これにより、冒険者より圧倒的に移動速度の速いクリーチャーに対して後れを取ることが少なくなる。
- “呪文威力強化”:ダメージに使うダイスの量が飛躍的に増え、その分威力を増強するダイスが増えるため、ダイスを振りなおすメリットがその分大きくなる。
〈メルフス・マイニュート・ミーティアズ〉XGtE
【精神集中】
6つの小さな流星を作り出す。
発動時とその後のターンのボーナス・アクションにおいて、1つまたは2つずつ射撃することができる。流星は1つあたり2d6の〔火〕ダメージを与える。
6つの小さな流星を作り出す。
発動時とその後のターンのボーナス・アクションにおいて、1つまたは2つずつ射撃することができる。流星は1つあたり2d6の〔火〕ダメージを与える。
- この呪文は精神集中を必要とし、生成した流星は10分しか持たないが、戦闘中でしか使う機会がほとんどないためそのデメリットもあまり気にならない。
- 流星は、着弾すると直径5フィートの爆発を起こす。範囲が狭いので、乱戦状態の前線に撃ちこんでも味方を巻き込みにくい。
- ダメージは流星1つあたり2d6。小さな〈ファイアーボール〉を作り出し、ダメージを分割して与えるようなイメージだ。しかし、〈ファイアーボール〉と異なり、爆発の効果範囲が角を回り込むことはない。
- 【敏捷力】セーヴを要求する。攻撃ロールを必要としないので、矢狭間の奥に撃ちこんでそこにいる弓兵を狙うことが可能。(ただし、角度によっては射線が確保できない場合もある)。
- ボーナス・アクションに余裕があるビルドなら、支援火力として採用できる。この呪文を発動した最初のターンでなければ、持続時間中に新たに1レベル以上の別の呪文を発動させることができる。(ボーナス・アクションとして火球を放ったとしても、呪文そのものは既に発動されいるので1ラウンド中に発動できる呪文の制限(PHBp202参照)には抵触しないため)したがって、アクションでダメージを与える呪文を唱えてから、ボーナス・アクションで〈メルフス・マイニュート・ミーティアズ〉の火球を発射できる。これは単にターンあたりのダメージが増加するというだけでなく、2種類のダメージ種別で攻撃することができるという点でも有用である。たとえば〈アブソーブ・エレメンツ〉は1種類のダメージ種別にしか抵抗を得ることができないため、2種類のダメージ種別で攻撃することで、どちらか一方の攻撃を通すことができる。
- また、この呪文は精神集中をしている術者に撃ちこんでも有効である。最大で1ラウンドに2発撃ちこめるので、精神集中を行うための【耐久力】セーヴを2回強要できる。(アクションでもダメージを与えれば、合計3回)これだけ試行回数を稼げれば、難易度が10であっても落とす可能性は高い。あるいは、〈ヒプノティック・パターン〉による魅了状態や、〈スリープ〉による"気絶"状態の味方にダメージを与えて、目覚めさせるという使い方もある。もっとも、HPに余裕のある時でなければ味方殺しのリスクを伴うので、使用の際は慎重に。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文持続時間延長”:あくまでもDM裁定になるが、“呪文持続時間延長”を使用し「この先に敵がいるかもしれない」エリアに入る前に準備しておくのもいいだろう。
〈ライトニング・ボルト〉
100フィートの直線上の範囲に、8d6の[電撃]ダメージを与える呪文。
- 〈ファイアーボール〉と同じくこちらもD&Dを象徴する呪文である。総合的には〈ファイアーボール〉の方が使い勝手は良いので、どちらか一方しか覚えないなら、〈ファイアーボール〉の方に軍配が上がる。
- 理想を言えば、〈ファイアーボール〉も〈ライトニング・ボルト〉も両方準備しておきたいところだが、ウィザードのように呪文を毎日変更することができない以上、修得する呪文を吟味する必要がある。
- 術者から直線状に放たれるというのが、〈ファイアーボール〉との大きな違い。敵が都合良く一直線に並んでいることはまれなので、多くを巻き込むのは難しいが、逆に言えば味方を巻き込まずに撃つのが容易である。範囲呪文の中でも特殊な範囲を持つ呪文であるため、初心者にはすすめることができない呪文ではあるが、目先の敵から100フィート先の敵まで一気に攻撃できる。
- 要求するのは【敏捷力】セーヴ。それゆえ、クラス特徴などにある「身かわし」でダメージを無効/半減化される。また、特技「盾の使い手」で無効化される。
- 〔電撃〕ダメージを与える。〔電撃〕は抵抗や完全耐性を持つクリーチャーが比較的少ない。また、〈ファイアーボール〉と異なり、水中でもダメージが半減しない。
- 効果範囲内の、何者にも着用されたり運搬されていない可燃物は燃え上がる。可燃性のガスが充満している場所や、乾燥した森林で使用した場合、大爆発や森林火災が発生しかねないので注意。なお、君がDMで、この呪文で可燃物が燃え尽きたか否かを判定する際は、DMG247ページの「物体のヒット・ポイント」の項目を参照するとよいだろう。
- 呪文の特性上、非常に目立つ。隠密行動中には向かないが、逆に言えば、大きな爆音によって遠くの味方に危機を伝える、信号弾的な使い方もできるとも言える。(費用対効果はさておき)
- 直線状に2人以上のクリーチャーが並んでいる場合、後ろにいるクリーチャーは1/2遮蔽や3/4遮蔽を得ることができ、その結果、この呪文に対する【敏捷力】セーヴにボーナスを得ることができるはずである。しかし、公式デザイナーのTwitterでの回答によると、「前にいるクリーチャーのサイズと状況による。DM次第」とのこと。この裁定に従うなら、サイズ分類が"大型"のクリーチャーや、鉄格子など大きな物体の影にに隠れている場合のみ1/2遮蔽や3/4遮蔽として扱う、ということになるだろう。とはいえ厳密なルール通りの裁定ではないので、DM諸氏は各々の判断でこの裁定を適用すること。
- 旧版と異なり、電撃が壁に当たって跳ね返ったりはしない。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文高速化”を使ってボーナス・アクションで発動した場合も、PHBp202の「同じターン中には初級呪文以外の呪文を発動できない」制約を受ける。そのため、1ターンでこの呪文を2回発動、といった芸当はできない(公式デザイナーのTwitterでの回答を参照)。とはいえアクションで初級呪文を使うことで追い打ちは可能。これ以降のアクション呪文は、“呪文高速化”を使用することによって幅広い戦術を練ることが可能となる。
- “呪文威力強化”:ダメージに使うダイスの量が飛躍的に増え、その分威力を増強するダイスが増えるため、ダイスを振りなおすメリットがその分大きくなる。
HPを回復する/状態を終了する
〈ディスペル・マジック〉
目標に作用している3レベル以下の呪文をすべて終了させる。
4レベル以上の呪文に対しては、呪文発動能力に対する能力値判定を行う。(難易度は10+呪文レベル)
4レベル以上の呪文に対しては、呪文発動能力に対する能力値判定を行う。(難易度は10+呪文レベル)
- 盤面問わず、汎用的に使える呪文。
- 戦闘で使う:ウィザードやクレリックなどの呪文使いが敵に回るだけでなく、モンスターの中には生得呪文発動能力の特徴を有する個体もいる。これらのクリーチャーが呪文で自身の戦闘能力を強化したり、冒険者たちを直接傷つけるのではなく、何らかの妨害を仕掛けてくることはよくあるため、それらを打ち破るためにこの呪文が使われることになる。さて、ここで注意しなければならないことが幾つかある。
- 第一に、相手がウィザードやソーサラー、ウォーロックであれば〈カウンタースペル〉でこちらの〈ディスペル・マジック〉を妨害してくることは予想しておく方がよい。〈カウンタースペル〉の射程は60フィートに対し、〈ディスペル・マジック〉は120フィートなので、射程外から撃ち込むことで完全に封殺できる。その他の〈カウンタースペル〉対策については当該項目を参照のこと。
- 第二に、解呪する対象の呪文が、この呪文のレベルを上回っていた場合、能力値判定を要求される。たとえば、5レベル呪文を対象とした際、5レベルで発動したならば確実に解呪できるが、3レベルや4レベルで発動すると、解呪できるかは能力判定となる。この場合、3レベルで発動しても4レベルで発動しても、成功確率が変わるわけではないことに注意すべし。とはいえ、「バードの声援」や〈ガイダンス〉、インスピレーションを用いて成功確率を上げることは可能である。強力な呪文で防御している相手には、それらのリソースを惜しみなくつぎ込んで解呪してやろう。味方の助力を得て強力な魔法の守りを打ち破るのは、一つの見せ場にもなるだろう。
- 戦闘以外で使う:ダンジョン内の魔法の罠を取り除いたり、魔法の装置を壊して黒幕の計画をくじくのに使える。しかし、シナリオの都合上、DMが解呪可能かどうか、あるいは難易度がいくつかを明かしてくれないこともあろうかと思う。呪文を打ち消すためにこちらも呪文スロットを消費するので、無駄打ちにならないよう確実に決めていきたいところである。占術呪文を使ったり、【知力】〈魔法学〉判定に成功すれば、DMが、解呪可能か、可能ならば難易度はいくつなのか、教えてくれるかもしれない。いろいろ提案してみよう。
- また、この呪文にはいろいろな制約があるため、セージ・アドバイスを参考にしつつ、ディスペル・マジックに関するあれこれを記載したので、参考にされたし。
- 相性の良い呪文修正能力:
- “呪文射程延長”:通常、ほかの術者では届かない射程まで無理やり伸ばし、相手のバフや有利を打ち消すことができる。
- “呪文二重化”:クリーチャー相手に放つ場合、二体までその効果を及ぼすことができる。
自分や味方を支援する(バフ)
〈アシャーダロンズ・ストライド〉FToD
【精神集中】
持続時間中以下の効果を得る。
① 移動速度+20フィート。
② 機会攻撃を受けない。
③ クリーチャーや物体の5フィート以内に移動すると、1d6〔火〕ダメージを与える。 (目標1つにつき、1ターンに1回のみ)
持続時間中以下の効果を得る。
① 移動速度+20フィート。
② 機会攻撃を受けない。
③ クリーチャーや物体の5フィート以内に移動すると、1d6〔火〕ダメージを与える。 (目標1つにつき、1ターンに1回のみ)
- HPが低い敵がたくさん出てきたときに使いたい呪文。
- ウッド エルフは元々移動速度が速いので、相性が良い。
- 出来るだけ前衛に出られるビルドで使うのがおすすめ。
- 精神集中が必要なので、ダメージを受けるたび解除のリスクがある点に注意。
- 「竜の血脈」や 「神の魂」 のソーサラーは14レベルで飛行能力を得られるので相性が良い。
- 〈ファインド・スティード〉と共に唱えると、 君と乗騎の双方にこの呪文がかかる。 その後乗騎から降りて別々に走り回ることで、大量のダメージを与えることができる。 ただし〈ファインド・スティード〉はパラディン呪文なのでマルチクラスが必要。
- 相性の良い呪文修正能力:特になし
〈インテレクト・フォートレス〉TCoE
【精神集中】
同意するクリーチャー1体は、〔精神〕ダメージへの抵抗および、【知力】【判断力】【魅力】セーヴへの有利を得る。
同意するクリーチャー1体は、〔精神〕ダメージへの抵抗および、【知力】【判断力】【魅力】セーヴへの有利を得る。
- 〈ホールド・パースン〉や〈ドミネイト・パースン〉などの致命的な効果を防げる。
- クマのバーバリアンにこの呪文をかけると全ての種別に抵抗を得られる。
- 【知力】や【魅力】は、呪文使いでもない限り低いことが多い。 ファイターやバーバリアン、ローグなどをこの呪文で助けてあげよう。
- 相性の良い呪文修正能力
- "呪文二重化":2体を目標にできる。
〈フライ〉
【精神集中】
60フィートの飛行移動速度を得る呪文。
60フィートの飛行移動速度を得る呪文。
- 「空を飛べる」ということは、立体的な戦い方が可能になるということである。たとえば、以下のようなことができる:
- 前衛を飛び越して一気に敵の後衛まで肉迫する。
- 移動困難地形を無視する。
- 胸壁の後ろに身を隠している相手を上空から攻撃する。
- 敵対的クリーチャーが飛行移動速度を持っているときに、前衛に付与する。
- ただし、〈フライ〉をかけた味方が孤立し敵から集中攻撃を受けたり、あるいは〈ディスペル・マジック〉などで解呪され落下させられる危険性があるので、気を付けなければならない。
- また、戦闘以外でも、偵察や高所に移動してロープを張り、味方が上に登ってくるのを援護したりなどもできる。時間はかかるが、味方を抱えて往復することによって谷を越えたり崖を登ったりも可能だ。また、一般的な人型生物の移動速度は30フィートなので、逃げた敵を追いかけるのにも便利である。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文射程延長”:この呪文は接触呪文のため、この呪文修正を用いれば30ft先のクリーチャーに発動することができる。
- “呪文二重化”:〈プロテクション・フロム・エナジー〉同様、1つの呪文スロットで二人にかけることができるため、アクションの幅が広がる。
〈ブリンク〉
持続時間中、術者のターン終了毎に、50%の確率でエーテル化する。(次のターン開始時に再び現れる)
エーテル化している間、術者は他者から認識されなくなり、お互いに影響を及ぼすことができない。
エーテル化している間、術者は他者から認識されなくなり、お互いに影響を及ぼすことができない。
- 運が良ければ敵の攻撃を一切受けなくなる。ターンごとに消えたり現れたりするので「明滅(blink)」と言うのだろう。
- 精神集中無しで1分間持続するため、他の精神集中呪文を発動してからエーテル界に隠れれば安全である。
- ただし、以下の事に気を付けなければならない。
- 〈シー・インヴィジビリティ〉等で探知される。
- 「お互いに影響を及ぼすことができない」ので、相手の呪文発動に対して〈カウンタースペル〉などを発動することができない。
- 味方と意思疎通できない。
- エーテル界にも作用を及ぼすクリーチャーからの攻撃対象となった場合、例え死んだり"気絶"状態になっても呪文の効果は残るので、味方による回復が困難になる。(そもそも味方に気付いてもらえない可能性がある)
- エーテル界についてはDMGp48を参照のこと。エーテル界には「境界エーテル界」と「真エーテル界」があるが、この呪文によって訪れることはできるのは「境界エーテル界」であると思われる。「境界エーテル界」と接しているのは物質界、フェイワイルド、シャドウフェル、内方次元界である。したがって、アストラル海や外方次元界では機能しないものと思われる。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文発動秘匿”:逃げる時にも使えるこの呪文は、この呪文修正能力と組み合わせることで、〈カウンタースペル〉などの呪文を打ち消す効果の影響を受けにくい。
〈プロテクション・フロム・エナジー〉
【精神集中】
〔酸〕〔電撃〕〔火〕〔雷鳴〕〔冷気〕ダメージへの抵抗を付与する。
〔酸〕〔電撃〕〔火〕〔雷鳴〕〔冷気〕ダメージへの抵抗を付与する。
- クロマティック・ドラゴンや一部のエレメンタルと戦う時にこの呪文があれば、被害を低減することができる。シンプルにして応用に効きやすい呪文である。修得呪文に空きがあるなら、おすすめする呪文の一つである。呪文の持続時間が1時間なので、事前にこの呪文をかけてからカチコミに行くとよいだろう。
- ただし精神集中を必要とする呪文であるので、ドラゴンのブレスのような範囲攻撃に術者が巻き込まれた際は精神集中を維持するための【耐久力】セーヴをロールすることになる。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文射程延長”:この呪文は接触呪文のため、この呪文修正を用いれば30ft先のクリーチャーに発動することができる。
- “呪文二重化”:この呪文修正を使用すると、1つの呪文スロットで二人にかけることができるため、緊急時や少数行動の時に活躍する。
〈フレイム・アローズ〉XGtE
【精神集中】
12本の矢に魔力を付与し、追加で1d6の火ダメージを与える。
12本の矢に魔力を付与し、追加で1d6の火ダメージを与える。
- 発動時に「アローまたはボルトが入っている矢筒」に触れるとあるので、矢筒やボルトケースに対してかける呪文なのだろう。したがって、複数人で矢筒を回しながら射撃すれば、12本の矢を余すところなく使いきれる。味方に弓使い(例:弓ファイター、弓レンジャー、ローグ)が多いなら、彼らへの一時的なバフとして大いに活躍する。
- また、1レベル呪文〈ハンターズ・マーク〉と併せて使えばダメージの底上げが可能である。
- なお、目標に命中したとき着火するとは書いていないが、DMの判断次第で着火することにしてもよいだろう。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文二重化”:1度の発動で最大24本までバフをかけられるためおすすめ。
- “呪文持続時間延長”:持続時間を2時間まで引き上げることによって、ダンジョン探索時に効果時間を常に気にしなくても済むようになる。
〈ヘイスト〉
【精神集中】
味方1体に4つの利益を与える。
味方1体に4つの利益を与える。
- ①:移動速度が2倍になる。
- ②:ACに+2のボーナスを得る。
- ③:【敏捷力】セーヴに有利を得る。
- ④:ターン中、追加のアクション(1回の武器攻撃/早足/離脱/隠れ身/物体の操作)を得る。
呪文が終了すると、その味方は次のターン終了時まで移動もアクションも行えなくなる。
- 基本的には、前衛に対して唱えて攻撃回数を増やすのに用いられる。一瞬でけりをつけたいときや、敵対的クリーチャーの数が多いときに使うと効果的。
- 「大業物の使い手」や「射撃の名手」など、ダメージ追加系の特技を持つPCと相性がよい。
- 幾つかの注意点があるため、以下に挙げる:
- 「1回の武器攻撃」のみなので、初級呪文〈グリーンフレイム・ブレード〉などは使えない。
- 「物体の操作」アクションを用いてマジック・アイテムを使用することはできない。つまり、ポーションを飲んだりワンドから呪文を発動することはできない。
- 呪文終了時のデメリットの「アクションを行えない」は、ボーナス・アクションも行えないことを意味する。ただし、公式デザイナーのTwitterでの回答によると、リアクションは行えるとのこと。
- 同時に〈スロー〉も受けた場合の作用については、〈スロー〉に関するあれこれを参照のこと。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文二重化”:1度に2人まで対象として発動できるため、前衛が厚いパーティの時には有効な手段である。
敵を妨害する(デバフ)
〈ウォール・オヴ・ウォーター〉XGtE
【精神集中】
射程内に水の壁を作る呪文。以下の4つの効果を持つ。
射程内に水の壁を作る呪文。以下の4つの効果を持つ。
- ①:壁の効果範囲内は移動困難地形になる。
- ②:この壁を通過する遠距離武器攻撃は不利を受ける。
- ③:火の効果が壁を通過する場合、ダメージは半分になる。
- ④:冷気の効果が壁を通過する場合、その部分を凍らせる。
- 移動困難地形を作り出せるため、今相手に攻め入られたくない場合の対応として活用できる。
- 撃つ方も撃たれる方も攻撃ロールに不利を受けるため、こちらが遠隔武器攻撃主体のときは使えない。呪文で一方的に攻撃しよう。
- なお、「〔火〕ダメージが半分になる」効果は抵抗を付与するものではない。既に抵抗を持つクリーチャーであれば、受けるダメージは1/4になる。強力な〔火〕ダメージを与えてくるクリーチャーと一戦交える時は、用意しておきたい。
- 幅が1フィートあるため、〈ウォーター・ウォーク〉を唱えたり、一番上を凍らせることで、橋としても活用できなくもない。(DM次第)
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文持続時間延長”:シンプルに持続時間を延ばすことによって、籠城する時間稼ぎや相手のパーティを瓦解する機会をうかがうことができる。
〈エネミーズ・アバウンド〉XGtE
【精神集中】
クリーチャー1体の精神を支配し、見える者をすべて敵とみなすようにする。
そのクリーチャーはダメージを受けるたびにセーヴを行い、成功するとこの効果は終了する。
クリーチャー1体の精神を支配し、見える者をすべて敵とみなすようにする。
そのクリーチャーはダメージを受けるたびにセーヴを行い、成功するとこの効果は終了する。
- 判定は【知力】セーヴ。大抵のクリーチャーは判断力が高めである半面、知力が低めになっていることが多い。特に前衛を担うクリーチャーは【知力】が低いことが多い。
- 相手は、持っている攻撃手段、呪文、その他の能力の射程内で、かつ見ることができるクリーチャーの中から無作為に目標を選ぶ。相手が近接攻撃手段しか持っていないならば、相手の移動範囲よりも遠くに位置取ることで目標の候補から外れることが可能だが、相手が遠隔武器や呪文発動能力を持っているなら、「無作為」な決定によって味方が狙われる可能性は十分にある。相手の視界を制限して目標をコントロールしたり、遠くから発動して(この呪文の射程は120フィートもある)相手の攻撃手段の射程の外で戦うとよいだろう。あるいは、単純に自軍よりも敵軍の方が数が多い場合に発動してもよいだろう。また、「見えている」クリーチャーの中から目標を選ぶので、〈ブラインドネス〉などを使って盲目状態にすれば、誰も攻撃できなくなる。
- 何であれダメージを受けた時に再セーヴを行うので、呪文の効果を長続きさせるのあれば攻撃対象に含まないように注意する必要がある。なお、よくあるデバフ呪文と違って、ターン終了毎のセーヴはない。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文セーヴ妨害”:この呪文は一度かかれば大きなアドバンテージを生み出すことができるため、相手のセーヴに不利をつけるこの呪文修正は有用である。
〈カウンタースペル〉
呪文の発動を妨害する呪文。
- この呪文はリアクションで発動できる、ほかの呪文と違ってスロットを使って呪文を発動したターンにも発動可能なため、持っておくと便利である。例えば、自分が発動した呪文に対する“相手の〈カウンタースペル〉”にも発動することが可能。
- ただし、「①:射程内で」「②:クリーチャーが呪文を発動しようとするのを視認した時」「③:リアクションを用いて」発動する必要がある。これらに関して1つずつ考察を加えてみる。
- ① 射程内で:射程は60フィートなので、それより遠くに離れてから呪文を発動されると手も足も出ない。野外ではもちろん、ダンジョン内であっても長い通路や大部屋の両端では60フィート以上の距離が発生することはありえる。また当然ながら、60フィートは相手の〈カウンタースペル〉の射程内でもあるので、相手の呪文を打ち消そうとしたらそれをさらに打ち消される可能性がある。
- ② クリーチャーが呪文を発動しようとするのを視認した時:「視認する」必要があるため、相手が不可視化しているときや、君が盲目状態のときは使えない。また、「呪文発動秘匿」、サイオニックによる呪文発動、生得呪文発動能力など、構成要素を省いて発動できる場合も使えない。何の予備動作もなしに呪文を発動されると流石に打ち消せないということだろう。また、待機中の呪文を打ち消すこともできない。なぜなら、待機を宣言した時点ですでに呪文の発動が済んでいるからだ。したがって、視線の通らぬ所に隠れて呪文を待機し、その後リアクションで解き放つのであれば、発動の瞬間を視認したわけではないので、この呪文では打ち消せない。待機についてはPHBp193を、呪文発動の認識に関してはXGtEp85を参照のこと。
- ③ リアクションを用いて:既にリアクションを消費済みであれば、この呪文は発動できない。リアクションを用いて発動する呪文を複数準備あるいは修得済みのクリーチャーであれば、お互い読みあいになるので、緊張感が生まれて白熱すること請け合いであるが、やりすぎると他のプレイヤーが暇になるので程々にしよう。〈カウンタースペル〉も〈ディスペル・マジック〉同様、3レベル以上の呪文を妨害する際は能力値判定を要求される。
- ボーナス・アクションで呪文を発動したのと同一のターンには、初級呪文以外の呪文は使えないが、このルールは〈カウンタースペル〉にも適用される。自身のターンにこの呪文を使う時は気を付けよう。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文射程延長”:通常の射程は60フィートで決して遠くまで届く呪文ではない。その射程を120フィートまで伸ばし、相手の呪文を無効化することが可能。
〈スティンキング・クラウド〉
【精神集中】
効果範囲内に悪臭のするガスを出現させる。
ターン開始時に範囲内にいるクリーチャーは【耐久力】セーヴに失敗すると、そのターンアクションを行えない。
効果範囲内に悪臭のするガスを出現させる。
ターン開始時に範囲内にいるクリーチャーは【耐久力】セーヴに失敗すると、そのターンアクションを行えない。
- 〈フォッグ・クラウド〉の上位互換のような呪文。違いは相手のアクションをつぶすことができる点で、敵の無力化に活用することができるだけでなく、(PCとしては気が進まないだろうが)味方の籠城にも使える。
- 効果範囲は半径20フィート。角を回り込んで広がるので、矢狭間から矢を射かけてくる連中の中に撃ちこむこともできる。
- 【耐久力】セーヴは成功されやすい。なおかつ、"毒"に対するセーヴは有利や完全耐性を持っているクリーチャーも多い。プレイヤーが使用可能なクラスだとドワーフやハーフリングのスタウト、ユアンティ・ピュアブラッドなどが挙げられる。こちらに有利に使うこともできるので覚えておいた方がいいだろう。
- セーヴのタイミングは、「その効果範囲内でターンを開始した時」「自分のターンでこのガスの範囲に入った時」「誰かのターンでガスの範囲に押しやられた時」の3パターン。大型以上のクリーチャーだと、効果範囲の端にいると全身を覆えない可能性もあるので注意。
- セーヴに失敗した場合、相手はアクションを行えないが、潰れるのはアクションだけ(ボーナス・アクションや移動は可能)なのであまり強力な効果ではない。例えば狭い部屋の中に居る複数の敵に対し、戸口を塞いでからこの呪文を撃ち込む、など逃げ場がない状態で使うと効果的だ。
- このガスは"重度の隠蔽"を作り出す。範囲内の相手は見えなくなるため、遠距離攻撃やマジックユーザーへの対策として一定の効果を有する。逆にこちらも、攻撃や呪文の目標にするのが難しくなる。
- 「ガス」なので、〈ガスト・オヴ・ウィンド〉や〈ウォーディング・ウィンド〉などによって吹き散らされうる。
- ロールプレイするなら、相手に腐った卵をぶつけたり、周囲にミズバショウの葉をばら撒いたりすると面白いだろう。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文敵味方識別”:この呪文はセーヴィング・スローに成功したならば、大きな影響が起きないため、被害を抑えたまま相手の弱体化を見込める。
〈スリート・ストーム〉
【精神集中】
効果範囲内にみぞれ交じりの雨が降り注ぎ、移動困難地形と重度の隠蔽を作り出す。
範囲内に入ったりターンを開始したクリーチャーを、伏せ状態にしたり、呪文の精神集中を途切れさせる効果もある。
効果範囲内にみぞれ交じりの雨が降り注ぎ、移動困難地形と重度の隠蔽を作り出す。
範囲内に入ったりターンを開始したクリーチャーを、伏せ状態にしたり、呪文の精神集中を途切れさせる効果もある。
- クリーチャー自身のターンで効果範囲内に入るのが初めてか、その効果範囲内でターンを開始した時にセーヴが発生するため、敵クリーチャーの立っている場所にこの呪文を発動したとしても、そのクリーチャーのターンが来るまではセーヴは発生しない。なお、効果範囲に入ることは、自発的である必要はない。したがって、〈サンダーウェイヴ〉のような呪文でクリーチャーをそのエリアに押しやることは可能。ただし、ダメ―ジを受けるのは、ターンで最初にその範囲に入ったときだけであることに注意。出し入れしても、複数回判定が発生することはない。詳しくは、セージ・アドバイスのp19を参照のこと。
- "伏せ"状態の最大のメリットは近接攻撃を当てやすくなることだが、この呪文の場合、せっかく敵を"伏せ"状態にしても、近接攻撃を行うために範囲内に入っていくと、"伏せ"状態になるリスクがあるうえ、"重度の隠蔽"であるため周りが見えない。したがって、通常の状況では、"伏せ"状態にすることの利益がほとんどない。
- 空中にいるクリーチャーに対しても効果があるため、飛行中のクリーチャーは落とす手段としては使える。この呪文のセーヴは【敏捷力】であるため、【筋力】は高いが【敏捷力】はさほど高くないというクリーチャー(ドラゴンなど)は狙いどころ。
- また、精神集中を切らす効果もあるため、敵の術者に対して打ちたい呪文である。「見えている相手でなければ目標にできない」呪文は多いため、"重度の隠蔽"を作る効果も妨害として役立つかもしれない。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文敵味方識別”:〈スティンキング・クラウド〉同様、この呪文はセーヴィング・スローに成功したならば、大きな影響が起きないため、被害を抑えたまま相手の弱体化を見込める。
〈スロー〉
【精神集中】
範囲内のクリーチャーを6体選択し【判断力】セーヴを行い、失敗すると以下の効果を受ける。
範囲内のクリーチャーを6体選択し【判断力】セーヴを行い、失敗すると以下の効果を受ける。
- 移動速度が半分になる。
- ACと【敏捷力】セーヴに-2ペナルティ。
- リアクションを行えなくなる。
- 自身のターンにおいてアクションかボーナス・アクションのどちらかしか行えない。
- 複数回攻撃を行えない。
- アクションで呪文を発動するとき、1d20をロールして11以上だったなら、発動に2ターンかかってしまう。
- 相手の大幅な弱体化が望めるため、攻めのターンに一気に仕掛けるといいだろう。目標を選択できるので、乱戦状態の場所に撃ちこんでも味方を巻き込む必要がない。敵味方が入り乱れ、〈ファイアーボール〉などの範囲攻撃で一掃するのが難しい場合には役に立つ。
- 説明文中に「君が見ることのできる」と言う文言がないため、"不可視"状態であっても目標に取ることが可能。しかし目標が"完全遮蔽"の裏側にいた場合、呪文発動の基本原則である「遮るもののない目標までの直線」(PHBp204記載)が引けないため、目標にできない。
- 同時に〈ヘイスト〉の効果も受けた場合の作用については、〈スロー〉に関するあれこれを参照のこと。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文セーヴ妨害”:この呪文修正の目標は1体のみのため、一番厄介なクリーチャーの弱体化を成功させるために勧める。
- “呪文発動秘匿”:相手に〈カウンタースペル〉で打ち消されたくない場合に、この呪文修正を発動して回避ができるようになる。
〈ヒプノティック・パターン〉
【精神集中】
範囲内にいて幻を見たクリーチャーを魅了かつ無力状態にする呪文。
範囲内にいて幻を見たクリーチャーを魅了かつ無力状態にする呪文。
- 非常に強力なデバフ呪文。前衛職が動きやすくなるためおすすめできる呪文である。
- 射程が120フィートと長く、効果範囲もそれなりに大きいため、運が良ければこの一発で勝負を決めることも可能だ。また、魅了状態では社交的やりとりに有利を得られるため、無力化した上で情報を聞き出すことなどもできるかもしれない。
- また、飛んでいるクリーチャーにも作用するため、厄介な動きをする飛行能力があるクリーチャーを落とすことができる。その場合、高さによって落下ダメージを与えてしまうため1ターンで呪文効果が終了してしまうことに注意。
- この呪文を使う際、注意しなければならない点は以下のとおり。
- ① 幻を見ることができないクリーチャー、例えば"盲目"状態になっていたり、"疑似視覚"によってものを見ているクリーチャーは、対象にならない。
- ② エルフは魅了に対する耐性を持っており、効きづらい。
- ③ "無力"状態の目標に対する攻撃ロールは有利を得ない。"無力"状態はアクションとリアクションを行えなくなる状態であり、基本的にそれ以外の効果はない。
- ④ ダメージを受けたり、アクションを用いて揺り起こされると、この呪文の作用が終了してしまう。そのため、効果を維持したいならばダメージを与えてはいけない。縛り上げたり、武装を解除する際は、結果的に「揺り起こす」ことにならないか、DMに確認してみよう。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文射程延長”:もともと長い射程を240ftまで伸ばすことで、自由に動き回る敵対的クリーチャーをより捕まえやすくなる。
- “呪文敵味方識別”:この呪文は味方にも効果が及ぶため、“呪文敵味方識別”を用いて味方のセーヴを成功させるとさらに効果的。
- “呪文セーヴ妨害”:上記の呪文修正に加えて、併用することで敵のみを陥落させることができる。
〈フィアー〉
【精神集中】
円錐形内のクリーチャーに【判断力】セーヴを行わせる。
失敗すると、手に持ったものを落として恐怖状態になり、"早足"を使って安全なルートで術者から逃げる。
円錐形内のクリーチャーに【判断力】セーヴを行わせる。
失敗すると、手に持ったものを落として恐怖状態になり、"早足"を使って安全なルートで術者から逃げる。
- 簡単に敵を弱体化させることができる便利呪文であり、範囲も自身から30フィートと広範囲に及ぶため、一度に敵を切り崩すチャンスを作りやすい。
- ただしほとんどのクリーチャーの移動速度は30フィートであるため、隣接されるリスクがある。せっかく"恐怖"状態にしても、相手から攻撃を受けて精神集中が解ける可能性があることに注意。
- 逃走した後に術者から視線が通っていなければ、自身のターン終了時に【判断力】セーヴを行うことになるため、開けた場所で使うのがおすすめ。
- 相手が使ってくる場合は、〈ヒロイズム〉で無効にしたり、〈カーム・エモーションズ〉で抑止したり、バードの特徴「心を守る歌」で有利を与えることができることを覚えておこう。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文敵味方識別”:この呪文は味方にも効果が及ぶため、“呪文敵味方識別”を用いて味方のセーヴを成功させるとさらに効果的。
その他
〈ウォーター・ウォーク〉
10体までのクリーチャーが、水上を歩けるようになる呪文。
海や川を横切るだけでなく、例えば、急流をこの呪文をかけた馬二頭で筏を牽引して遡行することも可能である。
性能面も破格であり、儀式発動ができ、持続時間が1時間もあり、最大10体までのクリーチャーを目標にすることができる。
ちなみに、液体に沈んでいるクリーチャーにかけた場合、そのクリーチャーは浮かび上がってくるが、これは水中に潜れなくなるということでもある。したがって、水中に撤退していった敵を追いかけるには、まずこの呪文を終了させなければならない。そのためには、(1)持続時間が終了するか、(2)〈ディスペル・マジック〉で解呪するかしかない。よって、この呪文をパーティ全体にかける時は注意されたし。
性能面も破格であり、儀式発動ができ、持続時間が1時間もあり、最大10体までのクリーチャーを目標にすることができる。
ちなみに、液体に沈んでいるクリーチャーにかけた場合、そのクリーチャーは浮かび上がってくるが、これは水中に潜れなくなるということでもある。したがって、水中に撤退していった敵を追いかけるには、まずこの呪文を終了させなければならない。そのためには、(1)持続時間が終了するか、(2)〈ディスペル・マジック〉で解呪するかしかない。よって、この呪文をパーティ全体にかける時は注意されたし。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文持続時間延長”:海上の移動の際や、より多くの時間を費やす必要がある場合に有効な手段である。
〈ウォーター・ブリージング〉
10体までの味方に、水中での呼吸能力を与える呪文。
持続時間も24時間と破格であり、儀式発動も可能。その場合は準備している必要はない。
水中は言うに及ばず、水上を移動する時も保険としてかけておきたい。鎧を着たクリーチャーが川や、海に落ちてしまったときにも便利な呪文である。しかし、この呪文は水中での呼吸能力を提供するだけで、水中移動速度は提供しないので要注意。
水中は言うに及ばず、水上を移動する時も保険としてかけておきたい。鎧を着たクリーチャーが川や、海に落ちてしまったときにも便利な呪文である。しかし、この呪文は水中での呼吸能力を提供するだけで、水中移動速度は提供しないので要注意。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文射程延長”:射程を60フィートまで伸ばすことによって、手の届かない範囲にも届くようになる。
〈ウォータリー・スフィア―〉XGtE
【精神集中】
半径5フィートの水の球体を召喚する呪文。
中型なら4体、大型なら1体のクリーチャーを閉じ込めて、アクションで30フィートまで移動させることができる。
半径5フィートの水の球体を召喚する呪文。
中型なら4体、大型なら1体のクリーチャーを閉じ込めて、アクションで30フィートまで移動させることができる。
- 【筋力】セーヴを行わせ、失敗すると水球に閉じこめる。ローグやバードなどの、【敏捷力】は高いが【筋力】の低い目標には有効な手段である。
- 【筋力】セーヴの成否に関わらず水中にいることに変わりはないので、中にいるクリーチャーにはPHBp198の「水中戦闘のルール」が適用される。したがって特定の武器でなければ攻撃ロールは不利になる。外から内部のクリーチャーを攻撃する際に水中戦闘のルールが適用されるかはDM次第である。
- 水球に閉じ込めた後は30フィートまで移動させることが可能。高低差のある戦場でならば、敵を移動させて精神集中を解除すれば崖から落とすことができる。
- 味方全員で水球の中に入り、高所から安全に降下したり、〔火〕ダメージから身を護るために使うのもありだろう。
〈ガシアス・フォーム〉
【精神集中】
同意するクリーチャーをガス状にする。
同意するクリーチャーをガス状にする。
- 移動手段として飛行移動速度10フィートを得られるが、単純に飛行移動速度を得るだけならば、〈フライ〉の呪文をお勧めする。
- この呪文最大の特徴は、ガス化することによって鍵穴やひび割れなどの非常に狭い隙間を通り抜けられるようになることだ。守りの固い城壁の裏側に忍び込むことも可能だろう。
- しかしこの呪文によって非実体化したからと言って、"不可視"化するわけでもダメージを受けなくなるわけでもない。また、ガスであるため、〈ガスト・オヴ・ウィンド〉や〈ウィンド・ウォール〉などの類似の効果によって移動を阻まれることもある。また、こちらから攻撃することもできないし、呪文を発動することもできない。
- かような次第で、この呪文を使う際は戦闘に巻き込まれないように最大限気を付けよう。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文二重化”:守りの固い城壁の裏側に忍び込む際に、1度に前衛二人を向かわせることができる。
〈キャットナップ〉XGtE
10分の休憩で小休憩(1時間)と同じ利益を得る呪文。
- 通常の小休憩が取れればそれに越したことはないが、敵地で行動するパーティにそのような余裕が常にあるとは限らない。タイムアタックや長期キャンペーンでの最終章を実行中に何とか10分は稼げるというような状況であれば活躍するだろう。ウィザードの「秘術回復」やドルイド(土地の円環)の「自然魔法回復」も機能する。
- 目標は気絶状態になり、無防備になるので、必ず見張りは立てておきたいところである。この呪文は術者を目標にすることも可能(PHBp204「君自身を目標にする」を参照)である。や〈ロープ・トリック〉などで一旦異次元に隠れるという手もあるが、〈ロープ・トリック〉があるなら1時間安全に隠れられるので、本末転倒の感はある。
〈クレアヴォイアンス〉
【精神集中】
射程内に不可視のセンサーを作る。
見たり行ったことのある場所か、行ったことはないが明確に指定できる場所の様子を見聞きすることができる。
射程内に不可視のセンサーを作る。
見たり行ったことのある場所か、行ったことはないが明確に指定できる場所の様子を見聞きすることができる。
- 見知った場所が占拠されたり、盗賊の気配にいち早く気付いたときに有利をとれる。行ったことのある場所しか見聞きすることはできないが、あらかじめ会議室を訪れておいて、後に始まる作戦会議を盗み聞きしたり、ダンジョンから帰るときに入り口に敵が待ち伏せていないか確認するのには使える。
- 行ったことのない場所でも、明確に指定できるならセンサーを設置できるので、鍵のかかった扉の向こうや、隣の部屋の様子を探ることができる。しかし、この呪文自体が発動に10分かかる点に注意。敵地で発動するのは難しいだろう。
- 敵地の偵察に使う場合、そこが野外ならば、1マイル離れた場所から高台などに登って、上空にセンサーを出現させることができる。 上空からではあまり精度の高い情報を得られないかもしれないが、上空から大要を把握しつつ斥候を敵地に送り込むという補助的な使い方ならばできるはずだ。 (たとえば、鎖の契約のウォーロックと協力して不可視状態のインプを送り込み、必要に応じて撤退の指示を出すなど)
- DM次第であるが、術者が暗視やそれ以外の視覚を有している場合、センサー越しにも有効であるかもしれない。この考え方に立った場合、術者の感覚を強化することによって、はるか遠くから敵地を偵察したり、〈知覚〉判定に有利を得ることも可能であろう。
- この呪文に関するルール上の注意点は以下の通り。
- センサーは見えないだけで存在しているので、〈シー・インヴィジビリティ〉や"超視覚"を持つクリーチャーには発見される。
- センサーは不可視のため、〈ディテクト・マジック〉で探知することはできない。
- センサーは〈ディスペル・マジック〉の対象となる。
- 呪文名は「クレアヴォイアンス」であるが、旧版で言う所の「クレアオーディエンス」の効果も併せ持っている。日本語訳は透視・透聴だが、イメージとしては盗み見と盗み聞きの方が近いだろう。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文持続時間延長”:センサーの場所の位置によっては大いに役立つ。
〈タンズ〉
あらゆる言語の会話と聞き取りが可能になる呪文。
- この呪文があれば確実に交渉や盗み聞きができる。D&D世界では様々な種族が様々な言語を用いるので、キャラクターが習得してない言語が出てくる可能性は十分にある。その種族特有の特定の言語しか話さないクリーチャー相手に交渉するには必須の呪文だ。
- もしDMがSCAG112ページ記載の「オプション・ルール:ヒューマンの諸言語」を採用しているなら、地方によってヒューマンの用いる言葉も変わるので、この呪文の有用性も跳ね上がる事だろう。そうでなくとも、不慣れな言語や方言によって、聞き間違いや言い間違いで交渉が上手くいかない場合もあるかもしれない。逆に、キャラクターが言葉を流暢に話せるならば、相手方が警戒を解いたり、地元の人間だと信用してくれるかもしれない。
- この呪文を用いる際の注意点は以下のとおり:
- 読み書きはできないので、〈コンプリヘンド・ランゲージズ〉やウォーロックの妖術「ルーンの守り人の目」で補完しよう。
- 暗号や専門用語を理解できるようになるわけではない。英語の論文を読めたとて、その論文の内容を理解できるとは限らないのと同じだ。
- 1種類以上の言語を理解できるものでなければならないため、言語を持たないクリーチャーとは会話できない。
- あくまで会話が可能になるというだけで、相手の文化的背景までわかるわけではない。白旗が徹底抗戦の意思表示である文化圏も存在するかもしれない。君がDMなら、わざとプレイヤーを誤解させるようなジャスチャーや慣用句を使って、文化のすれ違いを表現するのも良いだろう。上手くやれば、世界観に深みが出る。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文二重化”:一度に二体にかけることで他種族とのコミュニケーションを絶やすことなく、二手に分かれることができる。
〈デイライト〉
120フィートを照らす光源を作り出す呪文。
物体を光らせるて持ち運ぶこともでき、その場合、物体を覆うことで光を隠すことができる。
物体を光らせるて持ち運ぶこともでき、その場合、物体を覆うことで光を隠すことができる。
- 簡単に解呪されず、覆い付きランタンと組み合わせて一時的な光源にもできるのでとても便利な呪文。精神集中無しで1時間持続し、〈ライト〉の3倍の照明範囲を持つ光を生み出せる。洞窟などで明かりを持った場合は、光源の外から狙われる危険もあるが、逆に、開けた場所では隅々まで照らし出すことができる。
- 費用対効果は良くないが、現代兵器における照明弾のように、視界を確保するだけでなく信号弾として用いることもできる。
- またこの呪文は、3レベル以下の魔法の暗闇を作り出す呪文と効果範囲が一部でも重なったら、即座にその呪文を解呪できる。特に、〈ダークネス〉呪文が発動できなくなる点が有用。
- 日本語訳では「陽光」だが、ルール上はこの光は日光ではない。(日光である場合は、呪文の説明文中に「日光」と明記されている)したがって、この呪文でドラウやコボルドの目を眩ませたり、ヴァンパイアにダメージを与えることはできない。ただしDMが特別な裁定を行う可能性はある。
〈メジャー・イメージ〉
【精神集中】
幻影を作り出す。
動かすことが可能で、視覚的効果だけでなく、音、臭い、温度も伴う。
幻影を作り出す。
動かすことが可能で、視覚的効果だけでなく、音、臭い、温度も伴う。
- 相手をだますこの呪文は攻めにも逃げにも活用できる。他の幻術呪文にも同様に言えることだが、使用者の機転が非常に重要となる呪文である。〈サイレント・イメージ〉などと違い音や匂いも生み出せることから、クリーチャーの幻を見せることに向いている。主な使い道は「ドラゴンなど強力なクリーチャーの幻影を見せて相手を撤退させる」「囮の幻影を見せて敵を持ち場から離したり伏兵を炙り出したりする」「城門が閉じるアニメーションを音付きで見せて、門が閉じたと思わせる」「仲間の幻を見せて情報を引き出したり戦闘を回避したりする」「物や人質などを盗み、代わりに幻を置いておく」などだろう。もちろん他の幻術呪文の代用として「幻の足場を見せる」「遮蔽を作る」「幻の中に隠れる」などの芸当も可能だ。応用範囲が非常に広い一方、積極的に使おうとしないと使う場面がない呪文でもある。是非色々と使い道を考えてDMに提案してみてほしい。
- 音やにおいを持つため、種類によっては"疑似視覚"を持つクリーチャーを欺くこともできる(とは言え、コウモリのようなソナーを用いた疑似視覚には無力であるが)。
- 相性の良い呪文修正能力
- “呪文発動秘匿”:〈ブリンク〉同様、相手の邪魔を回避しながら一方的に有利な盤面を構築しやすくなる。