初心者おすすめ呪文
〈ディスペル・マジック〉は戦闘でも探索でも幅広く使用できる汎用性の高い呪文。
〈ヒプノティック・パターン〉は超遠距離から範囲に対して無力化を試みることができ、雑魚敵集団に対して効果的。
〈プラント・グロウス〉は主に屋外でしか使用できないが、移動力コントロール呪文としての性能は破格である。
〈ヒプノティック・パターン〉は超遠距離から範囲に対して無力化を試みることができ、雑魚敵集団に対して効果的。
〈プラント・グロウス〉は主に屋外でしか使用できないが、移動力コントロール呪文としての性能は破格である。
バードの3レベル帯にはダメージを与えられる呪文がない。知の学派「魔法の秘密追加」で取得する呪文はこだわりがなければダメージを与える呪文(〈ファイアーボール〉など)を1つは選択した方が潰しが効きやすい。
HPを回復する/状態を終了する
〈ディスペル・マジック〉
目標に作用している3レベル以下の呪文をすべて終了させる。
4レベル以上の呪文に対しては、呪文発動能力に対する能力値判定を行う。(難易度は10+呪文レベル)
4レベル以上の呪文に対しては、呪文発動能力に対する能力値判定を行う。(難易度は10+呪文レベル)
- 戦闘や探索を問わず、幅広い局面で使われる呪文。
- 戦闘で使う:ウィザードやクレリックなどの呪文使いが敵に回るだけでなく、モンスターの中には生得呪文発動能力の特徴を有する個体もいる。これらのクリーチャーが呪文で自身の戦闘能力を強化したり、冒険者たちを直接傷つけるのではなく、何らかの妨害を仕掛けてくることはよくあるため、それらを打ち破るためにこの呪文が使われることになる。さて、ここで注意しなければならないことが幾つかある。
- 第一に、相手がウィザードやソーサラー、ウォーロックであれば〈カウンタースペル〉でこちらの〈ディスペル・マジック〉を妨害してくることは予想しておく方がよい。〈カウンタースペル〉の射程は60フィートに対し、〈ディスペル・マジック〉は120フィートなので、射程外から撃ち込むことで完全に封殺できる。その他の〈カウンタースペル〉対策については当該項目を参照のこと。
- 第二に、解呪する対象の呪文が、この呪文のレベルを上回っていた場合、能力値判定を要求される。たとえば、5レベル呪文を対象とした際、5レベルで発動したならば確実に解呪できるが、3レベルや4レベルで発動すると、解呪できるかは能力判定となる。この場合、3レベルで発動しても4レベルで発動しても、成功確率が変わるわけではないことに注意すべし。とはいえ、「バードの声援」や〈ガイダンス〉、インスピレーションを用いて成功確率を上げることは可能である。強力な呪文で防御している相手には、それらのリソースを惜しみなくつぎ込んで解呪してやろう。味方の助力を得て強力な魔法の守りを打ち破るのは、一つの見せ場にもなるだろう。
- 戦闘以外で使う:ダンジョン内の魔法の罠を取り除いたり、魔法の装置を壊して黒幕の計画をくじくのに使える。しかし、シナリオの都合上、DMが解呪可能かどうか、あるいは難易度がいくつかを明かしてくれないこともあろうかと思う。呪文を打ち消すためにこちらも呪文スロットを消費するので、無駄打ちにならないよう確実に決めていきたいところである。占術呪文を使ったり、【知力】〈魔法学〉判定に成功すれば、DMが、解呪可能か、可能ならば難易度はいくつなのか、教えてくれるかもしれない。いろいろ提案してみよう。
- また、この呪文にはいろいろな制約があるため、セージ・アドバイスを参考にしつつ、ディスペル・マジックに関するあれこれを記載したので、参考にされたし。
〈マス・ヒーリング・ワード〉TCoE
クリーチャー6体までのHPを1d4+【呪文発動能力の修正値】だけ回復する呪文。
- 範囲攻撃などで複数の味方が倒れた時、彼らを同時に戦場に復帰させることができるという点で非常に有用。
- ただし、回復量は1レベルの〈ヒーリング・ワード〉と同じなので、敵から再び攻撃を受ければ、ほぼ確実に倒れる。とくに5レベルのバードは、3レベルスロットが2つしかないので、範囲攻撃を受けるたびにこの呪文を唱えていては、あっという間にスロットが尽きて押し負けること確実である。唱えるなら、短期決戦を狙っていきたい。
自分や味方を支援する(バフ)
〈インテレクト・フォートレス〉TCoE
【精神集中】
同意するクリーチャー1体は、〔精神〕ダメージへの抵抗および、【知力】【判断力】【魅力】セーヴへの有利を得る。
同意するクリーチャー1体は、〔精神〕ダメージへの抵抗および、【知力】【判断力】【魅力】セーヴへの有利を得る。
- 〈ホールド・パースン〉や〈ドミネイト・パースン〉などの致命的な効果を防げる。
- 熊の「トーテム精霊」を選んだトーテム戦士の道のバーバリアンにこの呪文をかけると全ての種別に抵抗を得られる。
- 【知力】や【魅力】は、呪文使いでもない限り低いことが多い。 ファイターやバーバリアン、ローグなどをこの呪文で助けてあげよう。
敵を妨害する(デバフ)
〈エネミーズ・アバウンド〉XGtE
【精神集中】
クリーチャー1体の精神を支配し、見える者をすべて敵とみなすようにする。
そのクリーチャーはダメージを受けるたびにセーヴを行い、成功するとこの効果は終了する。
クリーチャー1体の精神を支配し、見える者をすべて敵とみなすようにする。
そのクリーチャーはダメージを受けるたびにセーヴを行い、成功するとこの効果は終了する。
- 判定は【知力】セーヴ。大抵のクリーチャーは【判断力】が高めである半面、【知力】が低めになっていることが多い。特に前衛を担うクリーチャーは【知力】が低いことが多い。
- セーヴに失敗すると、相手は、自身のターンにおいて、持っている攻撃手段、呪文、その他の能力の射程内で、かつ見ることができるクリーチャーの中から無作為に目標を選んで攻撃する。相手が近接攻撃手段しか持っていないならば、相手の移動範囲よりも遠くに位置取ることで目標の候補から外れることが可能だが、相手が遠隔武器や呪文発動能力を持っているなら、「無作為」な決定によって味方が狙われる可能性は十分にある。相手の視界を制限して目標をコントロールしたり、遠くから発動して(この呪文の射程は120フィートもある)相手の攻撃手段の射程の外で戦うとよいだろう。
- あるいは、単純に自軍よりも敵軍の方が数が多い場合に発動してもよいだろう。
- なお、何であれダメージを受けた時に再セーヴを行うので、呪文の効果を長続きさせるのあれば攻撃対象に含まないように注意する必要がある。
- また、よくあるデバフ呪文と違って、ターン終了毎のセーヴはない。
〈スティンキング・クラウド〉
【精神集中】
効果範囲内に悪臭のするガスを出現させる。
ターン開始時に範囲内にいるクリーチャーは【耐久力】セーヴに失敗すると、そのターンアクションを行えない。
効果範囲内に悪臭のするガスを出現させる。
ターン開始時に範囲内にいるクリーチャーは【耐久力】セーヴに失敗すると、そのターンアクションを行えない。
- 効果範囲は半径20フィート。角を回り込んで広がるので、矢狭間から矢を射かけてくる連中の中に撃ちこむこともできる。
- 判定は【耐久力】セーヴで、成功されやすい。なおかつ、〔毒〕に対するセーヴは有利や完全耐性を持っているクリーチャーも多い。PCが使用可能なクラスだとドワーフやハーフリングのスタウト、ユアンティ・ピュアブラッドなどが挙げられる。こちらに有利に使うこともできるので覚えておいた方がいいだろう。
- セーヴのタイミングについては、「その効果範囲内でターンを開始した時」「自分のターンでこのガスの範囲に入った時」「誰かのターンでガスの範囲に押しやられた時」「前述の状況で、さらに自分のターンが来る前にガスの範囲から出た時」「ガスの範囲に入って自分のターンを開始したが、全身がガスの範囲に収まっていない時」である。特に、大型以上のクリーチャーでは効果範囲の端にいると全身を覆えない可能性もある。
- セーヴに失敗した場合、相手はアクションを行えないが、潰れるのはアクションだけ(ボーナス・アクションや移動は可能)なのであまり強力な効果ではない。例えば狭い部屋の中に居る複数の敵に対し、戸口を塞いでからこの呪文を撃ち込む、など逃げ場がない状態で使うと効果的だ。
- さらに、このガスは"重度の隠蔽"を作り出す。範囲内の相手は見えなくなるため、遠距離攻撃やマジックユーザーへの対策として一定の効果を有する。逆にこちらも、攻撃や呪文の目標にするのが難しくなる。
- 「ガス」なので、〈ガスト・オヴ・ウィンド〉や〈ウォーディング・ウィンド〉などによって吹き散らされうる。
- ロールプレイするなら、相手に腐った卵をぶつけたり、周囲にミズバショウの葉をばら撒いたりすると面白いだろう。
〈スロー〉TCoE
【精神集中】
範囲内のクリーチャーを6体選択し【判断力】セーヴを行い、失敗すると以下の効果を受ける。
範囲内のクリーチャーを6体選択し【判断力】セーヴを行い、失敗すると以下の効果を受ける。
- 移動速度が半分になる。
- ACと【敏捷力】セーヴに-2ペナルティ。
- リアクションを行えなくなる。
- 自身のターンにおいてアクションかボーナス・アクションのどちらかしか行えない。
- 複数回攻撃を行えない。
- アクションで呪文を発動するとき、1d20をロールして11以上だったなら、発動に2ターンかかってしまう。
- 目標を選択できるので、乱戦状態の場所に撃ちこんでも味方を巻き込む必要がない。
- 説明文中に「君が見ることのできる」と言う文言がないため、相手が不可視状態であったり、"重度の隠蔽"の中にいたり、君が盲目状態であっても、目標に取ることが可能。しかし目標が完全遮蔽の裏側にいた場合、呪文発動の基本原則である「遮るもののない目標までの直線」(PHBp204記載)が引けないため、目標にできない。
〈ビストウ・カース〉
【精神集中】
クリーチャー1体に呪いをかける。
クリーチャー1体に呪いをかける。
- 呪いの内容はどれも強力かつ選択肢も多い。目標のターン終了時ごとに再度セーヴを行う呪文ではないので、精神集中が途切れるまで呪いは継続する点も強力。
- くわえて、5レベル以上で発動するなら、その精神集中さえ不要となる。持続時間が8時間もあるので、逃げられても効果が持続するし、交渉事の事前の仕込みとして使うこともできる。たとえば、この呪文による呪いを解くことを条件に、相手に仕事を強要するなど、悪属性のロールプレイに活かせるだろう。
- 効果は基本的には4つの効果から選択となるが、DMの判断次第では他の効果を適用できるので提案してみてもいいだろう。移動力の減退や飛行の禁止、特定のアクションの制限などが考えられる。この際の有効な追加物質構成要素はピザだ。
- ただし、この呪文をかけるには相手に接触する必要がある。魔法を使用する後衛型バードにとっては前線に出ること自体がリスクのため過信は禁物。
- 単体の弱体化・無力化という意味では〈ホールド・パースン〉に近いが、こちらは人型生物以外にも使用でき、制約が多い代わりに与えられる効果の範囲に選択肢がある。ただしどれも効果としては麻痺より弱く、またこの呪文の発動は相手に接触する必要がある。
〈ヒプノティック・パターン〉
【精神集中】
範囲内にいて幻を見たクリーチャーを魅了かつ無力状態にする。
範囲内にいて幻を見たクリーチャーを魅了かつ無力状態にする。
- 非常に強力なデバフ呪文。効果範囲もそれなりに大きく、運が良ければこの一発で勝負を決めることも可能だ。また、魅了状態では社交的やりとりに有利を得られるため、無力化した上で情報を聞き出すことなどもできるかもしれない。
- ただし、注意しなければならない点が幾つかある。
- ① 幻を見ることができないクリーチャー、例えば盲目状態になっていたり、"疑似視覚"によってものを見ているクリーチャーは、対象にならない。
- ② エルフは魅了に対する耐性を持っており、効きづらい。
- ③ 無力状態の目標に対する攻撃ロールは有利を得ない。無力状態はアクションとリアクションを行えなくなる状態であり、基本的にそれ以外の効果はない。
- ④ ダメージを受けたり、アクションを用いて揺り起こされると、この呪文の作用が終了してしまう。そのため、効果を維持したいならばダメージを与えてはいけない。縛り上げたり、武装を解除する際は、結果的に「揺り起こす」ことにならないか、DMに確認してみよう。
〈フィアー〉
【精神集中】
円錐形内のクリーチャーに【判断力】セーヴを行わせる。
失敗すると、手に持ったものを落として恐怖状態になり、早足アクション使って安全なルートで術者から逃げる。
円錐形内のクリーチャーに【判断力】セーヴを行わせる。
失敗すると、手に持ったものを落として恐怖状態になり、早足アクション使って安全なルートで術者から逃げる。
- 射程距離は短く、前に出てから発動する必要があるためリスクが高い。せっかく恐怖状態にしても、相手から攻撃を受けて精神集中が解ける可能性がある。
- 逃走した後に術者から視線が通っていなければ、自身のターン終了時に【判断力】セーヴを行うことになるため、開けた場所で使うのがおすすめ。
- 相手が使ってくる場合は、〈ヒロイズム〉で無効にしたり、〈カーム・エモーションズ〉で抑止したり、バードの特徴「心を守る歌」で有利を与えることができることを覚えておこう。
〈プラント・グロウス〉
半径100フィートの範囲に草を茂らせ、非常に強力な移動困難地形(1フィート移動するごとに4フィート分の移動が必要になる)と化す呪文。
- きわめて広い範囲で強力に敵の移動を封じることができる。しかし、周囲に植物がないと使えない。
- 野外戦闘ではこの呪文で敵を完全に足止めできる可能性がある一方、極地や屋内では全く役に立たない可能性が高い。もし森や草原以外で使うなら、あらかじめ種子を大量に持ち歩いて、呪文の発動の前にばら撒き、敵を待ち構える必要がある。
- 範囲内では「1フィート移動するごとに4フィート分の移動が必要になる」が、「移動困難地形(1フィート移動するごとに2フィート分の移動が必要になる)」を作るわけではない。したがって、この呪文の範囲と移動困難地形が重なった場合、効果が重複する。その際、「移動速度が1/4になる効果と移動速度が1/2になる効果が重なるので、掛け算して移動速度は1/8になる」と解釈するのか、「1フィート移動するごとに3フィート余計に費やす効果と、1フィート余計に費やす効果が重なるので、足し算して合計5フィート消費する」と解釈するのかは明記されていない。君の卓のDMの判断に従うこと。
- この呪文はもう一つの効果があり、8時間かけて発動させると、範囲内の農作物を豊作にすることができる。君の卓で、冒険の合間に領地経営をするなら使うかもしれない。
その他
〈キャットナップ〉XGtE
10分の休憩で小休憩(1時間)と同じ利益を得る呪文。
- 通常の小休憩が取れればそれに越したことはないが、敵地で行動するパーティにそのような余裕が常にあるとは限らない。タイムアタックや長期キャンペーンでの最終章を実行中に何とか10分は稼げるというような状況であれば活躍するだろう。、ウィザードやドルイド(土地の円環)の呪文スロットを回復させる特徴も機能する。
- 目標は気絶状態になり、無防備になるので、必ず見張りは立てておきたいところである。この呪文は術者を目標にすることも可能(PHBp204「君自身を目標にする」を参照)である。や〈ロープ・トリック〉などで一旦異次元に隠れるという手も有効である。
〈グリフ・オヴ・ウォーディング〉
呪文を仕掛けておき、あらかじめ決めた条件を満たすと発動して侵入者を罠にかける呪文。
- 特性上、防御戦やダンジョンなどの罠に用いられることが多い。
- 高レベルになれば拠点を持つこともあるだろうし、キャンペーンシナリオの途中で拠点防衛線を行うこともないわけではない。
- 仕掛けた際は、〈ニストゥルズ・マジック・オーラ〉や〈ノンディテクション〉で魔法のオーラを隠すことで隠蔽や攪乱を狙える。
- なお、仕掛けた位置から10フィート以上移動したなら破壊される。したがって、持ち運んで奇襲に備えたり、敵に投げつけて攻撃することはできないので注意しよう。
- 〈グリフ・オヴ・ウォーディング〉には「爆発のルーン」と「呪文の秘文」の2つの用途がある。
- ① 爆発のルーン:半径20フィートの角を回り込む魔法のエネルギーが炸裂し、5d8のダメージを与える。平均値22.5ポイントとなかなかのものだが、〈ファイアーボール〉(平均28ポイント)を覚えているなら、そちらを「呪文の秘文」で閉じ込めた方がダメージは高くなる。いずれにしても、誤って味方が発動させてしまわないように発動条件には注意しよう。
- ② 呪文の秘文:3レベル以下の好きな呪文を封じられる。何を選ぶかは、最もPLの力量が問われるところだ。なお、封じることのできる呪文はクリーチャー1体か一定の範囲を目標とする呪文でなければならない。たとえば、こんな活用があるだろう。
- 〈ヒプノティック・パターン〉を仕掛け、侵入者に幻影を見せて足止めをする。
- 〈ホールド・パースン〉で動きを止め、その後、エリアに対してダメージが発生する呪文(〈クラウド・オヴ・ダガーズ〉など)でなぶり殺しにする。
- バフ呪文(〈ヒロイズム〉など)を大量に封じておき、重要な戦いの前にまとめて発動させる。(大量の時間とコストがかかることに注意)
〈クレアヴォイアンス〉
【精神集中】
射程内に不可視のセンサーを作る。
見たり行ったことのある場所か、行ったことはないが明確に指定できる場所の様子を見聞きすることができる。
射程内に不可視のセンサーを作る。
見たり行ったことのある場所か、行ったことはないが明確に指定できる場所の様子を見聞きすることができる。
- この呪文の主な使い道は偵察や監視、盗聴等だろう。行ったり見たりした場所しか見聞きすることはできないが、異変が起きた時に別の場所を見たり、あらかじめ会議室を訪れておいて、敵の会話を盗み聞きしたりすることができる。
- 行ったことのない場所でも、明確に指定できるならセンサーを設置できるので、鍵のかかった扉の向こうや、隣の部屋の様子を探ることができる。しかし、この呪文自体が発動に10分かかる点に注意。敵地で発動するのは難しいだろう。
- 敵地の偵察に使う場合、そこが野外ならば、1マイル離れた場所から高台などに登って、上空にセンサーを出現させることができる。 上空からではあまり精度の高い情報を得られないかもしれないが、上空から大要を把握しつつ斥候を敵地に送り込んだり、むという補助的な使い方ならばできるはずだ。 (たとえば、鎖の契約のウォーロックと協力して不可視状態のインプを送り込み、必要に応じて撤退の指示を出すなど)
- DM次第であるが、術者が暗視やそれ以外の視覚を有している場合、センサー越しにも有効であるかもしれない。この考え方に立った場合、術者の感覚を強化することによって、はるか遠くから敵地を偵察したり、〈知覚〉判定に有利を得ることも可能であろう。
- この呪文に関するルール上の注意点は以下の通り。
- センサーは見えないだけで存在しているので、〈シー・インヴィジビリティ〉や"超視覚"を持つクリーチャーには発見される。
- センサーは不可視のため、〈ディテクト・マジック〉で探知することはできない。
- センサーは〈ディスペル・マジック〉の対象となる。
- 呪文名は「クレアヴォイアンス」であるが、旧版で言う所の「クレアオーディエンス」の効果も併せ持っている。日本語訳は透視・透聴だが、イメージとしては盗み見と盗み聞きの方が近いだろう。
〈スピーク・ウィズ・デッド〉
死者に質問をする呪文。
- 制限事項はかなり多いが、冒険者であればダンジョンでもシティアドベンチャーでも死体を目にするタイミングは多く、使用できるタイミングはそれなりにあるだろう。ただし、「この呪文には死体に真実を話すよう強いる力はない」というのが曲者で、敵対的なクリーチャーを起こしても意味がない。一応〈ディスガイズ・セルフ〉などと組み合わせれば敵対的クリーチャーからも情報を引き出せる可能性はあるが、貴重な呪文スロットを2つ消費する価値があるかは判断が難しいところだろう。
- 人間の死体である必要はないので、〈スピーク・ウィズ・アニマルズ〉などと組み合わせれば動物の死体から情報を聞き出すことが可能。
- ただし、死体はクリーチャーではないので〈ゾーン・オヴ・トゥルース〉が効かない点には注意。
〈スピーク・ウィズ・プランツ〉
植物との会話が可能になる呪文。
- 植物と会話し、自律行動能力を与える呪文。「植物たち」とあるので、範囲全体に効果がある。スピークと言いつつできることは割と多様で、質問をすることはもちろん移動困難地形の解除/生成、場合によっては遮蔽の生成や簡易的な足場の生成、下生えで物を隠したりといったこともできるかもしれない。また、ブラウン・モールドやキノコなどの有害な胞子の噴霧を一時的に止めさせることができるかもしれない。当然周囲に植物がなければ効果がないので、主にウィルダネスアドベンチャー向けの呪文。
- また、〈ロケート・アニマルズ・オア・プランツ〉と組み合わせれば、話し相手である植物を探すことができるが、2レべルと3レベルのスロットを1つずつ使うのでコストパフォーマンスは悪い。
〈センディング〉
術者と目標との間で、75文字までのメッセージのやり取りをする呪文。
- 説明文中に75文字までとあるが、原文では「25words」となっている。したがって、おそらく「ひらがな/カタカナで75文字」という意味だろう。漢字を使ってよいとすると英語25単語に比べて情報量が多すぎる。
- この呪文のいい所は、術者と目標同士が同一次元界にいるならば、必ずメッセージを伝達できるということである。それどころか、別の次元界にいても失敗確率5%で届く(ただし、魔法的に妨害されうる可能性や、目標が受信できない状況であることを除く)。
- 誰かから依頼を受けて長期間の探索任務に就いている冒険者が、依頼主に進捗状況や定時連絡を行ったり、生存確認として使うことが考えられる。また、依頼主から追加の任務を課されることもあるだろう。定時連絡にはうってつけの呪文だ。また、仲間が人質に取られたり誘拐された場合、トラップなどにより分断された場合などでも連絡を取ることができる。(まぁ往々にして分断されても「何故か」相手の状況がメタ的に分かってしまうこともあるが)
- 便利な呪文ではあるが、戦闘や探索にはたいして役立たない場面も多いので、遠距離でどうしても連絡を取り合いたい人が居る時に。
- 参考までに、75文字と言うのがどのくらいの情報量なのか、例文を書いてみた。
「ワレ ジャングルノ オクチニテ ウシナワレシミヤコヲ ハッケンセリ サレド ユアンティ ノ シュウゲキニヨリ ジンイン ナナメイヲ ソンモウセリ スミヤカニ ゾウエンヲ モトム」
- 君がDMなら、数文字の超過は多目に見てやっても良いだろう。あまり長いのは考え物だが。
〈タンズ〉
あらゆる言語の会話と聞き取りが可能になる呪文。
- この呪文があれば確実に交渉や盗み聞きができる。D&D世界では様々な種族が様々な言語を用いるので、キャラクターが習得してない言語が出てくる可能性は十分にある。その種族特有の特定の言語しか話さないクリーチャー相手に交渉するには必須の呪文だ。
- もしDMがSCAG112ページ記載の「オプション・ルール:ヒューマンの諸言語」を採用しているなら、地方によってヒューマンの用いる言葉も変わるので、この呪文の有用性も跳ね上がる事だろう。そうでなくとも、不慣れな言語や方言によって、聞き間違いや言い間違いで交渉が上手くいかない場合もあるかもしれない。逆に、キャラクターが言葉を流暢に話せるならば、相手方が警戒を解いたり、地元の人間だと信用してくれるかもしれない。
- この呪文を用いる際の注意点は以下のとおり:
- 読み書きはできないので、〈コンプリヘンド・ランゲージズ〉やウォーロックの妖術「ルーンの守り人の目」で補完しよう。
- 暗号や専門用語を理解できるようになるわけではない。英語の論文を読めたとて、その論文の内容を理解できるとは限らないのと同じだ。
- 1種類以上の言語を理解できるものでなければならないため、言語を持たないクリーチャーとは会話できない。
- あくまで会話が可能になるというだけで、相手の文化的背景までわかるわけではない。白旗が徹底抗戦の意思表示である文化圏も存在するかもしれない。君がDMなら、わざとPLを誤解させるようなジャスチャーや慣用句を使って、文化のすれ違いを表現するのも良いだろう。上手くやれば、世界観に深みが出る。
〈ノンディテクション〉
占術魔法による探知や魔法的な念視のセンサーによって探知されなくなる。
- 〈ディテクト・マジック〉〈ディテクト・ソウツ〉〈シー・インヴィジビリティ〉〈スクライング〉などによって発見されなくなるのは大きな利点。味方の隠密行動を確実化するために使いたい。
- その他、マインドフレイヤーやナイト・ハグのような生得呪文として〈ディテクト・ソウツ〉を持つクリーチャーと相対した時に対策として有効。残念ながらドッペルゲンガーの思考読解には効かない。
- 〈ガイダンス〉〈フォアサイト〉などの有用な効果の目標にもならない点には注意が必要。
- なお、発動のたびに物質構成要素として25gpを消費するため、事前に用意しておこう。インスマスでもない限り、さびれた漁村にダイヤモンドの粉末があることを期待しない方がよい。
- この呪文の効果は占術「呪文」ではなく占術「魔法」から護られるとあるので、占術であると裁定されれば魔法のアイテムや魔法の罠、魔法的効果全般に作用するものと思われる。
- クリーチャーが生来持つ能力である「超視覚」は魔法ではないので、お構いなしに探知してくる。
- ③:特定のレベル以下の呪文に関する完全耐性を持つクリーチャーなども、お構いなしに探知してくる。
- ④:公式デザイナーのTwitterでの回答によれば、〈トゥルー・シーイング〉によって得られた視覚からも隠されるとのこと。
- ⑤:WOtCスタッフのTwitterでの回答によれば、パラディンの特徴である「聖邪感知」は魔法でないので〈ノンディテクション〉で隠蔽することはできないとのこと。
- ⑥:DM次第だが、あらゆる占術から護られると解釈するなら、〈フォアサイト〉の不意打ちを受けなくなる効果や、攻撃者の攻撃ロールに不利を付ける効果を無効化できるかもしれない。
- 参考:〈ノンディテクション〉によって無効になる占術を列挙してみた。(こちら)
〈フェイン・デス〉
死を偽装する呪文。
- 「状態を確認するような呪文に対しても、死んでいるように見える」ので、ペテンに用いることができそうである。例えば死体になるしか脱出できないような場所から抜け出したり、というような(非常に限られた)シチュエーションにはもってこいの呪文。
- また、目標が毒や病気に置かされていたばあい、この呪文によって進行を止めることができる。ただし止まると言っても1時間が限度なので、その間に何らかの対策は必須である。
- ただし注意しなければならないのは、呪文を途中で終了させるには、この呪文をかけた術者が直接触れねばならないということだ。今すぐにでも呪文の効果を終了させて自律行動させねばならぬという時に、この呪文をかけた術者が隣にいないと好き放題にされてしまう。
- なお、時間さえあれば呪文スロットを消費せずに“儀式発動”が可能。
〈メジャー・イメージ〉
【精神集中】
幻影を作り出す呪文。
動かすことが可能で、視覚的効果だけでなく、音、臭い、温度も伴う。
幻影を作り出す呪文。
動かすことが可能で、視覚的効果だけでなく、音、臭い、温度も伴う。
- 使い道は状況次第で多岐にわたる。他の幻術呪文にも同様に言えることだが、使用者の機転が非常に重要となる呪文である。〈サイレント・イメージ〉などと違い音や匂いも生み出せることから、クリーチャーの幻を見せることに向いている。主な使い道は「ドラゴンなど強力なクリーチャーの幻影を見せて相手を撤退させる」「囮の幻影を見せて敵を持ち場から離したり伏兵を炙り出したりする」「城門が閉じるアニメーションを音付きで見せて、門が閉じたと思わせる」「仲間の幻を見せて情報を引き出したり戦闘を回避したりする」「物や人質などを盗み、代わりに幻を置いておく」などだろう。もちろん他の幻術呪文の代用として「幻の足場を見せる」「遮蔽を作る」「幻の中に隠れる」などの芸当も可能だ。応用範囲が非常に広い一方、積極的に使おうとしないと使う場面がない呪文でもある。是非色々と使い道を考えてDMに提案してみてほしい。
- 音やにおいを持つため、種類によっては"疑似視覚"を持つクリーチャーを欺くこともできる(とは言え、コウモリのようなソナーを用いた疑似視覚には無力であるが)。
〈レオムンズ・タイニイ・ハット〉
中型以下のクリーチャーが9体入れる、安全なドームを作り出す呪文。
- 安全に休憩できるため、ウィルダネスを旅する際には必ず持っておきたい呪文の一つ。特に極寒のアイスウィンド・デイルやチャルトのジャングルを旅する冒険者には心強い味方だ。呪文スロットを使わずとも儀式発動できるのもありがたい。
- ただし、大型クリーチャーはこのドームに入れない(入ったならば、この呪文は終了する)。中型以下のクリーチャーが10体以上入った場合も同様に終了する。大型の乗騎や荷役獣を伴っていたり、10人以上の隊商を組んでいる場合は問題になるだろう。
- また、特に手を打たない限り、外側から丸見えになる。敵に見つかった場合、以下のような危険がある:
- ① 呪文が終了するまで外で待ち伏せされる。
- ② 〈ディスペル・マジック〉によって突破される。(休憩中にこれをされると絶体絶命である)
- ③ ドームの範囲は地下にまでは及んでいないので、穴掘り移動ができるクリーチャーに侵入される。
- これを防ぐために、幾つかの対策を紹介する:
- ① 〈アラーム〉呪文や、鳴子を仕掛けて敵の接近を事前に察知する。
- ② ドームの色は変えることができるため、周囲の色に合わせて保護色にする。
- ③ 〈ハリューサナトリ・テレイン〉などの幻術によって、ドームの周囲の地形に偽の地形の幻像を重ねて隠す。
- もし敵に見つかって戦闘になった場合、ドームの中にいたクリーチャーや物体は自由に出入りできるため、これを利用して中から一方的に遠隔武器攻撃を行うことが可能である。呪文の場合、「呪文や魔法的な効果はこのドームを通過できず、壁越しに発動することもできない」が、ドームから外に出て発動し、その後すぐドームの中に戻れば何の問題もない。