くうちゅうせんかんぱるきまいら
古の魔法帝国が開発した超兵器の1種。7機が現存、うち5機が運用可能な状態であり、
神聖ミリシアル帝国による研究が進んでいる。
数える単位は「隻」「機」のいずれかで、統一されていない。
上下から俯瞰すると
メルセデスベンツのマークに似ている。※参考 中央部に艦橋があり、リング部分に主砲と主エンジン、支柱にアトラタテス砲と補助エンジンがついている。リング部分は回転させることが可能。
速度は航空機としてみると遅いが、艦艇としてみるとかなり速い。
各エンジンの出力を調整することで機体を傾け、ヘリコプターのような要領で進行方向を制御できる。浮遊
魔法の副作用として、水しぶきを起こす程度のダウンウォッシュや「ゴゴゴゴゴ…」と音が発生する。
戦艦を名乗っているが、肝心の装甲は
対空魔光弾に対応する程度でSM-2の直撃で船体が破損するなど非常に脆い。魔素による装甲強化でバリアを張ることができるが、対空用の40mm砲弾には無傷だったものの、SM-2の直撃2発で破られるなど耐久力は高くない。
ただし200km/hもの高速で移動するため、FCSや誘導弾がないと、よほどのまぐれが起きない限りは砲撃は当たらない。
空気抵抗を減らすために艦橋は低く抑えられ、アトラタテス砲も外壁に埋め込む方式をとっている。
ただし、ミ帝の技術的問題か不明だが、海抜300mよりも高度が上がる様子はなく、艦自体の重量のせいで旋回や加速が非常に遅いと言う欠点がある。
200km/hを長時間維持できるのであれば、第二次大戦レベルの偵察機相手なら、哨戒範囲を夜間突破できそうである。夜間または夜明けに奇襲などされると、レーダー無しだと対応が難しそうな兵器。惑星半径が
地球の2.5倍、水平線距離が1.6倍の惑星だとしても、レーダー搭載の夜間偵察機やレーダーピケット艦が欲しくなりそう。
神聖ミリシアル帝国保有状況
その特殊な立ち位置のため、
運用は軍ではなく「魔帝対策省古代兵器分析戦術運用部」という専門の機関の部署が請け負っている。秘匿性の高い仕事だけあって、ここで働く者は
仮面をかぶりお互い暗号で呼び合っている。解析もこの機関だが、ミ帝にとっても難解すぎるため思うように解析できていないようだ。詳細は後述する。
魔帝の兵器とはいえ運用者がこの時は
グラ・バルカス帝国のかませ犬にされがちだったミ帝。しかも2号機艦長の
メテオスがさらにフラグを立てていった為、一部読者からはやられ役&ネタ要員と見られていた。
クルセイリース大聖王国の保有状況
なんと古の超兵器P3にて「聖帝ガウザー」という名前で1隻だけ極秘に配備されていたことが判明。
王家直轄の聖王直轄飛空艦隊の旗艦として運用しており、乗員はミリシアルの乗員とほぼ同じ姿をしている。
900年前に東方世界のある国から偶然発掘された物らしく、国の拡大期に貢献した聖帝の名前をそのまま付けて運用されていた。
またミリシアルの保有する艦との違いとして、多数の
魔帝製対艦誘導魔光弾及び閃光魔法
クルスカリバーを装備している。対艦魔光弾の発射方式はミサイル発射機から垂直に撃ち出されているため、護衛艦のMk41ミサイル発射機と同様にVLS方式になっていると思われる。一度に少なくとも10発の対艦魔光弾の斉射が可能であり、現状11発の発射まで確認されているため、対艦魔光弾は少なくとも11発は搭載可能である。主砲とジビルに関しては、本編では記載がないため搭載しているか不明。
電子戦装備にも違いがあり、ミリシアルの保有していた艦は
ナハナート沖大海戦時に護衛艦からの電子対抗手段(ECM)によりレーダーが使用不可能に陥り、対抗手段として対電子対策(ECCM)を使用しても効果がなかったが、護衛艦と対峙したクルセイリースが保有する艦はレーダーや通信が使用不可能といった状態に陥らなかった。そのため、魔帝本来の電子戦能力に関しては現代の地球側と遜色はないと考えられる。
作中では軍王の入れ知恵によって出された聖王命で50隻の
飛空艦と共にワカスーカルトに向けて出撃した。
実戦
ミ帝では再生産が不可能な兵器ゆえにそれまでは使われてこなかったが、皇帝
ミリシアル8世の命により、2隻が投入される。
前述のとおりフラグを建てながらの登場だったので不安視する声が大きかったが、大方の予想に反し善戦する。
アンタレス型艦上戦闘機の20mm機銃は
魔素による装甲強化で対応、塗装のみの被害にとどめる。装甲強化のレベルは「ほのかな光が包む」程度のミ帝のそれとは桁違いらしく、「光を屈折させる青いスクリーン状の魔素の膜」に覆われ、いかにも強力そうに見える。
急降下爆撃機の攻撃はアトラタテス砲で対処、一瞬にして撃破している。
艦船に対しては、高角砲の有効射程外からグラ・バルカス帝国では不可能な精度で15cm砲を命中させ、多数の駆逐艦や巡洋艦を撃沈する。しかし
ヘルクレス級戦艦には、さすがに15cm砲では致命傷を与えられなかった。
そこで敵艦の対空砲の射程内に突入し、魔法障壁(装甲強化)で防御しながら戦艦直上まで肉薄。切り札である超大型爆弾「
ジビル」を投下。ようやくとどめを刺す(乗組員全員死亡)が、「
ジビル以外、グラ・バルカス帝国の戦艦に致命傷を与えられる武器が無い」ことが判明。これが新たなフラグになってしまう。
1号機が、戦艦『
グレードアトラスター』に「ジビル」を直撃させようと直線飛行をした際、徹甲弾による斉射を受け、奇跡的にその内の一発が命中。機関部が爆発し、魔力燃料にも引火して、1号機はばらばらになってバルチスタの海に散った。
皇帝ミリシアル8世から「万が一1機でも損傷した場合は撤退せよ」と命じられていた2号機の艦長メテオスは、泡を食って撤退。
バルチスタ沖大海戦は「
戦術的には痛み分け、戦略的には制海権を守り通したグラ・バルカス帝国の辛勝」という結果に終わることになる。(
戦略的に完勝と言えるのは、戦術的に圧勝して
「敵の心を折った」場合。すなわち、神聖ミリシアル帝国を含むすべての敵国に
「我々はグラ・バルカス帝国には勝てない」という意識を植え付けるのに成功した場合である。)
なお、メテオスはこれによりプライドを傷つけられ、グラ・バルカス帝国と戦艦『グレードアトラスター』に、逆恨みに近い遺恨を抱くことになった。
2号機はその後、
グラ・バルカス帝国連合艦隊の
日本侵攻開始後、
政治的な思惑もあって援軍として出撃する。
ロデニウス大陸南方海上で、ナハナート基地司令
八神の要請で待機中に、連合艦隊本隊への攻撃が始まり、搭載していた超望遠魔導波検出装置で一部始終を目撃・記録する。
連合艦隊本隊が半数以上を失ってもなお進撃を続け、航空
自衛隊の空対艦誘導弾が底をつきかけたことで、海上自衛隊第4護衛隊群司令
坂野からの要請で参戦。辛うじて戦意を保っていた連合艦隊に向けた外周からの攻撃は、連合艦隊へのダメ押しとなった。
連合艦隊が撤退する中、『グレードアトラスター』と第八八艦隊15隻が諦めずに
ナハナート王国へ突入していくところへ2号機が立ちふさがる。メテオスはバルチスタ沖での雪辱を晴らしたかったが、第八八艦隊に阻まれる。しかし慎重な攻撃によって、その全艦を戦闘不能に追い込んだ。
1号機の仇の『グレードアトラスター』は、自衛隊の攻撃で大破・行動不能となり海戦は終結。なお、この結末に、メテオスが何を思ったかは語られていない。
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〔最終更新日:2024年06月20日〕
最終更新:2024年06月20日 17:14