進路変更
※出撃するきっかけとなった事例については
日・グ大海戦を参考に。
先発隊約440隻を失った
カイザルは、日本本土を奇襲する部隊を
リーム王国駐屯軍から派遣すると同時に、本艦隊をナハナート王国の日本側前線基地に向け、補給をせずに速攻をかける決意をする。
日本本土攻撃をあきらめる代わりにナハナート王国を滅亡させ、日本に政治的ダメージを与える戦略であった。
リーム王国駐屯部隊と
超重爆撃機連隊による攻撃は、日本に一切の損害を与えられなかったが、日本が本土防衛のために一部の部隊を帰還させたことにより、陽動としての役割は達成されてしまう。
また、敵が補給を行うことを予想していた
日本国防衛省は、予想外の進路変更によって未曽有の危機感に立たされていた。元々敵艦隊の針路が予測できていなかったため、弾薬の備蓄は各地に分散しており、充分な量が周辺に無いからだ。
ただちにナハナート王国に部隊を向かわせるが、1,000隻もの艦隊に対してどれだけやれるかは未知数だった。
集結する戦力
ナハナート王国に向かうカイザルには、日本本土攻撃の失敗と、帝王府からの攻撃催促の知らせが送られてくる。この時点で彼は内心危機感を持っていたが、士気の低下を恐れて態度に出していなかった。
一方のナハナート王国では、続々と戦力が集結していた。航空自衛隊第9航空団と海上自衛隊第4護衛隊群が向かい、陸上自衛隊の地対艦ミサイル部隊も展開する。
そこに、
神聖ミリシアル帝国から
空中戦艦が向かってくると言う報告が入る。ミサイルの誤爆を恐れた司令
八神は、通信を行い、艦長の
メテオスと対談。双方の思惑もあり、200km離れた位置で待機してもらうことに成功する。
五月雨の流星
夜間、
ロデニウス大陸の
ムーの基地から飛び立った
BP-3C22機。その、
91式空対艦誘導弾88発の発射を合図として、攻撃が開始された。同時にECMも起動させて、被害の状況が敵全体に伝わるのも防ぐ。
弾薬の絶対数が少ないため、空母を筆頭に戦艦・巡洋艦を攻撃。補給と出撃を繰り返す五月雨式の反復攻撃で、敵を疲弊させて撤退に追い込む作戦を取る。そのため、統率が取れなくなることを恐れて旗艦は後回しとなった。
攻撃されたグ帝艦隊は、夜間攻撃とECMによる無線妨害により大混乱になっていた。被害が多すぎる上に敵のいる方向すら分からず、阿鼻叫喚の夜を過ごすことになる。
一方のメテオスは、レーダー上から確認する予定だったが、日本のECMにより魔導電波レーダーが使用不能。備え付けの妨害電波対策装置も通用せず、日本の技術力に驚愕すると共に、目視による確認を急ぐこととなる。
煉獄の夜明け
夜が明けて、視界が通るようになると、グ帝艦隊の被害も明らかになってきた。空母はすべて撃沈され制空権を喪失、残った戦闘可能艦は400隻余りとなっていた。
しかし、飛来する対艦ミサイルの量から弾切れが近いと見たカイザルの決断により、撤退せずにナハナートに向け進撃を続ける。
そして、その読みは当たっていた。航空自衛隊は度重なる対艦攻撃により空対艦ミサイルの備蓄が尽き、日本本国に戻らないと弾薬が補給できなくなっていたのである。
海上自衛隊第4護衛隊群司令の
坂野は、自分たちの持つ
90式艦対艦誘導弾78発で撤退してくれることを願い、全弾を旗艦含む残存艦隊に向け発射。同時にミ帝空中戦艦への参戦要請を行う。
この攻撃により、戦艦を含む戦闘艦50隻以上が沈没。「グレードアトラスター」も2発被弾し第1主砲塔が使用不能となる。それによりカイザルは、まだ誘導弾の備蓄が残されていると誤認。さらに空中戦艦の参戦が確認され、これ以上の突撃は不可能と判断。
決死の艦隊戦
カイザルは全艦隊の撤退を命じると同時に、責任を取るかのように「グレードアトラスター」の単艦特攻を決意する。それに付き従うように第八八艦隊も命令を無視して後についてくる。
戦艦を含む16隻の特攻を知らされた坂野は、対艦ミサイルを撃ち尽くしたことで胃が痛くなる思いをしながら、突出する「グレードアトラスター」との砲撃戦を決意。
一方のメテオスもカイザルに通信を行ったのち、行く手を阻む第八八艦隊との戦闘を開始。
「グレードアトラスター」の練度は非常に高く、二斉射目で「ちょうかい」に至近弾を与える。第4護衛隊群側は、これを迎え撃つべく
SAMによる砲弾の迎撃を敢行、見事成功させる。
「砲弾を撃ち落とされる」という常識外れの事態に、砲術長
メイルは驚愕するが、カイザルは副砲も含めた飽和攻撃で圧殺すべく、さらに接近する。
127mm速射砲の届く距離になった護衛艦「みょうこう」「すずつき」「しまかぜ」「さざなみ」の4隻は砲撃を開始、200発以上の命中弾を与えるが装甲に阻まれ、有効打を得ることはできなかった。
だがここで、ナハナートに展開する陸上自衛隊地対艦ミサイル部隊の、射程距離内に突入。
第5地対艦ミサイル連隊長
小坪の指示により、
12式地対艦誘導弾6発が発射され、内1発が「グレードアトラスター」の艦橋を直撃。司令カイザル、艦長ラスクタル以下司令部が全滅し指揮系統が消滅、行動不能となる。
生き残りの乗組員は、パニックに陥り艦から脱出。
最終的に8発の対艦ミサイルと235発の砲弾を受けて、「グレードアトラスター」は大破。海上自衛隊によって鹵獲されることになった。
第八八艦隊15隻も空中戦艦からの慎重な攻撃により、全艦が戦闘不能に追い込まれた。
海戦後
「グレードアトラスター」は、広島県
呉に曳航されて徹底的に調査されることになり、
自衛隊仕様への改装と世界最強の兵器誕生へと繋がっていく事になる。
- 連合艦隊が敵にまったく損害を与えられず、一方的に惨敗
- 帝国の象徴的な「グレードアトラスター」が日本に鹵獲され、見るも無惨な姿を晒した
という事実に大きな衝撃を受けるのだった。
坂野が対艦連隊の射程に入るまで待たなかった理由は不明だが、海戦後の帝国軍の損害報告では陸軍特殊作戦群という詳細不明の部隊が載っており、この部隊が待機していた部隊に戦闘をしかけた可能性はある。
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最終更新:2025年01月19日 20:29