西武鉄道唱歌2023・池袋線の巻

作詞:古淵工機
作曲:納所弁次郎

鉄道唱歌のメロディに乗せて、西武鉄道(池袋線系統)を歌ってみました。
今回のメロディーは納所弁次郎作曲。
こちらの動画↓(yoneさん投稿)の1:27~1:48のメロディーです。




1.武蔵国(むさしのくに)が山の手に 豊島(としま)の里と呼ばれたる
 昔つどいし水々(みずみず)の 流れぞ里に袋なす

2.かつての水は知らねども その名は知らる池袋(いけぶくろ)
 日本鉄道(にっぽんてつどう)できてより 今ぞ華めく繁華街

3.あたりを見れば学び舎の 数多(あまた)きそいて並び立つ
 摩天(まてん)の杜(もり)のただなかに 豊島区庁舎おかれたり

4.駅舎の西は東上(とうじょう)と 東に座すは西武線
 山手線を乗り越して 列車の道は坤(ひつじさる)

5.椎名(しいな)を出でて長崎(ながさき)は 氷川(ひかわ)を分けし社(やしろ)あり
 ここに伝いし獅子舞は 元禄(げんろく)の世に興(おこ)りしか

6.源氏(げんじ)幕府(ばくふ)が重臣の 和田義盛(わだよしもり)が築きたる
 陣屋おかれし和田山は 江古田(えこだ)の駅に程ちかし

7.二十三区(にじゅうさんく)のなかんづく 新たしときく練馬区(ねりまく)の
 その中枢に駅舎あり 入りし列車は数しげき

8.豊島が城に拓かれし 園(その)のなごりは惜しかれど
 魔法の国の顕現(けんげん)を ねがいて今はいざ発たん

9.中村橋(なかむらばし)に富士見台(ふじみだい) 高野台(たかのだい)をもうちすぎて
 次の石神井公園(しゃくじいこうえん)は 石神井川の水源地

10.緑の園にそばだつは あれぞ石神井不動尊(しゃくじいふどうそん)
 関東三十六箇所の その一(いつ)をなす古刹(こさつ)なり

11.学園都市のもくろみを 駅に偲(しの)ぶか大泉
  保谷(ほうや)はむかし青田にて 瑞穂の谷を由来(いわれ)とす

12.ねじきて流る黒目川(くろめがわ) 東久留米(ひがしくるめ)の名の所以(ゆえん)
  清瀬(きよせ)秋津(あきつ)と走りきて いよいよ近き所沢(ところざわ)

13.日本武尊(やまとたける)の説話ある 武蔵鎮守(ちんじゅ)の神明社(しんめいしゃ)
  いま航空の安全を 祈りし人もありときく

14.わが航空が発祥の そのかみ偲ぶ所沢
  線路あざえし駅前に 西武本社ぞおかれたる

15.新宿線をうちかわし 乾(いぬい)の方(かた)に走りなば
  はや西駅につきにけり 乗り換えたるは狭山線(さやません)

16.下山口(しもやまぐち)をうちすぎて はやき列車の終点は
  ここぞ西武が球場ぞ 白獅子軍(しろじしぐん)の本拠地ぞ

17.ここよりさらに乗り換えて 東へゆかば遊園地
  むかし昭和の情景を まなび建てるもおもしろや

18.日本神話(やまとしんわ)に由来せし 名の小手指(こてさし)もあとにして
  狭山ヶ丘はセメントの すぎし昔の思い出(い)づ

19.藤沢すぎて稲荷山(いなりやま) 東は入間(いるま)飛行場
  空の守りの要(かなめ)なる 航空基地はここなるぞ

20.入間の川のほとりなる 市(まち)の人口十万余(じゅうまんよ)
  仏子(ぶし)元加治(もとかじ)もすぎさりて はや飯能(はんのう)につきにけり

21.飯能いでて東駅 すぐればまたも戌方(いぬがた)に
  すすまばやがて山間(やまあい)を 縫うがごとくに走りゆく

22.霊亀(れいき)のむかし韓人(からびと)の うつりて住まう高麗(こま)の里
  流るる水によりそいて ゆかば武蔵の横手駅

23.吾野(あがの)は秩父往還(ちちぶおうかん)の 宿場が跡のあるところ
  徒歩(かち)にてゆくは昔にて いまは鉄輪かるらかに

24.切りひらかれし山肌は 石灰岩の石切場(いしきりば)
  かつてこの駅出でにける 貨物列車も今はなし

25.吾野をいでて山間を さらに西へと分け入りて
  そびえし峠の正丸(しょうまる)は 往還きっての難所なり

26.はるかに長きトンネルを 出づればやがて芦ヶ久保(あしがくぼ)
  冬こそいざや見てゆかん その氷柱(ひょうちゅう)のうつくしさ

27.根古屋(ねごや)城跡右に見て ゆかば横瀬(よこぜ)の駅に着く
  武甲(ぶこう)が山の産物は 云うまでもなきセメントよ

28.其(そ)を運ぶべく築きしが 秩父線路の興りなり
  貨物は絶えて久しきも 観光輸送いまもなお

29.駅よりちかき羊山(ひつじやま) 春は花咲く芝桜
  秋の彼岸は寺坂(てらさか)の 棚田(たなだ)にひらく曼珠沙華(まんじゅしゃげ)

30.夏にはたけき夜祭(よまつり)が 囃子(はやしも)もひびく秩父市(ちちぶし)の
  そのただなかに置かれたる 西武秩父の停車場

31.常世神(とこよのかみ)の祀らるる 秩父鎮守の御社(おんやしろ)
  拝みて帰路の息災を 願うも旅の興ぞかし

32.特急一路武蔵野を いざや戻らん池袋
  明けなばつぎは新宿を 出でて川越あそばんか

  明けなばつぎは新宿を 出でて川越あそばんか



(「西武鉄道唱歌・新宿線の巻」に続く)

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最終更新:2023年04月06日 20:56