「勇者よ! 何ゆえもがき 生きるのか?
滅びこそ我が喜び。死にゆく者こそ美しい。
さあ、わが腕の中で息絶えるがよい!」
国民的RPG『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の
ラスボス。
アレフガルドを永遠に明けない夜の闇に閉ざし、アレフガルドの大地を作った精霊ルビスをも石像に変えて封印した。
時間軸上では数百年後の話である前々作『ドラゴンクエストI』でラスボスの竜王が住むことになる、ラダトーム城の南の魔の島に城を構える。
「絶望をすすり、憎しみを食らい、悲しみの涙で喉を潤す」と作中で言われている。
アレフガルドを闇に閉ざした後、アレフガルドの上にある光溢れる大地をも手中に収めんと、配下のバラモスを派遣する。
バラモスが上の世界を支配せんと暗躍し、世界を混乱に陥れる中、
かつてバラモスに挑み行方不明となった勇者オルテガの息子…即ち同作の主人公である
勇者?が立ち上がる、
というのが同作のプロローグとなる。
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原作ネタバレ |
バラモスが勇者たちに倒された後、勇者の故郷アリアハンに現れて兵士をあっという間に葬り去った後、
自ら上の世界を闇に閉ざすと宣言する。
しかし、勇者は上下の世界をつなぐギアガの大穴を通りアレフガルドへと赴き、精霊ルビスの封印を解き、
竜の女王より授かった光の玉を使ってゾーマを倒す。
ゾーマを倒した勇者はアレフガルドに伝わる勇者の称号「ロト」を授かり、
ドラクエ1の主人公、またその子孫である『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』の主人公の先祖である偉大なる勇者ロトとして後世まで伝えられることとなる。
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ゲーム中で戦う際には、最初は「闇の衣」をまとっており、普通に進めて来たレベルでは到底太刀打ちできないほどの強さを誇る。
これを「光の玉」というアイテムを使用して剥ぐ事で、まともに戦うことができるようになる。
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具体的に言うと… |
- 攻撃力500(FC版は550)、守備力350、素早さ255
特に攻撃力は通常攻撃で後衛キャラが一撃で昇天するレベル。 そしてこの攻撃力は、DQ8が発売されるまで破られることはなかった。 ちなみに隠しボスたる神竜が攻撃力400、守備力350、素早さ255で、グランドラゴーンが攻撃力420、守備力360、素早さ150と 総合的に見ても隠しボスたる両者を上回っている。
- 呪文のほとんどに耐性が付く。FC版ではギガデインは効いたが、SFC版以降では完全無効。
- 完全2回行動。ただし行動は完全にパターンで動くようになっている。そのおかげで、無駄に凍てつく波動を2連発することもない。凍える吹雪2連発は耐性がないとHPを300近く持っていかれる。
- 毎ターン100の自動回復。FC版では通常のゾーマも持っていたが、防御と耐性が高いのでダメージが回復と相殺することも。
- 他の作品と一線をかす異常な強さの凍てつく波動。相手のステータスを元に戻すだけでなく、自分にかかった不利な状態異常(ルカニやマヌーサ)すら打ち消すことが出来る。(もっとも、SFC版以降ではかかることすらないが)
- 弱点のベホマも克服。ただ回復するだけ。
- SFC版ではさらにマホカンタを使って魔法反射も持つ。
尤も、上記の通り完全にパターンで動くため、FC版では慣れれば通常時のゾーマよりも倒しやすいという人も居る。
SFC版の方は本当にシャレにならない強さなのだが。
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ドラゴンクエストシリーズで初めて、敵味方にかけられた補助呪文の効果をかき消す
「いてつく波動」を使用したボスとしても有名である。
また、回復呪文をゾーマに対して使用するとダメージを与えることができるという変わった特徴もある。
全回復呪文「ベホマ」をかけると、最強の攻撃呪文「メラゾーマ」よりもダメージが大きかったりする。
ただし、SFCリメイク版のみ威力が大幅に低下する。
ゲーム中においては、当初はバラモスがラスボスという前提で話が進んでいき、
バラモスを倒して故郷に帰ってきてさあエンディングだ…と思ったところで突然存在をあらわにする。
その登場はプレイヤーに大きなインパクトを与え、
また、その魔王としての威厳ある容姿や、歴代DQシリーズの曲の中でも上位に入る名曲と言われる専用戦闘BGM『勇者の挑戦』、
そしてドラクエ3のストーリー自体の高評価も相まって、ドラクエシリーズで最も人気のあるラスボスとも言われる。
まさに悪のカリスマだろう。
しかし、FC版ではバラモスとの戦闘音楽が普通のボス戦時のBGMだったため、その後何かあると言うことがバレバレであった。
これは容量不足のためで(何せFC版はオープニングさえ無い)、BGM担当のすぎやまこういち曰く「痛恨のミス」との事。
後にバラモスにも専用のBGMが追加された・・・のだが、闇ゾーマや神竜のBGMにも流用されてしまい、
今度は上記の光の玉を使わないと勇者の挑戦が流れない演出になったため、一部の原作ファンから反感を買ってしまった。
DragonClawの作者であり作曲者のReuben kee氏がこの『勇者の挑戦』のアレンジを作っている。
まるで映画音楽のような重厚感溢れるエレクトロオーケストラは海外有数のアレンジャーである氏ならでは。
実際、『ドラゴンクエストモンスターズ』では歴代魔王のなかでも上位の耐性を持ち、
『剣神ドラゴンクエスト』では隠しボスを務め、
『いただきストリートDS』(ドラクエキャラと
マリオキャラが競演するボードゲーム)では
プレイヤーキャラの着せ替えにゾーマコスが登場し、
『ドラゴンクエストモンスターズ1・2』では隠しモンスターとしてゾーマの子供化バージョンのような
「ゾーマズ・デビル」が登場するなど、
ラスボス勢の中ではかなり優遇されている。
なお、『ドラゴンクエストモンスターズ2』にはゾーマの進化系として「アスラゾーマ」が登場するが、
進化前に比べてえらくかっこ悪くなっているので
ファンの間ではゾーマズ・デビルともども
なかったことになっている。
ゾーマズ・デビルはDSソフトの『ドラゴンクエストモンスターズジョーカー2プロフェッショナル』に登場することが決定している。
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ちなみに |
実はFC版ドラクエIIIの頃から変身形態は用意されていたが、没になったという経歴も持つ(ただしイラストのみでドット絵の存在は不明)。
ただ、その変身形態の姿が(ある意味上記のアスラゾーマ以上に)かっこ悪いため、それを知った人のほとんどが「没にして正解だったな」と安心したとか。
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こんなの |
…確かにこれでは没にして正解だっただろう。
「ゾーマの変身形態」と記述されてはいないものの、位置的に見てゾーマの変身形態とみて間違いないと思われる。
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最新作『ドラゴンクエストIX』にも、歴代ボスの一角として登場。
魔王の中でもすばやさが高く、氷属性の技や強烈な通常攻撃をしかけて主人公たちを苦しめる。
やられるといきなり起き上がって経験値をせびるという行動に出て、威厳もへったくれもなくなってしまった。
(まあこれはゾーマに限らず、他の歴代ボスもそうなのだが…)
カードバトルゲーム『ドラゴンクエスト モンスターバトルロードII』にも大魔王として登場。
HPと賢さが非常に高く、こちらの呪文は殆ど有効打にならない。反面身の守りが低いので打撃攻撃で攻めるのが有効。
打撃攻撃で固めたパーティーで挑みたい所だが、そうすると今度は前座のバラモスに打撃耐性がある点が悩み所に、ゾーマ攻略は一筋縄ではいかない。
また、自身及び魔王バラモスのとどめの一撃では大魔王としての貫録を十分に見せつけてくれる。
原作ではマヒャドなどの氷属性の呪文や特技を使っていたが、バトルロードではメラゾーマやジゴスパークなどの技も使い
とどめの一撃は「極大焼失呪文」と呼ばれるメラ系最上級呪文「メラガイアー」を使う。
*1
通常のゾーマと赤目の「真ゾーマ」の二種類があり、「真ゾーマ」になると扱う技の一部が異なる他、ゾーマに限りHPが12500と言うぶっ飛んだ数値に(他の大魔王は5000~7000程度)。
原作本編同様に光の玉を使用する事でゾーマの闇の衣を剥がしHPを大きく減らす事が出来るので持っていたらすぐに使おう、ってか使わないとまず勝てない。
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勇者よ…戦う前に一つ言っておくことがある。 |
お前は私を倒すのに『光の玉』が必要だと思っているようだが… 別になくても倒せる。
ちなみにこのトルネコ、ご覧の通りレベルを上げると技の威力がとんでもない事になる救済措置という名の公式チートだったりする。
トルネコ抜き2人プレイでの撃破も報告されているが…
遂にソロプレイでの闇ゾーマ討伐が確認された。
そして伝説へ…
…まあ解りやすく言えば、バカみたいに高い防御力を『光の玉』を使うことによって普通まで下げるという事であり、
高い防御力のままでも、攻撃が通じればダメージは与えられるので倒せる、ということである。
…ただ本当に時間がかかるが。
なお、闇の衣を剥がなくても倒すことは可能なのだが、その場合のステータスはリメイク版の隠しボスである神竜やグランドラゴーンをも凌ぐ凄まじいものを誇る。
そもそも『光の玉』を使ったほうが評価が高くなるので、気にせず好きなパーティーで挑むのがいいだろう。
ちなみにこのゲーム、モンスターズというタイトルでありながらこんな夢の戦いもできる。
移植もされているので、Wiiを持っているドラクエ好きにはおすすめである。
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また、現在は『ドラゴンクエストIX』との連動で、すれ違い通信中にゾーマを出現させると
ゲームに「ゾーマの地図」が配信されるようになっている。
さらに特定の条件を満たした冒険の書と、鍵となる6枚のカードを持っていれば、今度はプレイヤー側がゾーマを使用可能。
大魔王同士の激闘はモンスターズファンならずとも一見の価値あり。
なお最終章ではレジェンド大魔王カードが登場したことで、何時でも対戦相手に指名したり、2人プレイで呼び出す事が可能となっている。
「よくぞ わしを倒した。
だが光ある限り闇もまたある……。
わしには見えるのだ。再び何者かが闇から現れよう……。*2
だがその時はお前は年老いて生きてはいまい。
わははは………っ。ぐふっ!」
MUGENでは
スバル・ナカジマと同じmarktwo氏が製作した手書きによるゾーマがいる。
ボイスはCDシアターのものを使用(CVは柴田秀勝氏)。効果音はファミコン時代のものを再現している。ドラクエファンおなじみの戦闘音で戦ってくれる。
ゲームで使用した『マヒャド』と『いてつく波動』を1ゲージ超必として持ち、
『輝く息』を3ゲージ技として備えている。
通常必殺技はマヒャドの下位呪文である『ヒャド』『ヒャダルコ』と、輝く息の下位特技『凍える吹雪』。
『いてつく波動』は相手のゲージを0にしてしまう一風変わった技。
また、
EXキャラクターとして闇の衣をまとったゾーマも実装されている。
必殺技に『ルーラ』、超必殺技に『マホカンタ』が追加される。
3段階のAIも搭載されており、今後の活躍が期待できるだろう。
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余談 |
先に述べた『ドラゴンクエストIX』および『モンスターバトルロードII』にて、
キャラクターの体格差が明確に描写される3D画面でプレイヤーキャラと対峙したことで、
本来ゾーマの身体は人間やそこらの魔物に比べてとてつもなく大きいことが明白となった。
(考えてみれば、大魔王である彼がそのような巨体の持ち主であることは何も不自然ではないが)
一方、MUGENのゾーマはそれほど大きくはなく、せいぜい一般の格ゲーキャラより一回りほど大きい程度。
まあ、時期の問題もあるだろうし、何より MUGENだから仕方ないというべきか。
・・・なのだが、『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2』では1枠モンスター扱いにされていた。何故だ。
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*1この事についてゲーム誌でのインタビューにて。
「まずゾーマ様のコンセプトは呪文重視」
→「人間達がメラゾーマできて大魔王のゾーマ様にメラゾーマ出来ない訳が無い!」
→
「べっべつにゾーマだけにメラゾーマってネタじゃないんだからねっ!」
要約するとこういう旨の発言をしている。
ミルドラースのマヒャデドスに突っ込まれてたらどうなっていたことか
『原作再現』と言う点においてこれに疑問符を付けるファンも居るが、モンスターズ第1作で炎系最強のビッグバンを所持していたなど
外部出演においてゾーマ様が氷系に拘らないケースは今回が初めてという訳ではなかったりする。
*2MUGEN的には余談になるが「再び何者かが闇から現れよう……」の台詞、これこそが1のラスボスである竜王であると目されている。
後付とは言え、1からプレイしていた人には感慨深いセリフだったのではないだろうか。
また公式ではないが、漫画「ロトの紋章」では同作のラスボス異魔神こそがこの「何者か」であるとしている。
DQの正史ではないとはいえ、ロトの血族の宿命、精霊ルビスなどを深く取り上げストーリーも秀逸なので是非一読戴きたい。
「こんばんは、私ゾーマと言います。助けてください。」
出場大会
シングル
タッグ
チーム
その他
削除済み
登場ストーリー