「O.C.P.オムニ社が誇りを持ってお届けする市民生活の平和の使者、ロボコップ2号」
アメリカのSFアクション映画『
ロボコップ2』に登場するサイボーグ警官(の試作機)。
劇中での呼称は「ロボコップ2号」だが、本項目では便宜上こちらの表記で記載する。
ロボコップことマーフィーの活躍を受け、オムニ社はより忠実なロボコップ2号機の開発に着手しており、
マーフィーと同じく殉職した警察官の脳をベースとして2体の試作機を完成させたのだが、素体となった警官達の精神が肉体を失った事に耐え切れず発狂。
1体目は
発狂して近くにいたスタッフを射殺し、自分も頭部を撃ち抜いて機能停止、
2体目は
頭部の装甲を自ら引っ剥がして自殺するという悲惨な結果に終わり、五ヶ月の開発期間と9000万ドルという巨額の製作費もパーになってしまった。
……っていうか
実弾装填済みの火器を持たせたまま、嬉々としてお披露目して社員が射殺されるのはオムニ社の伝統芸能か何かなんすか。
一見コミカルだが、試作機一つ一つにマーフィーと同じ立場の警官が入っている事を思うと中々やりきれない。
実際に劇中で心理学者のファックス博士が
「肉体的に強い自負心を持つ警官だからこそ、その肉体を失った事に心が耐えられずに自殺してしまう」
と指摘しているが、あながち間違いとは言い切れないのだ。
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でも俺は開発部のデザインセンスこそが最大の問題だったと思う
これらの反省を踏まえ、犯罪者を素体として完成したのが
ロボケインなのだが……その顛末は当該項目を参照して頂きたい。
なお、映画本編の世界(時系列上は『2』~『3』間)を描いたゲーム『ローグシティ』では、
あろう事か2号試作機タイプBが量産型警備ドロイドとして大量に正式製造されている。
流石に中に人間の脳は搭載されていない……と思いたいが、機体自体はそこそこ優秀だったという事なのだろうか?
そして案の定実弾装填されたまま保管されていたため、ロボコップに追い詰められた犯罪者に銃を奪われていた
MUGENにおけるロボコップ2号試作機
Ryou Win氏が製作した
MUGEN1.0以降専用のものが2体存在する。
両バージョン共、
スプライトは映画撮影用のフィギュアを用いている模様。
イントロでは原作のお披露目シーンが再現されているが、流石に
いきなり自殺するという事は無いのでご安心を。
なお、Readmeの類が付属していないため、各種コマンドはcmdファイルを開いて確認する必要がある。
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Ryou Win氏製作 ロボコップ2号試作機A |
前述の2体の内、スタッフを射殺した方の試作機。
原作で使用していた拳銃に加え、電撃やミサイルといったオリジナルの技が多数追加されており、
あっさり退場した原作と違ってしっかり戦えるキャラに仕上がっている。
また、最終ラウンド敗北時には自分の頭を撃ち抜いて自害するという 原作再現がある。
AIはデフォルトで搭載されている。
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Ryou Win氏製作 ロボコップ2号試作機B |
前述の2体の内、頭部を引っ剥がして自殺した方の試作機。
ディスプレイネームは「Automat」となっている。
原作での扱いが扱いなため、攻撃手段はほぼ(というか全て) 捏造オリジナル。
そのため 完全な出落ち要員だった原作とは異なり、腕を伸ばしてのパンチや電撃、
ロボット警察犬召喚、 空き缶の回収など、非常に多彩な技を所持している。
中でも「陥没事故(ガス爆発?)が起きて下水道に落ちた相手を謎の追加武装を装備して救助する」という、
何ともシュールな演出の 超必殺技は圧巻。
最終ラウンド敗北時には原作での自殺シーンが再現されるが、白旗を掲げるので演出が多少マイルドになっている…かも?
AIはデフォルトで搭載されている。
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出場大会
【ロボコップ2号試作機A】
【ロボコップ2号試作機B】
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この辺は2014年に公開されたリメイク版『ロボコップ』でも描写されており、
作中でロボコップに改造されたマーフィー(重傷こそ負ったがオリジナル版とは違って死亡していない)は、
自分の肉体が
脳と顔面、肺、右手を残して全て機械に置き換わった事を告げられると、絶望の余り「死にたい!」と泣き叫んでいる。
「ロボットとして蘇った警官」を描いた元祖的作品である『エイトマン』においても、
蘇生直後の主人公が「こんなあさましいロボットになるくらいなら私は死んだ方がマシだ」と絶望しているため、ある種それを踏襲した形となっている。
オリジナル版では劇中にて素体となったマーフィーが類稀な生存欲求と警官としての使命感を持つ事に加え、
「敬虔なカトリック教徒(カトリックにとって自殺は禁忌)であるためロボコップとなっても生きていられる」と推測されている。
それって要するに偶然の産物じゃね?
『エイトマン』の方は「私は東八郎の記憶を持ったロボットであり、つまり死者なのだ」という虚無的な認識によって自我を保っていたが、
やがてその東八郎としてのアイデンティティすら喪失せざるを得ない事件に直面して人知れず姿を消してしまった事を思うと、
死者をロボットとして蘇らせるにあたって、単純な技術以上に、被験者の精神が重要になってくる事が窺える。
まあ『8マンAfter』『THE EIGHT MAN』『8マンINFINITY』『8マンVSサイボーグ009』でその後はそれぞれ違うんだけど
なお、『ロボコップ2』のパラレルワールドにして『ロボコップ1』の10年後を描いたTVドラマ『プライム・ディレクティヴ』では、
マーフィーの南署時代の相棒にして現在の上司であるジョン・T・ケーブルが陰謀によって殉職、ロボコップ2号として蘇生するのだが、
こちらは全身メタルブラック、ミラーシェード型バイザー、オート9二挺拳銃装備のロボコップといったデザインであり、
オムニ社からの刺客としてロボコップと対峙するも、紆余曲折を経て正気を保ったままロボコップと共闘する事になる。
やっぱ開発部のデザインセンスこそが最大の問題だって
最終更新:2025年02月25日 10:05