作中世界において構成員全員が一流の念能力者かつAクラスの賞金首として指名手配されている盗賊団「幻影旅団」の団長。
かつて交戦したシルバ=ゾルディック(
キルアの父である殺し屋)に「割に合わない仕事」と彼が最大限の賛辞として使用する言葉を言わせたほどの実力、
1を聞くだけで10も20も理解するような鋭い思考力・洞察力、アクの強い団員を纏めるだけのカリスマ性を併せ持つ、
作中の登場人物の中でも最強クラスに数えられる一人。
自他共に認める本好きで、普段から大抵何かしらの書物(漫画も含む)を読み耽っている。
冷徹で無慈悲な性格であり邪魔者はためらいなく利用・排除しようとするが、身内の団員達に対しては強い仲間意識を持っている。
本編開始より5年程前にクルタ族を滅亡させた元凶でもあり、クラピカにとって同胞達の仇の中でも最大の標的でもある。
作中ではキャラや喋り方があまり安定していないが、ゴンの「なぜ関わりの無い人達を殺せるのか」という問いの際の反応から見るに、
クロロ自身が自分をどんな人間なのか掴み切れていない模様。
いわば、サイコパス的な人格の持ち主で、身内以外の他人はもちろん自分自身の命にすら執着がなく死を常に自分のそばにあるものとして受け入れており、
クラピカに捕らわれていた時ですら、いつ殺されてもおかしくない状況を平然と享受する態度を隠しもせず、
心音を聞いてその態度がハッタリではない事を把握したセンリツを戦慄慄然とさせた。
出身は他の古参メンバーと同じく廃棄物投棄地帯である流星街。
元々は流星街でゴミ漁りをして暮らすごくごく普通の少年で、その聡明さから幼馴染達にも慕われており、
いつか皆と劇団を興して流星街を旅立ち、世界中を巡業するというささやかな夢を抱いていたのだが、
「流星街の人間は社会的に存在しないから何をしても許される」という理由で友人の一人が惨殺されてしまい、
これをきっかけに恐るべき「悪」となる事を決意し、幻影旅団を結成した。
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戦闘能力 |
一流の暗殺者であるシルバ=ゾルディックとゼノ=ゾルディック相手に2対1でもまともにやり合える身体能力を誇る。
上記の通り頭も切れ、僅かな手がかりから敵の能力をほぼ正確に推察したり、心理戦を優位に進めるなど、要所で高い才覚を見せている。
普段こそ慎重だが、世界中のマフィアを敵に回す事を承知でヨークシンシティで開かれる闇オークションで商品強奪を行ったり、
その仕最中に一人でマフィアがひしめくオークション会場に単身潜入してプロの殺し屋と殺し合うなど、大胆な一面もある。
バトルジャンキーというわけではないが、前述の手刀を見逃さなかった人とは、双方ともに味方を増援に呼べる状況だったにもかかわらず、
わざわざ「一対一でやろう」など直接対決を持ちかけており、興が乗ったら戦闘に対しても前向きである。ヒソカは怒って良いと思う
念能力の中でも極めて希少な特質系 *1に属する能力で、相手の念能力を盗み、盗んだ能力を具現化した本に封じ込める。
盗まれた能力者は念能力を行使できなくなり、クロロは本を介して自身の能力として使用できる。
条件さえ満たしてしまえば相手を無力化できるばかりか、クロロ自身の系統を無視して多種多様な能力を使用できる強力な能力だが、
その分「盗み」を発動するのに下記の非常に多くの制約と誓約が課されており、実力が互角以上の相手だと戦闘中に盗むのは難しい。
- 相手の念能力を実際に見る。
- 相手に対象念能力について質問し、相手がそれに答える。
- 本の表紙の手形と相手の手のひらを合わせる。
- 1~3までを1時間以内に行う。
この他、盗んだ能力を使う際はその能力のページを開いたまま手に持っていなければならないという条件があり、
必然的にこの能力単体では片手が使用できなくなる他、1度に発動できる能力は1つという制約がある。
また、元の能力の使い手が死ぬと、盗んだ能力のページは本から削除され使えなくなる。
ただしクロロ自身も本編途中まで把握していなかったが、奪った能力が「 死によってより強まる念能力」だった場合、
例外的に能力者が死亡しても本の中に記録されたままとなる。
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劇中で披露した保有念能力 |
具現化した念魚を複数体使役する能力。
片手が塞がる盗賊の極意とは相性が良いが、閉め切った空間でしか使用できない制約がある。
念魚は肉食で特に人間を好み、空中を遊泳しながら敵の体を食い破る。
しかしこの魚に喰われても痛みも無く血も出ないため、
密室遊魚を解除するまでどれだけ全身を喰い尽くされても絶対に死ぬ事ができない。
逆に解除すればその瞬間に敵は一度に苦痛を味わい、致命傷を負っていればそのまま死ぬ。
劇中では上記リンク部の「手刀を見逃さなかった人」に対して使用。壁に磔にした相手を食わせて 生きたままバラバラにし、
「何故 オレはまだ生きてるんだ!?」と恐慌状態に陥らせた末、能力を解除し死に至らしめた。
ヒソカを殺そうとしたノブナガを移動させるのに使用。
系統及び原理は不明(後にノブナガが瞬間移動は原則放出系の管轄と口にしているため、特質系でなければ恐らく放出系)。
十老頭自慢の実行部隊「陰獣」の梟から盗んだ具現化系能力。
大風呂敷で包み込んだものを縮小化する。
ネオン=ノストラードから盗んだ特質系能力。
自動書記による詩という形式で、他者の未来を占う事ができる。
予言は週単位、ひと月分で、四行詩一つがその月の一週ごとに起こる出来事を暗示している。
意図的に予言に反した行動を取らない限り的中率はほぼ100%という恐るべき精度の念能力だが、
詩という形のため未来を正確に把握する事はできず、読み手が各々で解釈する必要がある。
一方、警告や注意を促す内容と共に詩が途切れる場合、予言対象がそこで死亡する事を意味しているため、
その警告に従えば予言された死を(少なくとも予言通りの内容については)確実に回避する事が可能。
暗黒大陸編では彼の能力リストから「いつの間にか消えていた」との事で、
ネオンが死亡したか、除念師などによって能力を回収された模様。
またネオンが「予言の内容を自分が知らない方が良い」と言っていたにも拘らず、
能力を奪った後、クロロは安易に旅団員経由で予言の内容を聞いていたため、
「制約と誓約」を破った事による能力消失や、何らかのデメリットが起こったのではという考察もある。
流星街の長老から盗んだ念能力。
使用者は既に故人らしいが、死者の念と化しているためリストからは消えていない。
左手の甲でプラス(太陽)の刻印、右手の甲でマイナス(月)の刻印を押す事ができ、
このプラスとマイナスの刻印同士が触れ合った瞬間に爆発する現象を起こす。
その性質上両手を使用する必要があり、盗賊の極意単体では使用不可。
念で出来たスタンプを具現化し、スタンプを押した人形を操作できる操作系念能力。
生物や死体は操れないが、念で作り出した人間のコピーは人形扱いとなり操作対象となる。
操作可能な数は多いが余り複雑な命令は与えられず、命令は口頭により行う必要があるが、
スピーカーなどを用いれば広範囲・一挙に大量の人形を操作する事も可能。
念で人間をコピーした人形を操る場合、命令の受け付け方は人形によってバラつきが出るが
(例えば「誰かを『殺せ』」と命令すると原型の人間の性格が強く反映されて殺し方にこだわったり、
止めを刺していないのに命令を遂行した状態になったり、最悪命令無視してしまう)、
しかし「壊せ」と命じた場合、何故か人形は一律に標的の首を身体から外そうと襲い掛かる。
幻影旅団団員のシャルナーク=リュウセイの能力。
アンテナを刺した生物を携帯電話を使って操作する操作系念能力。
「人間の証明」よりも細かい操作ができる他、相手にアンテナを刺せばその時点で勝負が決まるためプレッシャーを与えられる。
また自分にアンテナを刺した場合、自分を操作する事で驚異的な身体能力を発揮できるようになる一方、
その分だけ体の負担も大きく、シャルナークがこれを使用した場合は重傷の怪我人状態となる。
弱点としては、既に操作系念能力などで操られているものに対しては効果が発揮されない点。
また操作系の能力としては「典型的」らしく、類似の念能力は多い様子。
幻影旅団団員のコルトピ=トノフメイルの能力。
左手で物体を触り、右手からその複製を創り出す具現化系能力。
生命体をコピーした場合は動かない物体=人形扱いになるため、作中ではこれと「人間の証明」「番いの破壊者」を組み合わせて、
操作できる人間型爆弾を作り出している。
なお、作中ではコピーが多すぎるという描写があるため、仲間から念能力を借りたというのがブラフで、
実際はコルトピ本人が暗躍していたのではないかという説もある。
左右の掌にそれぞれ白黒反転した矢印のマークが描かれ、手で他者に触れる事で姿を変える能力。
右手で触れると触れた相手が使用者の姿に変化し、左手で触れると使用者が触れた相手の姿に変化する。
両手で触れると一瞬にして互いの姿が入れ替わる。
ただし、手のマークだけは本物の使用者にしかなく、それで判別できる。
能力内容から、元ネタは『おれがあいつであいつがおれで』を原作とする映画『転校生』か。
望んだ人材を探す能力。元の所有者はマクガイド=ナルミという黒髪の女性。
「盗賊の極意」のページが作中で確認でき、以下にその記述を引用すると、
具現化したケータイを使って理想の相手を探し出す
条件を入力すると6~20桁の番号が表示され
かけると案内が出る
となっている。
「理想の相手」が恋愛対象に限定されていないという汎用性の高い念能力のため、
クロロが除念師をはじめとした様々な念能力者や人材を探し出すのに活用していると思われる。
一方記述内容のシンプルさから、他の念能力の内容もこの程度の概要しか記載されていないと考えられるため、
「クロロは盗んだ念能力の『制約と誓約』やリスクを把握できていないのでは」という考察材料にもなっている。
能力名の元ネタはフィンガー5の「恋のダイヤル6700」と、平沢進の「いまわし電話」。
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また、「盗賊の極意」には使い手であるクロロが「宝を盗む」程に能力そのものがレベルアップする特性がある。
盗む条件や難易度が厳しければ厳しい程「盗賊の極意」は進化する。
キメラアント編終了後にクロロが新たに開発した「盗賊の極意」サポート用の念能力。
両手が必要な能力を盗んだ事で調整のために作った能力であり、
具現化した栞を「盗賊の極意」に挟む事で、挟んだページに記録されている念能力を「盗賊の極意」の本を閉じた状態でも維持・使用できる。
これにより、「盗賊の極意」最大の欠点であった片手が使えなくなるというデメリットが解消され、
体術の対応力を維持したまま能力を行使できる他、「開いたページ」と「栞のページ」の能力を併用するという使い方も可能になった。
ただし、クロロ曰く代償として「厄介な制約も増えた」らしい。
名前の由来はサザンオールスターズのシングル曲「栞のテーマ」と、 細野不二彦氏の漫画『ダブル・フェイス』と思われる
(余談だが、上記の「ギャラリーフェイク」も細野氏の漫画が元ネタと思われる)。
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本編ではクラピカの仇として序盤より幻影旅団の名前が挙げられ、幻影旅団の構成員を騙る偽物なども登場していたが、
ヨークシンシティで開催されたマフィア達によるオークションを襲撃する形で、他の旅団員共々本格的に物語へ参戦。
オークションに参加していたゴンとキルア、そしてマフィアのボディガードとして雇われていたクラピカと対決する事になる。
このヨークシンシティではクラピカとの戦闘で仲間の多くを失った上に念能力を封じられ、旅団との接触も禁止されるという大きな痛手を負ったものの、
クロロと戦うため旅団を抜けたヒソカに「一対一で死ぬまで戦う」事を条件に協力を要請し、グリードアイランドに参加していた除念師と接触する事で封印を解除。
約束通り天空闘技場でヒソカとの対決に臨み激戦の末に勝利するも、そこで一対一と称しながらも旅団員達との共闘であった疑惑が濃厚となり、
約束を破られたヒソカが激怒、「それなら此方が旅団員を殺害するのもクロロの『一対一』のルールなのだな」と判断され、さらに旅団員を失ってしまう。
こうした状況下で暗黒大陸を目指す豪華客船B・W号に窃盗目的で潜入し、クラピカ、ヒソカ、幻影旅団の三つ巴の戦いが開幕した事で、
極悪非道で血も涙もない犯罪者集団であった幻影旅団が、そうして悪ぶっているだけで本質的には地元の幼馴染集団のままである事が明かされ、
クロロ自身は「頭が死んでも蜘蛛は生き続ける」と思い、自身の死を厭わず幻影旅団という仲間達を生かすために行動している一方、
旅団員は「クロロが頭だから付き従っている」ため、旅団を解散してでもクロロを生かそうというギャップが浮き彫りになりつつある。
また、その高い戦闘能力とカリスマ性が継続して描かれ続けている一方で、
クラピカの復讐心、ヒソカの趣味嗜好、幻影旅団の仲間達の思い、自分自身が仲間を大切に思っている事に至るまで、
人間の感情をいまいち理解しきれていないという欠点についての描写も目立ってきている。
特にヒソカに関しては彼の意外に誠実な性格および戦闘に敗北した際の満足しているような描写を鑑みる限り、
約束通り1対1で戦っていればその後の問題は一切発生しなかった可能性が高く(ヒソカの蘇生が想定外だったせいもあるが)、
ネオンの言葉を無視して予言の内容を把握した事で死の運命を招き寄せてしまったのでは……という考察なども含めて、
現状の幻影旅団の窮地はクロロ自身の迂闊さが齎した自業自得だというのが、あまり否定できない状況となっている。
MUGENにおけるクロロ=ルシルフル
SoulFire氏の製作した『
JUS』風
ドットを用いた
MUGEN1.0以降専用の
ちびキャラが公開中。
ちびキャラながら高いラッシュ力を誇る他、スリップダメージの状態異常を与える「ベンズナイフ」、
ワープ技の「テレポート(仮)」、
設置技の「密室遊魚」、ガード不可な投げ技の「不思議で便利な大風呂敷」、
一時的に予知で無敵状態になれる「天使の自動筆記」、オートで敵を攻撃する人を出す「携帯する他人の運命」など、
多種多様な技を持ち、対応力の高いキャラとなっている。
超必殺技は敵を大爆発させる「番いの破壊者」。
AIもデフォルトで搭載されている。
出場大会
*1
念の六系統の中でも原則として完全に本人の才能や先天的な資質が必要な系統。
特質系であるモレナ==ルードの調べでは特質系の発現率は大体3000人に1人の割合で、他系統よりとりわけ希少との事。
また、他の五系統は不得手な系統でも修練や工夫で精度こそ得意系統より落ちるが取得可能なのに対して、
この特質系に限っては修行による習得は絶対に不可能。
ただし、非常に稀だが何らかの影響で後天的に念能力者の系統が特質系に変化するケースがあり、
操作系と具現化系の能力者が特にその傾向が他の系統より多くみられるため、六性図で隣り合っている。
暗黒大陸篇において明かされた詳細によれば、特質系は原則として苦手な能力系統が無く、
普通であれば相性最悪な能力系統を高いレベルで組み合わせた複合能力を実現したり、
クロロのように系統の相性や得手不得手を無視した全系統の他人の能力奪取といったような、
他系統では実現不可能な能力を発現できる。
ただし、器用万能なせいで自分が特質系だと知らないまま意図せず別系統の能力を発現させてしまい、
後から特質系と知って(一度会得した念能力はそうそう変更できないため)後悔するケースが割といるらしい。
そもそも特質系の絶対数自体が少ないのだが、前述のネオンのように念の基礎知識を知らないまま能力を発現する事例は作中でいくつかあり、
彼女のように正規の修業を経ないまま独学か無意識で「発」を極めてしまう事例が多いという事であろう。
最終更新:2025年05月21日 13:23