スキュラ

スキュラ(もしくはスキュレ)はギリシャの女性名。
ギリシャ神話には海神に愛された事が原因で怪物にされた娘と、敵国の王に恋した末に父王を裏切った王女の二人がいる。
怪物にされた娘の方が有名であり、後年の様々なフィクションに怪物のスキュラを元にしたキャラが登場している。
本項では怪物にされた娘のスキュラについて解説する。

スキュラは海神グラウコス(ギリシャ神話において海神は有名なポセイドン一人ではなく幾人か存在する)に惚れられ、告白されたが、
グラウコスが人間離れした姿であったので拒んでいた。
どうしてもスキュラと結ばれたかったグラウコスは魔女キルケーに惚れ薬を頼んだが、キルケーがグラウコスに惚れてしまう。
キルケーは恋敵であるスキュラが気に入っている淵(あるいは海岸)に毒を流し、
何も知らずそこに浸かったスキュラは下半身が魚となり、腰から複数の犬の上半身が生えた怪物と化してしまう
(伝承によりスキュラの怪物の姿は様々であるが、「腰ないし下半身から複数の犬の上半身が生えている」という特徴は概ね共通している)。
これでグラウコスもスキュラを諦めるかとキルケーは思ったが、グラウコスはキルケーの所業に怒り、二度と近付く事は無かったという。

怪物化したスキュラの心境などは全く語られていないが、姿と共に心も怪物と成り果ててしまったのか、
その後は大渦を起こす怪物カリュブディスと共に、メッシーナ海峡(シチリア島とイタリア半島の間)を行き来する船を襲う存在として恐れられるようになった。
トロイア戦争後、英雄オデュッセウスがギリシャへ帰還するまでの艱難辛苦の旅を描いた『オデュッセイア』では、
メッシーナ海峡に出没する怪物スキュラの事が語られており、海峡を通過するオデュッセウスの船を襲い、その仲間六人を食い殺している。

フィクションでは女性型の怪物としてよく登場している。
その際、デザインは上半身が美女というのは概ね共通しているが、下半身はギリシャ神話と異なり多数の蛇であったりタコの触手であったりと様々。

  • 本wikiで取り扱っているスキュラに関連するキャラ
  1. ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』に登場する怪獣 → 本項で解説
  2. Zelgadis296氏製作のオリジナルキャラクター → scylla
  3. チョポン氏製作のオリジナルキャラクター → スキュラ・シメーレ
この他、『聖闘士星矢(セイントセイヤ)』に登場する海将軍(ジェネラル)の一人「海聖獣(スキュラ)のイオ」も海外の製作者であるWarriorZ氏によって作られていたが、現在は入手不可。



2019年公開のハリウッド映画にして『モンスターバース』シリーズ第3作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』に登場する怪獣
580ミリ複列位相エネルギー砲でもないし、1580mm複列位相エネルギー砲でもない。
『モンスターバース』シリーズにおける巨大生物の総称である「タイタン」のうちの一体である。
なお名前の由来は前述の通りギリシャ神話だが、「タイタン」の方もギリシャ神話においてオリンポス神族と対立する「巨神族」の事である。
北欧神話巨人族(ヨツン)と言い、旧神は巨人が定番なのだろうか?

クモのような細長い脚が特徴的な姿をしているが節足動物ではなくむしろイカなどの頭足類に近く、
アンモナイトを思わせる殻や口からは無数の触手を垂らしているのが特徴。
陸上だけでなく水中でも活動可能な上、海中を進む際は姿勢を流線型にして実際のイカのように遊泳移動する。
食性は腐肉食性であるのだが、怪獣の死骸を食べるとその栄養分を致死性の水性バクテリアに変換するという厄介な生態をしている。
また、ゴジラやMUTOと同じく放射性物質も餌としている描写もある。
他にも設定では世界中の海水を冷却して南極の氷が解けるスピードを下げ、海面レベルを安定させていた事から、
当初は冷凍系の能力を持っているのではないかと推測されていた。
しかし実際の能力は体内と外界の熱比を変換できる「熱交換」であり、
しかも核エネルギーを吸収した後は逆に過剰な熱を体外に放散し、環境破壊を引き起こしてしまう。
また性格もゴジラに何度も闘いを挑むほど非常に狂暴で好戦的であった事から、
タイタンでは地球環境に悪影響を与えかねない危険な存在「破壊者」に分類されている。
ちなみに、女性の怪物の名前が付けられた事から分かるように性別はメスである。

劇中では巨大生物に関する調査を行う特務研究機関「MONARCH」がその存在を把握していた17体の怪獣の一体として登場。
中盤でギドラによるアルファコールが発動された際には、それに応じて破壊活動を行う。
その後怪獣と意志疎通が図れる音波装置「オルカ」による妨害を受け破壊活動を一時停止する。
最終的にゴジラがギドラに勝利した際には同時に覚醒していた他のタイタンと共にゴジラの前に出現し、ゴジラに恭順の意を示した。

+ その後のスキュラ
後日談を描いた漫画『ゴジラ:ドミニオン』では、アメリカ東海岸に沈んでいた核弾頭を捕食するために出現。
核弾頭の爆発による自然破壊を危惧したゴジラと戦闘になり、爪の刺突攻撃などで果敢に攻撃するも最終的には敗走した。
なお、ゴジラには何度も反旗を翻していたらしくゴジラ側も半ば呆れてはいたものの、スキュラを殺す気は無かったようだ

しかし、『ゴジラxコング 新たなる帝国』の前日譚を描いた漫画『Godzilla x Kong: The Hunted』ではゴジラへの謀反を決意。
南極の冷却という役割を放棄し、世界各地の核施設を襲撃。放射性物質を吸収して赤い体色の強化形態へと進化を遂げる。
しかし、それを察知したゴジラ側も遂にスキュラの討伐を決断。
ユーラシア大陸を股に掛けた逃亡劇の末、両者はイタリア・ローマで対峙するが、
本気で粛清するつもりになった怪獣王に敵うはずも無く、放り投げられた末に組み伏せられ、
触手でゴジラの口を強引に締めて悪足掻きを続けるも通用せず、振りほどかれた末に顔面に至近距離からアトミックブレスを撃ち込まれて爆散した。

また、クロスオーバー作品『Justice League vs. Godzilla vs. Kong』では、フラッシュと交戦している。

本作オリジナルの新怪獣ではあるものの、劇中では破壊シーンが数秒と最後のシーンのみの登場であり、そこまで活躍したとは言い難い。
一方で予告編では地中から出現して脚だけを覗かせるシーンが出ており、ハリウッド版クモンガの登場を予想した人も多かった模様。


MUGENにおけるスキュラ

カーベィ氏の製作したキャラが公開中。
kMIKEj氏提供のスプライトを用いて作られている。

長い脚を活かした範囲の広い攻撃の他、相手を凍結させる事が可能な「液体窒素」で戦うキャラ。
また「液体窒素(設置)」では画面上に液体窒素を一つまで設置可能であり、触れた相手はこれまた凍結するため相手の動きを大きく制限できる。
超必殺技はいずれも1ゲージ消費で「必殺液体窒素」「必殺突撃」「連続切り」の3つ。
AIもデフォルトで搭載されている。

出場大会

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最終更新:2025年05月15日 23:16