クロエ・フォン・アインツベルン


「油断してたら殺しちゃうからね お姉ちゃん」

Fate/stay night』のスピンオフ『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』の登場人物で、
正史には存在しない本作のオリジナルキャラ。第二部『ツヴァイ!』から登場。愛称は「クロ」。*1
アニメの担当声優は 斎藤千和 女史。
同女史は『Fate』シリーズでは『Prototype』で玲瓏館美沙夜、『EXTRA』でキャス狐
『Grand Order』ではブーディカ、シュヴァリエ・デオン等多岐にわたり演じている。

クラスカードによって乱れた地脈を調整する際の事故で、イリヤから分離する形で現界した、
「もう一人のイリヤスフィール・フォン・アインツベルン」とも言える存在。
その正体は、イリヤの小聖杯としての機能と人格…つまり「『stay night』のイリヤになるはずだったもの」で、
『プリヤ』の世界ではアイリスフィール・フォン・アインツベルンと衛宮切嗣により調整・封印され、
イリヤの危機においてのみ一時的に人格が交代して彼女の安全を保持するための安全装置となっていたが、
それがいつしか独自の人格を形成し、上記の事故にて「アーチャー」のクラスカードを核とする形で受肉・独立した。
それ故か、外見も「褐色肌・白髪のイリヤ」で、正史のアーチャーの要素をそのままイリヤに当てはめたような姿をしている。
しかし、『stay night』におけるイリヤのような冷淡な一面がクロエには見られない等、『stay night』のイリヤとも異なる成長を遂げている事が窺える。

+ 戦闘能力
イリヤが「聖杯の器」なのに対してクロエは「聖杯の中身」そのものであり、
故に願望機である聖杯の能力も持っており、クロの魔力の及ぶ範囲で限定的ながら、
望んだ魔術を理論や過程をすっ飛ばして行使することが可能。
また、現界の触媒であるアーチャーのクラスカードによって英霊化の状態にあり、身体能力は人間以上で、
小聖杯の力を利用した小規模な転移魔術も行使できる。

ただし、その肉体は弓兵のスキル「単独行動」と魔力によって維持されており、
さらに何もしなくとも魔力は生理的な基礎代謝の如く常に消費されているため、
枯渇する前に何らかの方法で魔力を補給しなければやがて消滅してしまう。
……なお、クロはその方法として粘膜接触、即ちキスを好んでおり、しばしば強烈な少女同士のキスシーンが展開される。
それを置いてもキス魔・小悪魔な言動が多く、これがトラブルの種になる事も多い。
また、斎藤女史といえば過去にガチ百合の魔法少女を二人も演じているが、
クロエは『Grand Order』の幕間で両刀を仄めかす発言をしている
主人公性別を選べる事への配慮と思われる)。

+ 他作品における活躍
『とびたて! 超時空トラぶる花札大作戦』では斎藤女史が他役で出演しているにも拘らず、
エンディング以外では斉藤女史の声で喋らず常に電子音な上に、体が一人だけモノクロになるという不遇っぷりであった。
ストーリーでは海外に居るはずの両親と遭遇するが、その二人は『Fate/Zero』の時系列なのでクロの事は知らず、
イリヤに対しても面影が似て居るけど服装からして別人と判断されて戦闘態勢に(花札で勝負だが)なってしまう。

『FGO』ではイベント「魔法少女紀行 ~プリズマ・コーズ~」報酬ユニットとして実装。
クラスはアーチャーで性能はスキルこそエミヤと似通っている点が多いものの、宝具がArts属性で単体攻撃など実質的に別物。
特に、Arts攻撃が6ヒットもするためNP回収率も良好で、さらにスキル「キス魔」でNPを最大で50%も確保できるため、
宝具の回転率は当時のアーチャーの中でも上位に入っていた。

現在はコラボの復刻は絶望的だが、「巡礼の葉」という交換用のアイテムを集めればショップからいつでも入手可能になり、
やろうと思えばストーリー序盤から仲間にすることもできる。

コラボの復刻時には「キス魔」にイリヤ専用の強化成功率アップのバフが追加されるという強化が入っている。
対象サーヴァントは通常のイリヤ、水着イリヤに加え、『stay night』のイリヤを依り代としているシトナイも恩恵を得られる。
シトナイはクロエと同様にArts属性が主体のため、通常や水着のイリヤよりもNP効率が良かったりする。
らしいといえばらしいものの、対象が非常に少なく用途が限られたファン用の効果であった……はずだったのだが、
2025年に実装された水着美遊が「敵味方全体にイリヤ特性を付与できる」というある意味ホラーなスキルを所持していたため、
これ以降は水着美遊と組ませれば、強引にイリヤ化させることでその場にいるクロエ自身も含めた誰にでも強化成功率アップを付与できるようになった。
ただしこれは「自分自身への確率バフ効果の成功率」を上げる効果であり、被強化成功率アップではない。
自前で強化スキルや宝具を持つサーヴァントにのみ効果があり、
アンデルセンの宝具や蘭陵王の「魔性の貌」などの「他者から受ける確率バフ効果の成功率」には寄与しない点に注意。

残念ながら作中ではクロエからシトナイへの絡みは特に無く、マイルームでシトナイが別世界の自分やその関係者についての会話がある程度。

『サーヴァント・サマー・フェスティバル2023!』では水着ユニットが実装された。
クラスはアヴェンジャーに変化しており、第一霊基は編集者スタイルのビジネススーツ風水着、
第二霊基は露出の多い際どいビキニの上に網目状のラッシュガードという小学生には早すぎな水着、
そして第三霊基だが、アニメ3期のBD・DVD限定版特典ショートアニメ『ビースト、再び!』に登場した、
タマモキャットのような手足を模したグローブとブーツを装着したデンジャラス・ビースト風の水着となっている。
後に、第二霊基のラッシュガードをキャストオフした差分が解禁された。
主催者のBBがサバフェスの権限を黒幕に乗っ取られてしまい、
サバフェス正常化委員会が定めた「アルトリアがジャンルの同人誌以外出版禁止」というルールのもとで、
各サークルのマネジメントを行うことになった。
マイルームでの会話から、アヴェンジャーになったのは「服の差分で事あるごとにイリヤにマウントを取られ、鬱憤が溜まっていた」とのこと。*2
実際、水着が実装されない事への怒りから(姿はそのままに)クラスがアヴェンジャーへと変化したサーヴァントが過去のイベントで何名か登場している。
有能で頼もしいが恐ろしい編集者として、サバフェスへのサークル参加経験のある一部のサーヴァント達からは畏敬の念を抱かれている。

味方全体に「攻撃時に自身に特殊強化【原稿完成】状態5ターンを付与する状態」を付与するスキル「進捗いかがですか?」や、
味方単体にガッツ状態を付与し、自身はターン終了時に自身を控えに退避するスキル「差し替え間に合いますよ」など、
ユニーク過ぎる性能を備えている。
宝具は自身のQuickカード性能を3ターンアップし、チャージを1減らす効果を持つ他、
自身に付与されている【原稿完成】状態の数に応じて(最大10個)威力がアップする「貴方へ届け、極彩色の白と黒(モノクローム・インパルス)」。


MUGENにおけるクロエ・フォン・アインツベルン

kuroshirou87氏による、『JUS』風ドットを用いたMUGEN1.0以降専用のちびキャラが公開中。
遠近共に技が充実しているオールラウンダーな性能で、一時的に無敵になり敵の攻撃にオートで迎撃する「熾天覆う七つの円環」などの技も持つ。
超必殺技には『FGO』の宝具である「鶴翼三連」や「偽・偽・螺旋剣」がある。
AIはデフォルトで搭載されている。
DLは下記の動画から

また、前述の「魔法少女紀行 ~プリズマ・コーズ~」におけるボス戦ステージも存在する模様。
参考動画(音量注意)

出場大会

  • 「[大会] [クロエ・フォン・アインツベルン]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
ただし厳密には順序が逆。
登場当初の正体不明だった頃に遠坂凛より肌が黒いから「クロとそのまんまな通称が付けられたのが先で、
その後本人から「クロエ・フォン・アインツベルン」と名乗り始めた。
つまり本名とされている名前は愛称に合わせた後付けであり、その後も周囲からは引き続き「クロ」と呼ばれている。

*2
『FGO』では配布サーヴァントは普通のサーヴァントよりも簡易的な仕様になっており、霊基再臨による強化を行っても立ち絵や戦闘グラフィックが変化しない。
自分の姿が変わらないことや衣装差分が少ないことに言及する配布サーヴァントも多く、仕様に基づいた一種のお約束の自虐ネタになっている。
クロエもイベント報酬による配布サーヴァントであったため、長らく立ち絵が戦闘状態の1種類からの表情差分しかなく、
イリヤや美遊と並んだ時に違和感が大きいものになっていた。
水着版の登場は通常版の実装から7年弱が経過してからで、念願の新規衣装だったのである。
ちなみに、長尾景虎の頭巾のように、配布サーヴァントでも簡素ながら差分が追加された例もあるため、
アーチャーのクロエにも何かしらの差分が来ることを期待する声もちらほら。


最終更新:2025年09月07日 00:46