ファイヤースープレックス


『ファイヤースープレックス』(FIRE SUPLEX)は、
1994年にSNKが『餓狼伝説2』の後に発売されたプロレスゲーム。
北米版タイトルは『3 COUNT BOUT』。

概要

  • ストーリー
SWF(SNK WRESTLING FEDERATION)は、プロレス界の頂点に立つ団体である。
そのSWFが遂に『世界統一無差別級トーナメント』の開催を決定した。
大会は「真のワールドチャンピオン」を決めるためのもので、体重制限のない無差別級に世界の強豪レスラーを自由参加させて闘わせる。
しかも、トーナメントには過激なデスマッチも組み込まれ、プロレス史上最も苛酷な闘いとなりそうな気配だ…。

そして、いよいよ大会開始。全世界から現SWFヘビー級チャンピオンをはじめとする強豪達がエントリー、
中には暗黒の地下プロレス組織「獅子の穴」出身の凶暴なレスラー達もいた。
闘う者の誇りと野望を胸に秘めて、颯爽とリングに上がる10人の男達。一体、どのレスラーの頭上に「真のワールドチャンピオン」の栄冠が輝くのか!?

アッポー』をはじめ、(正確にはプロレスではないが)『デスブレイド』や『キングオブモンスターズ』等の昔ながらのプロレスゲームであり、
「連打が全て」「連射装置があれば楽勝」という内容のため、ゲーメストの得点ランキング募集も初回いきなりカンスト達成(連射装置使用)。
『ストII』登場前ならともかく、格ゲーブーム全盛期にこの内容では当然ヒットするはずもなく稼働期間は短かった。

月華』~『龍虎』~『餓狼』~『風雲』と続く作品世界の一部である事は間違いないが、言及される事は殆ど無く、
作中の話も「プロレス大会で優勝者を決める」というだけでギースクラウザーも全く関わり無し。
SNKオールスターの『KOF』にも『NBC』にも長年ハブられ続けた。『風雲』ですら出たのに。『武力』ですら出たのに。
まるで『ファイヤースープレックス』なんて幻想だったんだと言わんばかりの扱いだったが、
『KOFXIII』にて拳崇ライデンの対戦前会話デモで、拳崇が「ドラゴン繋がりで応援していた」とレッド・ドラゴンの名前を挙げた事で、
KOF世界の中にも『ファイヤースープレックス』の人物達は存在するという事実が明らかになった。
何故呼ばなかった。……予選落ちか何かか
『KOFXIV』のメキシコチームのエンディングでは、キング・オブ・ダイナソーの控え室に、
ロイ・ウィルソン対テリー・ロジャース」らしいポスターが貼られており、ここでも彼らの存在は示唆されている。
また、『SNKヒロインズ』のシルヴィ・ポーラ・ポーラのエンディングでは彼女とレッド・ドラゴンの対戦カードが描かれたポスターが登場した。
『KOFXV』では『ファイヤースープレックス』のキャラが背景に登場しており、ようやく3Dのモデルで彼らが描写された。
これがKOF初出演であり、『ファイヤースープレックス』が世に出た1993年から29年後の事になる。

余談だが、『ファイヤースープレックス』に存在するプロレス団体SWF(SNK Wrestling Federation)は近未来まで存続し、
後にマックス・イーグルが所属することになるなど、妙に『風雲』との繋がりが強いゲームである。
そして悪役レスラーの団体は「獅子の穴」というのだが、こっちはひょっとして将来こいつが現れる下地になっているのでは…。
……と言いたい所だが、彼は「ボクシング+剣術」であってレスラーではないので関係の無い可能性の方が高いのだが。

キャラクター

  • SWF所属レスラー
「炎のジェントルマン」テリー・ロジャース
「人間重爆撃機」ビッグ・ボンバーダー
「怒れる猛牛」ゴチャック・ビッグボム
「東洋の赤い忍者」ザ・レッド・ドラゴン
「熊殺しバーバリアン」ロイ・ウィルソン
「無敵のサイボーグ戦士」マスター・バーンズ (最終ボス)

  • 獅子の穴所属レスラー
「狂乱の白髪鬼」レオ・ブラッドレイ
「孤高のヨガ戦士」ザ・ガンダーラ
「恐怖の流血大王」ブラバーマン
「謎の影武者」ブルース・ハブラム

システム

操作系はレバー+4ボタン。パンチ、キック、ジャンプ、フォール(および挑発)に割り当てられている。
本作が普通のプロレスと違う点は、ステージが普通のリング以外にも、工場・スクラップ場・電流デスマッチの3つのステージがある。
しかもこの3つのステージには凶器が落ちている。
ルールは一般的な格闘ゲームとは異なり、
「相手の体力ゲージをゼロにしその後フォール(3カウント)か相手のギブアップで勝利(リング以外はノックダウン(10カウント)で勝利)。
 またはリングアウト(20カウント以内)でリングに戻っていたプレイヤーの勝利」
というもの。

従来のプロレスゲームと同じく、組み合った後のボタン連打で勝った方が技をかけられるシステムだが、
本作の特徴として「打撃技(通常技)を当てることで組み合った時の必要な連打量が軽減される」というものがある。
ボタン連打が全てというシステムのため、アーケードでは連射装置付きの店であっさりとカウンターストップが発生する反面、
連射装置の無い家庭用ネオジオでは俄然難しくなってしまい、ゲームバランスの崩壊を招いてしまった。
事実として雑誌『ゲーメスト』のスコア集計が初回のみで打ち切られており、そのほとんどが連射装置付きのものであった。

また、1994年頃に稼働したゲームとしては珍しく体力ゲージ以外のゲージは存在しない。


MUGENにおけるファイヤースープレックス

マッスルボマー』キャラを全員製作したですからー氏により、本作も全員がMUGEN入りを果たしている。
いずれも派手な登場シーン、投げ技の胴体めりこみフィニッシュなどが揃った豪華な仕様。
スクリーンパックが出れば『ファイアースープレックス』のコンプゲーが組めると言っても過言ではない。

全キャラ共通のシステムとして、
  • 登場イントロの入場演出ON/OFF
  • ←↓←+掴みボタンで当て身投げ「ショルダースルー」
  • 打撃技を5発までスーパーアーマーで受け止める「セービング」
  • ゲージ量でダメージと演出が変わるゲージ投げ
  • 全キャラにオリジナル超必搭載
良く動くAIもデフォルトで搭載済みであり、現在もニコニコMUGENに筋肉旋風を巻き起こしてくれている。

なお、かつてはNamaguideran氏のザ・ガンダーラが存在したが(本作のキャラで唯一、2000年代にMUGEN入りしている)、現在は入手不可。


最終更新:2024年06月14日 00:27