ジャイガー


大映特撮映画『ガメラ対大魔獣ジャイガー』に登場する怪獣
別名「大魔獣」。身長80m、体重200t。

超古代文明のムー帝国出身とされている怪獣。
南太平洋上に存在する「ウエスター島」において「悪魔の笛」と呼ばれる石像によって封印されていたが、
当時日本で開催されていた大阪万博に展示するために悪魔の笛が発掘・移送された事で復活を果たす。
なお、同じ超古代文明のアトランティス出身とされるガメラは、
この笛の役割とジャイガーの存在を知っていたかのように発掘作業の妨害に現れたのだが、
その最中に島の火山が噴火したことでガメラは餌の熱エネルギーに惹かれて火山の方に向かってしまい、
結局像は引き抜かれてジャイガーの復活を止めることはかなわなかった。

ワニのような体格、角竜のようなツノ、魚類のような背びれとエラを備えた合成獣のような外見が特徴。
頭部の一本角から放つ超音波光線「マグネチューム光線」は分子の構造を破壊して人間を一瞬で白骨化させる程の威力を誇り、
音波光線故にガメラが甲羅に入っただけではダメージを完全には無効化できなかった程。
また、鼻の両脇の角の先から唾液を固めた針を発射する「唾液固形ミサイル」はガメラの皮膚を軽々と貫通する硬度と攻撃力を持つ。
加えて、前後両足の裏に「マグネチック吸盤」を備え、磁力で離れた物でも自在に引き寄せられる。
さらに海水を飲み込み頭部横のエラからジェット噴射させることにより海を時速300kmの速度で泳ぐこともでき、
その推進力を利用して短時間なら低空飛行も可能である。
素の身体能力自体も高く、高いジャンプ力を誇っている。
おまけに尻尾の先端に針状の産卵管を持ち、劇中ではそれを指してガメラの体内に卵を産み付けて、
生まれた幼体をガメラの体内に寄生させて内部から吸血・無力化するというエグい戦術を用いている。
このようにガメラ登場怪獣の中でも屈指の多彩な攻撃手段を持つが、ジャイガー最大の武器はその恐竜のような外見に反した知能の高さである。
ウエスター島のガメラとの初戦では、唾液固形ミサイルで手足を貫きつつ甲羅に手足を引っ込めることを封じて動きを止めていた他、
自分を封じていた悪魔の笛を狙い執拗に追い続けるなど、劇中では狡猾で知的な行動を幾度と無く見せている。
弱点は低周波で、これを受けると衰弱する。
悪魔の笛にはジャイガーの弱点である人間の耳には聞こえない低周波を発生させる仕掛けが施されており、
輸送中に南海丸の船員や大阪港の作業員が苦しむ現象も起きている。

ウエスター島で復活早々ガメラと戦闘になるが、唾液固形ミサイルでガメラの手足を貫き、
引っくり返った態勢のまま甲羅に手足を引っ込められなくして飛行や動きを封じるも、
この時は自分を封印した悪魔の笛を追うことを優先してガメラにトドメを刺すことなく日本へ来襲した。
通天閣を破壊するなどの被害を起こすが、なおも拘束を脱して追跡してきたガメラと大阪で第2ラウンドに突入し、
ガメラの突進攻撃に圧倒されるもマグネチック吸盤で甲羅を引き寄せてガメラを拘束、そのまま産卵管をガメラに突き立てて卵を植え付ける。
これにより、体内で生まれた小ジャイガーに内部から吸血されたガメラを仮死状態にする形でまたも撃退する。
加えて、自分にとって脅威だった悪魔の笛も大阪湾の海の底に捨ててしまい、人類の打つ手は無くなったかと思われた。
しかし、トランシーバーを携帯しつつ万博会場の遊戯用に試作された小型潜水艇を無断で借用した弘とトミーが、
仮死状態のガメラの体内に侵入して寄生していた小ジャイガーと遭遇した際に、
壊れて雑音を発するトランシーバーで小ジャイガーが死んでしまったことから「低周波の音波に弱い」というジャイガーの弱点が人類に露呈し、
ジャイガーを封印していたのが悪魔の笛が発する低周波の音波であることも突き止められてしまう。
これにより、大型スピーカーから放つ低周波音でジャイガーを駆除する作戦が開始されて一時弱体化するも、
同時に行われていたガメラを蘇生させるための高圧電流による電気ショック作戦のせいで停電が発生し、
その影響でジャイガー撃退のためのスピーカーが止まってしまい復活。
だが、電気ショックで蘇ったガメラが現れ、三度目の戦いとなる。
当初は超音波のマグネチューム光線を耳栓で防がれ、火炎放射を浴びせられ続けるなど劣勢になる。
これに対してマグネチック吸盤で引き寄せた瓦礫を投げてガメラの口を封じ再度産卵管を刺そうとするが同じ手は二度通じず、
煙突のような建築物で何度も尾を殴打されて産卵管の針が取れてしまい、そのままジャイガーを抱えて飛んだガメラに空中から地表に叩き付けられ、
胴体が地面にめり込んでしまい足をばたつかせてもがき苦しむ。
なんとか頭を引っこ抜くがその場にいたはずのガメラの姿は消えており、八つ当たりするかのように万博会場に迫るが、
そこで再び現れたガメラが大阪湾の海底深くから引き揚げた悪魔の笛を持っているのを見た途端に焦りはじめ、
笛を奪おうとするもガメラはジャイガーのジャンプが届かないギリギリの距離を飛行し続けていたため失敗を繰り返し、
先の戦いのダメージが癒えていないにもかかわらず無理に何度もジャンプし続けた疲弊と悪魔の笛から放たれる低周波の影響により、
反応が鈍った隙を狙われてガメラによって投げ付けられた悪魔の笛が額に刺さり、ついに絶命。
死骸はガメラによってウエスター島に運ばれたのであった。

このように、最終的に敗北したものの奇策込みとはいえ二度もガメラに勝利したことから、同シリーズ屈指の難敵として知られている。

+ 他作品における活躍
平成三部作の幕間を描いた近藤和久氏の漫画『大怪獣激闘ガメラ対バルゴン-COMIC VERSION-』では、
超古代文明の生体兵器の一つという設定で僅かながらカメオ出演している。

同様に平成ガメラの設定を引き継いだ井上伸一郎氏の小説『聖獣戦記 白い影』では、
玄武であるガメラ、朱雀であるイリスと同列の白虎に相当する怪獣として登場し、
対馬小太郎によって勾玉で操られ、元寇時の北九州で青龍に相当するバルゴンと死闘を繰り広げた。
なお、名前は元軍に同行していたキリスト教の宣教師がその姿を見て「ジャイガンティス(巨大な存在)」と表現した際、
やや唐突に地の文で名付けられている。正直、由来としては苦しい上に某怪獣王の海外版名称と被っている

『小さき勇者たち』の小説版ではギャオスのDNAによって誕生したGジャイガーが登場している。

2023年Netflix配信の3Dアニメ『GAMERA-Rebirth-』では、他の昭和ガメラ怪獣共々久々に映像媒体で登場を果たした(通称「リバースジャイガー」)。
昭和版よりも細身かつ小柄になっているだけでなく、額に第三の眼を持ち牙は角と同じく折れ曲がった形状と化している他、
体色も朱色に変更されるなどのアレンジが施されており、コアなファンの間ではマンモスネズラの要素も加えられたのではと指摘する声も上がっている。
加えて、体表を透明な耐熱性の粘液で保護する性質があり、実際にガメラの火焔弾によるダメージを軽減している。
唾液ミサイルやマグネチューム光線は使用しないが、昭和版を思わせるムチのように自在に動き先端に鋭利な尾棘を備えた尻尾を持つ。
本作の登場怪獣は共通して体表にエネルギーシールドを発生させる特性があり通常兵器を寄せ付けないのだが、
ジャイガーはこの尾棘に電磁パルスを纏わせることで他の怪獣のエネルギーシールドすら貫通する攻撃力を実現している
(要はATフィールド同士をぶつけて中和・相殺しているのと同じようなイメージ)。
また、本作でも高度な知能を備えており、戦略的な行動を取っている他、ガメラを追い詰めた際に嘲笑うかのようなリアクションを見せている
(ついでに昭和版でガメラが産卵管潰しに使用した建物に似た展望台をリバースジャガーが意趣返しするかのように壊す小ネタがある)。
こいつが出現した頃は自衛隊がジャイガーだけでなくガメラも敵とみなして攻撃していたこともあり、
自衛隊の横やりで戦いに集中できないガメラを高い耐熱性と尻尾の刺突攻撃で苦戦させて一度はダウンさせるも、
自衛隊がジャイガーを集中的に攻撃し始めたため怯んでいるうちにガメラに態勢を立て直されてしまい、
灼熱の火炎を掌に纏った「燼滅手」を口の中にぶち込まれ、粘液の保護が無い体内から焼き尽くされる形で倒された。
なお、死骸はガメラの火焔弾で完全に焼却された。


MUGENにおけるジャイガー

   
カーベィ氏により製作されたキャラが公開中。かつて昭和版映画が公開された日に合わせて公開された。
これにより昭和ガメラシリーズの主役敵怪獣が全員MUGEN入りすることになった。
kMIKEj氏が手掛けたスプライトを用いて作られており、defファイルの登録により小ジャイガーとしても使用可能。

近接戦は「とびかかり」や「のしかかり」、遠距離戦は「唾液固定ミサイル」や「岩投げ」などの飛び道具で戦う性能となっている。
超必殺技はいずれも1ゲージ消費で、飛び道具「マグネチューム光線」、近接技「必殺とびかかり」、
一定時間相手にダメージを与える「吸血戦法」の3つ。
AIもデフォルトで搭載されている。

出場大会

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最終更新:2025年04月20日 18:41