アメリカ・イギリスに伝わるとされる
妖怪
、及びそれを元ネタにしたキャラクターを指す。
最も有名なのが水木しげる氏による漫画『
ゲゲゲの鬼太郎』及びその派生作品に登場するものであり、MUGENのバックベアードもこちらが元ネタ。
『MARVEL』の
シュマゴラスや『
星のカービィ』の
ダークマターなど、似たデザインのキャラは多数存在するが、多くは無関係。
妖怪図鑑等では現代アメリカの妖怪とされ、見ただけで強烈な眩暈を引き起こす目を持っており、夕方にビル街に出現して見た者を屋上から落としてしまう。
その正体は光化学スモッグとも人の悪意の集まりとも言われる。
しかし、実際に海外で上記のような伝承・都市伝説の類は一切確認されておらず、創作妖怪との見方が濃厚。
バックベアードの名前が確認出来る最も古い情報は、
1965年に発刊された集英社の雑誌『少年ブック』8月号における『世界の幽霊・おばけ100選』にて紹介されたもので、
アメリカ・イギリスに出現し、その目を見た者をがけから落としたり、目くらにするとされている。
なお、この時に描かれたのは昆虫を思わせる複眼に毛の生えた雲のような姿で、デザインが
非常にキモい大幅に異なる。
現在定着している「黒い球体に血管や枝を思わせる突起を生やした
単眼の化け物」という姿は水木氏によるもので、
氏の過去作品の妖怪やフランスの画家オディロン・ルドン氏の『眼=気球』、
写真家・民俗学者の内藤正敏氏のコラージュ作品『新宿幻景キメラ』などを元ネタにした物と思われる。
特に『新宿幻景キメラ』では、黒い球体にリアルな人間の目が一つだけ備わり、全方位に向けて血管を思わせる黒い突起が生えているという、
まさしく水木版バックベアード
そのものな見た目の存在がコラージュで表現されており、直接的なモチーフはこちらと推測される。
ちなみに、イギリスには「バグベア」と呼ばれる行儀の悪い子を貪り喰う
クマのような妖精が伝わっており、
名称の元ネタになったとされる説が存在するが、実際の所は不明。
また、1920年代から1960年代頃のパルプマガジンでは巨大な複眼を持つ怪物がよく登場しており、
SF作品に登場する怪物のステレオタイプとしてBug-Eyed Monsterと呼ばれていた。
『少年ブック』のバックベアードは巨大な複眼の姿なので、デザインはこちらが元ネタという説がある。
『ゲゲゲの鬼太郎』におけるバックベアード
「わかったか! わしの眼力にはいかなる力もかなわぬのだっ」
キャラクターとしての初出は1966年の『妖怪大戦争』。
鬼界ヶ島を覆う怪奇現象「ブリガドーン現象」
*1の中に住まう西洋妖怪の親玉として登場する。
妖怪の国建設を目論み、それを阻もうとする鬼太郎達と対決。一反木綿、ぬりかべ、子泣き爺・砂かけ婆を戦死に追い込み、
鬼太郎も催眠術にかけてノックアウトし洗脳、あわや鬼太郎ファミリーを全滅一歩手前に追い込む程の活躍を見せた。
以来、シリーズの常連としてしばしば出番がある。
性格は残酷で、卑怯な手段も辞さないが、どことなく間抜けな言動も多く、ユーモラスな一面を持つ。
基本的に敵役だがラリーや
相撲で勝負をしたり、時には鬼太郎の味方になる事もあった。
また、作中では
「ベアード」の略称で呼ばれる事も多い。
アニメ版では
悪の親玉としての側面が強調されがちで、複数の配下を引き連れ、原作以上の残酷さと
カリスマを兼ね備えた大物に描かれる傾向にあるが、
活躍の度合いは作品によってまちまち。
同じような立ち位置のぬらりひょんとは同床異夢といった関係性でよく共闘するが、ぬらりひょん側に鼻を明かされるような展開が多い。
最大の武器は妖力を持った眼で、眼を合わせた敵を一瞬で催眠状態にして意のままに操ってしまう。
眼力は作中屈指のチートアイテムである鬼太郎の霊毛ちゃんちゃんこを一睨みしただけで一時行動不能にしてしまう程。
この他、アニメ版では衝撃波や
電撃、破壊怪光線を放ったり、敵を体内に吸収したりと、多彩な攻撃手段を披露している。
一方でこの眼は唯一最大の弱点でもあり、初登場時は
目玉おやじの針の一刺しで呆気なく即死している。
上記を除けば生命力は強い方で、『鬼太郎の世界お化け旅行』では身体を真っ二つにされても死なずに戦闘を続行している。
形態を変化させる事も可能で、『鬼太郎国盗り物語』では手足をニョキニョキ生やして相撲を取っている他、
アニメ版第6期に至っては
ムキムキの人型形態に変身して肉弾戦を挑み、多くの人を驚かせた。
 
水木氏にとってもお気に入りの妖怪だったらしく、公式イラストでもしばしばその姿が描かれている他、
最晩年にはカードゲーム『デュエル・マスターズ』でコラボとして、水木氏直々のイラストによるバックベアードのカードが登場した。
文明は闇で、バトルゾーンに出た際に他のアンタップされているクリーチャーを破壊する効果を持つ。
    
    
        | + | ネット上での扱い | 
ネット上でも認知度は非常に高く、「バックベアード様」 と呼ばれて親しまれている。
 
WEB掲示板の「ふたば☆ちゃんねる」にて、
 
原作の一コマの台詞を「このロリコンどもめ!」 と叱責するものに置き換えた事を切っ掛けに一躍お祭り状態になり、
 
以来ロリコンネタが挙がるとすかさず現れて世のロリコン 共を叱り付けるキャラクターとして定着した。
 なお「たまにはロリコンもいいよね!」「ショタコンは許す」などの迷言も不定期に口にする。同族嫌悪じゃねーか!
仕舞にはゴスロリツインテール (前髪で片目を隠して一つ目を再現 って鬼太郎じゃねーか!)なロリッ娘である「ベア子」という実娘まで創られ、
 「このロリコンどもめ!」「もっと罵ってください!」等と親娘共々愛されている。
 
なお、当然ながらこれらの設定は原作には一切存在しないため注意。
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MUGENにおけるバックベアード
humi氏によるバックベアード様が公開中。
「希望vs絶望~旧き掟と新しき精鋭達~」用に製作されたキャラクターで、ランクは狂上位付近。
攻撃手段は眼からの怪光線や、眼力攻撃など。
コンフィグを弄る事でダメージ量、やられ後無敵時間、やられ時攻撃発動、攻撃性能、ライフ自動回復、ゲージ自動回復の設定が可能。
あと、過去のMUGEN動画には
ゼロ(星のカービィ)とかが
主に「このロリコンどもめ!」の代役で登場したこともあった。
出場大会
*1
1947年のブロードウェイで公開されたミュージカル演劇『ブリガドーン』に由来。
スコットランドの伝承にある、百年に一度、一日だけ現れる幻の村ブリガドーンが舞台の物語であり、水木しげる氏はこの作品を元に、
複雑な条件で出没する蜃気楼のような幻の都市に「ブリガドーン現象」と命名したと思われる。
後に『
ガオガイガー』の米たにヨシトモ監督が、1969年の東京上空に突如逆さまになった異世界の都市の幻像が出現し、
そこから墜ちて来た生体兵器の青年メランと東京下町の少女まりんが運命的に出会う物語『BRIGADOON まりんとメラン』を制作。
作中でこの幻影の都市が現れる現象を「ブリガドーン現象」と呼称している。
なお『まりんとメラン』はボーイミーツガール冒険譚として傑作であるが、主にまりんに対しかなりきつい曇らせ展開が降りかかるため、
大分人を選ぶ作品でもある。同じく鬱※全開の『ベターマン』がいける口ならお薦め
 
最終更新:2025年10月21日 20:17