真名は メリュジーヌ。 同名の『FF5』のボスモンスターとは由来名が同じなだけで関係ない。
その正体はブリテン異聞帯における「赤き竜アルビオン」から切り離された左腕の残滓。
アルビオンとは 当然ながら地球連邦軍の艦艇ではなく幻想種の頂点に立つ竜種の中でも最高位の存在であり、
先カンブリア時代(地球誕生の46億年前から約5億4100万年前)から活動していたらしい。
よって魔術師はおろか『 魔法使いの夜』に登場したベオでさえも上回るレベルの神秘を纏っており、それが妖精騎士ランスロットの反則じみた強さの源流。
詳細はモルガンの項目を参照してほしいが、妖精歴1万2000年、始まりの六人が聖剣製造をサボった事でセファール襲来を防げず星が無の海に帰した時、
アルビオンは「楽園」に帰れないまま力尽きて墜落死してしまったのだが、肉が腐り落ちる前に左腕を切り離し、それがメリュジーヌの前身となる。
その後、アルビオンの遺骸を中心に陸地と森林が生まれ、「北の妖精」と呼ばれる者達が住み着く。
争いを好まない大人しい妖精だった彼らは遺骸を大切に守って暮らしていた。
しかし妖精歴6000年、妖精の死体を土木にして拡大を続けたブリテン島が北の妖精の住む土地と接続し、春の戦争が生起。
戦いは人間を擁していたブリテンの妖精が勝利し、何の罪も無い北部の妖精は皆殺しにされてしまった。
この時の虐殺は徹底したものであり、次代が発生しないほど念入りに殺され、オークニーの地に灰の雪が降った。
やがてアルビオンの遺骸は腐り落ちて骨だけとなり、崩れた肉塊から発生した沼の水は妖精への敵意に満ちた不浄なる掃き溜めと化し、
女王歴になってもなお湖水地方には北の妖精の怨念が渦巻いていた。
春の戦争から7600年が経過した女王歴1600年頃、アルビオンの遺骸がある暗い沼にて、湖水地方の視察に訪れたオーロラによって拾い上げられ、
当初は泥の中で蠢くだけのアメーバの様な不定形の姿(本人曰く「汚らしい肉片」)をしていたが、自身が泥にまみれるのを厭わずに拾い上げてくれた事、
オーロラが持つ輝くほどの美しさに惹かれ「この人のようになりたい」と願ったことで人型の姿を獲得したのが彼女であった。
メリュジーヌという名もオーロラが名付けてくれたもの。この時からメリュジーヌはオーロラに絶対の忠誠を誓い、彼女の願いを叶えるべく剣として振る舞う。
女王歴1900年、「厄災」を恐れるあまり土と風、牙と王の氏族が戦いを始めた。
当初オーロラへの愛だけで少女の体を保っていたメリュジーヌだったが、
彼女は北の妖精の怨念をたっぷり吸ったアルビオンの躯から生まれたその存在故に徐々に厄災化を止められず変調をきたしていた。
そこへ戦争を終わらせたい女王モルガンが彼女に提案を持ちかけ、着名を受けて「妖精騎士ランスロット」となる。
こうして厄災化を抑えつつモルガンにも仕える事になったが、
彼女は忠誠心と恩義は抱きつつも「僕が陛下に従うのは、ブリテンのためじゃない。このカタチを維持するため」と妖精騎士ガウェインに語っており、
その言葉通り、メリュジーヌはモルガンとオーロラの二君に仕えるようになる。
女王歴2007年、汎人類史で円卓の騎士となるはずだった男の同位体・パーシヴァルが人間牧場からオーロラの養育院に引き取られる。
院長のウッドワスが施す厳しい訓練により集められた子供達は次々に脱落していったが、
パーシヴァルは体格に恵まれていた事、メリュジーヌが直々に稽古をつけていた事で頭角を現す。
彼女にとってパーシヴァルは初めての教え子、初めての弟、初めての友人であり、実の肉親であるかのように大切に育てた。
パーシヴァルもまた彼女の期待と愛に応えようと一層奮起する。
並行してメリュジーヌはオーロラに言われるがまま、頼まれるがままに、彼女の障壁となり得る存在……妖精國中の民の命を領民内外や種族問わず、
「オーロラから一番を奪った罪」を免罪符に次々と奪う汚れ仕事を重ねていた。
そんなある日、オーロラは「予言の子」の話を周囲に吹聴して回るエインセルを「自分に注目させたいがために根も葉もない虚言で不安を煽っている」と称し、
いかにも鏡の氏族そのものがモルガンに反逆しようとしている危険な存在だとメリュジーヌに説く。
それが彼女の妖精としての本能に由来する思いつきの虚言だと分かってはいたが、それでもメリュジーヌはオーロラの望むままに鏡の氏族を皆殺しにする。
だが、その時は相手が悪すぎた。というのも、鏡の氏族は長年彼女の本体の骸を守っていた穏やかな妖精だと、他ならぬメリュジーヌが知っていたから。
それでも悩みに悩んだ末オーロラを選び、泣く泣く皆を手にかける道を選んだ。鏡の氏族達もそんな彼女の境遇を慮り、
さらにその末に最悪な未来を予言しても、回避も何も出来ないジレンマによる苦悩から手っ取り早く逃げ出す為なのか、
憐れみつつも一切抵抗すること無く自ら命を差し出した。
そして全てを終えたメリュジーヌは、オーロラにだけは自分の行いを肯定されたい、感謝してくれるのならそれだけでいいと、
返り血を浴びたまま、身を清めることもせず彼女の元を訪れる。
だが、そこで見聞きしたのはオーロラの、さっきとは反対に掌を返してエインセルを素晴らしい妖精と称える態度と、
鏡の氏族を襲ったモノ(=メリュジーヌ)を、「この世のものではない、体はおろか心まで汚れた最も醜い腐ったケダモノ」
「外見はどんなに綺麗にとりつくろっても、所詮は自分の真似ごとをしているだけ。あんな汚いモノは思うだけでも汚らわしい」と罵る、
これまでの自分の存在を全否定する言葉だった。
どれだけ自分や周りを犠牲にして全てを捧げてもオーロラからは何とも思われていないという、
恐らくは過去に渡って何度目かに突き付けられたであろう残酷な真実を改めて目の当たりにするが、
それでもなお彼女へ抱く「本気の愛」に縋ってしまう自分を否定できず、メリュジーヌは降りしきる雨の中一人、絶望の涙を流した。
オーロラの本性を知った後も彼女はブリテンに住む全ての妖精よりもオーロラを優先し続け、
同時に妖精騎士ランスロットとして女王モルガンに盾突く反対勢力やモースを掃討し続けた。
そして本編。反旗を翻した都市シェフィールドの攻略、キャメロットの招待されるカルデア軍団の護衛、
オベロンが支配する西の森の殲滅など様々な任務を成功させ、その最中でマシュ、ハベトロット、村正、賢人グリムと交戦した。
かつて家族として愛したパーシヴァルが円卓軍なる反乱勢力を組織している事を知り、そんな風に育てた覚えはないと嘆息するメリュジーヌだが、
彼はかつてメリュジーヌの絶望を目の当たりにしており、身勝手な愛だと理解しつつもメリュジーヌを助ける決意のもと活動していた。
反乱勢力の長とはいえパーシヴァルと干戈を交えるのは嫌だったらしく、
円卓軍とノクナレア軍が同盟を組んでキャメロットを攻めようとした時はノクナレア軍のみを相手するつもりだった。
キャメロット防衛戦では円卓・ノクナレア連合軍を迎え撃つ。しかしこれまでの戦闘ですっかりマークされていたため、
陽動部隊に釣り上げられた挙句、村正とグリムの二人掛かりで足止めをされる。
しかも彼らは主人公が召喚したサーヴァントを戦力として引き連れており、時間を稼がれている間にノクナレア軍の巨人兵団が正門を突破して連合軍が侵入、
さらに裏取引により元々戦う気が無かった妖精騎士ガウェインが投降してしまうなど凶報が次々に舞い込み、
ここに至りメリュジーヌは負けを認めて飛び去った。
その後、上空から城下町へ雪崩れ込む連合軍と裏切り者のガウェインを誅するべく機会を窺っていた所、オーロラに呼び出されて戦線離脱。
女王軍からは命令拒否による敵前逃亡と推測され、玉座に集まった上級妖精達の動揺を誘った。
やがてオーロラが流布した情報により激昂した臣下の上級妖精が反乱を起こし、モルガンが討たれてキャメロットは失陥。
円卓・ノクナレア連合軍の勝利に終わった。
モルガンの死後、ソールズベリーの大聖堂で新女王となるノクナレアの戴冠式が行われるもオーロラによって毒殺され、
その罪は予言の子やカルデア軍団になすり付けられる。
オーロラはメリュジーヌを大聖堂に派遣してカルデア軍団の始末を図り、手始めにグリムを不意打ちで仕留めようとしたが、マシュの防御に弾かれて失敗。
更にメリュジーヌが送られてきた事で毒殺の犯人がオーロラだと露呈してしまった。
メリュジーヌはカルデアに迫り、アルトリアはノクナレア毒殺から立ち直っておらず、
彼女の援護無しでは全員で挑んでも一人か二人は殺されるだろうと村正は苦虫を嚙み潰したように推測する。
そんな彼女の前に立ちはだかったのはパーシヴァルだった。寿命を削る選定の槍の使用さえも辞さない彼の確固たる決意に戦意を挫かれたメリュジーヌは、
大聖堂から逃げるように飛び去り、カルデアは事なきを得た。
モルガンが死亡した事で解放されたマーリンの先導を受け、カルデアはアルトリアと共に旅の終着点である楽園アヴァロンへと向かう。
その際に使用されたのが通り道こそメリュジーヌの源流であるアルビオンが開いたパスだった。
罪なき者しか通れない道だったためブリテンの妖精は勿論、始まりの六人さえも楽園へは行けなかった。
そして楽園の入り口には来訪者の強さを問う最後の竜が待ち構えており、その姿は赤熱したメリュジーヌそのものであった。
それから程なく大厄災が発生。妖精國全土が火の海に没し、大穴から湧き出るケルヌンノスの呪いが妖精をモース化させ、
マンチェスターでは厄災となった魔犬バーゲストが地表を蹂躙していた。
こうなったのは全てオーロラが原因だと理解していながらも、ブリテンの最後までオーロラに尽くそうとソールズベリーへ向かった。
だが、オーロラはメリュジーヌを見るなり民を見捨てて自分達だけ脱出する事を持ち掛け、彼女を絶句させる。
それどころか汎人類史の世界にまで脱出してチヤホヤされる理想の世界を作ろうと考えていた。これに対するメリュジーヌの回答はオーロラを殺す事だった。
「僕は、君のためにしか、生きられない。
君のために、きみを、地獄には連れて行けない……」
オーロラは「誰よりも自分が一番愛されること」に忠実な妖精であり、一見他者に好ましく映るオーロラの今までの言葉や行動は全て、
ただ一時のその場における他者から称賛を貰うためのパフォーマンスに過ぎない。
そして彼女は、自分より注目され愛されるモノと同様に自分を称えないモノを敵視する。
それは感情論のようなものではなく自身の「目的」を曲げかねない存在として脅威になり得るからである。
彼女の本質は陰謀家ではなく「自分が一番に愛される」という妖精としての目的の下、
「自分が一番に愛されている環境、自分が一番輝いていられる世界」を維持しようとしているだけの、あまりにも自己愛に振り切れ過ぎた八方美人の化身。
未来を考えず、権力への執着も無く、国を運営していく信念さえも無く、ただ単に「自分にとって邪魔なものを排除する」事をひたすら繰り返す、
自分が心にも無い綺麗事の台詞を考えたり嘘を吐いたりした自覚も、
他者を引きずり落とすために悪意を以て奸計を用いたり、事実の曲解や罪の捏造を行ったりしたという自覚も一切抱けず、
「『誰からも愛される美しいオーロラ』のイメージに傷が付くような自身の言動」も都合よく忘却・脳内補完してしまう、己の刹那の欲望に忠実過ぎる、
刹那承認要求モンスターの極致のような存在であった。
しかし、それがまかり通っていたのは、彼女の統治する民が疑うことを知らない純真無垢、言い換えれば幼稚で刹那的な愚か者ばかりの妖精達と、
元からこの世界での身分や立場が低かった人間達という妖精國の住人と「相性が良すぎた」存在ばかりだったため。
汎人類史ではこんな存在は、人間社会は勿論のこと妖精社会においても爪弾きにされて何処にも居場所が無くなり、
無謀な行動をしてさらに格上の存在に「害なる妖精」として排斥されるのが関の山で、
そして万が一運良く生き延びたとしても、最終的には妖精國でのそれとかけ離れた姿に変質する可能性が高く、そのまま悪妖精化するか、
目覚めて鏡を見ては醜悪な立枯れた自分を見て都合のいい自己解釈をしながら一日を終えて全てを忘れ、また目覚める生き地獄を送るのが目に見えていた。
だからこそ、オーロラを最も美しい「今」ここで、劣化しながら死ぬか苦しみながら現実逃避の日々を過ごす前に介錯するのがメリュジーヌの愛であった。
しかしそれは彼女の心の支えを失う事と同義であり、モルガン亡き今となっては着名の抑えも効かず、メリュジーヌは厄災と化してしまう。
アルビオンの竜骸となってブリテンの空を駆けるメリュジーヌだったもの「炎の厄災」は、
北の妖精から背負わされた怨念に突き動かされ、ブリテンを崩壊へと導こうとする。
そんな中、ブリテンの崩壊を阻める手段を持ったカルデアのストームボーダーが立ち塞がった。
ストームボーダーの装甲は神造兵装でなければ傷付けられない堅牢なものだが、
神代の存在であるアルビオンの竜骸にはバターのように柔らかいものでしかなく、今やストームボーダーの撃墜は秒読み段階だった。
しかし炎の厄災の狙いがアルトリア・キャスターである事をホームズに見抜かれ、
甲板上に出す事でストームボーダーの甲板でアルトリア・キャスター、義理の弟パーシヴァルと邂逅する。
「炎の厄災アルビオン」。ブリテンを蝕む厄災の一番手としてカルデア軍団に立ちはだかり、
その強大な力でカルデアを襲うも迎撃され、戦闘により傷付いたアルビオンの竜骸は甲板上より離脱。
このチャンスを活かせなければ二度目は無いが、しかしその戦闘でストームボーダーは既に満身創痍であり、
炎の厄災を追いかけられるだけの余力が残っていなかった。
絶望のあまりネモですら弱音を吐く中、パーシヴァルは次使用すれば死ぬと分かっていながら自らの寿命を犠牲に選定の槍を振るい、
竜骸の心臓を貫いて墜落させるが、寿命を使い果たして死亡。
視界の片隅で体が砕け散っていくのを目撃した炎の厄災、否「メリュジーヌ」の意識は彼の名を呟いて死を悼んだ。
力尽きて落ちていくアルビオンの竜骸。後は地面に激突して砕けるだけの存在に、メリュジーヌだった頃の記憶が一時的に甦り、
彼女を取り巻く妖精や出来事、美しい光景が次々に浮かんでくる。
そんな時、彼女が愛した世界を破壊する奈落の虫を見て、敵性存在と認知し、死に体に鞭打って再起動する。
飛翔を続けるたびに鱗は剥がれ、肉は崩れていき、短い寿命が更に削れていく。
それを承知で飛行を続け、奈落の虫に熱線を浴びせて裂傷を生じさせ、妖精騎士メリュジーヌは命を終えた。
しかし、他の妖精國の面々と同じくサーヴァントとしてカルデアに召喚された。
流石にサーヴァントの身では生前程の力は出ないらしいが、それでも規格外の存在である。
ここでの口癖は、話をぼかしたり先延ばしにする際によく使う「おいおいね」。
基本的には善の存在だが、強い愛を一途に向けるタイプで、その分反転した際も強烈であり、自分の愛を守るために強硬な手段に出る事もある。
妖精國では自分を掬ってくれたオーロラに向けた愛故に破滅の結末を迎えてしまったが、
カルデアでは主人公を運命の相手と見なしてこのような強烈な愛を向ける。
メインヒロインのことは差し置いて。2部六章の女性鯖ハベトロットとガレス除いて全員こんなんなので…
絆礼装を見ても分かる様に、記憶を引き継いでいるためオーロラへの愛はサーヴァントとなっても忘れていないが、
水着霊基の方で軽くディスれる程度には吹っ切れている模様。
パーシヴァルとの因縁については忘れてはいないのだが、カルデアに召喚されるパーシヴァルはあくまで汎人類史の彼であるため、
彼女のことは与り知らない状態である。
しかし2部六章をクリア後にパーシヴァルのバレンタイン会話を見ると……
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宝具 |
- 「今は知らず、無垢なる湖光(イノセンス・アロンダイト)」
ランク:A、種別:対人宝具、レンジ:1~10、最大捕捉:1匹
妖精騎士としての宝具。
自らの外皮である「竜の皮」「竜の骨」から「妖精剣アロンダイト」を一瞬で精製し、対象に叩き付ける。
ランスロットのアロンダイトの槍版であり、数を重ねて切り裂く度に対象の被ダメージを増やす効果がある。
傷口が開いてそれが癒えない効果があり、メリュジーヌ自身はこれを「切開剣技」と呼称している。
この宝具はあくまでランスロットの宝具であって自分の宝具ではない借りもの(偽物)であるため、
メリュジーヌの主観としてはダメージは低い(それでもAランク)。
- 「誰も知らぬ、無垢なる鼓動(ホロウハート・アルビオン)」
ランク:EX、種別:対界宝具、レンジ:20~500、最大捕捉:500匹
メリュジーヌ本来の宝具で、本来の姿に溶解したメリュジーヌが放つドラゴンブレス。
演出によっては武器であるテュケイダイトの投擲になる。
本来の姿になったメリュジーヌはもはや妖精と呼べるものではなく、その威容の心臓からこぼれる光は広域破壊兵器となり、
その様は境界にかかる虹とも、世界に開いた異界へのゲート(異次元模様)ともとれる。
しかし使用後「メリュジーヌはそうありたいと願った妖精の器」に戻れず、人知れず消滅する。
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