「三つ目族の力を侮るなよ!」
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担当声優 |
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肝付兼太
- 『海底超特急 マリンエクスプレス』(ムー帝国王子・シャラク)
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藤田淑子
- 『悪魔島のプリンス 三つ目がとおる』
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伊倉一恵
- 1990年アニメ版
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田中真弓
- 『まんがビデオ』
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くまいもとこ
- 『手塚治虫が消えた!? 20世紀最後の怪事件』
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佐藤ゆうこ
- 『ブラック・ジャック』シリーズ、『週刊・手塚治虫』
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週刊少年マガジンで連載された
手塚治虫氏の漫画『三つ目がとおる』の主人公。
額に眼球のような感覚器官を持つ
三つ目族の末裔である男子中学生。
三つ目族というのは通常の人間を遥かに越える優れた頭脳、様々な超能力を持ち、
額の目を塞がれると知能が
幼稚園児並みになってしまうという弱点を持った先住民族である。
如何なる経緯によるものか既に絶滅寸前であり、完全な三つ目族としては写楽が最後の一人。
…/// のはずであるが、
写楽の叔父を名乗ったゴブリン伯爵が潰れた第三の眼のようなもの(作中描写を見る限り写楽に近付くための嘘の可能性もあるが)を持っていたり、
終盤思わぬ所で三つ目族が登場したりと、案外世界のどこかにはまだ生き残りがいる可能性も示唆されている。
一度絆創膏が剥がされて三つ目が表に出てしまうと、プライドが高く傲慢な性格の写楽へと人格が変貌。
三つ目族の超科学と超能力による世界征服を目論む……その性格に見合った思想を持った危険人物となってしまう。
尤もその世界征服も
毎回予想外のアクシデントが起きて失敗するのだが……。
その為、普段は大きな×印型をした粘着力の強い特製絆創膏で三番目の目を塞がれ、
無邪気な幼児のような状態で(周りにバカにされたり笑われたりしながら)生活している。
この絆創膏は特定の食用油を付けないと何やっても剥がれないぐらい強力。まあ事故で剥がれると困るしね。
あと、どうも剥がすのにコツがいるようで、剥がし方を知っている人間がわざわざ和登さん(後述)を頼った事もある。
尤も、三つ目写楽も完全な極悪人というわけではない。
彼がもっぱら人類に対して悪事を働こうとするのは、
人類を裁くためという理由が大きい。
優れた科学力を持ちながら争いによって自滅していった三つ目族の末裔として、
同様に愚かなまま文明を発展させてしまった人類は、脳味噌を
トコロテンにすべきなのだ。
また、写楽を利用しようとしたり、絆創膏写楽をイジメた人々を始末していたりもするので、
多くの場合は自業自得と言っても良いのかもしれない。…CIAの巻き添え喰らった米国の件は弁護しづらいが
(彼の義父である犬持医師でさえ三つ目写楽に手助けをしてもらおうとして、写楽に「勝手だ」と断られている)。
しかし他人に対しての愛情が無いわけではない。
先祖からの遺言状を読んで涙を流し(本人は否定しているが、指摘されて明らかに動揺している)たり、
犬持医師が自分のせいで狙われると狼狽えたり、「近付いたら殺す」と言いながらも彼に絆創膏を貼られたり……。
自分の身近な人でも邪魔になったら排除するが、何だかんだで親身にしてくれる人に後遺症を残した事は無い
(例外は下宿してるラーメン屋の同僚だが、写楽をイジメ、和登さんにちょっかいを出すなど、善人とは言えなかった)。
加えて母親に対しての愛情・恋しさを持った少年であるという描写も多い。
写楽の母親は、病気にかかっていた幼い写楽を
医者に託した後、雷に打たれて死んでしまったのだが、
母親の着ていた服を大事にしていたり、和登さんに母親の面影や愛情を求めたり、
懲りずに何度も騒ぎを起こすのも子供が悪戯をするようなもの、という風に受け取れなくもない
(モアという大きな鳥と三つ目状態で友情を結び、その死を悼んだ事もあった)。
普段は絆創膏を剥がされそうになったり貼られそうになると激しく拒否するが、
時には自分から剥がそうとしたり、逆に貼られたがったりする描写があったりもする。
この事から三つ目の写楽も、絆創膏の写楽も、お互いの存在を感じている事が見て取れる。
三つ目の写楽の方が絆創膏の写楽より多少背が高く、三つ目の時には学ランをマントのように羽織り、
アニメでは学ランの色も、青から黒へと変化する演出で、人格の切り替えを描写している。
写楽も当然、三つ目人としての能力を全て持っている。
超能力を操り、その優秀な頭脳を駆使してガラクタから
魔法のような機械を作ったり、
難解な古代文字をすぐに解読出来たり、様々な作戦を組み立てる他、
画像でも手にしている槍、三つ目族の遺産である
赤いコンドルを従えている。
呪文を唱えて呼び出す事で移動手段に使ったり、強力な熱線を発射する兵器として運用したり、
或いは写楽が作った機械や、様々な三つ目の古代遺産のスイッチにも使われる。
尤もこれはアニメオリジナル色が強く、原作漫画ではこれをワープで呼び寄せる事は無く、
博物館等偶々近くにあった物を、物理的に呼び寄せると言う方法を使ったくらいであるが。
「アブドル・ダムラル・オムニス・ノムニス・ベル・エス・ホリマク
我とともに来たり 我とともに滅ぶべし!」
世界中の古代遺産を飛び回り、その隠された謎を解明していくオカルトチックなストーリーは、
その解釈が既存の学説ではなく
独自の解釈であった事に加えて、
当時
オカルトブーム真っ盛りであったため、爆発的な人気を獲得する事に成功。
新人漫画家の台頭により
「過去の人」扱いを受けていた手塚氏を『ブラックジャック』と共に返り咲かせた立役者的な作品なのである。
その能力と作中での描写から
悪の鉄腕アトムと称される事もあったりするが、
ヒロインである和登千代子を助けるために活躍したり、遺跡を悪用しようとする悪い奴を倒したり、
何だかんだ言ってヒーローらしい活躍もしているので、主人公としても相応しいキャラクターである。
特にアニメ版では、和登さんに頼まれると何だかんだ断れない、後のツンデレの系譜の脚色がされている。
まあスターシステムで他の作品に登場する際は、悪役になる事が多いのだけど。
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特に…… |
日テレ24時間テレビの番組内で放映された長編アニメ『海底超特急マリンエクスプレス』では、
物語後半、 突如太古のムー帝国にタイムスリップしたマリンエクスプレスの面々が遭遇する征服者「シャラク」として登場。
その正体は クリプトリプトン星からムー帝国にやって来た宇宙人で、その超科学と念力でムー帝国を足掛かりに世界征服を目論んでいた。
マリンエクスプレスを時を超えて手に入れようとしたのも、世界征服のための海中運搬システムとして欲したからであった
(物語前半の現代で、夢の超特急が死の商人の武器密輸計画に利用されようとしていたのと奇しくも同じ構図である)。
しかし、マリンエクスプレスが戦争に利用される事を拒否するナーゼンコップ博士の遺志を継いだ アンドロイド「アダム」が、
マリンエクスプレスごと自爆するのを阻止しようとして失敗。最後は諸共に爆炎の中に消えた。
「手塚御大がリテイクしまくったせいで制作が遅れ、放映時間中も必死に動画作業してた」なんて地獄のデスマーチ伝説も残る本作だが、
手塚作品のスターシステム全開で、子供を飽きさせず二時間テレビに釘付けに出来る程の急展開に次ぐ急展開は実際傑作である。
YouTubeの手塚プロ公式CHが夏休み等で定期的に無料公開しているので、気になった方は観てみよう。『大自然の魔獣バギ』もよろしく!
アトムゲーと見せかけた海底超特急マリンエクスプレスゲーもしくはスーパー手塚大戦である、
『ASTROBOY 鉄腕アトム アトムハートの秘密』でも、人間とロボットとの対立を煽り最終戦争を起こして世界を破滅させ、
その後支配しようとする 全ての元凶として登場。
悪逆非道を地で行く性格と行動で、原作の可愛げなど微塵も無い悪役ぶりを見せている(マリンエクスプレス出典と見れば原作再現だが)。
何度倒されてもムー大陸に眠る本体が無事なら復活し、魂だけで時空を超えるという超能力で最後の最後までアトムを苦しめた。
最終決戦で敗れた後も本体は無事であったため、ムー大陸にて再起を図るが、偶然そこに居合わせた和登さんによって……。
『魔神ガロン』の続編として永井豪氏が執筆した漫画『魔神王ガロン』では、アトムと複合モチーフの飛尾呆介が登場。 な…何を言ってるのか(ry
リングネーム 鉄輪奈亜夢人としてクリーンファイトで人気のプロレスラーだが、
宇宙から落下した魔神球によって第10魔神・三つ目に変身すると、普段ため込んでいる悪の心を解放して暴れ回る。
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ちなみに、
あるキャラ造形の元祖的存在と言われている。流石は手塚先生。
赤いコンドルのように呼ぶと物理的に飛んでくる槍も
後年の作品に出てくるし、
色以外丸っきり赤いコンドルなデザインの矛を持ったキャラや、
呪文だけ借りた作品など、パロディやオマージュは数多い。
和登千代子
「ボクは………キミの恋人だろ?」
『三つ目がとおる』のヒロインで、写楽のクラスメイトの女子中学生。通称「和登さん」。
運動神経抜群で、剣道や古武道を習っており、正義感も強く面倒見も良いため、色んな事に首を突っ込む。
その性格から苛められている写楽を助ける事もしばしばで、それ故に三つ目の写楽の引き起こす事件にも巻き込まれていく。
しかし何度も写楽に助けられてるうちに、次第に絆創膏の写楽、三つ目の写楽に恋愛感情を抱いていくように……。
お寺の娘さんなのだが、
住職であるお父さんからは男女交際を禁じられてたりするので、前途は多難。
どっちの写楽も、性格はちょっとアレだし
(絆創膏されてる間はほぼ幼児だし、してない時は「性格は大嫌いだがカラダは好み」と最低な発言をしているし……。
実際、他者の精神を乗っ取る敵が出て来た時に
「こいつ(和登)の体を乗っ取って俺の妻にならないか」と勧誘した事すらある)。
余談だが、和登さんは恐らくボクっ娘キャラの始祖であると言われている。
*1
流石は手塚先生。エロスにも定評がある
漫画の神
である。
なお、写楽と和登さんは同学年にも拘らず、親子と言っても問題ない位に身長差がある。
まあ漫画だから多少の誇張はあるのだろうけれど、写楽がチビで、和登さんがスレンダーな美少女だからだろう。
スターシステムで他作品に登場した際は実際に親子や姉弟という設定になった事もあった。学生なのに。
*2
また、二人の名前は名探偵シャーロック・ホームズとその相棒ワトソンをもじったもの。
ちなみに『
遊☆戯☆王』は本作に大きな影響を受けている。
(以上、Wikipediaより転載&加筆)
MUGENにおける写楽保介
maruhen氏による3Dレンダリングの写楽が存在していたが、現在は公開停止。
イントロでは和登さんとの掛け合いがある他、前述の赤いコンドルを振るっての接近戦が主体となる。
また3
ゲージ技として、赤いコンドルを用いて
レムリアの秘密兵器「ソドム」を起動。
画面全体に硫黄の炎を降り注がせるという大技を搭載している。
そこそこ強い
AIもデフォルトで搭載されており、Ver1.00ながらも十二分に実戦に耐え得るキャラクターである。
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必殺技解説 |
4つのレリーフがあり方向キーで変えると技が変わる。
レムリアの秘密兵器ソドムを起動。画面全体に硫黄の炎を降り注がせる。
通常防御不可だが、攻撃がワンパターンなのでうまく避けられれば相手はノーダメージ。
ただこの技の真の恐ろしさは、この技を放ってる最中は無敵という事にある。
そのためゲージ量の多い相方とのタッグやゲージMAX状態などで使うとずっと俺のターンになる。
怪植物ボルボックを召喚し相手の後方から当たり判定が出現する投げ属性の技。
ただし壁際で押されているときなどは、判定が届きづらくミスになりやすい。
相手にツボを投げ、当たれば準備完了。一定時間、プレイヤーが受けたダメージ+αを相手にも与える。
相手が攻撃行動中なら、行動終了まで待ちダメージを転換する。もちろん相手が何もしてこなかったり、
長時間無敵や特殊仕様の場合は意味無し。頭頂の低いキャラにはツボを当てづらい。
一定時間、サルが援護に加わる。攻撃は下段と中段の二種。
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かなり完成度が高く、また原作への愛が篭っているので、今後の更新に期待したい。
出場大会
更新停止中
削除済み
*1
実際にはマイナー作品だと(手塚以外も含めて)結構古くから多く存在し、
手塚作品の著名な物に限っても『リボンの騎士』の主人公・サファイアの方が圧倒的に登場が早い(1953年、『三つ目がとおる』は1974年)が、
彼女の場合は、
- 天使の悪戯で女性の体に男性・女性両方の心を持って生まれた
(ややこしいが二重人格ではない。また一つの人格の性自認が男・女両方なので一概に性同一性障害とも言えない)
- 後継ぎ問題(男しか王位を継げない)から王女ではなく王子として振舞う必要がある
等の理由で男装をしている。
女装(亜麻色の髪の乙女)時の一人称は「私」。
つまりサファイアの「ボク」は「王子(男)としての自分」を主張する時に用いられる
(そのためサファイアの女性としての一面が大きく取り上げられる物語後半になると「私」が増えてくる)。
それに対し純粋に女の子でありながら「ボク」を使う千代子の方が、ボクッ子の例に相応しいと言えるだろう。
ちなみに千代子はサファイアと違い、「ボク」でも
口調自体は基本女言葉を使うのでお忘れなく
(手塚御大はその辺分かっているらしく、1956年の『ひまわりさん』に出てくる「ピュー子」という女子はボクっ子なのは一貫しているが、
初期は男口調で好きな男子ができてから徐々に女口調に移行する、という芸の細かい描写がある)。
*2
例を挙げると、『ブラックジャック』では姉弟(写楽が患者)という設定で登場しており、アニメ版ではセミレギュラー化までしている。
アニメ『ASTROBOY 鉄腕アトム』に至っては親子扱いである。
和登さんの旦那は誰だよ!?
最終更新:2025年03月30日 06:16